放射線治療AIで医療DXを支援する東北大発スタートアップ アイラト、山梨県が実施の第5期「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択! 前立腺癌に対する後ろ向き評価結果も公開!
〜 山梨県をフィールドに、AIを用いた肺癌への定位放射線治療(ピンポイント治療)の実証実験を行います。また、共同研究先から前立腺癌に対するAI自動計画の後ろ向き有効性検証結果も公開!
山梨県が実施の第5期「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に採択!
山梨県(知事:長崎幸太郎)が実施している、最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に伴走し、山梨県全域を対象にした実証実験を全面的にサポートする「第5期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」に当社が選定されました!
https://www.pref.yamanashi.jp/try_yamanashi/support/news6.html
提案企画「定位放射線治療(ピンポイント照射)用治療計画支援サービスの開発」
【TRY! YAMANASHI! 実証実験サポート事業とは】
近い将来、品川・名古屋間でリニア中央新幹線が開業し、山梨県には中間駅としてリニア駅が設置されます。これにより、本県は東京都心から25分、名古屋から45分で結ばれ、時間距離の劇的な短縮、飛躍的なアクセス向上が見込まれます。山梨県ではリニア開業を機に、本県が国内外の皆様の目的地として選ばれるため、令和2年3月に策定した「リニアやまなしビジョン」で目指す姿として、テストベッドを突破口に最先端技術で未来を創るオープンプラットフォーム山梨を掲げました。目指す姿の実現に向け、令和3年度より、最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に対し、山梨県全域において実施する社会実証プロジェクトを全面的にサポートする「TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業」を実施しています。
最先端技術やサービスを有するスタートアップ企業等に対し、補助率4分の3、最大750万円の経費の支援と、山梨県全域を実証実験のフィールドとして、産学官金連携のオール山梨体制で伴走支援する
■第5期TRY!YAMANASHI!実証実験サポート事業
・応募総数:42社
・採択企業:7社
・今後のスケジュール
2023年9月上旬~2023年2月下旬:実証実験プロジェクト実施
2024年3月:成果報告会
https://www.pref.yamanashi.jp/try_yamanashi/support.html
■ 提案概要
提案内容:放射線治療の中で最も難易度の高い肺癌の定位放射線治療AIモデルの開発および実用化検証を行い、成果的に利用される肺癌定位放射線治療計画AIのYAMANASHI modelの開発を目指す
実施場所:山梨県内
■アイラト株式会社 代表取締役 角谷倫之のコメント
今回、山梨県様にはこのような山梨県全域を実証実験のフィールドとしてご提供頂ける大型プロジェクトに採択して頂き感謝申し上げます。肺癌に対する定位放射線治療は、日本が世界をリードしてきた放射線治療法であり、この治療の世界的第一人者の一人であります山梨大学医学部の大西洋教授の研究室がある山梨県におきまして、この肺癌に対する定位放射線治療(ピンポイント照射)のAI放射線治療計画支援技術を社会実装できるというのは大変名誉なことであります。我々のビジョンでもあります”ひとりでも多くのがんを治し患者ではなく生活者として生きられる世界へ”の実現を目指し、山梨の地から世界に誇れる定位放射線治療用AIモデル(YAMANASHI model)を弊社一丸となって創り上げ、山梨県から全国・全世界に広めたいと思っております。
前立腺癌に対するAI自動放射線治療計画の後ろ向き評価結果を公開!
共同研究先である東北大学大学院医学系研究科放射線腫瘍学分野から、弊社のAI放射線治療計画支援ソフトウェアを用いた前立腺癌に対するAI自動放射線治療計画の後ろ向き性能評価について発表されたことをお知らせします。
https://academic.oup.com/jrr/advance-article/doi/10.1093/jrr/rrad058/7247501
論文概要
この研究は、前立腺がん患者を対象にAIベースの自動計画支援システム (AIVOT、プロトタイプ バージョン) を使用して生成されたAIベースの照射可能な強度変調回転放射線治療(VMAT) 計画の臨床的評価を目的としています。 東北大学病院で VMATで 治療(70-74 Gy/28-37 fr)を受けた前立腺がん患者 68 人の VMAT データ(cliDose)を使用しました(トレーニング用 n = 55、テスト用 n = 13)。 AI治療計画と従来の試行錯誤して計画された臨床計画を2種類の方法で評価しました:①標的及びリスク臓器へ線量、➁経験豊富な放射線腫瘍医による視覚評価による盲検計画スコア。
全患者における AI計画 と 臨床計画の間の標的の平均絶対線量差は 1.32 ± 1.35% で、リスク臓器の平均絶対線量差は 2.08 ± 2.79% となり、AI治療計画と臨床計画間の平均誤差は±3%以内でした。また、 膀胱および直腸への被ばく線量は、AI治療計画が臨床計画よりも低減できているという結果でした。
また、 AI計画 と 臨床計画 に対する放射線腫瘍医による盲検計画スコアは、それぞれ 4.54 ± 0.50 と 5.0 ± 0.0 でした (すべての計画のスコアは 4 点以上、P = 0.03 ※得点基準 3点 =臨床許容できるレベル)。この研究は、前立腺がんに対する DL ベースの成果物計画が臨床的に許容可能なレベルに達していることを実証しました。 この結果により、AIVOTソフトウェアが前立腺がん患者の治療において自動計画が可能である可能性が示されました。
Kadoya N, Kimura Y, Tozuka R, Tanaka S, Arai K, Katsuta Y, Shimizu H, Sugai Y, Yamamoto T, Umezawa R, Jingu K. Evaluation of deep learning-based deliverable VMAT plan generated by prototype software for automated planning for prostate cancer patients. J Radiat Res. 2023 Aug 22:rrad058. doi: 10.1093/jrr/rrad058.
■弊社情報
日本発の放射線治療AIスタートアップとして、医療現場に真に必要とされる放射線治療AI ” AIVOT(アイボット) ” の研究開発を進めています。AIVOTは、AIを用いて放射線治療の様々なプロセスを自動化し、高精度な予測技術を使った高品質な治療計画、合わせて安全性の確立と省力化を実現いたします。より安定的な医療提供体制の構築に寄与するととも、医療スタッフの負担を軽減することで、人件費削減や診療報酬の収益効果にも繋げていきます。
◆製品についての問い合わせ
こちらのお問い合わせフォームより、お気軽にお問合せください。
https://airato.jp/contact/
【アイラト株式会社 会社概要】
所在地: 〒980-8572 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉468-1
東北大学マテリアル・イノベーション・センター青葉山ガレージ内
創業者: 木村 祐利、角谷 倫之、海老名 亮
創業 : 2022年3月
URL : https://airato.jp/
Twitter: https://twitter.com/airato_inc
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