量子インターネットの社会実装を目指すLQUOMがSeries Bによる資金調達を実施

~量子中継器の実用化に向けた研究・事業開発体制をさらに強化~

LQUOM株式会社

日付:2025年10月24日

LQUOM株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:新関 和哉、以下「LQUOM」)は、SBIインベストメント株式会社、オリックス・キャピタル株式会社、大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、JMTCキャピタル合同会社、アンリツ株式会社、バイオ・サイト・キャピタル株式会社(順不同)を引受先とする第三者割当増資により、シリーズBラウンドにおいて資金調達を実施したことをお知らせいたします。なお、エクステンション・ラウンドについても予定しております。

■これまでの取り組み

量子コンピューターの発展や情報処理技術の高度化により、通信基盤は従来型インターネットを超えた新しいセキュリティと性能を求めています。その鍵を握るのが「量子インターネット」であり、膨大な距離にわたって量子情報を安全かつ効率的に伝送するためには「量子中継器」が不可欠です。しかし、量子中継器は世界的にも技術難度が高く、社会実装に向けた研究開発を推進するスタートアップは限られています。

LQUOMは、量子インターネットの実現に不可欠な量子中継器の開発を進めてきました。これまでに、技術確立と要素開発を着実に積み重ねるとともに、商用光ファイバ網を用いた実環境での実証実験を実施し、長距離かつ安定化された量子通信の可能性を検証してきました。さらに、国内外の研究機関・企業と連携し、共同研究やテストベッドでの検証を通じて、量子中継器を社会実装へと近づける取り組みを推進してきました。2024年には、量子中継システムの重要なコンポーネントの1つである共振器内蔵型量子もつれ光源『LQ-PS-100』の製品化に成功し、既に販売実績も積んでいます。 LQ-PS-100は、量子中継システムに最適化した2光子源と共振器の機構を組み合わせた量子通信用の光源です。
近年では、複数の大手企業や大学との共同研究を進めることで、量子コンピューターや量子通信ネットワークを実用環境で接続するための技術的課題の解決にも挑戦しています。こうした活動を通じて、量子インターネットの実現に向けた技術基盤を国内外で築きつつあります。

また2025年8月には、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公募する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/ポスト5G情報通信システムの開発 開発テーマ:(g5)量子コンピュータの産業化に向けた開発の加速」に選定され、量子コンピューター間接続技術の研究開発に最先端で取り組んでおります。

■本資金調達の目的

今回のシリーズB資金調達により、LQUOMはこれまでに培った研究成果を事業化並びに社会実装へとつなげるための成長フェーズに移行します。まず、量子中継器の高性能化と信頼性向上に向けた研究開発をさらに推進し、国際的な競争力を有する技術水準を確立します。同時に、研究開発人材や事業開発人材の採用を通じて組織体制を強化し、技術開発と市場開拓を両輪で加速させます。

また、国内外のテストベッドでの実証実験を通じて技術を検証し、社会実装に不可欠なエコシステム形成を進めます。特に、通信事業者やハイテク企業との共同プロジェクトを拡大することで、量子通信ネットワークの実用化に必要な標準化や相互接続性の確保に取り組みます。

加えて、グローバル市場での事業展開を加速させます。これにより、現地パートナーとの連携強化、国際共同研究の拡充、そして海外顧客への技術提供を目指し、量子インターネットの社会実装を世界規模で推進してまいります。

■投資家のみなさまからのコメント(順不同)

SBIインベストメント株式会社 投資部マネージャー 鈴木 洲平 様

前回のラウンドに引き続き、今回もリード投資家として出資をさせていただきました。

2025年が量子元年と言われるように量子技術は盛り上がりを見せておりますが、量子通信無くして量子時代は到来しえないと考えています。中でもLQUOMの開発する量子中継器は、量子通信に必要不可欠であり将来の必須インフラになれるポテンシャルがあります。

今回の調達で中継器の商用製造に目途をつけ、量子通信時代を始めたいと思います。

オリックス・キャピタル株式会社 代表取締役社長 渡辺展希 様

情報処理能力の向上と、通信の安全性を支える次世代インフラへの期待が高まっている現代において、量子中継器はその実現に不可欠な技術を搭載した次世代インフラだと考えております。これまでの研究開発と実証実験による成果は、世界トップレベルの技術力と開発進捗を示していると考え、今回の出資を決定いたしました。本資金調達により製品完成と社会実装が推進されることを期待しております。

大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC) 投資部アソシエイト 中山 太貴 様
量子インターネットは量子コンピュータの発展と情報通信社会の安全を両立させるために、将来必要不可欠になるであろう未来のインフラです。LQUOM様の開発する量子通信中継器が日本だけでなく、世界中の量子インターネット発展の基盤になる大きな可能性を感じ、今回出資させていただきました。LQUOM様の更なる発展に向けて全力で支援をさせていただきます。

SMBCベンチャーキャピタル株式会社 投資営業第二部 次長 上村将大 様
量子コンピューターが著しく発展する中、量子暗号通信や分散量子計算を可能にする「量子インターネット」のニーズは今後ますます高まっていくと考えます。その最前線に立つLQUOM様は、本領域のリーディングカンパニーとして、量子時代の社会インフラを実装していく存在になると確信しております。SMBCベンチャーキャピタルはSMBCグループの力を活用してさらなる事業成長をご支援してまいります。

JMTCキャピタル合同会社 マネージャー 松原瑠香 様
近年、通信セキュリティ強化へのニーズや量子コンピュータ開発の進展に伴い、量子通信の重要性が高まっています。長距離量子通信の社会実装に不可欠なインフラとして、LQUOM社が開発を進める量子中継機に可能性を感じ、出資いたしました。今後、LQUOM社のさらなる発展に向けて支援してまいります。

アンリツ株式会社 執行役員 経営企画室長 徳家 努 様
アンリツは、量子インターネットの社会実装に向けたLQUOM社の先進的な取り組みに共感し、今回の出資を通じてその推進を支援できることを大変嬉しく思います。両社の技術と知見を活かして技術革新を加速することで、量子通信分野の発展に共に貢献してまいります。

バイオ・サイト・キャピタル株式会社 インキュベーションビジネス部 部長代理 荻野真一 様

弊社が運用する大阪・関西万博活性化ファンドでは「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現に繋がるスタートアップを発掘しアフター万博でのグローバルな成長を支援しています。量子インターネットはまさに「未来社会」に不可欠な社会インフラとなり得ますし、LQUOM社は万博会場のGlobal Startup EXPO 2025に出展され、ますます注目を集めています。素晴らしい経営チームで開発・事業化を進めるLQUOM社を今後も全面的に支援させていただきます。

■LQUOM代表からのコメント

LQUOM 代表取締役 新関 和哉
LQUOMは量子インターネットの根幹を担う、長距離量子通信の社会実装を見据えてハードウェア開発を加速度的に進めてまいりました。この度は投資家の皆さまにご賛同頂きSeries Bを達成することができました。この場を借りて御礼申し上げます。LQUOMではこの度の調達を通して、皆さまのもとに新インフラである量子インターネットをお届けできるよう日々挑戦して参ります。


■当社紹介
LQUOM株式会社 会社概要
会社名 : LQUOM株式会社
所在地: 神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79番5号
設立: 2020年1月
代表者: 代表取締役 新関 和哉
事業内容: 量子インターネット実現に向けた量子通信システム、量子中継器の開発
URL:

会社HP:https://lquom.com/
LinkedIn:https://www.linkedin.com/company/lquom/

 

 LQUOM(ルクオム)株式会社は、量子インターネット実現に向けた量子通信システム、量子中継器、関連技術の開発に取り組む、横浜国立大学発スタートアップです。量子コンピューターの性能向上に伴い、現在、広く使用される暗号アルゴリズムが解読される恐れがあり、このような危険性を確実に排除するためには、理論上絶対安全な量子通信技術を用いた量子インターネットが必要です。

 一方、長距離で安全な通信を行うためには中継が望ましく、量子インターネットを実現するためには、量子通信専用の『量子中継器』が必須であり、LQUOMは、量子中継器の開発に必要な基礎技術を保有しています。LQUOMは、量子もつれを用いた方式を採用した量子中継器の開発を通して、絶対安全な次世代ネットワークである量子インターネットの実用化を目指しています。


<量子中継のメカニズム>

<プロダクト: LQ-PS-100>

性能概要

Wavelength

606 nm* + 1550 nm

Linewidth

< 5 MHz (@606 nm)

【本件に関するお問い合わせ先】
LQUOM株式会社 広報担当
Email : contact@lquom.com

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会社概要

LQUOM株式会社

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URL
https://lquom.com
業種
情報通信
本社所在地
神奈川県横浜市保土ケ谷区常盤台79-5
電話番号
-
代表者名
新関 和哉
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2020年01月