あの大人気商品、“かわいい貯金箱”が帰ってきた! 江戸東京たてもの園の復元建造物「万世橋交番」をかたどった貯金箱を販売!
ミュージアムショップ及びECサイトにて11月21日から販売開始
「万世橋交番貯金箱」は、1993年のたてもの園開園時にミュージアムグッズとして販売され、人気を博しました。その後残念ながら販売を終了しましたが、2022年度の修繕工事に伴う調査結果を生かした彩色へとリニューアルして販売いたします。
たてもの園ミュージアムショップ店頭のほか、オンラインショップでも販売しますので、遠方にお住まいの方、海外にお住まいの方もご購入いただけます。
【「万世橋交番貯金箱」商品概要】
<発売日>
2023 年11 月21日(月曜日)9時30分〜 *オンラインショップは朝10時より販売開始
<販売価格>
1,600円(税込)
<本体材質>
陶器
<サイズ>
本体底部/約幅88mm×奥行140mm、高さ/85mm
<重さ>
約377g
万世橋交番ってどんな交番?
■来歴
万世橋交番は、その名の通り、東京都千代田区神田の万世橋のたもとに建っていた交番です。建てられた年代は定かではありませんが、様式などから明治時代後期と推定されています。1923(大正12)年の関東大震災で隣接する万世橋駅とともに被災した後、1930(昭和5)年の復興事業で修復され、1993(平成5)年にたてもの園東ゾーンに移築されました。
写真は、関東大震災後の万世橋駅一帯の写真です。右手に被災した万世橋駅と屋根が焼け落ちた万世橋交番が写っています。
関東大震災写真(萬世橋広瀬中佐銅像前)/江戸東京博物館蔵
■素材と平面
煉瓦造りの平屋建てで、外壁は化粧タイル張り、腰回りや窓の上下、軒蛇腹などは人造石洗出し仕上げとしています。屋根は寄棟式のカラー鉄板葺ですが、元々はスレート葺と考えられています。
平面は不等辺八角形をしています。これは交番という性格上、長方形の角を落として三方向に開くことで、より広い範囲を見渡せる工夫と考えられます。南側から入ってすぐに執務室、その奥は宿直室で小上がりが2畳分(就寝スペース)設けられています。北側最奥部のトイレには、外側から回り込んで入ります。
「万世橋交番」正面(南側)
入口からみた執務室。奥が宿直室
宿直室の様子
■移築方法
煉瓦造りのように素材を積み上げて組んだ構造を「組積式(そせきしき)構造」と呼びます。組積式構造の建築物は、木造建築のように分解して運ぶことができないため、移築は難しいとされます。そのため建物を丸ごと移動させる「曳家(ひきや)」が有効とされています。「万世橋交番」も煉瓦造りのため、屋根を外して、内部設備を取り除いた上で、鉄骨で補強して丸ごとトレーラーに乗せて運ばれました。建築物としては小ぶりだからこそできた手法です。
移築直前の「万世橋交番」(写真提供:江戸東京たてもの園)
江戸東京たてもの園に運ばれる「万世橋交番」(写真提供:江戸東京たてもの園)
2022年の調査で明らかになったこと
江戸東京たてもの園では歴史的な建物を移築・保存するだけでなく、調査・研究も行い、その結果を受けてより本来の姿に近づけるよう修復を行なっています。
2022年に行われた「万世橋交番」の調査では以下のことがわかりました。
1、木部塗装は下層を確認したところ、彩色の順序が見えてきました。①関東大震災後の修復時に、木地の見える茶色に統一、②その後にベージュおよび緑色、③現在の白色、と変遷した可能性が見えてきました。
2、各室の腰壁や宿直室の流し台は、現状の仕上げの下に、大理石風の研ぎ出し仕上げが見つかりました。①通常、研ぎ出し仕上げの上にさらに別の仕上げはしないこと、②研ぎ出し仕上げの腰壁に大きな亀裂が見つかったこと、から推察すると、過去のどこかの時点で亀裂が入り、それを保護して美観を維持するために現在の仕上げが施されたとみられます。
3、建物正面の銅板張り仕上げの庇の一部には、木部と同じ白いペンキが塗装されていましたが、通常は建築時に行われる仕様ではないため、木部塗装の際に合わせて塗られたものと考えられます。
腰壁に現れた大理石風の研ぎ出し仕上げ。確認できた部分については、そのまま元の姿に戻しています
銅板に塗られていた白いペンキを剥ぎ取り、銅板そのものが見えるようになりました
見どころを担当学芸員の阿部由紀洋さんにお聞きしました
「万世橋交番」の移築当時の様子を知る江戸東京たてもの園学芸員・阿部由紀洋さん
軒蛇腹(のきじゃばら)や覆輪目地(ふくりんめじ)は、明治時代の建築らしい意匠です。特に覆輪目地は東京駅にも見られるもので、目地の断面をコテで半円状に整えた美しい仕上げです。また、正面の庇を支える「持ち送り」も洋風な意匠です。
万世橋交番の外観は、隣にあった万世橋駅駅舎との統一感を意識したと考えられ、タイル張りの外壁や大理石風の石の表現に注目です。
そして、今回の調査で明らかになった室内の腰壁や流し台の研ぎ出し仕上げ、そして正面の庇の銅板張りの仕上げなど、建築時の仕様と判明したものはすべて元の姿に戻しましたので、ぜひそこも見ていただきたいですね。
なお、移築の際には、万世橋交番の立地にちなんで、元の姿をイメージできるように橋のたもとに移築しています。かつての情景を思い浮かべながら見ていただけると嬉しいです。
軒に巡らされた「軒蛇腹」
ふっくらとした「覆輪目地」
洋風な意匠の「持ち送り」
「万世橋交番貯金箱」の注目ポイント
「万世橋交番」はトレーラーに乗せて運ばれてくるほど小さく、たてもの園に移築されている建物の中でも1、2の小ささ。その“かわいさ”を、両の手のひらに乗るサイズ感で表現しています。土台の石の組み方、上げ下げ窓の段違いの様子などにも注意を払い、忠実に再現しました。
彩色は現状に近い色合いに変えて、実物を見た感動をそのままお土産にできるよう心がけました。
ひとつひとつ手彩色のため、若干の個体差がありますが、それも手作りの味として親しんでいただければと思います。
江戸東京たてもの園について
東京都江戸東京博物館の分館として、1993年に開園。現地保存が不可能となった文化的価値の高い歴史的建造物が30棟、移築されています。それらを復元・保存・展示するとともに、貴重な文化遺産として次代に継承することを目指しています。
園内は、ビジターセンター(旧光華殿)や高橋是清邸などがあるセンターゾーン、三井八郎右衞門邸や前川國男邸、デ・ラランデ邸、吉野家などのある西ゾーン、商家や銭湯、居酒屋など下町の風情を楽しめる東ゾーンに分かれており、それぞれ趣の異なる景観を楽しむことができます。ミュージアムトークをはじめ、伝統工芸の実演や四季折々のイベントを通じて、かつての生活の情景を再現しています。
●江戸東京たてもの園
<観覧料>
一般400円、シニア(65歳以上)200円、大学生320円、高校生・中学生(都外)200円 *小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料
<休園日>
毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、その翌日)、年末年始
<開園時間>
4月~9月:午前9時30分~午後5時30分、10月~3月:午前9時30分~午後4時30分
<住所>
〒184-0005 東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)
<電話>
042-388-3300
<URL>
ミュージアムショップについて
江戸東京たてもの園の入口に建つビジターセンター(旧光華殿)内にある、ミュージアムショップです。江戸東京たてもの園のマスコットキャラクター「えどまる」の関連商品をはじめ、江戸東京たてもの園で人気の「子宝湯」や「前川國男邸」をモチーフにしたオリジナル商品、江戸・東京に関する書籍や酒器・豆皿などの生活雑貨、やかんやほうき、はたきなどの昔ながらの道具、色柄豊富な手ぬぐい、トランプやかるた等の玩具などを取りそろえています。また、ショップ奥のカフェにはお飲み物等をご用意して、みなさまのお越しをお待ちしております。
なお、ショップのECサイトは、数多くの企業サイトでの導入例を誇る「Worldshopping BIZ」の越境ECサービスを使用しています。海外のIPアドレスからのアクセスに対しては、その国の言語での入力フォームが表示され、翻訳案内を確認しながら決済完了が可能です。
●江戸東京たてもの園ミュージアムショップ
<住所>
〒184-0005 東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)
<電話>
042-316-4340
<ショップ SNS>
X(旧Twitter):https://twitter.com/tatemonoenshop
Instagram:https://www.instagram.com/tatemonoenshop/
<オンラインショップ>
https://www.edo-tokyo-museum.shop
※開園時間、休園日はたてもの園に準じます。
※入館券をお求めいただかなくてもご来店いただけます。
●株式会社オークコーポレーション(運営事業者)
全国の博物館、美術館、動物園、水族館等で、ミュージアムショップ及びカフェ27 店舗の運営に携わっています。各展示施設のコンセプトに基づいたオリジナル商品の開発や卸売業、店舗運営コンサルティング業も手掛けています。
<本社所在地>
〒151-0073 東京都渋谷区笹塚1-62-3 アルス笹塚
<設立>
1987 年
<資本金>
2,000 万円
<URL>
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像