【無料体験イベント】イマーシブ空間で体験する「絵画/音楽/音響」東京藝術大学の3人の新進気鋭アーティスト作品展「moment of us」をGWまで開催
浅草かっぱ橋道具街®のカフェ Sensing Touch of Earth で、2024/4/16~5/8まで異なるジャンルのアーティストが織りなす没入空間でコーヒーが楽しめるコラボレーションを開催!
空間表現「moment of us」とは
特定の風景をモチーフとする複数の絵画を展示し、ひとつひとつの絵のために作られた楽曲が立体音響によって空間内に同時再生されるというもの。鑑賞者が展示空間を歩くことで、視覚と聴覚の豊かな変化を通して、体を包む景色が移り変わるという心地よい刺激にあふれた没入体験を創出しています。
ジャンルの違う3人のアーティストの融合
本多悠人(音楽家、打楽器奏者)、真田将太朗(画家、東京大学大学院修士1年)、池田翔(音響エンジニア、東京藝術大学大学院修士2年)は、それぞれが東京藝術大学で美術・音楽・音響を専門に学ぶ過程で出会い、現在アーティストやエンジニアとして活動しています。
展示の先駆けとなったのは、本多と真田のコラボレーションによる《moment of us》という同名タイトルのアート作品でした。2022年の終わり、本多が企画している音楽セッションに真田が見学として参加。ドラムを叩いていた本多のスティックが突如激しい音を立てて折れ、その“瞬間”に魅了された真田が折れたスティックを譲り受け、手を加えることで一つのアート作品として完成させました。
エネルギーを持った瞬間や景色を共有し、それをアートへ昇華した二人の経験をベースに、人々を包む空間そのものを表現の場に変換できないかというチャレンジが、今回の展示を実現させました。
そして、展示空間を設計するにあたって欠かせないのが音響全般を担当する池田翔です。音響エンジニアである彼の音楽を聴かせる空間作りのセンスと技術により、本多・真田の空想が輪郭を持って現実となりました。
また、絵画作品のモチーフのなった風景は、本年元日に地震が起こった能登半島です。今回の展示は、三人がそれぞれ縁を持つ能登や輪島の美しい風景を東京に再現することで、アートを応用した遠方からの支援として開催する意義を持っています。
絵画/PAINTING真田将太朗 SHOTARO SANADA
2000年 兵庫県生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科を卒業、現在 東京大学大学院修士課程に在学。空間性を内包した「新しい風景」を創出する大型絵画を制作する傍ら、人工知能を造形芸術に応用し創造性の根源を探る美学研究を行う。 主な個展に「OVER」(STREET DREAMS STUDIOUS TOKYO,2024)「ACROSS」 (Bumpodo Gallery,2023)など。大学在学中よりGoogle Japan、Amazon Japan、JR東日本、銀座蔦屋書店などにアートワークを提供、幕張メッセでのライブペイント開催やJR⻑野駅に10mの絵画が永久常設など国内外で広く活動する。
「今回の展示は、私たちが風景を見つめるときの身体的な感覚を、視覚と聴覚上の拡張をベースに空間そのものとして再解釈することを目的としている。
「現代を映す新しい風景を描いて皆に見てもらおう」というのが絵画づくりの最初期のモチベーションだった。忙しなく過ぎる現代には、ふと足を止めて見つめたくなる景色と、その世界に入り込み冷静さを取り戻す時間が必要だと考えていた。人々が目に見えない恐怖から身を守るため、物理的な障壁や精神的な境界を簡単に築いてしまう時代に、繋がることの良さを感じさせる優しい絵画を見せてあげたいという傲慢な想いも、心の何処かにあったように思う。風景が醸成される⻑い時間と、世界を広く見つめる瞬間に、私たちの身体が無意識に知覚する重力を描き表すことが「新しい風景」の提示に繋がると考え、絵画としての表現方法を探ってきた。
風景は垂直に伸びる。樹木は真っ直ぐ上へ伸び、根を地下へ張って自然の景色を作り出す。地層や海水は目が眩む程の深さを担保に、この世界を支えている。私たちの生活を支える建造物群は、基礎から高層にいたるまで縦に重なるように造られ、都市の見た目を作り上げる。これらを垂直方向に統一された筆致で、アニメーション的な時間の表現で覆うように平面へ収めてみる。そして部分と全体、中心と周縁における要素の階層的差異を打ち消しながら、ひたすら層を重ねる経験こそが、現段階の私ができる「新しい風景」の最適な表現手法だと考えている。
何も描かれていない平面に一つずつ絵の具が加わるとき、絵画は新たな要素が増えることによって全体が不均質な差異で満たされていく。この不均質な差異は非常に不安定なもので、瞬間的に力関係が転覆する変革の可能性を大いに孕んでいる。
今回の立体音響とのコラボレーションによる表現の拡張は、要素どうしの関係性を更新しながら完成へと向かう、非常に動的な過程を静かに映す空間を適切に演出できたと感じている。境界を超えた出会いによって生まれた空間が、そのなかに立つ人々にとって「新しい景色」を「見つめながら聴く」という身体的な体験に昇華されることを願っている。」
作曲/MUSIC本多悠人 YUJIN HONDA
2000年生まれ。神奈川県出身、東京藝術大学音楽学部器楽科を卒業。幼少より様々な楽器に親しみ打楽器、ドラムを中心に演奏活動をする。学生時代経験した打楽器のみのソロ作品の数々から効果音を利用したアンビエント音源制作も始め、現在では作曲と演奏を中心に活動している。オーケストラの客演を行う他ジャズ、ロックのライブにも多数出演。また学内オーディションに合格し、藝大室内楽定期第50回に出演。
「今回、私は真田が描いた絵画のすべてに楽曲を当てた。それぞれの絵画を譜面のように見つめ、その感想を言葉ではなく音楽で返答している。絵画の解釈を限定するのではなく、あくまでもう一つの「目」を提供する楽曲を構成することにより、オペラやミュージカルとは違った新しい総合芸術の形を模索できないかと考えた。
また今回の作品には「視覚から得られる同時多発的な情報処理を聴覚においても発生させたい」という狙いもある。美術館を例にすると、わたしたちが展示空間に入った瞬間、目に飛び込んでくる作品は多くの場合一つではない。仮に一つの部屋に絵画が一枚だけある空間でも、そこには壁・天井・照明・キャプションなどがあり、その場所に入った瞬間に視覚を通して処理される情報源は常に複数存在する。空間自体が「美術館」というキュレーションの加わった一種の表現空間であり、その表現性を求めて美術館に足を運ぶ人も少なくないのではないだろうか。
では、音楽は同時に一つしか聴けないのだろうか?
今回私が二階展示スペースにおいて挑戦したのは、音楽を複数同時に聴くことによる空間形成である。複数の絵画から発せられる光としての情報を、私という媒体を通して譜面に書き起こし、音としても得られるような楽曲構成を目指した。普段、わたしたちが街中で聞く音は複数の音源の集合体であり、その一つ一つを作品にしたとき、言うなれば「聞こえる美術館」を創ることを目的とした挑戦である。
二階の展示空間の奥に進むと、Dolby Atmosシステムによる立体音響と一つの絵画作品の為の空間が用意されている。この表現空間は一つの平面作品に対応する形で制作した立体音響を組み合わせることで、より深く見えるもの、感じられるものを引き出すDolby Atmosシステムを採用した。前述の「聞こえる美術館」の狙いも含んでいるが、こちらは一つの作品に対して、より詳細に音が鳴るよう工夫している。」
音響/SOUND DESIGN池田翔 TSUBASA IKEDA
2000年 新潟県生まれ。東京藝術大学音楽環境創造科を首席卒業、アカンサス音楽賞を受賞。現在、同大学大学院音楽研究科修士課程に所属。音による空間表現・空間演出に興味を持ち、レコーディング・ミキシング・サウンドデザイン・サウンドインスタレーションの制作などを行う。録音と再生によって生じる音響空間に着目し、立体音響を特徴とした制作を行っている。さらに、立体音響についての学術的な研究も積極的に実施し、アカデミックな文脈 とアーティスティックな文脈の接続を行う。日本オーディオ協会 第7回「学生の制作する音楽録音作品コンテスト」最優秀賞受賞。Audio Engineering Society Educational Foundation 奨学生
「ひとつの空間に複数の「音」を同時に展示したいとのコンセプトのもと音響設計を行なった。空間内で二つの音が混ざった際、お互いに及ぼす影響が大きいため、一般的には一部屋につき一作品といったスタイルで展示されることが多い。一方今回の展示での試みは、複数の音をシームレスに同一空間に展示することを求められた。
使用したスピーカーは、音の出る方向がとても狭く一般的には「良くない」とされるスピーカーであった。しかしそれをあえて用いることで、絵画に近づいたときに音が大きくなるという空間を幸運にもアナログ的に設計することができた。さらに楽曲中での音量差を狭めすぎないことによって、常に変動しつづけるような音響空間を設計した。
ミキシングにおいては、残響の使い方に特徴がある。今回展示する多くの絵画に「山」の要素が含まれていることから発想を受け、「やまびこ」をイメージさせる「残響」を一つのパラメーターとして用いることとした。それぞれの作品を繋げるという意味のもと、通底する深い残響をすべての作品に加えている。しかしながら、それぞれの残響のキャラクターを大きく変更することで、個々の作品が「繋がっているが、独立している」という特異な音響空間の設計を実現した。
さらに奥に進むと、音響が聞こえなくなるのに絵画のみが展示されている場所が存在することに気づくであろう。それがDolby Atmosを使用したシアターへの動線となっている。空間に音が充満するような設計の空間の中に突如として現れる音響がない空間をあえて作ることによって違和感を発生させる狙いがある。Dolby Atmosは立体音響・イマーシブオーディオと呼ばれるフォーマットの一つである。今回の作品では制作時からDolby Atmosでの上映を前提として本多とコミュニケーションを取った。その際に、ダムやホールよりも深い残響を使用することによって非日常的な空間を演出したいというプランが挙がった。シアター外の美術館的な作品とシアター内での映画館のような体験をつなげる要素として「残響」を設定し、制作を行っている。また真田の絵画作品は即興性が高いものであると感じ、ミキシングの中で音を動かすパンニングでは、楽曲を聴きながら録音するいわゆる「一発録り」で制作を実践した。」
イベント企画 株式会社サイファ 谷 北斗
https://cipher-jp.com/
1年前、友人の紹介で第2回個展「ACROSS」で真田氏と出会いました。彼の絵画に心を奪われ、その日に個展のメインビジュアル「漸進する風景 / progressive landscape」を購入しました。翌月に会場である「Sensing Touch of Earth」の2階に御縁もあり常時展示が叶いました。
その後、更に御縁が重なり今回の「moment of us」開催となりました。真田将太朗、本多悠人、池田翔という3つの才能が融合した没入感(イマーシブ)のあるイベントです。ぜひ一度足をお運び下さい。
スペース運営 株式会社Budscene 代表取締役 並木勇一
真田さんの作品を弊社スペースに運んでくれた谷さんのお陰で
彼らと知り合う事ができました。
私も音に関わる部屋創りをお仕事にさせていただいているので、
彼らの活動に興味を持つようになり今回の企画を実行する事になりました。
弊社が表現する合羽橋道具街でのくつろぎの空間にて
多くの方の目に耳に触れてもらう事を心から期待しております。
【開催会場情報】
カフェ:Sensing Touch of Earth(センシング・タッチ・オブ・アース)
所在地:東京都台東区松が谷3-1-12
instagram:https://www.instagram.com/sensing_touch_of_earth/
Sensing Touch of Earth CAFE
世界中のプロの料理人が道具を求めにやってくる東京都台東区のかっぱ橋道具街、その一角にあるカフェSensing Touch of Earth(センシング・タッチ・オブ・アース)は、この商店街唯一のエスプレッソを出すコーヒー店です。食のプロが集う街にふさわしいこだわりの店内で、コーヒー本来の美味しさを追求したサスティナブルコーヒー(スペシャルティコーヒー)を提供
https://www.instagram.com/sensing_touch_of_earth/
レンタルシアター Theater SPROUT
秘密基地のようなシアタースペースでは、お好きなDVDやBlu-ray、端末などを持ち込みいただき本物の映画館やライブ会場のような雰囲気をお楽しみいただけます。
入口1Fにはカフェ"sensing-touch-of-earth(センシング・タッチ・オブ・アース)が併設され、本格的なコーヒーもお楽しみいただけます。
一般の方が利用できるレンタルシアタースペース【TheaterSPROUT】
4K HDR対応プロジェクター
7.1.4ch DolbyAtmos対応
公式HP URL https://theatersprout.budscene.xyz/
Space Soil
2F Space Soilでは現在までのアーティストの展示などを開催してきました。
今後もアーティストの方の展示や、東京藝術大学生の作品の展示などの
会場としてスペースをお貸ししていきたいと考えております。
https://www.facebook.com/spacesoil
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