全国大学教職員への調査で見えてきた「学修成果の可視化とデータ活用における課題」とは?

ハーモニープラス株式会社

ハーモニープラス株式会社(本社所在地:東京都千代田区、代表取締役:降旗 真寿幸)は、全国の四年制大学・短期大学・大学院の教職員を対象に、「学修成果の可視化とデータ活用における課題」に関する調査を実施しました。

文部科学省が公表した「令和4年度学校基本調査(確定値)」によると、2022年度の大学進学率は56.6%に上り、過去最高となりました。

(参照:https://www.mext.go.jp/content/20221221-mxt_chousa01-000024177_001.pdf


一方で、かつては一部の高校卒業者のみが通っていた時代の大学と比較して、教育や学生の質の変化を懸念する声も挙がっており、教育の質を保証するためにも、大学には内部質保証に積極的に取り組むことが求められています。

内部質保証の確立に密接に関わってくるのが“教学マネジメント”です。


「教学マネジメント指針」は、文部科学省中央教育審議会によって、2020年1月22日に行われた第152回大学分科会で取りまとめられました。

(参照:https://www.mext.go.jp/content/20200206-mxt_daigakuc03-000004749_001r.pdf

教学マネジメントは「大学がその教育目的を達成するために行う管理運営」と定義されています。


指針では、

Ⅰ 「三つの方針」を通じた学修目標の具体化

Ⅱ 授業科目・教育課程の編成・実施

Ⅲ 学修成果・教育成果の把握・可視化

Ⅳ 教学マネジメントを支える基盤(FD・SDの高度化、教学IR体制の確立)

Ⅴ 情報公表


といった教学マネジメントを、学長のリーダーシップのもと、大学全体、学位プログラム、授業科目のそれぞれのレベルで有効に機能する必要があるとされています。


以上の指針を踏まえ、各大学は学修成果・教育成果の把握・可視化に向けて取り組んでいますが、当然ながら課題もあるでしょう。


では、大学側は学修成果・教育成果の把握・可視化のために、具体的に指標を活用し、その過程でどのような課題が見えてきたのでしょうか。


そこで今回、学修成果/教育成果の可視化/分析ツール『学修成果MOE』(https://www.harmony-plus.co.jp/moe/)を提供するハーモニープラス株式会社(https://www.harmony-plus.co.jp/)は、全国の四年制大学・短期大学・大学院の教職員を対象に、「学修成果の可視化における課題」に関する調査を実施しました。


目次

  1. 【今回の調査対象について】

  2. 学修成果の可視化で今後使いたいまたは使う予定の指標

  3. 学修成果の指標を測定する上での課題

  4. 教育現場ではどのような情報が必要とされているか?

  5. 学生からの意見を集めるにはアンケート調査が効果的

  6. デジタル化を進めるうえで使用しているシステム

  7. 「システムのクラウド化」についての印象

  8. 学生指導のさらなる充実のため、システムやクラウドへの理解とともに学修成果・教育成果を可視化し、高度な分析を行うことが重要

  9. サービス紹介 

 

  • 【今回の調査対象について】 

はじめに、今回の調査対象は全国の四年制大学・短期大学・大学院の教職員の方々です。

対象者の属性による調査結果の偏りをなくすため、地域・大学の学部・偏差値・対象者の性別・年代などをまんべんなく抽出した結果、今回の調査対象の方々のうち、管理職(職員)が40%、教員が40%を占めており、半数以上がプロジェクト推進に携わるであろう立場の方であることが分かりました。


  • 学修成果の可視化で今後使いたいまたは使う予定の指標

それでは、学修成果の可視化について詳しく伺っていきましょう。

まずは、学修成果の可視化に使用する指標について調査しました。


「学修成果の可視化について、今後使いたいまたは使う予定の指標を教えて下さい。(複数回答可)」と質問したところ、『GPA(38.9%)』という回答が最も多く、次いで『修得単位状況(32.2%)』『入試結果(29.7%)』『​​アンケート(28.8%)』『就職率(25.7%)』『測定していない(24.2%)』と続きました。


多くの大学が、教学マネジメントの確立に向けて「Ⅲ 学修成果・教育成果の把握・可視化」に取り組んでいるようです。

一方で、『測定していない』と回答した方が2割を超え、学修成果・教育成果の把握・可視化への取組状況は大学によって異なることがわかりました。


各大学が具体的に学修成果の可視化に用いることができる情報は、世界的な基準があるものでもなく、指標を確立することは困難な課題であると考えられます。

しかし、学生は学修成果を自ら説明できるようにするため、大学は教育成果の説明、教育活動の改善を図れるようになるためにも、指標の確立は重要な取組といえるでしょう。


  • 学修成果の指標を測定する上での課題 

学修成果の可視化に向けた取組の状況が見えてきましたが、学修成果を測定する上で、どのような課題に直面しているのでしょうか。

そこで、「あなたの大学での学修成果の指標を測定する上での課題を具体的に教えてください。(複数回答可)」と質問したところ、以下の回答が多数派としてあげられました。

・学修成果の活用法(41.3%)

・可視化した学修成果の体系化(40.3%)

・キャリアとの接続(30.6%)

・教職員間の連携(29.9%)

・データの妥当性(28.1%)


学修成果を可視化するのは当然のこととして、いかに学生が主体的に学ぶ仕組みを作っていくか、就職につなげる体制を整えるか、教職員間で情報を共有するかが重要な課題として認識されています。


そして、特に回答の中で最も割合の大きかった課題の「可視化した学修成果の活用法」について、直接複数の大学に伺ったところ「学生へのフィードバック」「FD(ファカルティ・ディベロップメント)の考察の材料」「授業・教育改善」などに用いることが多いという回答をいただきました。


  • 学生フィードバックの方法

では、「学生フィードバックについて、学生フィードバックする際にどんなシステム/機能があったら効果的だと思いますか?」と伺ったところ、以下のような回答をいただきました。

・アンケート結果を全体的と個別にと、自動的にデータ分析してくれる機能。

・科目別GPや、個人のGPAや出席率などから、学生への適切な助言を自動的に行ってくれる機能

・学生への半自動フィードバックシステム/機能、及びその効果を自動収集して分析出来る機能


大学の方針や取り組みに対して、必要なシステム/機能は異なりますが、

総じて学修成果の可視化には多くのデータを収集し、多面的に分析する必要があるようです。

これを実現するにはデジタル化が必須と考えられますが、大学によってシステムの活用度合いや理解度は大きく異なるようです。


  • 教育現場ではどのような情報が必要とされているか? 

一方で、大学では可視化した学修成果の結果をFD(ファカルティ・ディベロップメント)の際の考察する材料としての活用も行っているようです。

そこで、現場ではどのような情報が必要とされているか、情報をどのように活かしているのかを確認するため、

「FDの際に考察する材料としてどんな情報を活用していますか?」と伺ってみましたので、その回答をご紹介します。


・授業後のアンケート調査・授業評価や専用サイトの開設により、学生からの授業評価を集める

・教育課題に関する専門家の知見・助言を共有する

・他大学の情報共有に関する実施状況を参考にする

・文科省の指針や調査結果に沿って課題を設定する


最も多く回答を寄せられたのは、学生に対するアンケート調査・授業評価の実施でした。

とはいえ、その取り組み方もさまざまです。

実際にどのような手法で取り組めば効率的かつ効果的にFDの際に考察できるのかについては、実施前に方向性を定めた上で、決まったやり方で進める必要があります。


  • デジタル化を進めるうえで使用しているシステム 

FDの際に考察する材料を効果的に進めるために、有効だと考えられている方法の一つがデジタル化です。

デジタルツールを活用することで、同一の基準で効率的なデータを集計できることに加え、集計したデータを分析したり活用したりすることも容易になります。

特に多くの大学では、学修成果の可視化を大学として、より効果的・効率的に実施し、結果を活用するためにシステム連携も実施して、より高い効果を上げる取り組みもしているようです。

そこで「現在大学にて使用しているシステムを教えてください。」と質問したところ、『Google系(43.6%)』という回答が最も多く、次いで『Microsoft系(42.2%)』『ポータル(26.8%)』『LMS(14.4%)』『ポートフォリオ(16.2%)』『使用していない(12.8%)』と続きました。


1割の大学がシステムを未導入の状況ではありますが、全体的な流れとしては教育の現場ではシステムを活用してFDがおこなわれる流れが主流であることが確認できます。


  • 「システムのクラウド化」についての印象 

システムの連携を計画する際に、クラウド化は必ず話題になるトピックではありますが、大学のシステムやサービスなどをクラウド化しても問題ないのでしょうか?

特にセキュリティ面のことを懸念する方もいらっしゃることでしょう。

こちらでもアンケート調査結果をふまえながら、システムのクラウド化について解説します。


大学によってシステムの活用状況が異なる中「システムを活用している方またはこれから活用する方へ、「システムのクラウド化」についての印象を教えてください。」と質問したところ、次のような回答が寄せられました。


■システムを活用している方またはこれから活用する方へ、「システムのクラウド化」についての印象を教えてください。


・学校からでも自宅からでもアクセスできる点が非常に便利

・オンプレミス型(据え置き型)のシステムよりも安定しているし、管理コストも抑えられる

・教職員間の情報共有がしやすい

・バージョンアップが早い


システムのクラウド化については、利便性・安定性・コストの面などで好意的な声が多くありましたが、一方で導入時のセキュリティに関する不安の声もありました。


クラウド化のセキュリティの不安への対策としては、正確な情報を集めることから始めましょう。

特に、教育現場においての情報の収集や教育に課題を感じられていたり、教職員から改善の必要性があがっている場合、クラウド化がその解決策となる場合もあります。


実際に、教職員の意見を拾い上げて積極的に役職者がシステムのクラウド化を推進し、従来の課題を解決した大学もあるようです。


  • 学生指導のさらなる充実のため、システムやクラウドへの理解とともに学修成果・教育成果を可視化し、高度な分析を行うことが重要 

今回の調査で、教学マネジメントにおける学修成果・教育成果の把握・可視化に向けて、大学側が活用している指標や集計・分析における課題が見えてきました。

また、学修成果・教育成果の把握・可視化に向けて、デジタル化が必須と考えられるものの、教職員間でシステムやクラウドに対する理解度が異なることもわかりました。


これからの大学には教育の質を改善していくためにも、学修成果・教育成果を把握・可視化した上で、その結果をどう効果的・効率的に活用していくかが求められています。教学マネジメント指針では、把握・可視化に当たっては、その限界に留意しつつも、学生が、同方針に定められた学修目標の達成状況を可視化されたエビデンスとともに説明できるよう、複数の情報を組み合わせた多元的な形で行う必要があるとしています。


教学マネジメントの確立に向けて、体制・仕組みを構築しつつ、デジタルツールを適切に活用しながら、いかにして学修成果・教育成果を可視化・分析して効果的・効率的に活用していくかがが、これからの大学には問われているのではないでしょうか。


  • サービス紹介 

 ハーモニープラス株式会社https://www.harmony-plus.co.jp/)が提供する『学修成果MOE』https://www.harmony-plus.co.jp/moe/)は、教学マネジメントの確立に向けた取組に必要不可欠である“学修成果の可視化”を可能にするシステムです。
 
 【当社の学修成果MOEがもたらす効果】
 ◆学修成果の可視化と学生の成長実感
 学修成果を可視化し学年進行等の比較をすることで、学生の成長実感を高めます。
 
 ◆教育成果の可視化と学位プログラムの評価/改善
 教育成果を可視化し、分析し、教学マネジメントの改善を図り学修者本意の教育を実現します。
 
 ◆学びとキャリアの接続
 学部や学科ごとに定義したさまざまなアセスメントポリシーに対し、柔軟に設定することができます。
 
 アセスメントポリシーに基づき、ディプロマ・ポリシー(DP)に応じた学生の成長や履修状況について、総合的かつさまざまな切り口で把握することにより、DPの妥当性を検証するほか、学部/学科の運営、カリキュラム改善、学生指導に資する情報を可視化/分析することができます。
 
 【当社が選ばれる理由】
 ◆ダッシュボード機能で教育成果を直感的に把握

 ログイン後、教育成果のダッシュボードが自動的に表示されます。
 教育成果の各指標の目標、実績、達成状況等が数値、色で表示され、DP(ディプロマ・ポリシー)達成度をはじめとする各種教育成果のサマリーを直感的に把握することができます。
 
 ◆教育成果分析機能で教育成果を簡単に分析
 学年、学部、学科、入試区分、GPA、修得単位数、語学スコア、学習時間、外部アセスメントテスト等、さまざまな条件を選択、組み合わせることが可能で、複雑な操作なしで教育成果を分析することができます。
 (条件の複数指定、表示グラフ種類選択も可能)
 
 ◆多様なアセスメントポリシーに対応するカスタマイズ性
 測定指標の項目、集計の方法/タイミング/頻度、科目とDPとの紐づき、成績の重み付け等、各大学単位さらに各学部/学科ごとのアセスメントプランに対応し、教育成果を総合的かつ多面的に可視化/測定することができます。
 
 【その他の特長】
 ◆ポートフォリオ機能で学修成果を蓄積

 授業での成果物や学習時間、留学、語学スコア、部活/サークル等、正課及び正課外の学修成果を蓄積することができます。
 また、学修成果のサマリー画面では、定量的な成果を一覧で確認することができ、自らの学修成果を総合的に把握することが可能です。
 
 ◆DP達成度機能で成長を実感、長所/短所を理解
 DP(ディプロマポリシー)と科目成績の対応表をもとに、学生一人ひとりのDP達成度を可視化することができます。
 また、DP達成度は学年進行や平均値比較等で表示可能で、学生の成長実感にも繋がります。
 
 ◆ショーケース機能で学修成果を自ら説明
 これまでの学びの成果をショーケースとしてまとめることができます。
 ショーケース化を通じて、学生自らが学修成果を整理し、身に付けた能力を説明できるようにすることで、就職活動等に活用することが可能です。
 
 ◆学生カルテ機能で学生情報を一元管理
 学生一人ひとりの基本情報、学修目標到達度、GPA、成果物、留学記録、語学スコア、外部アセスメントテスト結果、面談記録、学生に関するメモ等、学生に関する情報を一元的に把握することができます。
 
 ◆学生メモ/面談記録機能で学生情報を共有
 学生との面談内容や気付いた点等を記録することができます。
 また、公開範囲を内容等によって、設定することが可能です。
 (センシティブな情報等だと公開設定を慎重に行う必要があるため)
 
 ◆目標管理機能で学生とコミュニケーション
 学生が設定する目標(到達度目標やセルフ目標)や省察内容、成績や出席状況等を見てフォローが必要な学生に向けて、レスポンス(ボタン、コメント)することができます。
 運用は大学側の任意です。
 
 【当社の強み】
 ◆OnetoOneのカスタマーサービスによりお客様に継続的な成功体験(カスタマーサクセス)を。

 
 当社では、ご導入頂いたお客様ごとに専属のサポートチームを設置しております。
 CSチームは、導入期において、ユーザーがいち早く操作に慣れ、継続的に利用可能な状態にするためのプロセスを設計し実行します。
 さらに、活用期において、お客様ごとの導入目的、ゴール、プロセスを理解し、経験則や利用データ分析をもとに、お客様ごとに応じたアドバイザリーを実施し、お客様の成功に向けたご提案、アプリケーション改善を実行します。
 
 ◆サードパーティとのデータ連携によりサイロ化されたデータを統合、多面的な分析を可能に。
 
 複数の情報システムが互いに孤立し分散化してしまっている状況(サイロ化)が多くの大学での課題となっていますが、データが統合されることでさまざまな状況把握が容易になります。
 特に教育成果や学修成果の可視化/分析にあたっては、LMS(ラーニングマネジメントシステム)や学務システムに蓄積されている学生、履修、成績等の既に大学内で保持している情報を組み込むことが非常に重要です。
 当社は、サードパーティとのデータ連携に例外なく対応します。
 
 ■学修成果MOE:https://www.harmony-plus.co.jp/moe/
 ■ハーモニープラス株式会社:https://www.harmony-plus.co.jp/
 ■お問い合わせ:https://www.harmony-plus.co.jp/contact/index.php
 ■TELでのお問い合わせ:03-6261-5172

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会社概要

ハーモニープラス株式会社

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URL
http://www.harmony-plus.co.jp/
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都千代田区二番町7番地5 二番町平和ビル5階
電話番号
03-6261-5172
代表者名
降旗真寿幸
上場
未上場
資本金
7000万円
設立
2010年01月