第 1 回 日本人の環境危機意識調査 コロナ流行後、環境問題に前向きな意識や行動 約4割
危機的な問題1位は「気候変動」、豪雨災害や気温上昇など“気候危機”を懸念環境先進国1位は「日本」、ごみ分別やレジ袋有料化などが影響
公益財団法人旭硝子財団(理事長 島村琢哉、所在地 東京都千代田区)は、全国各地10~60代の男女1,092名(Z世代:18~24歳519名、大人世代:25~69歳573名)に対し、環境問題への危機意識および行動について把握するため、「第1回日本人の環境危機意識調査」を行いました。本調査は、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科蟹江憲史(かにえのりちか)教授監修のもと、インターネットにて実施しました。
調査では、今年7月のレジ袋有料化後に約6割がマイバッグを持ち歩くようになり、新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)の流行後には、環境問題への意識や行動において約4割に前向きな変化が見られました。日本国内の危機的な環境問題は、1位「気候変動」、2位「環境汚染」、3位「社会、経済と環境、政策、施策」となり、近年の豪雨災害や気温上昇などの異常気象および“気候危機”への懸念が明らかになりました。また、環境問題の意識や行動が進んでいると思う国として、1位日本、2位スウェーデン、3位オーストラリアと、自国の環境への取り組みに対して前向きなイメージを持っていることがわかりました。主な調査結果は以下のとおりです。
◆7月のレジ袋有料化後「マイバッグを持ち歩くようになった」約6割。マイバッグ持参以外にも、「レジ袋無料の店舗でも断る」「ごみを分別」「マイボトル持参」など意識や行動が高まった。
◆日本国内の環境問題で危機的だと思うのは、1位「気候変動」、2位「環境汚染」、3位「社会、経済と
環境、政策、施策」。1位の主な理由は、豪雨災害や気温上昇など異常気象を実感するから。
◆環境問題の意識や行動が進んでいると思う国は、1位「日本」、2位「スウェーデン」、3位「オーストラリア」。1位の主な理由は、「ごみの分別ができている」「レジ袋が有料になった」など。
◆環境危機意識を時刻(0:01~12:00の範囲)に例えると、「6時40分」で「かなり不安」を感じている。世代別では、Z世代「6時20分」、大人世代「7時00分」と大人世代の方がより不安を感じている。日本の有識者の回答「9時46分」の「極めて不安」とは3時間程度の差はあるが、いずれも危機意識は高い。
※本リリースは環境記者クラブ、環境記者会、重工記者クラブに同時配布しております。財団 ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)でも ご覧いただけます。
<調査概要>
・調査目的 :日本国内の一般生活者の環境問題に対する意識や行動の実態を把握する
・調査対象 :1,092名(18~24歳男女519名、25~69歳男女573名
・調査地域 :全国
・調査方法 :インターネットリサーチ
・調査時期 :2020年8月1日(土)~8月2日(日)
・有効回答数:1,092サンプル
・調査主体 :公益財団法人 旭硝子財団
<調査詳細>
◆7月のレジ袋有料化後「マイバッグを持ち歩くようになった」約6割。マイバッグ持参以外にも、
「レジ袋無料の店舗でも断る」「ごみを分別」「マイボトル持参」など意識や行動が高まった。
Q1. 2020年7月1日より、すべての小売店(スーパー・コンビニなど)において、プラスチックごみ削減のためレジ袋が有料になりました。有料化する前と比較して、あなたの生活における環境問題への意識や行動について変化はありましたか?(複数回答)
• レジ袋有料化による環境問題への意識や行動の変化で、何かしらの「変化があった」(74.3%)、特に「変化がなかった」(25.7%)となり、「変化があった」の回答が多数となりました。
• ただし、「変化がなかった」の回答の中でも「以前から環境問題への意識を持ち行動している」(12.0%)との回答もあり、レジ袋有料化前から行動している層が約1割見られました。
• 「変化があった」の回答のうち、最も多かったのは「マイバッグを持ち歩くようになった」(60.7%)で、全体の約6割となりました。また、マイバッグ以外にも「レジ袋の非有料化店でも、レジ袋を辞退するようになった」(23.4%)、「ごみの分別を意識するようになった」(13.9%)、「マイボトルを持ち歩くようになった」(12.7%)などほかの行動についても変化が見られました。
◆新型コロナ流行後「環境問題への意識や行動に前向きな変化」約4割。食品ロス削減や省エネ
など、生活全般で意識や行動が高まった。一方、自粛生活により家庭ごみや電力量は増加傾向に。
Q2. 2020年1月以降から現在に至るまで、新型コロナはわたしたちの日常生活や自然環境に大きく影響を及ぼしています。新型コロナ流行以前の生活と比較して、あなたの生活における環境問題への意識や行動について変化はありましたか?(複数回答)
• 新型コロナ流行後の環境問題への意識や行動の変化で、何かしらの「変化があった」(62.0%)、特に「変化がなかった」(38.0%)となり、「変化があった」の回答が多数となりました。
• 「変化があった」の回答のうち、「食品ロスが出ないように気を付けるようになった」(14.3%)、「省エネに気を付けるようになった」(13.5%)など、何かしら環境問題の解決に向けての前向きな意識や行動の変化があったのは、全体の約4割(43.0%)となりました。最も多かったのは「家庭ごみの量が増えた」(22.2%)、「使用する電力量が増えた」(22.1%)で、新型コロナにより自宅で過ごす時間が増えた影響によるものと推測されます。
環境、政策、施策」。1位の主な理由は、豪雨災害や気温上昇など異常気象を実感するから。
Q3.あなたが日本国内における環境問題を考える上で、以下の表より危機的な状態にあると考える項目を
3つ選んで、1位~3位の順位付けをしてください。また、その理由を具体的に記載ください。
※項目は、旭硝子財団が実施している日本の環境問題に携わる有識者を対象とした「環境危機時計®」
の調査と同内容のものを使用しています
• 日本国内における環境問題において、危機的な状態にあると考える項目として最も多かったのは、「気候変動」(46.6%)、次いで「環境汚染」(13.6%)、「社会、経済と環境、政策、施策」(11.9%)の順となりました。
• 「気候変動」の理由として、「ここ数年の豪雨災害」「35度以上など異常な気温上昇」「温暖化が年々進行している」など、気候の変化を肌で感じている回答が多く見られました。また「梅雨が長い」「夏なのに寒い」など、今年の記録的な梅雨の長さにも影響を受けている傾向にありました。
• 「環境汚染」の理由として、「ごみのポイ捨て」「海のプラスチック汚染」などが多く、レジ袋有料化により、プラスチックごみに関連した問題に影響されていると推測されます。
• 「社会、経済と環境、政策、施策」の理由として、「新型コロナによる経済低迷」「新型コロナに対する政策」などに危機感を抱く回答が多く寄せられました。
◆環境問題の意識や行動が進んでいると思う国は、1位「日本」、2位「スウェーデン」、3位「オーストラリア」。1位の主な理由は、「ごみの分別ができている」「レジ袋が有料になった」など。
Q4.環境問題への取り組みについて、国民の意識や行動において進んでいるイメージがある国を、国の
リスト※より3つ挙げて、1位~3位の順位付けをしてください。また、その理由を具体的に記載ください。
※国のリストは、国連が定める持続可能な開発目標の達成度を国別にランキングにした「2020年版SDGsインデックス&ダッシュボード」上位50位を抜粋。
• 環境問題について国民の意識や行動が進んでいると思う国は、全体で1位日本、2位スウェーデン、3位オーストラリアと、自国に対して意識や行動が最も進んでいるイメージを持っていることがわかりました。
• 1位に日本を選んだ理由として、「ごみの分別ができている」「レジ袋が有料になった」などの回答が多く見られました。
• Z世代では、全体での順位と同等でしたが、大人世代では1位スウェーデン、2位日本、3位ドイツと、
「北欧=環境先進国」あるいは「ドイツ=環境先進国」のイメージを持っている傾向があるためか、世代でのちがいが見られました。
◆環境危機意識を時刻(0:01~12:00の範囲)に例えると、「6時40分」で「かなり不安」を感じている。
世代別では、Z世代「6時20分」、大人世代「7時00分」と大人世代の方がより不安を感じている。
日本の有識者の回答「9時46分」の「極めて不安」とは3時間程度の差はあるが、いずれも危機意識は高い。
Q5.以下の図は、環境問題の意識を時計の針に例えた「環境危機時計®」とよばれるものです。あなたの日本国内における環境問題への危機意識を時計の針に例えて0:01 ~ 12:00の範囲で○○時○○分と答えてください。(※時刻は便宜上、10分単位で記入)
• 環境問題への危機意識を時刻に例えると、全体として平均で「6時40分」となり、「かなり不安」という結果になりました。世代別では、Z世代は「6時20分」、大人世代は「7時00分」で大人世代の方がより危機を感じているものの、いずれも「かなり不安」という結果でした。
• 旭硝子財団が実施している環境問題に携わる日本の有識者を対象とした「環境危機時計®」(※1)と比較すると、日本の有識者(※2)は「9時46分」で「極めて不安」と回答しており、一般生活者との意識には、3時間程度の差があることがわかりました。
• Q4の回答にもみられるように、近年の豪雨災害や異常な気温上昇などにより、一般生活者も環境問題に関して不安な気持ちを抱えていると推測されます。
※1 旭硝子財団が1992 年より実施している「地球環境問題と⼈類の存続に関するアンケート」の調査を元に地球環境悪化に伴う危機感を時計の針で表示したもの
※2 日本の政府・⾃治体、NGO/NPO、⼤学・研究機関、企業、マス・メディア等で環境問題に携わる有識者
(旭硝⼦財団保有データベースに基づく)
<本調査に対する監修者の見解>
新型コロナとその対策の影響が残る中行われた今回の調査結果は、持続可能な社会への関心の高まりを浮き彫りにするものとなりました。また、関心の高まりと行動変容のためには、政策の役割も決して小さくないことも、明らかとなりました。
新型コロナの流行は、我々の住む社会がいかに「持続不可能」なものであったかを認識させるものでした。同時に、一人一人の行動を変えることが、社会全体の動きを変えることにつながっていくことも、認識させてくれました。マスクや手洗いを一人一人が行うことで、社会としての新型コロナ対策へとつながっていくわけです。
こうした経験に加え、自宅で過ごす時間が増えたことは、自宅で生み出されるごみの多さや、包装紙やプラスチックの多さにも目を向けるきっかけを与えることにもつながったように思います。普段はあまり意識することのない日常的な環境問題への意識の高まりは、次の行動を変えることにもつながっていくと思います。現段階では増加傾向にある家庭ごみを今後減らしていったり、電力消費が気候変動につながらないようにするためにはどのように行動すればいいのか。今回の調査結果は、環境意識を「次の行動変容」の段階へと高めることの重要性にも気づかせてくれました。
今年7月にはレジ袋が有料化されました。また、昨年10月には食品ロスの削減を推進する法律も施行されました。こうした政策の動向が、生活全般での意識や行動変化に影響を及ぼしたとも考えられます。気候変動や環境汚染といった問題をはじめ、環境危機意識が高まっていることは、環境危機時計の針にも表れていると思います。この針がこれ以上進むことのないように、政策も進めて行く必要があります。
今回の調査では、日本は環境に対する取り組みが進んでいる国だという印象が強いことが示されましたが、一方、「2020年版SDGsインデックス&ダッシュボード」における日本の評価は17位にとどまっています。他の国と比べれば、まだまだ改善の余地があるということなので、現状に満足せずに進むことが重要です。
危機的だという意識の中に「社会、経済と環境、政策、施策」が入っていることは、環境問題解決と政治経済を一体化する必要性を示しています。つまり、これから本当の意味での「持続可能な社会」づくりが始まることを示唆しています。新型コロナ危機を糧に、新たな社会へ向けて進んでいく時期に差し掛かったように思います。
蟹江 憲史 (かにえ のりちか)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ代表
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)非常勤教授
北九州市立大学助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授を経て現職。欧州委員会Marie Curie Incoming International Fellow及びパリ政治学院客員教授などを歴任。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。国連におけるSDGs策定に、構想段階から参画。SDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。日本政府SDGs推進本部円卓会議構成員、内閣府地方創生推進事務局自治体SDGs推進評価・調査検討会委員などを務める。SDGs(持続可能な開発目標)」中公新書
(2020年8月刊行)。博士(政策・メディア)。
◆7月のレジ袋有料化後「マイバッグを持ち歩くようになった」約6割。マイバッグ持参以外にも、「レジ袋無料の店舗でも断る」「ごみを分別」「マイボトル持参」など意識や行動が高まった。
◆新型コロナ流行後「環境問題への意識や行動に前向きな変化」約4割。食品ロス削減や省エネ
◆日本国内の環境問題で危機的だと思うのは、1位「気候変動」、2位「環境汚染」、3位「社会、経済と
環境、政策、施策」。1位の主な理由は、豪雨災害や気温上昇など異常気象を実感するから。
◆環境問題の意識や行動が進んでいると思う国は、1位「日本」、2位「スウェーデン」、3位「オーストラリア」。1位の主な理由は、「ごみの分別ができている」「レジ袋が有料になった」など。
◆環境危機意識を時刻(0:01~12:00の範囲)に例えると、「6時40分」で「かなり不安」を感じている。世代別では、Z世代「6時20分」、大人世代「7時00分」と大人世代の方がより不安を感じている。日本の有識者の回答「9時46分」の「極めて不安」とは3時間程度の差はあるが、いずれも危機意識は高い。
※本リリースは環境記者クラブ、環境記者会、重工記者クラブに同時配布しております。財団 ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)でも ご覧いただけます。
<調査概要>
・調査目的 :日本国内の一般生活者の環境問題に対する意識や行動の実態を把握する
・調査対象 :1,092名(18~24歳男女519名、25~69歳男女573名
・調査地域 :全国
・調査方法 :インターネットリサーチ
・調査時期 :2020年8月1日(土)~8月2日(日)
・有効回答数:1,092サンプル
・調査主体 :公益財団法人 旭硝子財団
<調査詳細>
◆7月のレジ袋有料化後「マイバッグを持ち歩くようになった」約6割。マイバッグ持参以外にも、
「レジ袋無料の店舗でも断る」「ごみを分別」「マイボトル持参」など意識や行動が高まった。
Q1. 2020年7月1日より、すべての小売店(スーパー・コンビニなど)において、プラスチックごみ削減のためレジ袋が有料になりました。有料化する前と比較して、あなたの生活における環境問題への意識や行動について変化はありましたか?(複数回答)
• レジ袋有料化による環境問題への意識や行動の変化で、何かしらの「変化があった」(74.3%)、特に「変化がなかった」(25.7%)となり、「変化があった」の回答が多数となりました。
• ただし、「変化がなかった」の回答の中でも「以前から環境問題への意識を持ち行動している」(12.0%)との回答もあり、レジ袋有料化前から行動している層が約1割見られました。
• 「変化があった」の回答のうち、最も多かったのは「マイバッグを持ち歩くようになった」(60.7%)で、全体の約6割となりました。また、マイバッグ以外にも「レジ袋の非有料化店でも、レジ袋を辞退するようになった」(23.4%)、「ごみの分別を意識するようになった」(13.9%)、「マイボトルを持ち歩くようになった」(12.7%)などほかの行動についても変化が見られました。
◆新型コロナ流行後「環境問題への意識や行動に前向きな変化」約4割。食品ロス削減や省エネ
など、生活全般で意識や行動が高まった。一方、自粛生活により家庭ごみや電力量は増加傾向に。
Q2. 2020年1月以降から現在に至るまで、新型コロナはわたしたちの日常生活や自然環境に大きく影響を及ぼしています。新型コロナ流行以前の生活と比較して、あなたの生活における環境問題への意識や行動について変化はありましたか?(複数回答)
• 新型コロナ流行後の環境問題への意識や行動の変化で、何かしらの「変化があった」(62.0%)、特に「変化がなかった」(38.0%)となり、「変化があった」の回答が多数となりました。
• 「変化があった」の回答のうち、「食品ロスが出ないように気を付けるようになった」(14.3%)、「省エネに気を付けるようになった」(13.5%)など、何かしら環境問題の解決に向けての前向きな意識や行動の変化があったのは、全体の約4割(43.0%)となりました。最も多かったのは「家庭ごみの量が増えた」(22.2%)、「使用する電力量が増えた」(22.1%)で、新型コロナにより自宅で過ごす時間が増えた影響によるものと推測されます。
◆日本国内の環境問題で危機的だと思うのは、1位「気候変動」、2位「環境汚染」、3位「社会、経済と
環境、政策、施策」。1位の主な理由は、豪雨災害や気温上昇など異常気象を実感するから。
Q3.あなたが日本国内における環境問題を考える上で、以下の表より危機的な状態にあると考える項目を
3つ選んで、1位~3位の順位付けをしてください。また、その理由を具体的に記載ください。
※項目は、旭硝子財団が実施している日本の環境問題に携わる有識者を対象とした「環境危機時計®」
の調査と同内容のものを使用しています
• 日本国内における環境問題において、危機的な状態にあると考える項目として最も多かったのは、「気候変動」(46.6%)、次いで「環境汚染」(13.6%)、「社会、経済と環境、政策、施策」(11.9%)の順となりました。
• 「気候変動」の理由として、「ここ数年の豪雨災害」「35度以上など異常な気温上昇」「温暖化が年々進行している」など、気候の変化を肌で感じている回答が多く見られました。また「梅雨が長い」「夏なのに寒い」など、今年の記録的な梅雨の長さにも影響を受けている傾向にありました。
• 「環境汚染」の理由として、「ごみのポイ捨て」「海のプラスチック汚染」などが多く、レジ袋有料化により、プラスチックごみに関連した問題に影響されていると推測されます。
• 「社会、経済と環境、政策、施策」の理由として、「新型コロナによる経済低迷」「新型コロナに対する政策」などに危機感を抱く回答が多く寄せられました。
※1位の回答のみを集計(2~3位を必須回答としなかったため)
◆環境問題の意識や行動が進んでいると思う国は、1位「日本」、2位「スウェーデン」、3位「オーストラリア」。1位の主な理由は、「ごみの分別ができている」「レジ袋が有料になった」など。
Q4.環境問題への取り組みについて、国民の意識や行動において進んでいるイメージがある国を、国の
リスト※より3つ挙げて、1位~3位の順位付けをしてください。また、その理由を具体的に記載ください。
※国のリストは、国連が定める持続可能な開発目標の達成度を国別にランキングにした「2020年版SDGsインデックス&ダッシュボード」上位50位を抜粋。
• 環境問題について国民の意識や行動が進んでいると思う国は、全体で1位日本、2位スウェーデン、3位オーストラリアと、自国に対して意識や行動が最も進んでいるイメージを持っていることがわかりました。
• 1位に日本を選んだ理由として、「ごみの分別ができている」「レジ袋が有料になった」などの回答が多く見られました。
• Z世代では、全体での順位と同等でしたが、大人世代では1位スウェーデン、2位日本、3位ドイツと、
「北欧=環境先進国」あるいは「ドイツ=環境先進国」のイメージを持っている傾向があるためか、世代でのちがいが見られました。
※1位の回答のみを集計(2~3位を必須回答としなかったため)
◆環境危機意識を時刻(0:01~12:00の範囲)に例えると、「6時40分」で「かなり不安」を感じている。
世代別では、Z世代「6時20分」、大人世代「7時00分」と大人世代の方がより不安を感じている。
日本の有識者の回答「9時46分」の「極めて不安」とは3時間程度の差はあるが、いずれも危機意識は高い。
Q5.以下の図は、環境問題の意識を時計の針に例えた「環境危機時計®」とよばれるものです。あなたの日本国内における環境問題への危機意識を時計の針に例えて0:01 ~ 12:00の範囲で○○時○○分と答えてください。(※時刻は便宜上、10分単位で記入)
• 環境問題への危機意識を時刻に例えると、全体として平均で「6時40分」となり、「かなり不安」という結果になりました。世代別では、Z世代は「6時20分」、大人世代は「7時00分」で大人世代の方がより危機を感じているものの、いずれも「かなり不安」という結果でした。
• 旭硝子財団が実施している環境問題に携わる日本の有識者を対象とした「環境危機時計®」(※1)と比較すると、日本の有識者(※2)は「9時46分」で「極めて不安」と回答しており、一般生活者との意識には、3時間程度の差があることがわかりました。
• Q4の回答にもみられるように、近年の豪雨災害や異常な気温上昇などにより、一般生活者も環境問題に関して不安な気持ちを抱えていると推測されます。
※1 旭硝子財団が1992 年より実施している「地球環境問題と⼈類の存続に関するアンケート」の調査を元に地球環境悪化に伴う危機感を時計の針で表示したもの
※2 日本の政府・⾃治体、NGO/NPO、⼤学・研究機関、企業、マス・メディア等で環境問題に携わる有識者
(旭硝⼦財団保有データベースに基づく)
<本調査に対する監修者の見解>
新型コロナとその対策の影響が残る中行われた今回の調査結果は、持続可能な社会への関心の高まりを浮き彫りにするものとなりました。また、関心の高まりと行動変容のためには、政策の役割も決して小さくないことも、明らかとなりました。
新型コロナの流行は、我々の住む社会がいかに「持続不可能」なものであったかを認識させるものでした。同時に、一人一人の行動を変えることが、社会全体の動きを変えることにつながっていくことも、認識させてくれました。マスクや手洗いを一人一人が行うことで、社会としての新型コロナ対策へとつながっていくわけです。
こうした経験に加え、自宅で過ごす時間が増えたことは、自宅で生み出されるごみの多さや、包装紙やプラスチックの多さにも目を向けるきっかけを与えることにもつながったように思います。普段はあまり意識することのない日常的な環境問題への意識の高まりは、次の行動を変えることにもつながっていくと思います。現段階では増加傾向にある家庭ごみを今後減らしていったり、電力消費が気候変動につながらないようにするためにはどのように行動すればいいのか。今回の調査結果は、環境意識を「次の行動変容」の段階へと高めることの重要性にも気づかせてくれました。
今年7月にはレジ袋が有料化されました。また、昨年10月には食品ロスの削減を推進する法律も施行されました。こうした政策の動向が、生活全般での意識や行動変化に影響を及ぼしたとも考えられます。気候変動や環境汚染といった問題をはじめ、環境危機意識が高まっていることは、環境危機時計の針にも表れていると思います。この針がこれ以上進むことのないように、政策も進めて行く必要があります。
今回の調査では、日本は環境に対する取り組みが進んでいる国だという印象が強いことが示されましたが、一方、「2020年版SDGsインデックス&ダッシュボード」における日本の評価は17位にとどまっています。他の国と比べれば、まだまだ改善の余地があるということなので、現状に満足せずに進むことが重要です。
危機的だという意識の中に「社会、経済と環境、政策、施策」が入っていることは、環境問題解決と政治経済を一体化する必要性を示しています。つまり、これから本当の意味での「持続可能な社会」づくりが始まることを示唆しています。新型コロナ危機を糧に、新たな社会へ向けて進んでいく時期に差し掛かったように思います。
<監修者プロフィール>
蟹江 憲史 (かにえ のりちか)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ代表
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)非常勤教授
北九州市立大学助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授を経て現職。欧州委員会Marie Curie Incoming International Fellow及びパリ政治学院客員教授などを歴任。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。国連におけるSDGs策定に、構想段階から参画。SDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。日本政府SDGs推進本部円卓会議構成員、内閣府地方創生推進事務局自治体SDGs推進評価・調査検討会委員などを務める。SDGs(持続可能な開発目標)」中公新書
(2020年8月刊行)。博士(政策・メディア)。
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