災害対策と健康危機管理の研究手法に関するWHO初のガイダンス 日本語版完成のお知らせ
自然災害や感染症流行等をはじめとした健康危機においては、現場の救援ニーズへの対応を第一とする災害対応に重きがおかれ、未来の対策に向けた情報収集や研究活動をどのようにして行うかという方法論が定まっていないという課題があります。研究手法の標準化と改善は、本領域全体の研究の質と量を向上し、未来の対策をよりよいものにする基礎となりますが、そのためには世界全体の研究者の協働と連携、そして同意形成が欠かせません。
「災害・健康危機管理の研究手法に関するWHOガイダンス」は、緊急事態や災害の発生時・発生後に行う研究の計画、実施、報告に関する包括的な手引きとして、30カ国の160名を超える専門家が執筆、編集に参加しました。WHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)の茅野龍馬医官が全体のコーディネーターとして携わり、「防災先進国」である日本からも多くの専門家が執筆に協力しました。今回の日本語版作成にあたっては、日本国内から29名の専門家に監訳のご協力いただきました。
7章44節で構成される本ガイダンスでは、日本の災害対策の歴史と経験を世界の対策の参考にするべく、阪神淡路大震災や東日本大震災の経験からうまれた医療、看護、公衆衛生等の取り組みも事例として取り上げています。日本語版の完成を受けて、ガイダンスの内容を日本国内の研究教育機関や現場でも広く利用してもらえるよう、執筆に関わった国内の専門家や協力機関とともに引き続き普及活動を行なっていく予定です。
◆ WHO 健康開発総合研究センターについて
世界保健機関健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)は、ジュネーブにあるWHO本部の一部局として、国内外の学術・研究機関と連携してユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)や災害・健康危機管理に関するグローバルヘルス課題を解決するための研究に取り組んでいます。阪神淡路大震災の復興のシンボルとして兵庫県神戸市の協力で設立された経緯から、地元に根差した活動も行っています。
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