仕事はAIに奪われる?現役エンジニアの約7割がキャリアに不安──いま問われる“人にしかできない役割”とは
業務・スキル・キャリア観に広がる変化。エンジニアがいま直面している「再定義」の現場

ITエンジニアの派遣事業・SESを展開する株式会社ラクスパートナーズ(東京都新宿区、代表取締役:吉田 雅行)は、ITエンジニア約1,000名を対象に「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査を実施しました。本リリースでは一部を抜粋しお知らせいたします。
※すべての調査データは以下よりダウンロードいただけます
調査サマリー
・約7割のITエンジニアが週1回以上、業務で生成AIを活用。情報収集やドキュメント作成が主要用途に
・「仕事のやりがいが増した」エンジニアは5割超。効率化による本質業務への集中が評価される傾向
・生成AIに任せにくい業務は「チームマネジメント」「要件定義」「テスト」が上位に
・約6割が生成AIの普及によってキャリアへの不安があることが明らかに
・約8割が「必要なスキルは変わる」と回答。求められるのは判断力やユーザー視点、プロンプト設計力
・今後のエンジニアに求められるのは、「生成AI活用力(プロンプト設計含む)・問いの深さ」が最多
生成AIの急速な普及は、業務の効率化や自動化を後押しする一方で、自身の仕事が今後どう変わるのか、不安の声も広がりつつあります。
なかでもITエンジニアの現場は、生成AI導入の最前線。利便性の裏で、役割やスキルの再定義が迫られています。
AIによってエンジニアはいらなくなるのか──。
その現場では今、どのような変化が起きているのでしょうか。
今回は、ITエンジニア約1,000名を対象に「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査を実施しました。
生成AIはすでに日常業務の一部に…使用頻度と活用シーンの実態
今回ご回答いただいた方々の主な職種の内訳は以下の通りです。

まずはじめに、現在どれくらいの頻度で生成AIを使用しているのか見ていきましょう。

「生成AIの業務での使用頻度」について尋ねたところ、『ほぼ毎日(31.1%)』『週に数回(40.5%)』『月に数回(13.6%)』となりました。
全体の7割以上が週1回以上の頻度で生成AIを使用しており、日常業務の中に組み込まれつつある実態が明らかとなりました。「使用経験がない」と回答したのは1割未満で、生成AIは業務に浸透しつつあるようです。
では、具体的にどのような業務で使用しているのでしょうか。
月に数回以上使用している方に、生成AIを主に使っている業務について、「頻繁に使っている」「時々使っている」「全く使っていない」の3段階で尋ねたところ、業務内容によって活用の濃淡が見られました。

頻繁に使用する業務としては『情報収集・リサーチ』が最多となり、即時に必要な情報に辿り着ける点、多角的なリサーチ力といった生成AIの強みを活用していることがわかります。
時々使用している業務では『ドキュメント作成』『コード作成』が半数を超え、「必要に応じて一部補完的に使う」という使い方が主流であるようです。
対照的に、『デバッグ支援・テスト』『セキュリティ診断』は「全く使用していない」が2割を超え、精度や信頼性への懸念が利用判断に影響していると考えられます。
職種ごとの違いについて、続きはこちら
効率化だけではない、“やりがい”への影響と人間にしかできない領域
では、生成AIの導入によって、仕事をする上での意識に変化はあったのでしょうか。

「生成AIを業務で使用するようになって、仕事の楽しさややりがいに変化はあったか?※現在使用していない方は、生成AIが利用される環境を想定して回答」と尋ねたところ、『効率化が進みやりがいある仕事に注力しやすくなった(50.4%)』が最も多く、次いで『新しい学びや発見が増えて楽しくなった(23.1%)』『特に変化はない(22.8%)』が上位になりました。
多くのエンジニアが業務の効率化によって本質的な仕事に集中できていると感じており、ポジティブに受け止めている方が多いようです。
また、生成AIを活用する中で新たな知識や領域に触れ、仕事の楽しさが増したと答えた方も一定数おり、生成AIが単純な“効率化ツール”ではないことがわかります。
一方で、「特に変化はない」とする声も2割を超え、個人差があることも浮き彫りになりました。
次に、「生成AIに任せられないと思う業務」について尋ねたところ、『チームマネジメント(34.5%)』が最多で、『要件定義/企画(29.3%)』『テスト(28.5%)』と続きました。
上位には、対人調整・状況判断・継続運用といった、正確な判断や経験が求められる業務が並びました。
特に、マネジメントに関しては対人スキルが密接に関与する業務であり、成果だけでなく過程に寄り添う役割が求められるため、単なる判断や処理では対応できません。
生成AIの強みや利便性を理解しつつも、「人間でなければできない価値」を担う意識が反映された結果といえるでしょう。
生成AIに対する不安と前向きな期待──職種ごとに異なる受け止め方と「変わるスキル」への適応意識
エンジニアにおける生成AIの使用頻度や使用している業務、意識の変化などが明らかになりましたが、生成AIの普及に伴い、ご自身のキャリアについて不安はあるのでしょうか。
「生成AIの普及に伴うキャリア不安」について尋ねたところ、全体では以下のような回答結果になりました。

『とても感じる(16.6%)』『やや感じる(46.6%)』を合わせて、約7割の方が不安を抱いていることがわかりました。
生成AIの普及が加速する中で、将来への危機感が広がっている様子がうかがえます。
次に、不安を感じている方・感じていない方、それぞれの理由について詳しくうかがいました。
■不安を感じている理由は?
・生成AIの知識がないと、時代の最先端についていけないと感じたから(20代女性/AIエンジニア・機械学習エンジニア・データサイエンティスト)
・自分の仕事が確認修正ばかりで作成は減りつつあるから(30代男性/AIエンジニア・機械学習エンジニア・データサイエンティスト)
・自分のやっている業務の8割ぐらいはAIが行えるため(40代男性/プロジェクトマネージャー、PM・PLなど)
・これまでの経験があまり重要視されなくなるから(50代以上男性/インフラエンジニア)
・実装、テストなどは、あと数年で実運用できるレベルになると思うから(50代以上男性/プロジェクトマネージャー、PM・PLなど)
■不安を感じない理由は?
・マネジメントの分野はまだ人間が必要だと思うから(30代男性/プロジェクトマネージャー、PM・PLなど)
・自分の付加価値を考える機会だと思っているため(40代男性/インフラエンジニア)
・現在担当している業務は顧客サポートであり、まだAIに置き換わるものではないと考えているから(40代男性/インフラエンジニア)
・より想像的な仕事に注力できるようになるから(50代以上男性/インフラエンジニア)
・最終判断は人間でしかできず、全てが置き換わる訳ではないと思っている(50代以上男性/プロジェクトマネージャー、PM・PLなど)
不安を感じる人は、「仕事がなくなる」「知識が追いつかない」「経験が無価値になる」といった、AIに“取って代わられる存在”としての自分を想像しているようです。
一方で、不安を感じない人は、「最終判断は人間にしかできない」「自分の強みを見直す好機」「AIと共に成長できる」といったAIを“使いこなす存在”として自己を定義している傾向が見られました。
今後は、技術理解だけでなく、自身の役割をどう捉えるかというキャリア観の再構築も、エンジニアに求められる時代といえそうです。
また、生成AIの登場によって、知識や経験のハードルが下がりつつあるという側面もあります。
実際、「これまでの経験が重視されなくなってきた」という声もあり、若手層でも技術をキャッチアップしやすい環境が整いつつあることがうかがえます。
これは、年齢や経験年数に関係なく活躍の場が広がる可能性があるといえるでしょう。

次に、「生成AIの登場によって必要なスキルは変わると思うか?」と尋ねたところ、8割以上が『大きく変わる(32.0%)』『多少変わる(53.4%)』と回答しました。
「変わらない」とする層も少数いましたが、多くが「変化は避けられない」という意識を持っており、技術の進化と共に柔軟にスキルを更新する姿勢が問われているといえるでしょう。
「必要なスキルは変わる」と回答した理由について詳しくうかがいました。
■必要なスキルは変わると思う理由は?
・これまでのスキルでは太刀打ち出来ない位、高いスキルが必要になってくると思います(50代以上男性/AIエンジニア・機械学習エンジニア・データサイエンティスト)
・AIを正しく使う能力が必要(30代男性/プロジェクトマネージャー、PM・PLなど)
・判断力がさらに重要になるから(40代男性/Webエンジニア)
・創造的な仕事よりも、コミュニケーションを重視した仕事が多くなると感じるから(40代男性/プロジェクトマネージャー、PM・PLなど)
・生成AIに任せることができる分、新しい仕事が生まれると感じるから(40代男性/プロジェクトマネージャー・PM・PLなど)
・人間ならではのイレギュラーな発想が必要になる(30代男性/AIエンジニア・機械学習エンジニア・データサイエンティスト)
「必要なスキルは変わる」と答えた多くのエンジニアは、単なる技術習得ではなく、生成AIを適切に活用するための判断力や対人能力の重要性を感じていることがわかりました。
エンジニアが“進化する条件”とは?生成AI時代の役割と向き合うために
生成AI登場によるキャリア観などが明らかになりましたが、これからの時代、エンジニアはどのようなスキルを身につけることが重要になってくるのでしょうか。

「今後、生成AIが普及する中で、エンジニアにとって最も重要だと思う知識やスキルは?」と尋ねたところ、『生成AI活用力(プロンプト設計含む)・問いの深さ(23.0%)』が最多となり、『設計・アーキテクチャ力(19.6%)』『ユーザー目線で判断する力(15.2%)』と続きました。
マネジメントよりも実践的な技術力や構造的な思考力を重視する声が多く挙がりました。
これは、生成AIという強力な補助ツールの登場によって、単に技術を身につけるだけでなく、「何を問い、どう形にし、誰のために設計するか」といった能力が、今後のエンジニアに求められているといえます。
これからの時代、テクノロジーと人・価値をつなぐ力がより重要になっていくでしょう。
まとめ:キャリアへの不安と期待のはざまで──生成AI時代にエンジニアに求められる力とは
今回の調査を通じて、生成AIがエンジニアの業務、価値観、キャリアに多面的な影響を及ぼしている実態が明らかになりました。
業務において、情報収集やドキュメント作成といった「補完的に使える領域」では生成AIの活用が進む一方で、セキュリティ診断やデバッグのような「精度や信頼性が求められる領域」では使用に慎重な様子で、AIとの役割分担が徐々に明確化されつつあることがわかります。
そして、キャリア面では、自動化によって将来の役割に不安を抱える声がある反面、「AIを使いこなす力を強みに変えたい」と前向きに捉える人もおり、特にマネジメント層では、人間にしかできない判断・関係構築への確信が、不安を緩和する要因となっているようです。
こうした不安や期待が交錯する中で、「必要なスキルも変わってきている」と感じているエンジニアは8割以上にのぼり、「プロンプト設計」「設計・アーキテクチャ力」「ユーザー視点」など、「知りたいこと、解決したいことは何か?」を言語化して明確に設定する力や、単に「ものを作る」のではなく、「価値あるもの」として成立させるための設計思考力が重視されている点も象徴的な結果となりました。
これからの時代は、変化を恐れず、自らの役割を再定義し続けるエンジニアが、生成AIと共存する未来を切り拓いていく存在になるといえそうです。
また、生成AIの活用が進むことで、知識やスキルの習得スピードが加速し、経験年数よりも「活用力」が価値を生む時代に移行していることも本調査から見えてきました。
生成AIの普及によって、若手エンジニアもスキル次第でチャンスが広がる時代であるといえるでしょう。
※すべての調査データは以下よりダウンロードいただけます
調査概要:「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査
【調査期間】2025年5月14日(水)~2025年5月15日(木)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,007人
【調査対象】調査回答時にITエンジニアと回答したモニター
【調査元】株式会社ラクスパートナーズ(https://www.rakus-partners.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
優秀なITエンジニア人材を見つけるなら株式会社ラクスパートナーズ

今回、「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査を実施した株式会社ラクスパートナーズ(https://www.rakus-partners.co.jp/)は、ITエンジニアの派遣サービスを提供しています。
Web、クラウド、機械学習、QAといった専門技術に特化した人材を採用・育成し、お客様のニーズに合わせたITエンジニアを派遣します。
【ITエンジニア派遣サービスの特徴】
①正社員派遣
・登録型派遣ではありません
登録型の派遣とは異なり、ラクスパートナーズの社員として採用した人材を派遣いたします。また、パートナー企業を利用していないため、100%自社のエンジニアが技術支援をいたします。
②20年以上の実績。ミドルマネジメント層多数在籍。
・祖業のITスクールで培ったノウハウを利用
Web開発・クラウド・機械学習・QAといった、クライアント様の案件ニーズから逆算した教育を実施。
・ヒューマンスキルも重要視
技術研修はもちろんですが、ヒューマンスキルも重視しています。個人ではなく、チームで成果を出せる人材を採用、育成しています。
・エンジニア派遣実績20年以上
従業員1,000名を超え、ベテランから若手まで、中でもミドルマネジメント層が多数在籍。
③専任のサポート
・マッチング
お客様に派遣するエンジニアは、技術専任スタッフが人選。最適なマッチングを図ります。
・CS(キャリアサポート)
派遣後も専任のCS担当がITエンジニアと密なコミュニケーションをとりフォローUPを継続して行います。
・CR(クライアントリレーション)
専任のCR担当が、ITエンジニアの働きぶりをお客様にヒアリング。お客様の期待を超える事ができるようフォローUPを継続して行います。
【強み】
・ミドルマネジメント層が在籍
・開発、構築経験者が豊富
・IT業界に強みのある営業担当やアドバイザーが在籍
■ITエンジニアの種類
・Webエンジニア派遣
・クラウドエンジニア派遣
・機械学習エンジニア派遣
・QAエンジニア派遣
■詳細はこちら:https://www.rakus-partners.co.jp/service/
■株式会社ラクスパートナーズ:https://www.rakus-partners.co.jp/
■お問い合わせURL:https://www.rakus-partners.co.jp/contact/
【会社概要】
名称: 株式会社ラクスパートナーズ
所在地 : 東京都新宿区新宿4-3-25 TOKYU REIT新宿ビル8F
設立: 2018年3月1日
資本金 : 2,000万円 (株式会社ラクス 100%出資)
代表者 : 代表取締役 吉田雅行
事業内容: IT技術者派遣事業
会社HP : https://www.rakus-partners.co.jp
※掲載のデータは発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
※「生成AI普及によるエンジニアの意識変化」に関する調査 回答者属性
■あなたの性別を教えてください
『男性(84.1%)』『女性(15.9%)』
■あなたの年齢を教えてください
『20代(9.7%)』『30代(38.3%)』『40代(33.5%)』『50代以上(18.5%)』
■経験年数を教えてください(※本調査では経験3年以上の方を対象といたしました。)
『3~5年未満(32.8%)』『5~10年未満(27.2%)』『10年以上(40.0%)』
■現在の勤務先の形態をお選びください
『自社プロダクトを開発している事業会社(39.1%)』
『SIer(システムインテグレーター)(35.5%)』
『受託開発企業(17.0%)』
『派遣・SES(6.7%)』
『フリーランス/個人事業主(1.8%)』
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