建築資源循環プラットフォーム「Creative Resource」が「サステナブル★セレクション2026」 にて「一つ星★」に選定されました
2011年から5種の未利用資源を建材化、うち2種を商品化。建てるほど地域の環境が回復する「リジェネラティブ建築」へ ―― 取り組み全体の受賞は累計37件
株式会社ASEI建築設計事務所(本社:東京都港区、代表取締役:鈴木亜生)が2011年から続ける未利用資源の建材化「Creative Resource(クリエイティブ・リソース)」が、ビジネス情報誌『オルタナ』と一般社団法人サステナ経営協会が共催する「サステナブル★セレクション2026」の一つ星(★)に選定されました。
クリエイティブ・リソースは、費用をかけて捨てられてきた地域の資源を、建築士が素材開発の段階から関わって建材に変える取り組みです。これまでに鹿児島の火山灰シラス、東京の建設発生土(関東ローム)、静岡のみかん剪定枝など5種を建材化し、うち2種を一般販売・商品化しました。2026年8月に住宅誌『モダンリビング No.288(ハースト婦人画報社)』に掲載された環境再生住宅「BIOCHAR(佐鳴湖公園の住宅)」も、この取り組みから生まれた建築です。

■ 本リリースの要点
1. 第三者による選定|「サステナブル★セレクション2026」の一つ星(★)に選定。一つ星は、製品・サービスが持続可能な社会づくりに貢献していることを示します。
2. 15年で5種の資源を建材に|火山灰シラス、関東ローム、みかん剪定枝、籾殻、石炭灰。うち2種は一般販売・商品化済みです。
3. 減らすことから、回復させることへ|代表事例「BIOCHAR」では、59.82t-CO2の炭素貯留と、敷地からの湧水COD 0.5mg/L以下を実測しました。
4. 事業として自立|補助金や研究費に依存せず、設計業務の対価と建材販売の収益で15年間継続しています。
■ 「サステナブル★セレクション」と今回の選定
「サステナブル★セレクション」は、サステナブル(持続可能)な理念と手法で開発された製品・サービスを選定し、推奨する仕組みです。選定は次の3段階で示されます。
・ 一つ星(★):製品・サービスが、持続可能な社会づくりに貢献している
・ 二つ星(★★):一つ星に加え、取り扱う企業・組織がサステナブル経営に取り組んでいる
・三つ星(★★★):二つ星の中から、特に大きな社会的インパクトを生み出している
クリエイティブ・リソースは、選定一覧で「地域の未利用資源が新たな建材に、持続可能な建築へ」として紹介されています。選定ページでは、次の3点が評価ポイントとして挙げられました。
1. 建築家が素材開発から携わり、未利用資源の資源循環を推進する
2. 地域や企業との共創で、伝統技術を活かした持続的な雇用をつくる
3. ビオトープ再生を支援するなど、地域の生物多様性保全に貢献する
選定ページ:地域の未利用資源が新たな建材に、持続可能な建築へ|Creative Resource
■ 背景:使えるはずの資源が、費用をかけて捨てられている
地域には、使い道がないまま費用をかけて捨てられている資源がいくつもあります。たとえば静岡県浜松市の佐鳴湖流域周辺では、みかんの剪定枝が年間およそ6,000トン、産業廃棄物として処理されるか野焼きされ、その費用は農家が負担してきました。

一方で建築家は、資源の流れのれの「下流」でカタログから建築材料を選ぶ立場にとどまってきました。上流で何が捨てられているかに、建築家は関わってこなかったのです。
■ クリエイティブ・リソースとは
クリエイティブ・リソースは、建築家が資源の上流まで遡り、資源そのものをつくるところから設計する取り組みです。未利用資源の発掘、素材開発、製造・販売体制づくり、建築への実装、竣工後の効果測定までを一貫して手がけます。次の3つを揃えることを原則としています。
・ 建材に変える技術|地元の職人や製造業者と協働し、一点物の実験ではなく、工場で繰り返しつくれる工業製品として開発します。
・ 効果を測る方法|「環境にやさしい」という言葉にとどめず、炭素貯留量や水質を単位のついた数値で検証します。
・ 価値が経済として循環する道筋|建材として販売し、炭素貯留効果のクレジット化も検討しています。
これまでの環境建築が目指してきたのは、負荷を「減らす」ことでした。しかし減らす発想の到達点はゼロであり、ゼロは悪化を止めるだけで、失われたものを取り戻しません。クリエイティブ・リソースが目指すのは、建てることが地域の水と炭素の状態を改善する側にまわる「リジェネラティブ(環境再生型)」の建築です。
■ 15年で建材化した5つの未利用資源
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未利用資源(地域) |
開発建材 |
状況 |
|---|---|---|
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火山灰シラス(鹿児島) |
シラスブロック、シラス象嵌ブロック、シラス奄美土二層ブロック |
累計123.75tのCO2削減。加圧成型法は鹿児島市電の軌道敷にも採用 |
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建設発生土としての関東ローム(東京) |
関東ロームブロック、関東ローム煉瓦 |
JIS規格の圧縮強度試験で76.1 N/mm²(規格値30以上)を証明。國代耐火工業所より一般販売中。グッドデザイン賞2021受賞。 |
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みかん剪定枝(静岡) |
バイオ炭ブロック |
「BIOCHAR」住宅で59.82t-CO2の炭素固定を達成し、自社商品として展開。 |
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籾殻(秋田) |
籾殻燻炭ブロック |
大手流通商社と連携し、J-クレジット化を協議中。 |
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石炭灰(火力発電副産物) |
石炭灰ブロック |
工学院大学田村研究室と試作研究中 |
火山灰シラス(鹿児島)



建設発生土としての関東ローム(東京)



みかん剪定枝(静岡)


■ 代表事例:環境再生住宅「BIOCHAR(佐鳴湖公園の住宅)」
「BIOCHAR」(静岡県浜松市/2024年1月竣工)は、みかんの剪定枝を炭化した建材「バイオ炭ブロック」を内外装と外構に用いた住宅です。枝の断面を原型のまま象嵌(ぞうがん)したブロックの工業製品化は国内初です(当社調べ)。効果は次のとおり実測・試算しています。

・ 炭素貯留|約21トンのバイオ炭に59.82t-CO2を長期固定。同規模のRC造住宅の約5.4倍、木造住宅の約1.4倍にあたります。
・ 水質浄化|2025年12月の水質調査で、敷地からの湧水はCOD 0.5mg/L以下(検出限界未満)。隣接する佐鳴湖岸は11.0mg/Lです。
・ 省エネルギー|ZEHを取得し、一次エネルギー消費量を56%削減しました(UA値0.52)。



本住宅はiF Design Award 2026(ドイツ)、第26回JIA環境建築賞 優秀建築選、第24回環境・設備デザイン賞 優秀賞など、国内外6つの建築・デザイン賞を受賞しています。ハースト婦人画報社『モダンリビング』2026年8月号(2026年8月12日発売)のほか、『日経クロステック』『日経アーキテクチュア』にも掲載されました。クリエイティブ・リソース全体では、2011年以降の受賞は累計37件にのぼります(第4回これからの建築士賞、グッドデザイン賞2014・2021、第1回SDGs住宅賞ほか)。
■ 映像で見る「BIOCHAR」の職人技術と環境再生アプローチ(YouTube)
① 施工プロセス・職人技術ドキュメンタリー(約9分)
地元の炭職人によるみかん剪定枝の炭化工程、左官職人による「バイオ炭ブロック」の壁面施工技術、薄水を浄化する土中環境改善や造園プロセスなど、素材開発から施工までの現場を捉えた映像です。
② 完成建築・空間デザイン映像(約4分)
佐鳴湖の美しい自然景観と調和する「BIOCHAR」の完成内外観、バイオ炭・銅板・越前和紙が織りなす素材美、そして「建てることで環境を回復させる」リジェネラティブな空間設計思想を網羅した建築映像です。
■ 今後の展開:一軒の住宅から、地域へ
一軒で実現できたことを地域に広げるため、現在次の3つのプロジェクトを進めています。
1. 環境価値を経済の中で循環させる|大手流通商社との協働で、バイオ炭・籾殻燻炭を用いた建材開発を進めています。炭素貯留効果のJ-クレジット化も検討しています。
2. 仕上材から構造材へ|建設発生土(関東ローム)と火力発電所の石炭灰を組み合わせた脱炭素コンクリートについて、工学院大学および材料配合の専門会社との三者で共同研究を開始しました。
3. 回復の対象を、水と炭素から生命へ|静岡県菊川市で3,030㎡の里山再生を実現しました(「クミカレフュージア菊川」/クミアイ化学工業/環境省30by30認証プロジェクト)。
■ 企業・事業者の皆さまへ|ご提供できること
産業廃棄物処理業者や流通商社などの企業から、「自社の未利用資源でも同じことができないか」というご相談をいただいています。当社は次の3つを一貫して提供します。
1. 資源循環ビジネス事業|未利用資源の素材開発・事業化コンサルティング、環境建材の販売
2. 研究開発事業|未利用資源の性能分析と、工業建材への転換技術・環境建築構法の共同開発
3. 環境再生建築の設計監理|検証計画の策定から竣工後の環境モニタリングまで一貫して担当
本活動は、補助金や研究費に依存せず、設計業務の対価と建材販売という事業収益のなかで15年間継続してきました。事業として自立しているからこそ、他社にも再現していただけると考えています。
協働体制
・ 株式会社ストーンワークス(ブロック共同開発・製造)
・ 岡本煉瓦株式会社(煉瓦共同開発・製造)
・ 株式会社國代耐火工業所(製品販売)
・ 有限会社プロス(籾殻燻炭製造)
・ 大手総合商社(籾殻燻炭の資源提供・農産バイオマスのJ-クレジット化協議)
・ 東証上場 総合環境ソリューション企業(産業廃棄物の再資源化)
・ 国内最大手エネルギー事業者(石炭灰供給)
・ 株式会社インバックス (材料配合試験分析)
・ 株式会社BIOTA(微生物多様性の解析)
・ グリーン産業株式会社(造園施工)
・ 工学院大学建築学部田村研究室(石炭灰・建設発生土を活用したコンクリートの共同研究開発)
■ 代表コメント
建築家は長く、資源の流れの「下流」でカタログから材料を選ぶ立場にいました。しかしその上流では、使えるはずの資源が費用をかけて捨てられています。設計者が上流まで遡り、資源そのものをつくるところから設計する。15年続けてきたこの実践を、建築の外の視点から評価いただいたことを励みに感じています。「環境を再生する」は、測らなければ標語で終わります。建材に変える技術と、効果を測る方法と、価値が経済として循環する道筋。この3つが揃えば、資源や地域が変わっても同じことが起こせます。目指しているのは、私たちがいなくても回る仕組みです。今回の選定を機に、未利用資源を抱える企業や地域の皆さまとの協働をさらに広げていきます。
株式会社ASEI建築設計事務所 代表取締役 鈴木亜生
■ 選定概要
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名称 |
サステナブル★セレクション2026 |
|---|---|
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共催 |
ビジネス情報誌『オルタナ』、一般社団法人サステナ経営協会 |
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選定区分 |
一つ星(★) |
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選定対象 |
Creative Resource(クリエイティブ・リソース) |
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選定一覧 |
■ 会社概要
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名称 |
株式会社ASEI建築設計事務所 |
|---|---|
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所在地 |
〒105-0011 東京都港区芝公園3-6-22 JCビル1階 |
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代表者 |
代表取締役 鈴木 亜生(一級建築士) |
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設立 |
2009年 |
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事業内容 |
建築・インテリアの企画・設計・監理、地域環境の調査・計画、未利用資源の建材開発・事業化コンサルティング |
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URL |
■ 代表略歴
1977年静岡県袋井市生まれ。東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻(川向正人研究室)修了。乾久美子建築設計事務所、中村拓志&NAP建築設計事務所(設計室長)を経て、2009年に独立。人新世における資源と建築のあり方を問い直す「Critical Circularism(批評的循環主義)」を提唱し、シラスや関東ローム、木質バイオマスなど未利用資源を環境建材へ転換する研究と実践を牽引。2024年8月、株式会社アート総合設計(静岡県)代表取締役に就任し、東京と静岡の二拠点で活動。現在、千葉工業大学にて教鞭を執る。
【関連資料ダウンロード】
下記リンクより、当事務所のサステナビリティに関する詳細資料・パンフレット(PDF)をご覧いただけます。
『Creative Resource』サービスパンフレットをダウンロード(PDF)
『サステナビリティレポート 2025』をダウンロード(PDF)
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ASEI建築設計事務所(担当:鈴木)
TEL:03-5747-9420
E-mail:info@asei.jp
URL:https://aseiarchitects.com
当事務所では、本プレスリリースに関するご質問や取材依頼のほか、企業・自治体様が保有する未利用資源・副産物・産業廃棄物の建材化や素材開発コンサルティング、環境再生型(リジェネラティブ)建築の共同開発に関するご相談を幅広くお受けしております。お気軽に上記窓口までお問い合わせください。
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