大熊ダイヤモンドデバイス、ダイヤモンド半導体工場建設に向け、PreAラウンドで約40億円を調達
自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金への採択と合わせて、世界初となるダイヤモンド半導体工場を、2024年度中に福島県大熊町にて建設開始予定
大熊ダイヤモンドデバイス株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役:星川尚久)は、PreAラウンドにてデット含め、約40億円の資金調達を行いました。本ラウンドは既存投資家であるグロービス・キャピタル・パートナーズがリードし、デットファイナンスはみずほ銀行が筆頭金融機関になります。創業後2年半での累計調達金額は、助成金も合わせると約67億円となりました。
さらに、弊社は経済産業省による「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金(製造・サービス業等立地支援事業)9次公募」にも採択されました。本補助金は、福島県の避難指示区域等を対象に、住民の自立・帰還や産業立地の促進等を図るために、工場等の新増設を行う企業に対して最大30億円を支援するものです。今回、応募件数27件のうち、弊社含めて12件が採択されました。
本調達および補助金採択を通じ、弊社は、世界初となるダイヤモンド半導体工場を建設します。建設予定地も福島第一原発に隣接する福島県大熊町に確保しており、2024年度中に工場建設を開始、2026年度には稼動を予定しており、ダイヤモンド半導体の商用化を目指します。
■大熊ダイヤモンドデバイスについて
ダイヤモンド半導体は、既存半導体に比べて高周波特性や大電力効率、放熱性等に大幅に優れ、次世代通信技術「6G」の実現に不可欠とも言われています。また、高放射線や高温/低温といった極度環境下でも正常に動作可能なデバイスとして、福島第一原子力発電所の廃炉計画に加え、他原発や宇宙開発への応用が期待されております。
弊社は、福島第一原発の事故を契機として、10年以上の研究開発に基づく製品化に向けた独自の知見と実績を蓄積しています。世界でも弊社だけが保有する製品化ノウハウを基に、福島第一原発がある福島県大熊町にてダイヤモンド半導体の量産化を実現し、廃炉計画への貢献だけでなく、次世代通信・宇宙市場など世界に向けた社会実装を加速させます。
弊社では、研究開発や事業開発、コーポレートなどの様々なポジションを採用募集しております。本記事についてのお問い合わせや、採用についてご興味ある方は、以下リンクよりご連絡ください。
https://ookuma-dd.com/contact/
■本調達の概要(順不同)
<第三者割当増資における引受先>
・ グロービス・キャピタル・パートナーズ(既存投資家)
・ Coral Capital(既存投資家)
・ グリーンコインベスト投資事業有限責任組合
・ 株式会社エースタート
・ ゆうちょ Spiral Regional Innovation 1号投資事業有限責任組合
・ 三井住友海上キャピタル株式会社
・ SMBCベンチャーキャピタル株式会社
・ 株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ
・ ほくほくキャピタル株式会社
・ 新生企業投資株式会社
<デットファイナンス(ベンチャーデット含む)の引受先>
・ みずほ銀行
・ 東邦銀行
・ 常陽銀行
・ あおぞら企業投資株式会社 他1社
経済産業省:自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金の採択結果について
https://www.meti.go.jp/information/publicoffer/saitaku/2024/s240920001.html
■投資家・金融機関からのコメント
Globis Capital Partners / 代表パートナー 今野 穣 氏 ║ プリンシパル 中村 達哉 氏
シードラウンドに引き続き、シリーズAにてリード投資させていただきました。研究開発型スタートアップは計画通りに事業を進めること自体が難しいと言われています。同社は極めて難度の高いテーマにも関わらず着実にマイルストンを達成し、今回量産化にチャレンジするところまで辿り着きました。これもひとえに国内外のR&D及び量産技術のトップタレントが集結したからこそ成せる業だと思っています。20年先の技術と言われていたダイヤモンド半導体の世界初の量産化、全力で応援していきます!
みずほ銀行 / 常務執行役員 桜木 伸生 氏
新工場による世界初のダイヤモンド半導体の量産化を後押しする機会を頂き、大変光栄に思います。「究極の半導体」とも呼ばれるダイヤモンド半導体は、廃炉計画での耐環境デバイスや次世代通信インフラでの高速通信デバイス実現に欠かせない技術であり、それらの製品化実現を成し遂げられるのは、同社の唯一無二の技術・知見だと着目し、融資を実行いたしました。みずほは、総合金融グループとしての知見やグローバルネットワークを活用し、今後とも同社の事業拡大に向けたサポートを行って参ります。
Coral Capital / パートナー 西村 賢 氏
シードラウンドに続いてシリーズAで追加投資させていただきました。人工ダイヤモンドを半導体素材として利用する研究で、日本は欧米に少なくとも数年は先んじています。理由の1つは粘り強く研究を続けた方々がいるからで、大熊ダイヤモンドデバイスは、その社会実装に向けて着実に進捗しています。量産フェーズに差し掛かり、ますますの発展を応援しています!
株式会社エースタート / 代表取締役CEO 渡邊 一正 氏 ║ パートナー 十一谷 学 氏
ダイヤモンド半導体は脱炭素社会の実現や省エネ化といった社会課題の解決、そして今後注目が集まる電気自動車や6G通信、宇宙産業などの幅広い産業への展開が大いに期待できる技術です。その実用化に向け、いよいよ次のステップへと進む同社とご一緒できる事を大変光栄に思います。国内でもトップレベルのダイヤモンドの研究開発・技術力を有する経営陣の皆様、そしてそのチームを卓越したリーダーシップと冷静な判断、圧倒的な実行力で牽引する星川代表にエースタートもコミットし、全力でご支援してまいります。
Spiral Innovation Partners* / プリンシパル 市川 恭邦 氏 ║ アソシエイト 水野 翔 氏
ダイヤモンド半導体は極めて優れた物性を備えた半導体のゲーム・チェンジャーであり、同半導体の活用による、衛星通信や次世代高速通信等におけるイノベーションの起爆剤としても期待されています。大熊ダイヤモンドデバイスは、世界に先駆けたダイヤモンド半導体の社会実装を目指し日々研究に取り組んでおり、2026年度中の稼働を目指した工場立上げの準備段階にも入っています。
日本発のこの壮大なチャレンジに挑み続ける、同社の更なる飛躍を応援しています。
三井住友海上キャピタル株式会社 / 投資部 髙木 俊吾 氏
この度は大熊ダイヤモンドデバイス様の、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けた取組みを応援させていただけることとなり、心より嬉しく思っております。ダイヤモンド半導体は「究極の半導体」として様々なアプリケーションでの活用が見込まれており、その実用化に世界で最も近づいている同社は、必ずや日本を代表するディープテック企業へ成長されるだろうと確信しております。当社も新たなゲームチェンジの一助となれるよう、全力でサポートさせていただきます。
SMBCベンチャーキャピタル株式会社 / 投資営業第二部 次長 上村 将大氏
ダイヤモンド半導体は究極の半導体として世界中で研究がなされており、次世代通信技術、宇宙研究開発、原発等への応用で社会実装が待たれている分野でもあります。その中で、世界で初めてとなるダイヤモンド半導体の社会実装を実現し、日本に新しい産業を創出しうると考えており、投資をさせていただきました。星川代表を始めとするメンバーの皆さんであれば、ダイヤモンド半導体を次の成長産業に社会実装することができると確信しております。
SMBCベンチャーキャピタルはSMBCグループの力を活用してさらなる事業成長をご支援してまいります。
株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ / 投資事業部 マネージャー 横溝 洋平 氏
この度、大熊ダイヤモンドデバイスが目指す「ダイヤモンド半導体の社会実装」に向けた挑戦に、ご一緒できることを大変嬉しく思っております。大熊ダイヤモンドデバイスが製造する革新的な半導体デバイスが、原発の廃炉実現と、宇宙・次世代通信などの成長産業の発展に貢献し、日本の半導体産業を牽引する存在へと飛躍されることを強く期待しております。近年、シリコンアイランド再興の機運が高まる九州で活動する金融グループとして、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)一体となって全力で支援してまいります。
ほくほくキャピタル株式会社 / 代表取締役 山口 新太郎 氏
ほくほくキャピタルは、投資業務、企業経営に関する総合コンサルティング業務等を展開しており、新事業、既存事業の革新を追求し、地域発展に向けて取り組んでおります。
デジタルインフラの革新において、同社が開発するダイヤモンド半導体は重要な役割を果たすと確信しております。同社が北海道発のスタートアップとして、将来、北海道から世界を代表する企業となることを期待し、ダイヤモンド半導体の社会実装に向けて、ほくほくフィナンシャルグループが一丸となって応援していきます。
新生企業投資株式会社 / シニアディレクター 大目 晃弘 氏
大熊ダイヤモンドデバイスが目指すダイヤモンド半導体の社会実装の実現に向けては、技術力はもちろんのこと、社会をよく理解し、変革していく人材が不可欠です。同社には技術力だけでなく、星川さんをはじめとする優秀な人材が集結しており、商用化に向けてバランスの取れた経営チームが構築できていることを高く評価させていただき、新規出資させていただくに至りました。同社のより一層の成長に貢献ができるよう全力で支援して参ります。
東邦銀行 / 取締役頭取 佐藤 稔 氏
福島第一原子力発電所の廃炉という困難な課題に対し、過酷環境でも動作するダイヤモンド半導体の供給を通じて貢献するという星川社長の強い思いに共感するとともに、今なお復興・創生の途上にある被災地域にて新たな産業構築を支援することは福島県を基盤とする当行の使命との思いから、このたび資金調達のお手伝いをさせていただきました。世界初となるダイヤモンド半導体製造工場が福島県大熊町に建設されることに、大きな期待を抱いております。貴社の優れた技術が福島の復興を支え、そして世界へと羽ばたけるようお手伝いしてまいります。
常陽銀行 / 常務執行役員 福島・宮城エリア本部長 秋山 謙 氏
高放射線や高温/低温の極度環境下でも正常に動作するダイヤモンド半導体デバイスの量産化事業へのご支援機会をいただき、大変光栄に存じます。同社事業は、福島第一原発の廃炉計画に加え、次世代通信や宇宙市場への応用も期待され、新たな産業の創出に大いに貢献することが見込まれています。今後の社会実装の実現にむけ、弊行は長期ビジョン「地域とともにあゆむ価値創造グループ」のもと、同社とともに地域における課題に寄り添い、ともにあゆみ解決することで新たな価値を創り続け地域社会の持続的成長に貢献したいと考えております。
あおぞら企業投資株式会社 / 代表取締役CEO 久保 彰史 氏
パワー半導体は日本が高い競争力を持っている分野であり、大熊ダイヤモンドデバイスは、その存在感を世界でより高められる可能性を秘めたスタートアップです。
目下のターゲットは、事故発生から10年以上経過した今でも処理がなかなか進んでいない東日本大震災で被害を受けた原発の廃炉処理。放射線に負けない同社のダイヤモンド半導体が、中性子の測定・継続的なモニタリングに威力を発揮し、原子力発電の安全性向上に貢献することを期待して止みません。そのために、あおぞら企業投資、あおぞら銀行グループとして最大限支援してまいります。
◼︎会社概要
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社名 :大熊ダイヤモンドデバイス株式会社
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代表者:代表取締役 星川 尚久
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設立 :2022年3月1日
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所在地:北海道札幌市北区北21条西12丁目2北大ビジネススプリング
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