契約農家と共に地域性のある酒造りへ~小嶋総本店契約農家がアイガモロボによる無農薬酒米で一等米獲得~
9月27日、JA山形おきたまで行われた米の等級格付検査において、山形県米沢市の酒蔵・小嶋総本店と同社の契約農家・寒河江一紀さんがアイガモロボを活用し無農薬で栽培した酒米「出羽燦々」が、良品質を表す「一等米」の評価を受けました。アイガモロボは有機米デザイン株式会社が開発した自動抑草ロボットです。小嶋総本店と寒河江さんは「農薬を使わずに田んぼの生物多様性を守りながら、地域性のある酒米を栽培したい」と考え今回の挑戦に至りました。そして今秋、ほぼ目標通りの数量の無農薬酒米を収穫し、一等米の評価を受けることができました。小嶋総本店ではこの冬の酒造りで、収穫された無農薬酒米を仕込んでお酒に仕上げる計画です。
小嶋総本店 Facebook 投稿ページ url: https://bit.ly/3TiRLxY
- 背景
小嶋総本店は、昨年まで農薬や化学肥料を使用した「慣行栽培」を行っていた契約田において、アイガモロボを使用した無農薬栽培の実証実験を開始しました。有機米デザイン株式会社が開発するアイガモロボはGPSを搭載しており、人工衛星と通信しながら設定されたルートを泳ぎます。本体の太陽光パネルを動力源とし、下部のスクリューが田んぼの泥を掻き上げて水を濁らせることで太陽光を遮り、雑草の出芽を抑える仕組みです。
有機米デザイン株式会社・アイガモロボ 詳細: https://www.ymd1122.com/press-room/aigamoprototype
5月下旬、田んぼにアイガモロボを入水し、3週間稼働させました。結果、アイガモロボの明らかな抑草効果を確認し、除草にかかる労力も削減されました。さらに、泥を掻き上げることで出来た柔らかい土壌が稲に栄養を行き渡らせ、無農薬米は慣行栽培の稲よりも背が高く伸び伸びと成長していきました。
収穫期にかけて「いもち病」などの病気との戦いもありましたが、部分的に刈り取るなどの対処によって感染拡大を防ぎ、無事に収穫期を迎えることができました。
収穫量は目標としていた1,260kgとほぼ同等の1,230kg、品質面でも一等米を獲得することができ、有機肥料のみを用いた無農薬栽培に初めて取り組んだ年としては、十分な成果を挙げることができました(なお「有機栽培」は、同等の農法を3年以上連続して同じ圃場で行った後に認定を受けることで名乗ることができます)。
【担当者メッセージ】小嶋総本店契約農家・寒河江一紀(かずのり)さん
今回の実証実験でアイガモロボを用いた「スマート農業」を経験できたことは大きな収穫でした。無農薬での栽培は、田植え後はアイガモロボに活躍していただきましたが、一貫して稲作の原点に還ることが求められました。農薬を使わずに種もみの消毒をする温湯消毒や稲を病気から守る方法などを改めて振り返ることで、ロボット共に自然と共生する道が見えた気がします。当初は有機農法へのハードルを大変高く感じていましたが、最終的には目標に近い収量を得られたことは大変喜ばしく、届かなかった分は来年の糧としたいです。
【展望】
小嶋総本店は今季、この無農薬酒米「出羽燦々」で新しいお酒を醸す予定です。醸造は令和5年の春頃で、720ml換算で約1,700本程度の製造量を見込んでいます。
また、今期は寒河江さんの圃場1箇所で実験的にアイガモロボを運用しましたが、翌年はさらに生産者を募り、複数箇所での運用を模索したいと考えています。湿度の高い日本で有機栽培や無農薬栽培を行うことは容易ではありませんが、持続可能な農業への挑戦を続け、国内のみならず、東光が輸出される20ヶ国以上へも取り組みを発信して参ります。
【会社概要】
株式会社 小嶋総本店
小嶋総本店は安土桃山時代(慶長2年・西暦1597年)に創業した、日本に現存する中で13番目に古い酒蔵です。上杉家御用酒屋でもあり、日本酒「東光」「洌」等を醸造しています。
醸造アルコール等の添加物を用いず、純米酒のみを醸造する全量純米蔵です。社是に「自然との共生」を謳い、原料由来の廃棄物を一切出さない廃棄物ゼロの酒造りを行っています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像