男性シニアのファッション市場にチャンスあり! -jekiシニアマーケティングレポート2019-

ジェイアール東日本企画「jekiシニアラボ」では、シニア市場の拡大・開拓をテーマに調査・研究を重ねています。
これまでには、リタイア後の住み替え需要や、シニア層の中で幸福度の低いクラスターに向けたビジネス展開などの提言を行ってきました。
この度、男性シニア層(主に55歳~65歳)におけるファッション市場について、ビデオリサーチ社の協力を得て、調査データ収集・分析を実施し、さらにファッション意識によるクラスタリングを行いました。
その結果、今後の市場開発が期待できるクラスターを確認できましたので、お知らせします。
《ポイント》
■男性シニアのファッション市場に、構造変化が起きている。
■エチケットに気を配り、身だしなみに重点をおくファッション意識が主流に。
■ファッション意識の高い人は、幸福度が高い傾向にある。
■ “こだわりファッション”クラスターが男性シニアのファッション市場を変える!

 

 


《結果詳細》

■男性シニアのファッション市場に、構造変化が起きている。


男性55~65歳に10年前のファッション意識との変化を質問し、回答を「シュリンク」「変化あり」「拡大」「意欲的」に分けてグラフ化しました。下のグラフのように、「シュリンク」「変化あり」が多数を占め、「拡大」「意欲的」は極めて少数となっています。詳細に見ていくと、「お金をかけないようになった」「長く使えるものを選ぶようになった」「衣料品を購入する頻度が減った」というファッションへの意識の希薄化が強く見られます。
またクールビズや働き方の多様化もあり、「カジュアルな物を着ることが多くなった」「着ていく場所・シチュエーションが変わった」という社会環境による変化も大きいようです。「多くのアイテムを持ちたくなくなった」という回答も多く、意識変化による、ファッション市場の構造変化が読み取れます。
なお、35~69歳のデータも同様の結果であり、シニアだけでなく男性ファッション市場全体の変化と考えられます。
 


■男性シニアはエチケットに気を配り、身だしなみに重点をおくファッション意識が主流に。

男性35~69歳の年代別のファッション意識をグラフ化しました。男性55~65歳は「人前でのエチケットには気を配る」「ファッションは自分を表現する手段」という回答が比較的多く、エチケットやマナーとしてのファッションに気を使う傾向が見られます。一方、「新しいことをやってみるのが好き」「魅力的に見せるためにオシャレする」という回答は少ないため、積極的にファッションを楽しむという意識は弱く、ファッションに対しては保守的傾向が見られます。
以上より、男性55~65歳では、“身だしなみ”に重点が置かれたファッション意識が読み取れます。


■ファッション意識の高い人は、幸福度が高い傾向にある。

ファッション意識の高さは、自己実現や新しい服装をするという前向きさ、および自分らしさの表現と考えられますので、理論的には幸福度が高いこととの相関関係が考えられます。
実際にデータでは下記グラフの通り、幸福感のある層は、ファッション意識(特に “おしゃれする” につながること)が高く、幸福度の高さとファッション意識の高さには、正の相関があると考えられます。

 


■“こだわりファッション”クラスターが、男性シニアのファッション市場を変える!

男性シニア55~65歳の層を、ファッションへの意識によってクラスタリングしました。その結果、今後の男性シニアのファッション市場を変えるエネルギーのあるクラスターが抽出できました。
それが「こだわりファッションクラスター」です。全体のほぼ3割ほどを占め、ファッションへの関与が非常に高く、これからの“素敵な身だしなみ”としてのファッションを模索している層です。
幸福度はすでに比較的高いものの、自分のライフスタイルに合ったこだわりのファッションを見つけることによって、さらに幸福度を上げていく層と考えられます。

《こだわりファッションクラスターへの市場機会》

「こだわりファッションクラスター」は、周りの目を気にする特徴があり、「周りから見て、だらしない・恥ずかしい・センスが悪い服装と思われたくない」 という回答は100%と、このクラスター最大の特徴と考えられます。また、「着るものに気を使う」 71.4%、数値は多くないものの「自分をより魅力的に見せるためにおしゃれをする」は、平均を大きく上回る32.1%(平均:17.3%)となっており、このクラスターのファッション意識を表しています。また、このクラスターでは 「センスの良い格好をしたいけど、それが分からない」 については、2.7%と最も少なく、自分のセンスに非常に自信を持っており、「注目したものは無理をしても買う」 という回答が、最も高い70.5%という数値となっています。
男性シニアのファッション市場における市場機会は、この層の “センス” を理解するところから始まりそうです

<調査データの概要>
・ビデオリサーチ社「ACR/ex」データと、同調査にて実施したオリジナル質問項目のデータを合わせ分析
・アプローチ方法として、ファッション意識等による《クラスタ分析》を実施
・ファッション意識(意欲)の経年変化についての質問実施
 
データソース:「ACR/ex」調査概要

調査方法  :
訪問による調査対象者説得、電子調査票による調査

対象者抽出方法:
エリア・ランダム・サンプリング

対象者条件:
12~69才男女

調査エリア:
東京50km圏

調査時期:
2018年9月度調査

サンプル数:
(2018年調査時点)4892s
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