能登地震から2年、復旧の裏で深刻化する課題。「誰も孤立させない支援」を継続するOBJのレポート公開

復旧の先に残る「心の課題」──支援が減る中で見えてきた被災地の今

OBJ

2024年1月1日、能登半島を震源とするマグニチュード7.6の大地震が発生し、地域の日常は一変しました。数百人の命が失われ、数万人が住まいを失い、避難生活や孤立、慢性的な不安が続いています。復旧・復興が進む中で顕在化してきた心の疲労や孤立感という現実に向き合い、オペレーション・ブレッシング・ジャパン(以下OBJ)は2年間継続的に現地の声を丁寧に受け止めながら支援を続けてきました。発災から1週間、3か月、〜1年、〜2年という節目ごとに変化した、被災地での支援のレポートと、現地の「今」を公開します。

発災当時の被害と現地の状況

2024年1月1日に発生した能登半島地震は、地域のインフラ、住居、人々の暮らしを甚大な被害に陥れました。多くの住宅が損壊し、避難者数は最大5万人以上、被災自治体が開設した避難所数は1500か所以上に上りました(内閣府発表)。地震による停電、断水、通信網の遮断のため復旧が難航、避難所での生活・衛生・水の不安は長期化し、生活の機能回復は何ヶ月もかかる状態が続きました。

2カ月が経った現地の様子

さらに積雪や道路寸断のため移動が制限される中、現地入りした支援団体は安全に十分配慮しながら、慎重に活動を開始することとなります。

時間とともに変わるニーズへの向き合い

OBJは発災直後から情報収集を開始し、翌日には支援チームの派遣を決定、1月4日には物資を積んだ車両を現地へ出動させました。以降、支援は「緊急物資支援」から「暮らしへの伴走的支援」へとフェーズが移行していきました。

支援のフェーズ

緊急期(発災〜1週間):飲料水・食料・生活用品などの緊急物資配布

応急期(〜3ヶ月):避難所・在宅避難者・自主避難所へのアウトリーチ支援

復旧〜中長期支援(〜2年):心のケア、コミュニティづくり、継続支援の仕組みづくり

この間、地域の福祉施設や仮設住宅、在宅避難者を訪問、ニーズを丁寧に聞き取り、単なる物資配布に終わらない支援を行ってきました。

緊急期(発災~1週間)

仙台から能登へ

水や食品、衛生用品などの物資を積込み、現地へ出動

要望に応じた物資提供

道路状況やニーズの変化に、機動性をもって対応

災害備蓄品の食料

調理不要の食品や、施設向けの介護食品を配布

生活用水用タンク

介護・看護や洗濯に必要な生活用水の不足に対応

応急期(~3カ月)

ニーズに応じて食料品や生活用品、清掃用品をお届け
物資配布の現場ー必要な物を手渡しながら、現地の声を聞く

復旧~中長期支援(~2年)

音楽を通じた交流ーアーティストの協力により、能登半島各地で演奏会を開催
戸別訪問ー在宅避難している方や、仮設住宅・みなし仮設住宅を1軒1軒訪問し、声かけを実施

2024年9月の豪雨災害と重なった課題

同年9月には能登地域で豪雨災害も発生し、復旧が進む現地にさらなる困難が押し寄せました。地震被害の影響が残る中で雨による浸水・土砂災害が追い打ちをかけた地域もあり、この時期の支援対応では複雑化した生活再建の状況に応じた支援が求められました。

1年経過時点の生活課題と支援の変化

1年後には復旧が進む一方で、慢性的なストレスや孤立感、日常への不安が地域住民の間で深刻化していきました。OBJが2025年に実施した支援活動では、仮設住宅・在宅避難者双方への訪問支援、生活用品配布に加え、地域の状況に応じた傾聴や心のケアが重要なテーマとなりました。

2024年の支援実績

受益者:約6,064人

配布物資総量:約1.3t

ボランティア参加:323名

協力団体数:29団体

これらの活動では、単に“届ける支援”から、対話し、困りごとに寄り添い、地域のそこにある課題に向き合う姿勢が重視されました。

専門資格を持つスタッフによる心理ワークショップ
今年は”こころとからだのリラックスタイム”を定期開催

2年経過した今、見えてきた現実

発災から2年にわたり、OBJは物資配布や訪問支援、炊き出しなどを通じて、延べ約7,400人に関わってきました。その過程で見えてきたのは、復旧が進む一方で、心身の疲労や孤立感、先の見えない不安がむしろ深刻化しているという現実です。特に長期化する仮設住宅生活や在宅避難者への支援の届きにくさは依然として現実の課題として残っています。

OBJではこれらの実情を受け止め、「届ける・聴く・つなぐ」という姿勢を大切にしながら、支援を継続しています。心理的ケアの専門家による相談支援やコミュニティ支援、地域との協働による仕組みづくりも重点的に進めています。

今後に向けた視点

災害発生から時間が経つほど、被災地での課題は“物理的支援”から“社会的・心理的な不安”へと変化していきます。OBJはこれからも、地域住民とともに見えにくい課題に向き合い続ける支援を行っていきます。

仮設住宅のコミュニティ支援では、住民の方にハンドマッサージを行いました。次第に心がほぐれ、心からの笑顔に出会うことができます。

オペレーション・ブレッシング・ジャパンとは

2011年3月、東日本大震災の発生直後に緊急支援活動を開始。津波で舟を流された漁師に漁船を提供したり、メガネを失った人に検眼をしてメガネを贈るなど、被災された東北地方の方々の暮らしに直結する内容の支援事業を展開してまいりました。

2013年3月に宮城県から特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を取得し、現在にいたるまで、日本の地域社会の課題に向き合い、災害支援やコミュニティ支援、心理的ケアなどの分野で、独自の取り組みを進めています。

特定非営利活動法人オペレーション・ブレッシング・ジャパン

(Operation Blessing Japan)

所在地:〒981-3133 宮城県仙台市泉区泉中央1-13-4 泉エクセルビル3F

設立:2013年3月

事業内容:災害支援・生活困窮支援・心のケア・子ども支援・国際協力

公式サイト:https://objapan.org

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会社概要

URL
https://objapan.org
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
宮城県仙台市泉区泉中央1-13-4 泉エクセルビル3F
電話番号
022-779-6579
代表者名
ドナルド・トムソン
上場
未上場
資本金
-
設立
2013年03月