Degasが不二製油グループのフジオイルガーナ社と業務提携
Degasの農家ネットワークと農家マネジメントシステムを活用し、サステナブルなシアカーネルを調達
Degas(デガス)株式会社 (本社:東京都渋谷区、代表取締役:牧浦土雅 以下、Degas)は、子会社であるDegas Ghana Ltd. (本社:Accra, Ghana、CEO:Doga Makiura)を通じて、食品素材加工大手メーカーの不二製油グループ株式会社(本社:大阪府泉佐野市、代表取締役社長:酒井 幹夫 以下、不二製油グループ)の子会社であるフジ オイル ガーナ社(本社:Techiman-Bono East, Ghana、Managing Director:Ronny Voorspools 以下、フジ オイル ガーナ)と、ガーナ北部でのサステナブルなシアカーネル(シアナッツ)の調達とトレーサビリティの実現を目的とした業務提携契約を締結いたしました。
Degasについて
Degasは、サブサハラアフリカ(アフリカのサハラ砂漠以南地域、以下サブサハラアフリカ)の小規模農家に現物ファイナンス(以下、農家ファイナンス事業)を行なっています。農業資材や農地評価、営農指導、収穫物等のデータを自社アプリおよび光学衛星で収集、管理しており、AIを活用した小規模農家の与信スコアの形成と、高い回収率を実現するオペレーションに強みを持ちます。Degas独自の与信判断アルゴリズムに則り、各農家は環境や資産状況に左右されることなく農業資材を入手にすることが可能になり、所得とQoL(Quality of life(クオリティ オブ ライフ)「生活の質」)の劇的な向上に繋がるサービスを享受することを可能にしています。
また、収穫したトウモロコシ12万袋超(2022年)にQRタグを付与し、袋単位でのトレーサビリティ(いつ、どこで、誰が、どの品質で生産・出荷したのか等)を確保しています。
不二製油グループ、およびフジ オイル ガーナについて
不二製油グループは、日本に本社を置き、チョコレート用油脂&植物性油脂、業務用チョコレート、乳化・発酵素材、大豆由来素材(大豆たん白製品から大豆加工食品まで)の4つの主要事業分野において、植物由来の食品ソリューションを提供するメーカーです。フジ オイル ガーナは、シアバターの分別製造に特化し、不二製油グループ内でCBE油脂やその他の機能性油脂の原料として使用されるシアステアリンと、主に食品・化粧品原料として地元西アフリカ市場で販売されるシアオレインを生産しています。不二製油グループは、経営理念として「植物性素材でおいしさと健康を追求し、サステナブルな食の未来を共創する」を掲げています。植物性食品素材を通じて社会的課題を解決し、企業の持続的成長と社会の持続的成長を両立させる持続可能な経営、特に主要原料(パーム油、カカオ、大豆)の持続可能な調達を推進していくことを目指しています。
詳しくは www.fujioilholdings.com をご覧ください。
不二製油グループの植物油脂事業において、シアカーネル※から抽出されるシアバターは、ココアバター等価物(CBE)として広く使用されている重要な原料です。
シアの木は、サブサハラアフリカ(サハラ以南)の西アフリカに位置するシアベルト地帯にて自生し、年に一度、5月から6月にかけて実をつけます。伝統的に、収穫から加工まで女性が携わり、その多くは協同組合の組合員です。収穫されたシアの実は、農村部の女性組合によって熱処理され、製油所で食用のシアバターに加工されます。
不二製油グループは、このサプライチェーンを持続的に発展させるため、2021年6月に「責任あるシアカーネル調達方針」を策定。方針策定後は、中長期的な目標とKPIを設定。当社グループは、この方針で定めた以下の3つの約束を果たすことで、持続可能な未来に向けて取り組んでいます。
・シアの木の生息域内の緑地保全:シアの木の苗木を毎年6,000本、地域に植樹
・農村の発展と環境へ配慮した取り組みの推進:シアカーネルに関わる女性のエンパワーメントや協同組合の生産能力向上
・地域における価値創造:オペレーションスキルや品質・安全に関する教育を含む雇用創出および域内での製品の高付加価値化
CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)がこの分野の取り組みを統括し、フジ オイル ガーナが不二製油グループの関連部門と連携してシアカーネルの持続可能な調達を行っています。
2021年3月、当グループは3つのコミットメント達成に向けた取り組みの一環として、ガーナ北部の23の女性協同組合とともに「シアサステナビリティプログラムTebma-Kandu(以下、Tebma-Kanduプログラム)※」を立ち上げました。
https://www.fujioilholdings.com/en/sustainability/shea_kernel/
※シアカーネル:シアの木の果実からとれる種子(シアナッツ)の中にある胚。主な生産地はナイジェリア、マリ、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナなど。
※フジ オイル ガーナおよびTebma-Kanduプログラムの詳細については、以下のリンクをご参照ください。
フジ オイル ガーナ|不二製油ヨーロッパ
https://www.fujioileurope.com/en/about-us/fuji-oil-ghana
提携の背景と目的
2021年度、不二製油グループおよびフジ オイル ガーナは、Tebma-Kanduプログラムの立ち上げと運営に重点を置き、シアカーネルの持続可能な調達を開始。協同組合からのフィードバックは好意的で、現地の適切な指導と、農家の女性たちとのパートナーシップの結果、目標をほぼ達成することができました。一方で、Tebma-Kanduプログラムの協同組合から直接調達するシアナッツの量は、まだ必要な量には達しておりません。プログラムを進めるには、頻繁で効果的な農家とのコミュニケーションが重要です。言葉の壁や、物理的な距離がもたらす課題を克服する必要もあります。
こうした課題を抱える中、2023年3月、フジ オイル ガーナのロニー社長がガーナ北部にあるDegas社のオフィスとフィールドを訪問。ロニー氏は、農家に農業資材を提供し、100%のトレーサビリティを実現しているDegas社との協業を模索。前述の通り、Tebma-Kandu協同組合の女性農家を正確にプロファイリングし、コミュニケーションをとることのハードルは高いものの、Degas社の既存事業の上に、シアカーネルの集荷オペレーションを乗せることで、両社は互いの強みを活かし、テブマ・カンドゥ協同組合から直接集荷されるシアカーネルの割合を増やすことができます。
提携の内容
2023年6月26日に契約を締結。シア・カーネルを調達する、ガーナ北部の女性農家の所得向上と、協同組合からのシアカーネル調達比率の向上を目的とし、Degas社が70人以上の現場フィールドオフィサーと、24,000軒以上の農家のネットワークを持つ事業上のオペレーションで、シアカーネルを調達。同時に、Degas社のトレーサビリティシステムがプロジェクトに導入され、調達されたすべての袋(1袋85kg)のシア・カーネルには、どの協同組合から、どのルートで、どの品質のシアカーネルが来たかを可視化するために、固有のQRコードが付けられます。集められたシアカーネルはDegas社の倉庫に保管され、一次加工(乾燥など)が施されます。
その全工程において、フジ オイル ガーナ社はDegas社に集荷から品質管理(含水率、含油率など)までの技術指導を実施。フジ オイル ガーナは、協同組合に高品質なシア・カーネルを、Degas社にサービス料を支払います。2023年の目標は、1,400トン(16,000袋)のシアカーネルを集荷することです。
各社からのコメント
Degas株式会社 代表取締役:牧浦土雅
当社が農家ファイナンス事業を通じて培ってきたオペレーショナルエクセレンスをカスタマイズし、外部の皆さまと連携できる準備がようやく整ったのが本年2月初旬。
それ以来、食品加工業者から製造業者まで、小規模農家をサプライチェーンに持つ企業さまとの提携を模索してきました。その第一弾として、不二製油グループさまとの協業を楽しみにしています。今回の提携では、農家を管理するフィールドエージェントと呼ばれる現場スタッフのマネジメントと、それを可能にする独自のアプリやプラットフォームをフル活用してまいります。また、今後とも原料調達、小規模農家への技術指導、トレーサビリティなど、協働できる企業との対話を続けていきます。お気軽にご連絡くださいませ。
フジ オイル ガーナ Managing Director : Ronny Voorspools氏
「Tebma-Kandu」とは、マンプルリ語(現地語)で、「私をプッシュしたら私は登る」と訳されます。これは、コーチング、研修、倉庫、安全設備、事前融資、その他のツールを使って女性協同組合(52以上)を後押しし、女性組合員に力を与えるという本プログラムの目的とぴったり一致します。 プログラムは、最大限の効果を得るために深く掘り下げることを目的としていますが、一方、できるだけ多くの女性に手を差し伸べ、テチマン(フジ オイル ガーナの拠点の一つ)にあるフジ オイル ガーナのシア事業で使用するシアカーネルの大部分をカバーするためには、規模を拡大することが重要です。
したがって、不二製油のTebma-Kanduプログラムは、上流と下流のパートナーシップの可能性を広げています。現地でのNGOの経験、関係、存在感と、ビジネス・パートナーのネットワーク、市場浸透力、技術的ノウハウが組み合わさることで、このプログラムに大きな弾みがつくと感じています。
年始のDegas社のフィールド視察の後、両パートナーは、ガーナの農村における持続可能なアプローチが相互補完関係であることをすぐに理解。 最終的には、Degas社の持続可能な農業ビジネス・モデルの一部であるシアの調達コミュニティをさらに発展させながら、持続可能なシアの調達に関する緊密なパートナーシップを開始する旨の覚書を締結しました。
Tebma-Kanduは旅であり、何年もかけて成長する長期的なプログラムです。 Degas社がこのエキサイティングな旅に参加してくれることを嬉しく思います。 1+1=3:成功するパートナーシップの鍵です。
株式会社Degasについて
会社名:Degas株式会社/ Degas Ghana Ltd.
代表者:牧浦⼟雅
資本⾦:256,106,799円
従業員数:133⼈
事業内容:事業内容:テクノロジーを使った農家ファイナンス事業を中心とした、アフリカ⼩規模農家のへのファイナンス、リジェネラティブ農業、高品質なカーボンクレジット創出、関連テクノロジーの開発
<本リリースに関するお問い合わせ>
Degas株式会社
お問い合わせ先:info@degasafrica.com
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