2021年度上半期「介護保険居宅サービスの最新データと業界動向」

~在宅ケアに関わる保険制度とコロナの影響を踏まえて~

高齢者住宅・介護サービスのデータベースとコンサルティングを提供する株式会社タムラプランニングアンドオペレーティング(東京都千代田区、代表取締役:田村 明孝)では、この度「介護保険居宅サービスデータ〔全国版〕」2021年度上半期号を発行しました。

 

2020年~2021年度はコロナ禍における大きな社会環境の変化があり、高齢者の在宅ケアを支える居宅サービスへのニーズや提供状況も大きく変動した時期でもあります。
当社ではそのような中で、全国の介護保険居宅サービスの最新データと業界動向を解説するセミナーを開催しましたので、このリリースではセミナーより代表的なトピックスをご紹介します。
■トピックス
1.介護保険居宅サービス事業所の開設動向
2.在宅での医療ケアを担う訪問看護の増加
3.昨年からのコロナ禍の影響とその後

今回のTPデータを活用したセミナーにあわせて、データの参考資料やセミナーのダイジェスト動画もありますので、こちらもご覧ください。
・参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d72736-20210909-692a1c275a62d1c2a03741cf62e952e7.pdf
・ダイジェスト動画 https://youtu.be/xM43dQZeu1Y
※本資料に掲載の情報・図表の無断転載を禁じます。

  • 1.介護保険居宅サービス事業所の開設動向
全国の事業所数/受給者数(最新時点)
まず当社で取り扱う居宅サービスは訪問や通所、居宅介護支援や地域密着型など、17種類のタイプ(類型)に分かれ、介護保険居宅サービスの概況として、最新2021年7月末時点での全国の総事業所は計18.1万ヶ所に上ります。

全国の受給者の推移(時系列比較)
次に、近年における居宅サービスの受給者の推移を、厚労省のデータを元に時系列で表したものが次のグラフになります。

・最近10年を見ても、受給者数が右肩上がりに増加していますが、その増加率は低下しつつある傾向が見られます。(2020年はコロナ禍の影響が考えられ、増加率の落ち込みがありますが、翌2021年4月にはリバウンドする)

請求事業所数及び受給者の推移(前年4月期との増減比)
そして居宅サービスの請求事業所・受給者の推移を、厚労省のデータを元に、時系列での前年4月期との増減比を展開したものが次表になります。
※表の赤枠には、2020年4月から2021年4月時点への推移として、増減の傾向を矢印で記載(一部、コロナ禍の影響が大きいと考えられるサービスは独自判断によって矢印の向きを調整)

・近年の目立った傾向としては、訪問看護/訪問リハ/看護小規模多機能など医療系サービスの増加が見られ、定期巡回・随時対応型の24時間対応サービスも増えています。

参考:全国の介護給付費の推移(時系列比較)
さらに居宅サービスに関わる金額に関わる参考として、介護給付費を居宅系サービスと地域密着型サービスに分類して、時系列で表したものが次のグラフになります。

・ 事業者/受給者の増加に伴って、介護給付費の費用負担も増加してきており、2020年度の給付費の合計(2分類の合計)は5.03兆円に達しています。
  • 2.在宅での医療ケアを担う訪問看護の増加
医療系サービスの増加する背景
前述の事業所・受給者の推移からも、医療系サービスが増加する背景には、医療と介護の制度改訂が大きく起因するもので、病院でのケアから在宅でのケアへシフトが進む中で、医療系サービスに求められるニーズの変化も考えられます。


訪問看護の事業所数、前年増加率の推移
その結果を受けて、特に在宅での医療ケアを担う訪問看護の事業所数は、近年、右肩上がりで増加してします。

・在宅ケアへとシフトが進む中でサービス利用のニーズは高まり、訪問看護を必要とするのは医療依存度の高い利用者であることから、その報酬・加算の単価といった収入面にも表れています。(右側には訪問介護と訪問看護を比較した参考情報も記載)
今後の見通しとしても、これらの背景や状況から医療と介護の一体化が促進されていき、在宅でのサービス利用のニーズの多様化に応じて、医療系/24時間対応または医療・介護ミックスのサービスが受容されるものと予測されます。
  • 3.昨年からのコロナ禍の影響とその後
昨年からの介護保険受給者数の推移(各月ごと)
3つ目のトピックスには、昨年2020年からの新型コロナの影響になり、緊急事態宣言が発令される前後の期間について、厚労省のデータを元にした介護保険受給者は次のグラフになります。

・緊急事態宣言の第1回と第2回の時期にフォーカスすると、その前後に受給者数の落ち込みが見られます。

各タイプでの介護保険受給者数の推移(前年1月期との増減率)
同様にこの時期の介護保険受給者について、居宅サービスの各タイプごとに、コロナ禍の影響を受ける前である2020年1月時点を基準とした増減率は次表になります。

・ショートステイの減少が際立っていることに加えて、総じて通所系サービスが落ち込み、2020年1月時点の水準まで戻っていません。
・それに対して訪問系サービスは、緊急事態宣言の第1回時に減少があったものの、その後は回復基調に転じて、2020年1月時点を上回り、通所系/訪問系のサービス提供の方法(場所)によって、コロナ禍の影響が分かれる結果となりました。
※本資料に掲載の情報・図表の無断転載を禁じます。
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今回活用したデータの紹介
「介護保険居宅サービスデータ〔全国版〕」では、全国・全17種類・約18万ヶ所の介護保険居宅サービス事業所を収録し、関連する基礎・参考情報や公募情報/M&A/業界ニュース等で構成され、介護保険居宅サービスの概況をワンストップで把握できるデータとなっていますので、ぜひご活用ください。

今回ご紹介したデータ活用のセミナーにあわせて、データの参考資料やセミナーのダイジェスト動画もありますので、こちらもご覧ください。
・参考資料 https://prtimes.jp/a/?f=d72736-20210909-692a1c275a62d1c2a03741cf62e952e7.pdf
・ダイジェスト動画 https://youtu.be/xM43dQZeu1Y

TPデータ・サービス
当社では、高齢者住宅・介護サービスに特化したデータベースとコンサルティングに長年の実績を持ち、2005年よりデータベースと分析レポートを組み合わせたTPデータ・サービスを提供しており、高齢者の住宅から介護サービスに関わる業界動向の情報を集約・提供しています。


次回のセミナーや勉強会
当社では、今後も高齢者住宅及び介護保険サービス業界に向けた、各種テーマや切り口のセミナーや研究会を開催していきますので、次回以降の内容についても、ご期待ください。
・高齢者の豊かな生活空間開発に向けて研究会(9月10日、9月14日)
 https://takikaku.co.jp/seminar/109-110koukuuken
・自治体別高齢者住宅・施設等の需給予測データを活用したセミナー(10月15日)
 https://takikaku.co.jp/event/tpseminar211015?instance_id=1029
※本資料に掲載の情報・図表の無断転載を禁じます。

 

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会社概要

URL
https://www.tamurakikaku.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区神田錦町1-13 大手町宝栄ビル601号
電話番号
03-3292-1107
代表者名
田村 明孝
上場
未上場
資本金
2000万円
設立
1989年09月