BlueWX(ブルーウェザー)がAI乱気流予測システムのトライアルWebシステムを提供開始

AIを駆使した高精度な気象予測により航空輸送の安全性、経済性、カーボンニュートラルの実現を目指すBlueWX株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長 渡辺和成 / 以下、「当社」)は、乱気流予測製品の導入を検討されている企業様向けにトライアルWebシステムの利用提供を開始しました。これによりエンドユーザーとなる航空会社様、或いはパートナーとなる気象データプラットフォーム提供各社様が、様々な時間や地点・高度において、当社乱気流予測の高性能を事前評価できる環境が整いました。
航空業界の重要課題「乱気流」とBlueWXの解決策
近年、地球温暖化の進行に伴い、航空機が乱気流に遭遇するリスクが高まっており、乱気流による事故報告件数も世界的に増加しています。乱気流の強さも悪化傾向にあり、昨年も乱気流起因の死亡事故が発生しました。航空機が乱気流に遭遇してしまうと、乗客・乗員のケガ、貨物や機材への損害、運航遅延やキャンセルといった様々な影響をもたらします。勿論乱気流を避けるための予測は行われて来ましたが、従来の手法には限界がありました。
ANAグループと慶應義塾大学の産学連携から2023年7月に創業した当社は、航空業界の安全運航、燃料消費・CO2排出削減、コスト削減等の実現に向け、従来とは異なるAIを利用した高精度な気象予測モデルの展開を目指して来ました。乱気流予測モデルの開発では、過去10年分の乱気流発生データ等を用いて日本空域における深層学習を行い、既存の予測と比べて約2.7倍の高精度を実現しました。更に約2,500名のパイロットを対象としたトライアル運用と、世界中の航空会社から追加取得した数千万件の実測データを用いて精度を最高レベルに高めたのが当社の予測モデルです。この種のYes/No予測モデルの精度評価に用いられるAUC値(註)で0.9という極めて高いレベルを実現しており、世界トップクラスの乱気流予測モデルであるとの評価を得ています。
トライアルWebシステム活用のメリット
当社は高精度なAI予測モデルを開発する事業にフォーカスしており、そこから生成される予測結果データを地図上で可視化し、パイロットなどのユーザーに提供するシステムは、航空気象データプラットフォームを提供するパートナー各社のサービスを利用する事業モデルとなっています。そのため、当社データを地図上で試してみたいというご要望に対しては、ユーザーが希望する気象データプラットフォームにデータを連結するためにシステム開発が必要であり、その費用と時間が導入ご検討のハードルとなっていました。
今回提供を開始したトライアルWebシステムは、本格運用データプラットフォームに求められる高度なUI/UXは備えていないものの、主要な航空域の特定地点・高度・時間における乱気流発生リスクを可視化する基本的な機能を有しており、フライト前の予測とフライト中の実際の乱気流発生を比較したり、発生した乱気流についてそれ以前の時点に巻き戻した「ハインドキャスト」予測と比較評価したりすることで、当社AI乱気流予測の精度・性能を十分評価頂けるものとなっています。また、基本的な周辺気温や風速風向データなど、ユーザーの予測評価に必要な基礎データも重ねて表示する機能も有しています。
既に10月から提供を開始しており、早速多くの航空会社様やプラットフォーム企業様によるトライアルを実施頂いています。今後は一部未完成の空域の追加、ご要望の強い垂直断面表示などの機能追加も予定しています。
(註)AUC値について
Yes/Noの二元判別モデルの予測精度評価に用いられる指標でありArea Under the Curveの略。Yes予測もNo予測も完璧に正解するモデルで1.0、逆にコイントスのように50/50の確率でしか当たらないモデルで0.5となる。低精度のモデルが判別閾値を操作することでYes現象の正解率を上昇させることは可能だが、誤ってNo現象をYesと予測する率も上昇することを正しく評価する指標として活用される。
BlueWX株式会社について
概要:気象解析・予報およびその提供、解析・予報を活用した対応策のコンテンツ企画、制作、販売
設立:2023年7月
所在地:東京都港区
代表者:代表取締役社長 渡辺和成
本件に関するお問い合わせ先:
BlueWX株式会社 広報担当(mail: contact@bluewx.co.jp)
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