「技術から新たな事業を生み出す」株式会社Northbound、清水建設株式会社に対する伴走コンサルティングサービスの導入事例を公開
-ゼネコンとまちづくりコンサルファームが「にぎわい」の課題解決に共に挑む-
まちづくり産業の「新領域」への挑戦を支援する株式会社Northboundは、伴走コンサルティングサービスを活用する清水建設株式会社(東京都中央区)へのインタビューを公開しました。
事業開発のテーマは「にぎわい」。清水建設技術研究所が、なぜこのテーマにチャレンジし、どのようにコンサルティングファームと協業しているのか、ぜひ最後までお読みください。

技術研究所 都市空間技術センター センター長 野津剛様 (写真右)
技術研究所 都市空間技術センター 音環境グループ グループ長 石塚崇様 (写真中央右)
技術研究所 企画部 企画・広報グループ グループ長 岡澤岳様 (写真左)
株式会社Northbound 代表取締役社長 山口修太郎 (写真中央左)
■「にぎわい」というキーワードから見えた新しい研究テーマ
ーー まず、今回の研究プロジェクトに至った背景をお聞きしたいのですが、研究所として「にぎわい」をテーマに取り上げたきっかけは何だったのでしょうか?
石塚:
研究所では常に新しい大きな研究テーマを見つけようという動きがあります。そんな中、「にぎわい」というキーワードが出てきました。最初は雑談レベルで「面白そう」という話でしたが、まちづくりや地域活性との絡みを想像すると新しい可能性を感じまして。人数や人流解析といったアプローチはよくありますが、そこに別の視点を掛け合わせる取組をテーマとしてやってみたいと思いました。
野津:
そうですね。「にぎわい」という言葉はすごく漠然としているので、研究テーマとしては扱いにくい面があります。けれど今後、建設業が街の運用や活性化まで踏み込んでいくときに、そこをどのように捉えていくかは会社にとっても重要だろうと考えました。
■コンサルティングファームに期待したこと
ーー 「にぎわい」というテーマを進める上で、弊社にご依頼くださったのはどういう理由だったのでしょう?
岡澤:
実は、Northbound代表の山口さんと最初に顔を合わせたのは、2023年に大阪大学で開かれたイベントのときでした。まちづくりや再開発のこれからについて良い発表されていたので、すぐに名刺交換をしました。その後、何回か打ち合わせを重ね、まちづくりの最新事例などの情報をもらいつつ、今回のプロジェクトを一緒に進めていこうという話になりました。研究所のプロジェクトはゴールも曖昧なまま進むことが多いので、仕様が固まっていない段階からでも丁寧に話し合いを重ねてもらえたのは本当にありがたかったです。
石塚:
私たち技術研究所は技術的・アカデミックな視点を中心にしていますが、まちづくりや地域活性の現場経験についてはあまり深くない。そこを専門的にやってきたコンサルの皆さんと組めば、新しいアイデアが出るのではないかという期待がありました。
野津:
Northboundは、まちづくり分野でいろいろな実績があり、知見も豊富なので心強いと思いました。そして、実際に様々な事例を示してもらいつつプロジェクトを進められているので助かっています。
■伴走型コンサルティングサービスを活用されて
ーー ご一緒させていただいてからは、調査系のご支援に加えて、フィールドスタディやワークショップ、有識者とのマッチングや、サービスのα版アプリケーションの開発など、様々な方面に活動が派生していきました。
野津:
そうですね。Northboundからは提案が次々出てくるので、どんどん活動の幅が広がっていきました。フィールドスタディやワークショップは企画、進行をコンサルタントがリードしてくれたので、研究所だけでは出なかったようなアイデアの整理・展開が効率的に進められたと思っています。また、当社では絶対にアプローチできないような人脈・ネットワークを提案してくれて、貴重な話を聞くことができたのはこの活動において何より評価したいポイントです。
石塚:
Northboundには、「伴走」と呼ぶのに相応しい臨機応変な対応をいただけました。明確なスケジュールやマイルストーンが定まりきっていないところの仮説を作ってもらい、走りながら都度修正して進めるやり方で、どんどん取組の方向性が整理されていきました。今までの成果を100とすると、自分たちだけでやったら30行っていたかどうか。というのが正直な感想です。
岡澤:
研究所の中では、プロジェクトの目標を定めたら、脇目も振らず目標を達成しにいくような進め方が多く、時にアプローチを変えることが良いと分かっていてもそれができないことがあります。一方、今回のプロジェクトはコンサルタントが進め方を細かくピボットしてくれたので、結果的に効率が良かったのだと思います。
野津:
打ち合わせの準備から進行までが素早くて助かりました。研究所の中では2、3回の検討が必要なステップが、1回で次へ進めることもあるくらい。私たちが「こんなことを考えている」と漠然と話しているだけでも「では、それをこうまとめましょう」とすぐに具体化してアクションも一緒に持ってきてもらえる。これは伴走型でやっていただけるからこそのメリットだと感じます。また、コンサルタントの情報をまとめる技能が非常に高かったことにも驚きました。外部情報や、論点、プロジェクト進行上の課題など、様々な情報を的確に整理してくれました。
ーー コンサルを入れたことで、技術研究所との相乗効果をどのように感じましたか?
石塚:
いちばん大きいのはビジネス化の視点を入れてもらえるところかなと。研究所はどちらかというと学術的なゴールを見がちですが、「将来的にこれをどう事業に落とすのか」を常に意識してくれるので、話が実践的に進みやすいです。
野津:
意見の切り口が違うので、ワークショップなどで話していると「なるほど、そう見るんだ!」という気づきが多い。研究者とコンサルの視点が交差することで、単に新しい研究テーマを考えるだけでなく、そこからどうまちづくりに活かすか、という点まで深められるのが良いですね。
■清水建設 技術研究所が取組む「にぎわい」への挑戦
ーー 建設会社の研究所がまちの“にぎわい”を研究テーマとすること自体、なかなかユニークだと思います。なぜ今、そうしたテーマが必要なのでしょう?
野津:
建設というと構造や材料の研究が多いですが、実際にはまちづくり全体を考える時代になってきています。そのとき「にぎわい」のような要素をどれだけ掘り下げ、提案していけるかが、企業としての総合力に関わってくる。従来の研究開発はもちろんやりつつも、そこに独自のアプローチを加えることでまちの魅力をより高められると考えています。
石塚:
研究所としても「施工で終わり」ではなく、運用・活性化まで踏み込む必要があるという意識はずっと持っていました。だからこそ、今まで建設会社が着目してこなかった部分にもチャレンジしようとしています。私は、民間の研究所こそイノベーションを目指さなければいけない、と思っています。
岡澤:
私たちの会社では「超建設」なんて表現も出たりしますが、要は“建設の枠を超える”ということですよね。投資開発やデベロッパー的な事業にも力を入れる中で、まちの運用や活性化まで見据えるとなると、「にぎわい」をどう扱うかが重要です。ですから、このプロジェクトは今後、研究所内だけでなく社内の様々な部署にもプラットフォーム的に広がっていく可能性を秘めていると期待しています。
石塚:
ゆくゆくは、社内外のさまざまなプレイヤーを巻き込むことで、新しいまちづくりモデルを生み出していきたいですね。
■伴走の先へ──事業パートナーとしてのコンサルティングファーム
ーー コンサルとしてご一緒させていただいている立場ですが、今後のご要望やコラボの方向性について、お考えがあればお聞かせください。
野津:
Northboundには、プロジェクトを社会実装していくところまで伴走してもらいたいと思います。
石塚:
このプロジェクトは当初のゴールがはっきり決まっていないですし、途中で何度も方向修正が必要になるかもしれない。そんな中で「次はこうしましょう」と道筋を示してくれる伴走型のやり方は、本当にありがたい。この先、ソリューションが固まってきたら、Northboundからも積極的に外部へ発信・展開していってほしいですね。
岡澤:
建設会社って保守的な面もあるので、「世間で話題になっているならうちも取り入れようか」という流れが起こりがちです。だからこそ、Northboundには一緒に動いて事業として成長させていくパートナーとしての役割を今後とも期待しています。
■おわりに
今後、社内外のさまざまな部署やパートナーと連携しながら、「にぎわい」を切り口にどんな社会実装が可能なのかを探っていくこの試み。建設会社の伝統的なハード領域にとどまらず、運用・ソフト面へ踏み出していく今後の展開に、ぜひご注目ください。
■「まちづくり・社会インフラ産業特化 - 新規事業創出支援」のご案内
Northboundは、業界特化の専門性によりまちづくり・社会インフラ産業の染み出し、業際、飛地領域へのビジネス展開を伴走型でご支援しています。自社におけるアイデア出し&評価から、組織変革、CVCといった領域までのワンストップサービスが提供可能です。新規事業についてのご相談は以下より受け付けております。
▼60分の無料相談のご予約は、下記メールアドレスへ「相談希望」とご連絡ください。
E-mail:contact@northbound.jp
■株式会社Northboundについて
Northboundは、まちづくり産業の「新領域」への挑戦を柔軟に支援する伴走パートナーとして、幅広い規模の企業に向けたサービス・ソリューションを提供しております。
<会社概要>
本社所在地:東京都中央区銀座1-15-4 銀座一丁目ビル7F
設立: 2022年5月
代表者: 山口修太郎
事業内容: 新規事業コンサルティング、研究開発支援、不動産開発支援
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- 商品サービス
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- 経営・コンサルティング建築・空間デザイン
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