むつ小川原洋上風況観測試験サイト、青森県六ヶ所村むつ小川原港に海象観測ブイ設置で地域安全向上を支援
むつ小川原港周辺の安全強化と地域貢献を目指し、準リアルタイムで海象データを公開
一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター(代表理事:小林 英一、以下、「MOC」)と、国立大学法人神戸大学(以下「神戸大学」)が共同運営する、むつ小川原洋上風況観測試験サイト(以下、「試験サイト」)は、青森県六ヶ所村むつ小川原港周辺海域に海象観測ブイを設置し、7月より準リアルタイムで海象データを公開しました。当試験サイトでは、風況観測に利用するリモートセンシング機器の精度検証を行うための設備を風力事業関係者・研究開発プロジェクト・地元関係者などに開放し、公的な試験サイトとしてデータ提供を行ってきました。海象情報は学術研究以外にも、港湾の安全確保に重要な役割を果たしています。海象データの公開を行うことで、試験サイトでの研究開発においての活用に加え、地域の安全性向上と作業効率の支援を目指します。
準リアルタイムデータ公開はこちら:https://mo-testsite.com/real-time/

海象観測ブイ設置に至る背景
当試験サイトにおいて、洋上での風況観測機器の精度検証を行う上で海象情報は重要なデータの一つです。また、港湾内での海上工事を行う事業者や、漁業関係者にとっても、波高などの海象データは安全上の観点から欠かせない情報です。今回の新たに設置する海象観測ブイによるデータの公開により、試験サイト関係者のみならず、地域の産業活動や安全対策にも資する情報提供が可能になると考えています。

本取り組みについて
海象観測ブイ設置概要
■設置場所:青森県上北郡六ヶ所村むつ小川原港内(水深約29mの海域)
■観測機器の技術仕様(カタログから抜粋)
・メーカー:Sofar Ocean Technologies,Inc.
・寸法:W420×H310mm
・重量:7.45kg(バラストウェイト含む)
■主な観測項目:
・波浪(波向・波高※・周期)
・表層水温
・気圧
※ 波高の測定精度:±2㎝(視程、天候、GPSシステム配置による)


準リアルタイムデータ公開概要
設置した海象観測ブイによる観測データは、上記の準リアルタイムデータおよび過去1週間分の時系列データは、下記のWEBサイトで公開いたします。データセットとしての提供をご希望の方には有償で提供する予定です。学術研究等へのご利用も可能ですので、ご関心のある方はぜひお問い合わせください。
WEB:https://mo-testsite.com/real-time/
(神戸大学/MOC/NEDO むつ小川原洋上風況観測試験サイトウェブサイト)

今後の展望・コメント
MOC代表理事 / 国立大学法人神戸大学 海事科学研究科名誉教授 小林 英一
水産業、海上輸送、マリンレジャー、さらには海域調査・工事といった多様な分野において、関連海域の海象を正確に把握することは、安全かつ効率的な作業遂行のために極めて重要です。海象の把握には、①事前の予測 と ②作業当日の状況確認 の二つの観点があり、これらを支えるには継続的かつ質の高い海象データの蓄積が不可欠です。特に、近傍海域での良質な観測データが蓄積されることで、シミュレーションによる予測の精度は大きく向上します。また、最新の観測データと組み合わせることで、作業対象海域においてもより精度の高い予測が可能となります。今回の海象観測ブイの設置は、こうした予測技術の高度化に資するものであり、非常に意義深く、大いに期待しています。
MOC理事/北日本海事興業株式会社 川本 和宏
海象データは、海洋工事を安全かつ確実に進めるうえで不可欠な情報です。当社では、各種の海象予報を参考に施工計画を立て、当日の海象を最終的に確認したうえで作業に着手しています。今回設置された海象観測ブイは、波高や波向といったリアルタイムの情報を取得できる点で、安全施工にも大いに寄与するものです。また、他の地元企業にとっても非常に有用なデータになると考えており、地域全体で広く活用されていくことを期待しています。
むつ小川原洋上風況観測試験サイト 概要
むつ小川原洋上風況観測試験サイトは、青森県むつ小川原港内に整備された、リモートセンシング機器の精度検証が可能な国内初の洋上風況観測施設です。2024年4月より、神戸大学と一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター(MOC)の共同運営体制のもと、本格的な運用を開始しました。現在は観測設備の一般利用者への開放と、風況・気象・海象データの提供を通じて、風力発電事業者や観測事業者、研究者、教育機関、地域関係者などが幅広く利用できる公的な試験サイトの構築を目指しています。
公式HP: https://mo-testsite.com/
【主な事業】
1.風況観測機器の精度検証
ドップラーライダーなど、風力発電向けの風況観測機器の精度検証に利用可能。精度検証レポートの発行も可能。
2.研究開発・教育利用
風況・気象・海象・環境・生態系などの分野における研究開発プラットフォームとして機能し、神戸大学との共同研究や学生向け教育機会も提供。
3. 地域貢献
観測データを活用した海域利用支援や、青森県内の学術機関との連携による教育活用など、地域との協働を重視。

企業概要
法人名:非営利型一般社団法人むつ小川原海洋気象観測センター(英名: Mutsu-Ogawara Metocean Observation Center ; MOC)
本社住所:〒111-0053 東京都台東区浅草橋5丁目2-3 鈴和ビル パズル浅草橋
設立:2024年3月
代表理事:小林 英一
理事:林 泰一、本田 明弘、小長谷 瑞木、辻󠄀本 浩史、川本 和宏
監事:飯塚 文彦
構成社員(法人):レラテック株式会社、一般財団法人日本気象協会、北日本海事興業株式会社、株式会社神戸大学イノベーション
主な事業:国立大学法人神戸大学との連携のもと、「むつ小川原洋上風況観測試験サイト」の管理・運営を実施
HP:https://moc.or.jp/ (MOC)、https://mo-testsite.com/(試験サイト)
問い合わせ先
MOCへのご相談、ご依頼、ご取材依頼については以下のメールアドレスにお問合せください。
press[*]moc.or.jp
※上記アドレスの[*]を@に変えて使用してください。
むつ小川原洋上風況観測試験サイトのご利用についてはこちらのページよりお問い合わせください。
https://mo-testsite.com/contact/
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