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株式会社筑摩書房
会社概要

Wミリオンセラー『思考の整理学』著者 故・外山滋比古氏の未公開「東大特別講義」音源発見

筑摩書房

“東大・京大で1番読まれた本” のフレーズで話題をよび、累計276万部を超える大ベストセラーとなった『思考の整理学』の著者で、2020年7月に亡くなったお茶の水女子大学名誉教授・外山滋比古さんが生前に東大生に向けて行った「東大特別講義」の音声テープが発見された。

筑摩書房は、これをもとに構成・編集したテキストを収録した『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)を刊行することを決定。『思考の整理学』の改訂は刊行から38年で初。

この特別講義は『思考の整理学』(ちくま文庫)が2008年の東大生協で一番売れたことを記念して2009年7月1日に東京大学駒場キャンパスで実施されたもの。100人を超える現役東大生に向けて、90分間熱い講義が開かれました。

(写真:東京大学駒場キャンパスで行なわれた特別講義「思考の整理学を語る」の様子)


『思考の整理学』は、300冊以上の著書を持つ氏の代表作です。学術エッセイとして「自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書」で、1983年に「ちくまセミナー」の1冊として刊行し、その後1986年に文庫化しました。文庫版は2007年までの21年間で16万部のロングセラーとなっていたが、2007年に岩手県盛岡市のさわや書店で、当時店員だった松本大介氏が作った「もっと若いときに読んでいれば…」という書店店頭の促進用手書きポップをきっかけに再び注目を集め、2008年の東大生協本郷書籍部・京大生協の書籍販売ランキングで1位を獲得。“東大・京大で1番読まれた本”のフレーズが生まれ、2009年に累計発行部数が100万部を突破しました。

(画像:ミリオンセラーのきっかけとなった松本大介さんの手書きポップ)

刊行から四半世紀後の大ヒットの舞台裏については、松本大介さんの著書

『本屋という「物語」を終わらせるわけにはいかない』(2018年刊)の中で詳しく綴られています。

https://www.chikumashobo.co.jp/special/sawayabooks/assets/data/tameshiyomi_03.pdf


40年間圧倒的な支持で読み継がれてきた「知のバイブル」を後世へとつないでいくためにどうするべきか。当時営業部に在籍し、ミリオンセラーのきっかけとなった松本さんのポップを見つけて全国に広めた窪拓哉が、現在は『思考の整理学』の編集担当として「外山さんの実際の声をもう一度聞きたい」と思いたち、15年前の特別講義以降、長らく使っていなかった営業部の資料を整理していたところこの「東大特別講義」の音声テープを見つけました。

(写真:見つかった「東大特別講義」音声テープと参加した東大生の感想)


音声を聞くと、受験という、知識の量や記憶力の戦いで見事勝ち抜いてきた東大生を前に、「知識の量と思考の力は反比例する」と断言して参加者を驚かせていたことが窺えます。


「知識をたくさん身につけていることが「頭がいい」ということだと思い込んできた。しかし知識を増やすばかりでは考える力は身につかないし、知識の記憶と再生については、とっくにコンピュータに負けている。(……)ただ、コンピュータにもまねできない「選択的忘却」の能力を高めることはできる。新しい知識を入れたら不要なものはどんどん忘れ、頭の中をきれいに整理していれば、その人の個性に基づいて新しい知識をこれに適応させたり、かつて頭に入れた情報の芽が自分の中から出てきて、新しい発見につながったりということが起きる」と述べ、「ただ忘れるのではなく、うまく忘れることが重要。そのためにはどのような方法があるか……」と、具体的な方法を講義されています。


講義を受けた東大生との質疑応答も白熱しており、「文科系の情報の蓄積、理科系の思考性を兼ね備えた総合的な人間は、専門家という寒々しい存在に対し、豊かで人間味があり、しかも新しいものを生み出す創造力のある存在となるだろう。ここにいる皆さんも、個人の生活の中で理性と知性の融合を試み、成功して大きな成果を得てほしい」と伝えています。


「若い方には、未来の日本をリードして、さらに世界をリードしていく力になってもらいたいという純粋な願望を持っている。その一端を『思考の整理学』の中に込めた。刊行から二十年以上たって、書いたときとは全く違う読者の方々にも届いていることがたいへんうれしい。そして、この本を見つけてくれた若い人たちが持っている力というものに、密かに敬意を表したい。これは新しい世代の人が、新しい感受性と思考力を持っている一つの現れだと考えている。皆さん方が世界的な規模で独創性と発信力を持ち、新しい文化をこしらえていく、そういう力をぜひ身につけてもらいたい」と語るその声は、今後、初めて外山さんの本を手にする未来の若い読者に遺された「贈る言葉」としても聞こえてきます。


「東大特別講義」を増補した『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)は2024年2月に刊行予定です。


音声テープをみつけ、『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)の編集担当を務める窪は「当時、営業担当としてこの講義のお手伝いをしていましたが、当時86歳の外山さんは質疑応答までの90分間の講義中一度も座られることなくずっと立ちっぱなしで熱弁を振るわれていました。会場の学生たちが圧倒されるような空気だったことが目の前にありありと蘇ってきました。『思考の整理学』の読者にぜひこの言葉と熱気を届けたい、そう思って、「東大特別講義」を新たに本に収録しようと思い立ちました。ご家族にも了承をいただき、この本のことを誰よりも理解する元さわや書店の松本大介さんにもご協力をいただいて、刊行から38年で初の改訂となる『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)を刊行できる運びとなりました。当時の私たちが驚いたように、半世紀後の読者にも響き続けるものになることを目指して、現在編集作業を進めています」と話しています。


■著者情報

外山滋比古(とやま・しげひこ)

1923年生まれ。文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学英文科卒業。『英語青年』編集長を経て、東京教育大学、お茶の水女子大学などで教鞭を執る。専攻の英文学に始まり、テクスト、レトリック、エディターシップ、思考、日本語論の分野で、独創的な仕事を続けた。著書に『思考の整理学』『ことわざの論理』『「読み」の整理学』『知的生活習慣』『伝達の整理学』(筑摩書房)など多数。2020年7月没。


■『新版 思考の整理学』(ちくま文庫)書誌情報

  • アイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには? 自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳した恰好の入門書。128刷・270万部突破の「知のバイブル」が、伝説の「東大特別講義」を増補して、刊行から38年で初の改訂。

  • 刊行予定日:2024年2月/ページ予定数:256/予価:本体630円+税/ISBN:978-4-480-43912-3

  • 『思考の整理学』特設サイトURL:https://www.chikumashobo.co.jp/special/shikounoseirigaku/


    【目次】グライダー/不幸な逆説/朝飯前/醗酵/寝させる/カクテル/エディターシップ/触媒/アナロジー/セレンディピティ/情報の“メタ”化/スクラップ/カード・ノート/つんどく法/手帖とノート/メタ・ノート/整理/忘却のさまざま/時の試錬/すてる/とにかく書いてみる/テーマと題名/ホメテヤラネバ/しゃべる/談笑の間/垣根を越えて/三上・三中/知恵/ことわざの世界/第一次的表現/既知・未知/拡散と収斂/コンピューター

    【東大特別講義】新しい頭の使い方 ――『思考の整理学』を読んだみなさんへ伝えたいこと(仮)

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業種
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本社所在地
東京都台東区蔵前2-5-3
電話番号
03-5687-2680
代表者名
喜入冬子
上場
未上場
資本金
7350万円
設立
1940年06月
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