インフォアジャパン、2022年の自動車業界に関する予測を公開

インフォアジャパン株式会社

業界特化型クラウドカンパニーの米Inforの日本法人、インフォアジャパン株式会社(東京都千代田区、以下インフォア)は、本日、「2022年の自動車業界に関する予測」を下記の通り公開します。

本予測は、インフォアジャパンのプリンシパル ソリューション アーキテクトである佐藤 幸樹によるものです。2021年に自動車メーカー、OEM、サプライヤーを襲った試練は、2022年も継続し、予測できない新たな問題が立ちはだかる可能性もあります。企業は、既知の課題だけでなく、予期せぬ課題もいっそう重視して備えなければなりません。レジリエンスや俊敏性、適応性、コラボレーションがキーワードとなる、2022年の自動車業界予測やトレンドを紹介します。

■2022年の自動車業界に関する予測

予測1:新型コロナウイルス感染症による混乱は続く

新型コロナウイルス感染症の拡大の余波は何年にもわたって続くと考えられ、ビジネスリーダーは市場の変化を常に把握し、従業員に安全な職場環境を提供することに細心の注意を払わなければなりません。ワクチンや検査方針に関する従業員の考え方は、新しい研究結果が発表されるたびに議論され、発展していくことでしょう。各国の方針に対する従業員の抵抗や、法的・政治的な問題は、工場を継続してフル稼働できるかどうかに影響を与える可能性があります。バックオフィス業務の一部はテレワークで行えますが、組立ラインでの作業はZoomなどのWeb会議では不可能です。今後も状況は変化していくため、自動車メーカーとサプライヤーは今から十分な準備をしておく必要があります。

予測2:製品の安全性は常に最優先事項

業界の問題すべてをコロナ禍のせいにすることはできません。パンデミックの発生よりもずっと前から、大規模な変化が起こっていました。CASE(Connected:コネクテッド、Autonomous:自動運転、Shared:シェアリング、Electric:電動化)がもたらす変革や、持続可能性の向上、燃費の改善および安全性の向上の高まる要求については、いくら強調してもしすぎることはありません。そして、相変わらず業界を悩ませるのがリコールの問題です。特に電気自動車を中心としたイノベーションについては、新しい技術や部品の導入前に慎重なテストを行う必要があるという苦い教訓が得られています。リチウムイオン電池の発火の危険性はほんの一例です。この問題は、あらゆる角度から分析され、改善と安全対策が講じられてきました。つまり、イノベーションを促進するには、慎重さや緻密な調査との間でバランスを取る必要があるということです。幸いにも、製品ライフサイクル管理ソリューションは、自動車メーカーやサプライヤーが、研究開発段階からテストの検証、エンジニアリングの変更管理まで、プロセス全体を管理するのに役立ちます。

予測3:俊敏性が重要になる

最近の自動車業界はいくつかのパラダイムシフトを経験しており、その主な要因であるCASEは今後も継続すると考えられます。これは、製品の設計・開発から、製造、流通、販売、サービス、人材、アフターマーケットに至るまで、業界のあらゆる側面に影響を及ぼしています。ユーザーエクスペリエンスも大きく変化し、中価格帯の自動車にも数々の高級な装備が搭載されるようになりました。シートヒーター、駐車時のカメラアシスト機能、衝突回避センサーなど、高価格帯向けの機能が標準装備されるようになってきています。このような大きな変化に適応するには、かつてないほどのビジネスの俊敏性と、それに対応する俊敏なテクノロジーソリューションが必要です。クラウドベースのソリューションは、迅速で簡単に導入でき、新しい事業体およびモデル、新しい業務プロセス、新しいパートナーシップを立ち上げるための柔軟性と拡張性を備えています。

予測4:半導体市場に参入する企業が増加

現代の自動車は、標準的なラインから最高級のラインまで、車種を問わずさまざまな半導体を使用していますが、いまだに深刻な供給不足が続いています。半導体不足は今年も長引くことが予想され、業界が乗り越えなければならない重大な問題であると考えられます。残念ながら、すぐに簡単に解決されるわけではありません。一部のOEMメーカーは、マイクロプロセッサの生産を内製化することで、自力で問題を解決しようとしています。これで供給不足が制御できる可能性はあるものの、自動車用の半導体は一般的に低価格のコモディティ化された製品であり、資本集約的な生産への投資は収支が合うまでに何年も要するため、経済的に非現実的であると多くの専門家が考えています。EUも半導体産業への参入を図っており、10年後までに世界の生産量の20%を占めることを目指しています。企業はこのような変化を予測し、十分な供給を確保するために早急に行動しなければなりません。 2022年は企業同士の連携や提携がさらに重要となり、購買力を拡大するためにパートナーシップを強めるようになります。Ford社が昨年発表したGlobalFoundries社との提携がその一例です。クラウドベースのコラボレーションツールは、このような複数企業間の関係管理を支援します。

予測5:地域の拠点と自立がより重視される

半導体不足により、米国では、重要な部品を他国に頼らずに自給自足するべきという意見も出ています。この話題は来年も間違いなくニュースサイトやソーシャルメディア等で取り上げられ、選挙や貿易協定に影響して、過剰に宣伝されるでしょう。

予測6:サプライチェーンの可視化が命運を分ける

ソフトウェアが先見の明のあるメーカーに救いの手を差し伸べます。半導体の製造はすべての企業にとっての解決策にはならないかもしれませんが、サプライチェーンの管理にテクノロジーを活用することは、間違いなくすべての自動車OEMやサプライヤーが採用できる戦術です。サプライチェーン計画管理のツールにより、在庫、納品、配送ルート、納品予定、納品が遅れた場合の販売注文への影響などをモニタリングすることができます。問題を可視化することで部品の到着が早まるわけではありませんが、問題を認識することができ、準備や代替案の検討を行い、顧客に向けて現実的な予測を示すことができます。

予測7:ビジネスインテリジェンスが混沌を実行可能な戦略に変える

企業が復旧戦略を立てる際には、変化とその財務上の影響を把握するためのデータインサイトが必須となります。大半の企業が未知の領域に足を踏み入れており、これまでの戦略や従来の計画に頼ることはできません。新たなレポートが必要になり、新たなKPIを決定しなければなりません。そして、経営幹部だけでなく企業全体において、その影響を予期・測定し、結果を予測する新たな方法が必要になります。そのためには、拡張知能、人工知能、機械学習、および、デジタルプラットフォームが不可欠です。先進的でモダンなソリューションだけが、このような課題に取り組むことができます。スマートアナリティクスや機械学習/AIの価値を認識し、これらの機能を組み込んだソリューションに投資する企業が増加するでしょう。 

予測8:人材獲得と確保の優先度が高まる

2022年以降に競争力を持って成長するためには、人材の採用と確保を戦略的な計画に含めなければいけません。すべての仕事が変化しており、チームコラボレーション、問題解決、データ管理、顧客サービス等のソフトスキルは、機械を操作する能力と同様に重要になります。さらに、CASEが業界を変革し、インダストリー4.0とIoTがITとOT(現場技術等のオペレーショナルテクノロジー)の融合を推進する中で、デジタルに精通した人材はたちまち競争優位性の礎石となります。自動車業界は優秀な人材を求めてシリコンバレーと直接競うこととなり、企業はソフトウェアアーキテクトや開発者、データサイエンティスト、その他のIT専門家など、適切なスキルを持った人材の不足に対処しなければなりません。さらに、熟練労働者の引退が「シルバー・ツナミ」として押し寄せ、往々にして長年培った知識とともに去ってしまいます。推進力を維持するためには、こうした(しばしばブラックボックス化された)知識を把握し、制度化する能力もなくてはなりません。自動車メーカーは、既存の従業員を再教育し、新規採用者を惹きつけるために、技術コースやトレーニングを提供する必要があります。新卒者が就職する際には、日常生活で使われるような使いやすいソフトウェアが求められます。企業が優秀な人材を惹きつけて確保し、新しい時代を勝ち抜くためには、従業員体験を向上するべきです。先進的な手法を取り入れ、豊かな従業員体験を提供する人材ソリューションによって、企業が適切な従業員を採用、育成、維持し、適切な役割を与えることで、従業員の潜在能力を最大限に引き出し、キャリアを成功させ、企業にとっての価値を高めることが可能になります。

予測9:持続可能性は今後もますます重要になる

環境への影響は、今後も業界のトレンドや方向性を大きく左右することでしょう。「循環型産業の持続可能性(Circular Industrial Sustainability)」や「カーボンニュートラル」は製造業の用語として定着しており、自動車業界の将来を議論する場でも頻繁に登場しています。EVがあらゆる課題の解決策のように思われていることがありますが、環境面での課題があることを忘れてはいけません。例えば、少なくとも米国では、EVの製造に使用されるエネルギー消費量の多さ(特にアルミニウム製造)、重要な原料であるレアアースの破壊的で有害な採掘、有害化学物質を含んだ大量のバッテリーの適切な廃棄、(主に化石燃料で発電される)電力需要の増加といった課題が挙げられます。これらの課題を解決するためには、排気ガスだけにとらわれず、問題や課題の全体像をより幅広い視野で捉えることが必要です。また、政治的および社会経済的に異なるさまざまな利害関係者の間で、誠実に交渉し、事実に基づいて話し合わなければなりません。そのために、業界内外の幅広い情報源からデータを効果的に収集して、意思決定に役立てていくことが重要です。

●インフォア、インフォアジャパンについて
インフォアは、業界特化型のビジネスクラウドソフトウェアにおけるグローバルリーダーです。世界175か所以上の地域で65,000社以上のお客様に対して、より多くの価値を、より少ないリスクで提供し、持続可能な運用優位性を実現するよう設計された、ミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションを展開しています。インフォアの17,000人の従業員は、深い業界の専門知識やデータに基づくインサイトを活用して、新ビジネスや業界特有の課題を解決するための創造、学習、迅速な適応を推進できるよう支援します。インフォアは、最新のツールにより、お客様のビジネス変革とイノベーションの加速を請け負います。さらに詳しくは www.infor.com (英語)をご覧ください。

インフォアジャパンは、米国インフォアの日本法人として、各種エンタープライズソリューションの販売、導入、コンサルティングを行っています。詳しくは https://www.infor.com/ja-jp/ をご覧ください。

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会社概要

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業種
情報通信
本社所在地
東京都千代田区有楽町1-1-3 東京宝塚ビル16階
電話番号
03-4520-0700
代表者名
黒塚 明彦
上場
未上場
資本金
-
設立
1995年10月