【福岡県 篠栗町】巡拝者減少が進む霊峰「若杉山」 弘法大師空海ゆかり、1200年の祈りが息づく聖地の価値をあらためて発信
若杉奥之院、はさみ岩、博多湾を望む絶景、森林セラピーなど、都会の喧騒を離れ五感を整える山岳リトリート体験を紹介

福岡市中心部から車でわずか30分。糟屋郡篠栗(ささぐり)町には、大都市圏のすぐそばにありながら、一歩足を踏み入れれば別世界のような静寂に包まれる“祈りの聖域”があります。
標高681mの若杉山(わかすぎやま)一帯は、古くから山岳信仰の霊場として受け継がれてきた歴史ある地で弘法大師空海ゆかりの地でもあります。杉木立を抜ける風の音と鳥の声だけが響く空間は、都会の喧騒を忘れさせる圧倒的な没入感を与えてくれます。
ここには、空海が唐からの帰国後に修行したとされる「若杉奥之院」をはじめ、自然の驚異が生んだ奇岩「はさみ岩」、県指定無形民俗文化財の「太祖神楽」、福岡市街地から博多湾までを一望する「米の山展望台」、さらに森の中をゆっくり歩きながら心身を整える森林セラピーロードも整備されており
歴史・文化・自然景観が凝縮した希少な資源が点在しています。


若杉山に息づく、祈りと自然の原風景
若杉奥之院 ― 森の奥で出会う静寂の聖地―
若杉山の山頂近くに位置する「若杉奥之院」は約1200年前に弘法大師空海が唐からの帰国後に加持修法を行ったとされる真言密教の聖地。若杉山中腹の最寄りの若杉奥之院 遥拝堂駐車場からお遍路みちを約30分歩くと、周囲の音が消え、空気が変わるのを感じます。奥之院へと続く道は、樹齢数百年、巨木の森が包み、静寂が広がる「異世界」が広がります。
奥之院には今も岩間から湧き出る「独鈷水(とっこすい)」があり、空海が独鈷で岩を掘り当てたという伝説があり、病を癒やす御霊水として持ち帰る参拝者が絶えません。毎月21日には護摩祈願祭が行われ、揺らめく炎と共に人々の願いが祈祷されます。




はさみ岩 ― 「善人しか通れない」と伝わる信仰の巨岩 ―
奥之院に隣接する「はさみ岩」は、巨大な岩の隙間を通り抜ける、若杉山を象徴するスポットです。
「善人にしか通れない」「悪人は挟まれる」という言い伝えがあり、古くから修行者の心を見極める場所として崇められてきました。自然の造形と信仰が一体となった、心地よい緊張感と神秘を体験できる場所です。


太祖神社・太祖神楽 ― 地域が守り継ぐ伝統の舞
「太祖神社」は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を主神とする歴史ある神社で、若杉山山頂の敷地内に「上宮」が鎮座し、麓には「下宮」が配され、古くから地域の人々の祈りを集めてきました。
春と秋の祭礼では、江戸時代から受け継がれてきた伝統芸能「太祖神楽」(福岡県指定無形民俗文化財)が奉納されます。太祖神楽は、五穀豊穣や無病息災を願う神事として伝承され、世代を越えて技と心が受け継がれてきました。現在も祭りのたびに、地域の人の手によって大切に舞い継がれています。
近年は担い手の減少という課題に直面するなか、伝統を絶やさぬよう継承の取り組みが続けられています。新たな担い手の参加も含め、多くの人々に支えられながら、太祖神楽は今日まで守り伝えられてきました。
色鮮やかな装束に身を包み、厳かな音色とともに舞うその姿は、信仰と人々の暮らしが深く結びついた、地域ならではの貴重な民俗文化です。
■太祖神楽(たいそかぐら)
開催予定日時
・春季 令和8年4月12日(日)12:30頃~(約1時間30分)
・秋季 令和8年10月17日(土)18:00頃~(約3時間)
※上記日時は現時点での予定です。諸事情により変更となる場合がございます。
会場
太祖神社(下宮) 福岡県糟屋郡篠栗町若杉1047
お問い合わせ先
一般社団法人 篠栗町観光協会
メール:info@sasagurikanko.com
電話:092-947-1880
※電話は留守番電話での対応となります。メッセージを残していただいた場合に折り返しご連絡
いたします。※確実なご連絡にはメールをご利用ください。




若杉山 森林セラピーロード「落陽コース」
篠栗町・若杉山に整備された森林セラピーロードのひとつ「落陽コース」は、往復約1.75km、約25分で歩ける初心者向けのコース。足にやさしいスギ・ヒノキのウッドチップが敷かれ、木漏れ日や森の香り、鳥のさえずりに包まれながら、五感で自然を感じる時間を楽しめます。
コースの近くには、幹回り約16m・高さ約40mの巨木「大和の大杉」もあり、若杉山の森が育んできた雄大な自然を間近に体感できます。


米の山展望台 ― 福岡市街、博多湾、志賀島を一望する「天空の特等席」
若杉奥之院・遥拝堂駐車場から車で約1分。
森の道を抜けた先に、突然視界が開け、福岡市街地から博多湾、志賀島までを180度見渡す大パノラマが広がります。「福岡の屋上」とも呼べる開放感は、都市近郊では極めて希少。
昼は青い海と街並み、夕暮れは黄金色の空、夜は宝石を散りばめたような夜景へと、時間ごとに表情を変える絶景が訪れる人を魅了します。

現状と課題 ― 来訪者減少と文化継承の転換期を迎える若杉山
若杉山には、長い年月をかけて受け継がれてきた巡礼の歴史や社寺が点在し、森林セラピーロードや福岡市街地や博多湾を望む自然景観にも恵まれています。都心からのアクセスの良さも兼ね備えた、全国的にも希少な環境にあります。
しかし近年、ライフスタイルの変化や巡礼文化の衰退により、来訪者数は減少傾向が続いています。
この場所が持つ歴史的・文化的価値が社会に十分伝わらず、関心が広がっていないことが大きな要因の一つです。
来訪者の減少は、地域の担い手不足や後継者問題にも直結します。このままでは、長年守られてきた伝統や営みを将来へ継承することが難しくなることも懸念されています。
若杉山はいま、文化と地域を守り続けるための「転換期」を迎えています。
まだ知られていない若杉山の価値
― 巡礼文化と自然が共存する、都市近郊では希少な“祈りの山”
一方で、若杉山一帯には、今なお祈りの風景と豊かな自然が静かに息づいています。
1200年以上続く巡礼の歴史、地域に受け継がれる無形民俗芸能、深い森に包まれた静寂の環境。
大都市近郊にありながら、これほど精神文化と自然が共存する山域は全国的にも珍しい存在です。
観光地としての賑わいだけでなく、日常を離れ、静かな自然の中で心身を整える「リトリート(心身の回復)」の場としての可能性も備えています。
地域では祈りと自然の風景を守り継ぎながら、観光振興と文化継承を両立させる持続可能な取り組みを進め、若杉山の価値を次世代へ伝えていくことを目指しています。
施設情報 若杉奥之院
名称:番外霊場 若杉奥之院
所在地:福岡県糟屋郡篠栗町若杉1
アクセス:JR福北ゆたか線「篠栗駅」から車で約30分
※山中のため、参拝、登山の際は服装・装備にご注意ください。
電話:092-947-6347(若杉霊峰会)
売店:14時まで(不定休)
駐車場:あり (遥拝堂駐車場)
公式紹介ページ:https://sasagurikanko.com/type-temple/%e8%8b%a5%e6%9d%89%e5%a5%a5%e4%b9%8b%e9%99%a2/
【参考】
森林セラピー基地・篠栗 https://sasaguri-therapy.jp/
篠栗四国八十八ヶ所霊場 https://sasagurikanko.com/pilgrimage-about/history/
【本件に関するお問い合わせ先】
一般社団法人 篠栗町観光協会
住所:福岡県糟屋郡篠栗町中央1丁目1番14号
E-mail:info@sasagurikanko.com
電話:092-947-1880
※電話は留守番電話での対応となります。メッセージを残していただいた場合に折り返しご連絡
いたします。※確実なご連絡にはメールをご利用ください。
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