一人親方の約半数がインボイス制度導入に向け「対応準備ができていない」実態 約4割から「十分に理解していないため、対応策を練ることができない」の声
〜約7割がインボイス制度導入に「危機感」〜
調査サマリー
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調査概要
調査概要:一人親方のインボイス制度に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチPR「リサピー®︎」の企画によるインターネット調査
調査期間:2023年9月7日〜同年9月8日
有効回答:免税事業者の一人親方101名
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
≪利用条件≫
1 情報の出典元として「労災センター共済会」の名前を明記してください。
2 ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記リンクを設置してください。
URL:https://hitorioyakata.or.jp/
インボイス制度への対応、「準備ができている」が37.6%、「準備ができていない」が46.6%
「Q1.あなたは、10月1日からのインボイス制度開始に向けて、対応の準備ができていますか。」(n=101)と質問したところ、「できている」が21.8%、「ややできている」が15.8%という回答となりました。
・できている:21.8%
・ややできている:15.8%
・あまりできていない:22.8%
・全くできていない:23.8%
・わからない/答えられない/準備の必要性を感じていない:15.8%
準備ができていない理由、約4割が「十分に理解していないため、具体的な対応策を練ることができないから」
Q1で「あまりできていない」「全くできていない」と回答した方に、「Q2.あなたがインボイス制度導入に向けて、対応の準備ができていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=47)と質問したところ、「十分に理解していないため、具体的な対応策を練ることができないから」が38.3%、「まだ今後の体制を決められていないから」が31.9%、「自身に合っている選択が分からないから」が29.8%という回答となりました。
・十分に理解していないため、具体的な対応策を練ることができないから:38.3%
・まだ今後の体制を決められていないから:31.9%
・自身に合っている選択が分からないから:29.8%
・どこで情報収集すべきか分からないから:19.1%
・日常業務に追われる中で準備に時間を割けないから:17.0%
・どうにかなると思っているから:8.5%
・周りに相談できる人がおらず、決断しづらいから:6.4%
・その他:4.3%
ー47歳:免税業者だから
ー53歳:インボイスには登録するつもりが無いから
・わからない/答えられない:4.3%
「取引先の対応次第なのでわからない」や「帳簿などの対応に不安がある」などの理由も
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した方に、「Q3.Q2で回答した以外に、インボイス制度導入に向けて、対応の準備ができていない理由があれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=45)と質問したところ、「取引先の対応次第なのでわからない」や「帳簿などの対応に不安がある」など35の回答を得ることができました。
<自由回答・一部抜粋>
・61歳:税務署の講習会に行く予定なのでそれが終わってから用意します。
・52歳:インボイス制度導入にあたり帳簿などの対応に不安があるので。
・47歳:免税業者だから。
・33歳:収入が減るから。
・52歳:法制度が不安定。
・51歳:商工会に相談。
・44歳:取引先の対応次第なのでわからない為。
約7割が「インボイス制度導入に危機感」と回答
「Q4.あなたは、インボイス制度導入に関して危機感を感じていますか。」(n=101)と質問したところ、「非常に感じる」が33.7%、「やや感じる」が35.6%という回答となりました。
・非常に感じる:33.7%
・やや感じる:35.6%
・あまり感じない:9.9%
・全く感じない:10.9%
・わからない/答えられない:9.9%
危機感を抱いているポイント、「免税事業者のままだと仕事が減る可能性があること」が半数以上
Q4で「非常に感じる」「やや感じる」と回答した方に、「Q5.具体的に何に危機感を抱いていますか。(複数回答)」(n=70)と質問したところ、「免税事業者のままだと仕事が減る可能性があること」が51.4%、「手続きなどの事務作業が増えること」が41.4%、「インボイス制度についてよく理解できていないこと」が34.3%という回答となりました。
・免税事業者のままだと仕事が減る可能性があること:51.4%
・手続きなどの事務作業が増えること:41.4%
・インボイス制度についてよく理解できていないこと:34.3%
・対応の準備に割ける時間がないこと:22.9%
・相談相手がいないこと:7.1%
・その他:8.6%
ー55歳:利益の減少
ー56歳:インボイス自体まずい政策だと思う
ー42歳:収入減少
ー36歳:今まで払わなかったものが払わないといけないから
ー53歳:収入が減る可能性が高いこと
ー51歳:収入が減ること
・わからない/答えられない:1.4%
インボイス制度の導入後、「課税事業者になる予定」が34.7%、「免税事業者のままでいる予定」が30.7%
「Q6.あなたはインボイス制度の導入後、どのように活動する予定ですか。」(n=101)と質問したところ、「課税事業者になる予定」が34.7%、「免税事業者のままでいる予定」が30.7%という回答となりました。
・課税事業者になる予定:34.7%
・免税事業者のままでいる予定:30.7%
・法人化する予定:2.0%
・まだ決めていない:23.8%
・あてはまるものはない:3.0%
・わからない/答えられない:5.9%
課税事業者になる理由、8割以上が「既存の取引先に継続してもらいたいから」
Q6で「課税事業者になる予定」と回答した方に、「Q7.課税事業者になる理由を教えてください。(複数回答)」(n=35)と質問したところ、「既存の取引先に継続してもらいたいから」が82.9%、「仕事が減るリスクをなくしたいから」が54.3%、「取引先の幅を狭めたくないから」が45.7%という回答となりました。
・既存の取引先に継続してもらいたいから:82.9%
・仕事が減るリスクをなくしたいから:54.3%
・取引先の幅を狭めたくないから:45.7%
・一人親方同士の依頼をしやすくしたいから:14.3%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:2.9%
免税事業者のままでいる理由、約半数が「納税額を増やしたくないから」「個人取引が多いから」
Q6で「免税事業者のままでいる予定」と回答した方に、「Q8.免税事業者のままでいる理由を教えてください。(複数回答)」(n=31)と質問したところ、「納税額を増やしたくないから」が48.4%、「個人取引が多いから」が48.4%、「納税のための事務作業が増えるのを防ぎたいから」が22.6%という回答となりました。
・納税額を増やしたくないから:48.4%
・個人取引が多いから:48.4%
・納税のための事務作業が増えるのを防ぎたいから:22.6%
・発行する請求書が複雑になるのを防ぎたいから:16.1%
・準備が間に合わないから:3.2%
・その他:3.2%
ー63歳:制度に納得していない
・わからない/答えられない:6.5%
課税事業者になるための準備、「届出や申請等の手続き」が81.5%で最多
Q1で「できている」「ややできている」かつQ6で「課税事業者になる予定」と回答した方に、「Q9.どのような準備を行なっていますか。」(n=27)と質問したところ、「届出や申請等の手続き」が81.5%、「請求書や領収書などの書式を見直す」が29.6%、「簡易課税制度の導入の検討」が25.9%という回答となりました。
・届出や申請等の手続き:81.5%
・請求書や領収書などの書式を見直す:29.6%
・簡易課税制度の導入の検討:25.9%
・インボイス対応の請求書の書き方を覚える:22.2%
・取引先への連絡:18.5%
・会計ソフトの導入:11.1%
・資金繰りの改善:3.7%
・その他:0.0%
・わからない/答えられない:7.4%
まとめ
今回は、免税事業者の一人親方101名を対象に、一人親方のインボイス制度に関する実態調査を実施しました。
まず、インボイス制度への対応の準備については、37.6%が「できている」のに対し、46.6%が「できていない」という結果になりました。準備ができていない人のうち約4割が、「十分に理解していないため、具体的な対応策を練ることができないこと」を理由に挙げています。また、「インボイス制度導入に危機感を抱いている」という人は約7割にのぼりました。そのうち半数以上が「免税事業者のままだと仕事が減る可能性があること」を懸念しているようです。さらに、インボイス制度の導入後の活動予定を聞いたところ、「課税事業者になる予定」が34.7%、「免税事業者のままでいる予定」が30.7%となりました。課税事業者になる理由については、8割以上が「既存の取引先に継続してもらいたいから」と回答しています。一方で、免税事業者のままでいる理由については、約半数が「納税額を増やしたくないから」「個人取引が多いから」と回答しました。
今回の調査では、一人親方の約7割がインボイス制度導入に危機感を抱いていることや、インボイス制度開始に向けた準備については、その対応が分かれていることが明らかになりました。インボイス制度の開始が来月に迫る中、インボイス制度についてよくわからないという声も多く聞かれます。具体的な対策を進めるためにも、一人親方の活動をサポートする機関に相談するなど、早急な対応が必要ではないでしょうか。
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代表 :齊藤 学
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