熊本県 熊本市の平均募集時給は年+8.59%の上昇で2028年に1,500円到達【2025年2月度 「時給1,500円」に近づく自治体ランキング(九州・沖縄)】
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分析用求人ビッグデータを提供する、株式会社フロッグ(所在地:東京都千代田区、代表取締役:阪野 香子、以下「当社」)は、「2025年2月度 『時給1,500円』に近づく自治体ランキング(九州・沖縄)」を発表しました。
※本調査は、『タウンワーク』『マイナビバイト』『バイトル』『フロムエー』『イーアイデム』に掲載された求人情報を収集・集計しました。
〇概要
政府は、2020年代中に最低賃金の全国平均を「1,500円」まで引き上げる目標を発表しました。また、最低賃金の引き上げに伴い、募集時給も年々上昇しています。では、「募集時給」が1,500円に到達する勢いのある都道府県はどこなのでしょうか。
「2025年1月度 『時給1,500円』に近づく都道府県ランキング」に続き、今回は九州・沖縄エリアの自治体に焦点を当て、募集賃金の動向をチェックしていきます。最新の傾向を示す参考資料として、ぜひご活用ください!
〇最低賃金改定状況
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まずは最低賃金の全国加重平均額が、過去どのくらい上昇してきたのかを見てみます。年々引き上げ率は高まっており、2024年は前年と比較して+5.08%(+51円)の上昇で、全国加重平均額は1,055円となりました。1,500円まではあと445円の引き上げが必要となり、2029年までに達成するためには毎年+8%以上の引き上げが求められます。
※最低賃金の改定については厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を参照
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続いて、最低賃金改定額を都道府県別に見てみると、2024年度の改定により全ての都道府県で最低賃金が900円以上となりました。
最低賃金が最も高い東京都は1,163円となっており、1,500円まであと337円の引き上げが必要です。最も低い秋田県では、現在の951円から1,500円まではあと549円引き上げる必要があります。
九州・沖縄エリアに目を向けると、最低賃金が最も高いのは福岡県の992円、最も低いのは熊本県、宮崎県、沖縄県の952円となっており、東京都との差は依然として200円以上あります。沖縄県を含む九州地方の大半の県では、1,500円までに500円以上の引き上げが必要であり、現状のペースでは到達までに相当な時間を要する見込みです。
※最低賃金の改定については厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を参照
〇募集時給動向
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九州・沖縄エリアにおける2022年2月から2025年2月まで3年間の募集時給を、推移で分析します。950円台だった募集賃金は、最低賃金改定の2022年10月に1,000円へと到達。2023年の中頃には1,050円へと迫り、最低賃金改定後の同年11月以降は1,050円を越えて推移しています。
2025年2月までの3年間で、募集時給は965円から+148円(+15.34%)上昇し、1,113円となっています。
〇「時給1,500円」に近づく九州・沖縄エリアの自治体は?
ここでは、募集時給が1,500円に近づく勢いのある九州・沖縄エリアの自治体を調査します。前年比を見る際は、外れ値調整のため、2024年2月と2025年2月時点で求人が500件以上ある自治体を対象としています。
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まずは、2025年2月の募集時給額をランキングで見てみると、福岡県北九州市が1,204円で1位となりました。次いで福岡県福岡市が1,199円、熊本県熊本市が1,176円、福岡県福岡市中央区が1,163円、福岡県筑紫野市が1,155円と続いています。3位の熊本県を除いて福岡県の自治体がランクインしており、同エリアの募集賃金が九州・沖縄エリアの自治体において高い水準をキープしていることがわかります。一方で上位5位にランクインした福岡県の前年比の伸び率は-0.58%~+3.84%であり、熊本県熊本市の+8.59%と比べて大きな上昇は見られませんでした。
熊本県熊本市では2025年2月時点で1,500円まで残り324円(+27.55%)となっており、前年比+8.59%の勢いが続くと2028年には1,500円に到達する見込みです。
熊本銀行が発表した「TSMC進出に伴う熊本【九州】への波及効果について」によれば、台湾の半導体企業であるTSMCが2021年10月に熊本県菊陽町への進出を発表してから、近隣エリアへの半導体と関連性の高い企業の進出が増加傾向にあるといいます。
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では、2021年10月から熊本県熊本市の募集賃金はどのように推移しているのでしょうか。東京および全国平均の募集賃金推移と比較するため、2021年10月を100とした指数で見てみます。
熊本市の募集賃金は2022年10月以降、東京都の伸び率を超え、さらに2022年12月以降は全国平均の伸び率を上回る水準で推移しています。熊本市はTSMCが進出した菊陽町に隣接する都市であるため、求人需要の増加が募集賃金の上昇につながっている可能性が高いと考えられます。
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続いて、2025年2月時点の募集時給を前年比のランキングで分析し、時給上昇率に勢いのある九州・沖縄エリアの自治体を調査します。1位には、熊本県熊本市が+8.59%でランクインしています。次に大分県別府市が+7.42%、大分県大分市が+5.44%、宮崎県宮崎市が+4.31%、福岡県福岡市中央区が+3.84%となりました。
募集時給ランキングでは福岡県の自治体が上位を占める一方、前年比の伸び率では熊本県、大分県、宮崎県、沖縄県、佐賀県、鹿児島県の主要都市がTOP10にランクインしました。最低賃金の改定に加え、インバウンド需要の回復や人材獲得競争の激化が影響していると考えられます。特に、福岡市のような大都市圏だけでなく、大分市や宮崎市といった地方中核都市でも、競争力を高めるために賃金水準の引き上げが進んでいる点が注目されます。
全国の平均募集時給は2025年2月時点で1,261円となっており、1,500円までは残り239円(+18.95%)となりました。年+5%程度の上昇で2029年には到達するペースであり、募集時給ベースでは政府目標を達成できる勢いと言えます。
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最後に、募集時給の前年比ランキングで1位だった熊本県熊本市と東京都、そして全国の平均募集時給をそれぞれ前月比の推移で比較します。
2024年10月の最低賃金改定直後、同月の全国の募集時給は+1.99%、東京都では+1.72%と上昇しました。一方、熊本市では+1.85%と増加したものの、11月には-0.72%まで減少しています。
この変動は、熊本市の企業の採用戦略による影響が大きい可能性があります。地方都市では求人市場が大都市圏と比べて小さい為、企業ごとの採用計画が市場全体の賃金に与える影響が大きい傾向にあります。特に中小企業が多い地域では、一時的な採用強化やコスト調整の影響が表れやすいと考えられます。
〇まとめ
今回は当社が保有する求人データを活用し、「時給1,500円」に近づく九州・沖縄エリアの自治体ランキングを調査しました。
その結果、熊本市の募集時給は前年比+8.59%と急上昇しており、このペースが維持されれば2028年には1,500円に到達する可能性が高いことが明らかになりました。これは全国平均(+5.08%)を大きく上回る伸び率であり、九州・沖縄エリアの中でも特に際立つ動きです。
背景には、最低賃金の継続的な引き上げ、TSMC進出による地元経済の活性化などが考えられます。また、全国的に賃金上昇のトレンドが続く中、地方都市の賃金水準がどこまで都市部に近づくのかも注目すべきポイントです。
求人ビッグデータを活用することで、より詳細に、よりリアルタイムに分析することが可能です。ぜひ今後の営業活動や採用活動にご活用ください。
〇調査概要
当社が収集した『イーアイデム』『タウンワーク』『バイトル』『フロムエー』『マイナビバイト』に掲載の求人媒体より求人情報を抽出し、集計した。
※『タウンワーク』『フロムエー』はIndeed PLUS経由での掲載を除いています。
<集計対象期間>
2022年1月3日~2025年2月3日 ※各月第一月曜日のみを抽出
<平均時給の計算方法について>
求人情報の給与項目内にある給与情報を数値に変換し、下限の金額を合算して平均値を算出した。
<都道府県・市区町村について>
求人情報の勤務地情報を取得し集計をおこなった。1求人に対して2つ以上の勤務地都道府県が紐づいている場合、最初に記載されている都道府県を採用した。
<その他の集計条件について>
外れ値調整のため、職種分類が「ナイトワーク」のデータを除外した。
〇求人ビッグデータについて
2014年から求人サイトのクローリング取得を開始し、現在では日本全国150以上のサイトから40億件以上の求人ビッグデータを保有しています。人材業界でのマーケティング調査や営業リストのほか、採用担当者の採用市場分析などにもご利用いただいております。また、景気動向の参考データとして官公庁や報道機関でのご活用も増えています。日本の採用市場の動向を明らかにする次世代民間データとして、幅広い業界のお客様にご活用いただいております。
【会社概要】
商号: 株式会社フロッグ
事業内容: 求人ビッグデータ事業
所在地: 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-18 アーバンスクエア神田ビル
設立: 2021年1月5日(株式会社ゴーリストより分社化)
資本金: 1,000万円
URL: https://hrog.co.jp
代表者: 阪野 香子
ご提供サービス(一部)
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担当者名: 営業部 水野(みずの)
TEL: 03-5296-9595
Email: j.mizuno@hrog.co.jp
※当レポートにおいて、提供されているコンテンツ、データ(以下、「本コンテンツ等」と言います。)に関する著作権を含む諸権利は、株式会社フロッグに帰属しております。本コンテンツ等は販売が予定されるものであり、二次利用を原則的に禁止しております。本コンテンツ等のご利用を希望される場合には、当社にご連絡の上、ご利用ください(有償)。
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