2020年6月欧州新車販売台数速報
欧州での電動車人気は6月も続く
自動車産業の世界的な調査会社であるJATO Japan Limitedは、欧州の自動車市場についての最新レポートを公開した。
[本リリースは、2020年7月28日にJATO Dynamics Limitedが発表したプレスリリースを邦訳したものです]
● 6月に販売された電動車1台につき、ディーゼル車の割合は1.7台となった
● SUVのマーケットシェアは40%へ拡大
● モデル別販売で、ルノーグループが販売上位5位に3車種を送り出した
欧州新車市場では、6月も不確実性が拡大を続けている。JATO Dynamicsのデータによれば、2020年6月の欧州新車販売台数は113万台となり、2019年6月の149万台から24%減となった。昨年と比べれば大きな減少だが、2020年3月に新型コロナウイルスが欧州に到達して以来、月次台数としては最高の記録となっている。
JATOグローバルアナリストのFelipe Munozは「今のところは、まだ感染拡大が欧州で続いているため、市場の回復についてはっきりと述べることができない。しかしながら、消費者は少しずつではあるが、販売回復のために行われているキャンペーンやインセンティブに反応し始めている」と述べた。同様に、2020年上半期の結果は、感染拡大による混乱を反映しており、前年同期比39%減となる509万台となっている。
電動車の販売好調は続く
世界的な感染拡大は、欧州でのピュアEV(BEV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の販売を促進し、結果としてディーゼル車とガソリン車の販売台数は減少傾向にある。6月もこの傾向は同じで、ディーゼル車とガソリン車は前年同月比で、それぞれ31%、32%減少した。反対に、電動車は2019年6月の111,300台から65%増となる183,300台であった。別の見方をすれば、電動車のマーケットシェアは16.2%となり、ディーゼル車の占める割合まであと8%ポイントのところまで拡大している。2019年6月時点では電動車1台あたりディーゼル車4.1台の比率だったのが、当月は電動車1台に対し、ディーゼル車1.7台となっているのだ。
Munozは「消費者信頼感と雇用に陰りが出ているにもかかわらず、電動車を取り巻く環境はこれまで見たことのないほど機会に恵まれているように見える。価格にも、値引きにも、インセンティブにも魅力があり、消費者の将来への環境意識が高まっていることも合わさって、電動車の需要はかつてないほど増加しているのだ」と説明した。当月、ハイブリッド車(HEV)が電動車販売の内の半分を占め、主要な3種の電動車が成長を記録している。
マイルドハイブリッド車のおかげで、スズキ、フォード、フィアットはハイブリッド車の販売を大きく伸ばし、これまで多くを売り上げていたキア(Kia)とレクサスを抜いた。プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)市場ではプレミアムブランド3社(ボルボ、メルセデス、BMW)が上位を占めており、これまで首位だったミツビシは6位であった。ピュアEV(BEV)セグメントでは、テスラが前年同期比42%減となり2位であったのに対し、ルノーは販売台数を倍増させ首位となった。
SUVは45万台以上を販売
景気動向は良くないが、SUVはそれでもよく売れている。販売台数こそ前年同期比18%となったが、マーケットシェアは40%に拡大した。面白いことに、SUVの中でもサイズが大きく、最も高額なセグメントが好調で、販売台数はわずか2%減の24,100台であった。コンパクトSUVは21%減となり、184,800台を売り上げたスモールSUVを下回った。
フォルクスワーゲングループはSUVセグメントの25%を占め、首位となった。しかし、フォード、ボルボ、メルセデスも追い上げを見せており、それぞれ1%増、39%増、24%増となっている。
ルノー クリオ(ルーテシア)がフォルクスワーゲン ゴルフを抜いた
フォルクスワーゲン ゴルフが、2か月続けてルノー クリオ(ルーテシア)に敗れ、モデル別販売ランキングで2位となった。当月も問題となったのは、新型ゴルフの車両を用意できなかったことだ。5代目クリオ(ルーテシア)が欧州市場全体で販売され、クリオ(ルーテシア)全体の79%を占めているのに対して、8代目ゴルフはまだすべての市場で販売されておらず、ゴルフ全体のわずか28%となっている。
当月販売好調であったルノーグループの車種は、クリオ(ルーテシア)だけではない。キャプチャーと、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が、それぞれモデル別販売において、3位と4位となっている。キャプチャーは、新型となったことも奏功し、当月SUVで最も売れたモデルとなった。トヨタ ヤリスは5位であったが、新型車が当月販売の内、わずか6%にすぎないということを考えれば、こちらも販売好調であったと言えるだろう。
その他当月好調だったモデルは以下の通りである;プジョー 2008が10%増、ルノー トゥインゴが8%増、ボルボ XC40が56%増(プレミアムセグメントで2位)、フォルクスワーゲン T-Crossが1%増、フォード プーマ(Ford Puma)が10,300台、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)が14%増、シュコダ カミック(Skoda Kamiq)が7,900台、ボルボ XC60が28%増、メルセデス CLAが31%増、キア ニロ(Kia Niro)が27%増、フィアット デュカート(Fiat Ducato)が62%増、ボルボ S60/V60が6%増。
JATOについて
JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。
■ダウンロードいただけるPDFもご用意しております
https://www.jato.com/japan/media-insight/
お問い合わせ先
JATO Japan Limited
113-0024 東京都文京区西片 2-22-21 本郷MKビル2F
Web: www.jato.com/japan/
Tel: 03-6801-9551
(9:00 ~ 12:00、 13:00 ~ 18:00、土日祝を除く)
Email: japan.marketing@jato.com
Twitter: https://twitter.com/JatoJapan
LinkedIn: https://linkedin.com/showcase/jato-dynamics-in-japan
● 6月に販売された電動車1台につき、ディーゼル車の割合は1.7台となった
● SUVのマーケットシェアは40%へ拡大
● モデル別販売で、ルノーグループが販売上位5位に3車種を送り出した
欧州新車市場では、6月も不確実性が拡大を続けている。JATO Dynamicsのデータによれば、2020年6月の欧州新車販売台数は113万台となり、2019年6月の149万台から24%減となった。昨年と比べれば大きな減少だが、2020年3月に新型コロナウイルスが欧州に到達して以来、月次台数としては最高の記録となっている。
JATOグローバルアナリストのFelipe Munozは「今のところは、まだ感染拡大が欧州で続いているため、市場の回復についてはっきりと述べることができない。しかしながら、消費者は少しずつではあるが、販売回復のために行われているキャンペーンやインセンティブに反応し始めている」と述べた。同様に、2020年上半期の結果は、感染拡大による混乱を反映しており、前年同期比39%減となる509万台となっている。
電動車の販売好調は続く
世界的な感染拡大は、欧州でのピュアEV(BEV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の販売を促進し、結果としてディーゼル車とガソリン車の販売台数は減少傾向にある。6月もこの傾向は同じで、ディーゼル車とガソリン車は前年同月比で、それぞれ31%、32%減少した。反対に、電動車は2019年6月の111,300台から65%増となる183,300台であった。別の見方をすれば、電動車のマーケットシェアは16.2%となり、ディーゼル車の占める割合まであと8%ポイントのところまで拡大している。2019年6月時点では電動車1台あたりディーゼル車4.1台の比率だったのが、当月は電動車1台に対し、ディーゼル車1.7台となっているのだ。
Munozは「消費者信頼感と雇用に陰りが出ているにもかかわらず、電動車を取り巻く環境はこれまで見たことのないほど機会に恵まれているように見える。価格にも、値引きにも、インセンティブにも魅力があり、消費者の将来への環境意識が高まっていることも合わさって、電動車の需要はかつてないほど増加しているのだ」と説明した。当月、ハイブリッド車(HEV)が電動車販売の内の半分を占め、主要な3種の電動車が成長を記録している。
マイルドハイブリッド車のおかげで、スズキ、フォード、フィアットはハイブリッド車の販売を大きく伸ばし、これまで多くを売り上げていたキア(Kia)とレクサスを抜いた。プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)市場ではプレミアムブランド3社(ボルボ、メルセデス、BMW)が上位を占めており、これまで首位だったミツビシは6位であった。ピュアEV(BEV)セグメントでは、テスラが前年同期比42%減となり2位であったのに対し、ルノーは販売台数を倍増させ首位となった。
SUVは45万台以上を販売
景気動向は良くないが、SUVはそれでもよく売れている。販売台数こそ前年同期比18%となったが、マーケットシェアは40%に拡大した。面白いことに、SUVの中でもサイズが大きく、最も高額なセグメントが好調で、販売台数はわずか2%減の24,100台であった。コンパクトSUVは21%減となり、184,800台を売り上げたスモールSUVを下回った。
フォルクスワーゲングループはSUVセグメントの25%を占め、首位となった。しかし、フォード、ボルボ、メルセデスも追い上げを見せており、それぞれ1%増、39%増、24%増となっている。
ルノー クリオ(ルーテシア)がフォルクスワーゲン ゴルフを抜いた
フォルクスワーゲン ゴルフが、2か月続けてルノー クリオ(ルーテシア)に敗れ、モデル別販売ランキングで2位となった。当月も問題となったのは、新型ゴルフの車両を用意できなかったことだ。5代目クリオ(ルーテシア)が欧州市場全体で販売され、クリオ(ルーテシア)全体の79%を占めているのに対して、8代目ゴルフはまだすべての市場で販売されておらず、ゴルフ全体のわずか28%となっている。
当月販売好調であったルノーグループの車種は、クリオ(ルーテシア)だけではない。キャプチャーと、ダチア サンデロ(Dacia Sandero)が、それぞれモデル別販売において、3位と4位となっている。キャプチャーは、新型となったことも奏功し、当月SUVで最も売れたモデルとなった。トヨタ ヤリスは5位であったが、新型車が当月販売の内、わずか6%にすぎないということを考えれば、こちらも販売好調であったと言えるだろう。
その他当月好調だったモデルは以下の通りである;プジョー 2008が10%増、ルノー トゥインゴが8%増、ボルボ XC40が56%増(プレミアムセグメントで2位)、フォルクスワーゲン T-Crossが1%増、フォード プーマ(Ford Puma)が10,300台、ヒュンダイ コナ(Hyundai Kona)が14%増、シュコダ カミック(Skoda Kamiq)が7,900台、ボルボ XC60が28%増、メルセデス CLAが31%増、キア ニロ(Kia Niro)が27%増、フィアット デュカート(Fiat Ducato)が62%増、ボルボ S60/V60が6%増。
JATOについて
JATO Dynamicsは、1984年に設立され、現在世界51カ国以上で活動しています。30年以上に渡り、自動車の仕様、価格、販売登録台数に関する、世界で最もタイムリーで、正確な最新のデータを提供してきました。弊社は、単なるデータ以上のものを提供し、世界の変化と、それに伴う消費者の考え方の変化を見極め、業界が求める洞察をお伝えしています。短期的な市場の動きに対応し、長期的な成長へ向けた計画を行い、そして最終的にはお客様のニーズへもお応えすることが可能です。詳しくは弊社のウェブサイトをご覧ください。
■ダウンロードいただけるPDFもご用意しております
https://www.jato.com/japan/media-insight/
お問い合わせ先
JATO Japan Limited
113-0024 東京都文京区西片 2-22-21 本郷MKビル2F
Web: www.jato.com/japan/
Tel: 03-6801-9551
(9:00 ~ 12:00、 13:00 ~ 18:00、土日祝を除く)
Email: japan.marketing@jato.com
Twitter: https://twitter.com/JatoJapan
LinkedIn: https://linkedin.com/showcase/jato-dynamics-in-japan
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像