「一つも捨てない農業」で未来を変える~規格外とうもろこしを“ゼロ廃棄”で活かす6次化プロジェクト~
捨てられるはずのとうもろこしが、蒸留酒やジェラートに。気候変動時代の農業の新しい循環モデル。
ここ数年、猛暑や豪雨など、気候変動の影響を色濃く受ける農業の現場。私たち農業者にとって、「育てた作物をすべて無駄にせず届けきる」ことが、これまで以上に難しい課題となっています。
株式会社くるくるやっほー(本社:千葉県銚子市、代表取締役:坂尾英彦)は、そのような厳しい環境下でも「作ったものすべてに責任を持つ」という理念のもと、規格外のとうもろこしを余すことなく活かす6次産業化に取り組んでいます。
このたび私たちは、8月31日の「野菜の日」に向けて、多くのメディア関係者の皆様にこの取り組みをご紹介いただきたく、プレスリリースを発信いたします。持続可能な農業の形として、“ゼロ廃棄”を目指す挑戦にぜひご注目ください。

■取り組みの背景
弊社が手がける「アフロコーン™」は、千葉県銚子市の潮風と寒暖差のある気候のもとで育った、甘みの強いとうもろこしです。その味わいと鮮度には定評があり、毎年多くの消費者にご好評をいただいています。
しかし一方で、年々深刻化する異常気象により、粒の不揃いや実入りの甘さにバラつきが生じるなど、出荷基準に満たない“規格外”のとうもろこしが急増している現状があります。従来ならば廃棄されていたこれらの作物を、「すべて活かしきる」ことが私たちの使命であり、未来の農業への第一歩だと考えました。
また、近年の異常気象の影響だけでなく、農薬や肥料などの生産資材の価格高騰により、野菜の生産原価は大きく上昇しています。一方で、野菜の販売単価を上げてしまうと消費者が購入をためらうため、価格転嫁は難しく、農家の経営は圧迫されています。加えて、出荷規格に適合しない農作物は一般流通に乗せることができず、大量に廃棄される現実もあります。市場で評価されにくい「規格外」の野菜は、全国の一大産地でも収穫後に買い取ってもらえず行き場を失うケースが少なくありません。
「大量生産・大量出荷」ではなく、「小さくても意味のある循環をつくる」――その考え方のもと、2022年より加工品(6次化)による商品開発に本格的に取り組んでいます。
■6次化による“ゼロ廃棄”の実現に向けた主な商品
これまでに開発・展開している商品は以下のとおりです。いずれも、形や大きさに難があっても甘さや風味は変わらない、そんな「規格外とうもろこし」を主原料とし、味や品質に妥協せずに仕上げました。

冷凍とうもろこし
穫後すぐにカット・急速冷凍することで、鮮度と風味を閉じ込めた商品。
分量:300~400g
販売価格:800円(税込)

カリッとアフロコーン
規格外の粒を油でカリッと揚げ、ほんのり塩味に仕上げた人気商品。食感と甘さのバランスがクセになります。
商品URL:https://www.hennerymarket.com/blank-2/カリッとアフロコーン
分量:3袋(15g/袋)
販売価格:1,200円(税込)

とうもろこし蒸留酒
自社圃場で収穫・皮むき・芯取りまで行ったものを2〜3年蒸留。
分量:未定
販売価格:未定

とうもろこしジェラート
甘みと香ばしさを活かした、滑らかでコクのあるとうもろこしジェラートも商品化。
商品URL:https://www.hennerymarket.com/blank-2/%E3%82%A2%E3%83%95%E3%83%AD%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B3-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%88
分量:3個(80ml /個)
販売価格:1,800円(税込)
※販売価格や分量は変更となる可能性がございます。ご了承ください。上記価格には送料を含みません。
■加工品の魅力 〜“生よりも長く”、だからこそ守れるもの〜
とうもろこしは収穫後すぐに糖分が落ち、鮮度管理の難しい野菜のひとつです。一方で、加工品にすることで保存性が飛躍的に高まります。
特に冷凍食品、スナック菓子、蒸留酒、ジェラートといった商品群は、いずれも長期保存に適しており、生とうもろこしよりも圧倒的にロスが出にくいのが特徴です。
加えて、蒸留酒やアイスには賞味期限の表示義務がないため、適切に保管すれば数年後でも販売・提供が可能。つまり、天候に左右される生鮮品でありながら、加工によって「ムダを未来に変える」ことができるのです。
私たちはこうした賞味期限のない“思い出ごと残せる商品”を通じて、ゼロ廃棄・ゼロロスを目指しています。
■代表コメント

「天候は選べない。けれど、育てた作物には、すべて命がある」
ここ数年、猛暑の影響で、とうもろこしの生育に大きな影響が出ています。けれども私たちは、“天候のせいで捨てる”という前提を、少しでも変えていきたいと考えています。形が悪くても、小さくても、育った作物にはその分のエネルギーと時間が詰まっています。だからこそ、すべての作物を活かしきる仕組みを、これからも仲間と一緒に模索し、育てていきたいと思っています。
捨てられるはずだったものに、加工品という形で新しい価値を吹き込む——それが、私たちが目指す“捨てない農業”です。そして、その加工品を召し上がりいただいた方々が『どこで、誰が作ったものなのか』に興味を持ち、実際に畑へ足を運び、農業体験に参加してくださることが増えてきました。体験では、まさにその加工品の原料となるとうもろこしを収穫していただき、食と農の循環を感じていただけるような仕掛けをつくっています。そうした循環が広がっていくことが、私たちの願いです。
株式会社くるくるやっほー 代表取締役 坂尾英彦
■今後の展望と取り組み
今後、とうもろこしの規格外問題をテーマにした食育・体験型のプログラムを新たに企画中です。子どもたちが畑で学び、加工場で考え、食品を無駄にしない仕組みを体感できる取り組みを予定しています。
また、都市部とのつながりを活かし、食育・観光・環境学習を組み合わせた“都市と農の往復可能な関係”を広げていきたいと考えています。
■会社概要
所在地:千葉県銚子市猿田町958
代表取締役:坂尾英彦
設立:2024年10月
事業内容:農産物の生産・加工/農業体験・食育体験の開催および運営ほか
URL:https://www.hennerymarket.com
【本リリースに関するお問い合わせ先】
株式会社くるくるやっほー
担当:坂尾英彦
MAIL:047kyu@gmail.com
公式サイト:https://www.hennerymarket.com/
公式Instagram:https://www.instagram.com/hidehikosakao/
【坂尾英彦(さかお・ひでひこ)プロフィール】
千葉県銚子市の12代続く農家の長男。一度は農業を離れクラブDJ、輸入業、ネット販売など他業種を経験する。5年前から自社ブランドのアフロコーン、アフロきゃべつの他、銚子の地域企業(銚子電鉄、山十商店)とのコラボ商品の販売。農業体験の受入、古民家の宿、地元食材を使ったレストランの経営、市内で10,000人規模の音楽フェスを主催、小学校での農業体験実施、コワーキングスペースの運営、銚子ワーケーション協議会PR事業などを担い、農業×観光をきっかけに、銚子の2拠点居住や関係人口増加を目指す。
株式会社くるくるやっほー 代表取締役/銚子アグリツーリズム推進協議会 会長
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