漁業関係者*の5人に1人がCOPDの疑い

- 疫学調査NICEスタディの8.6%を上回る
- 喫煙歴のある漁業関係者では4人に1人がCOPDの疑い
- 非喫煙者を含む漁業関係者の4人に1人がヘビースモーカー

(*天羽漁協および房州ちくら漁協での実施した肺年齢測定イベントに参加した125名の漁業関係者)

2011年3月8日  日本/東京

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:ジェラード・マッケナ)は、漁業関係者のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)に関する実態を調べる目的で、ファイザー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梅田一郎)、天羽漁業協同組合、房州ちくら漁業協同組合と共催で肺年齢測定会「肺OLD ARE YOU? あなたは自分の肺年齢を知っていますか?」を行いました。

2010年11月1日から2日の2日間に天羽漁協で、2010年11月11日から13日の3日間に房州ちくら漁協で肺年齢の測定を行った40歳以上の漁業関係者125名(喘息の有病者、既往者などを除く)の測定結果を、喫煙歴などのアンケートと合わせて解析した結果、主に次のことが明らかになりました。(※数値は全て小数点第2位を四捨五入)

40歳以上の漁業関係者のうち、5人に1人がCOPDの疑い
疫学調査NICEスタディの8.6%を大幅に上回る

測定でわかる肺機能のうち、1秒率(息を吐き出す力の目安)が70%未満の場合、COPDの疑いがあることが知られています。1秒率が70%未満だった人の割合は40歳以上の漁業関係者では21.6%と、約5人に1人にCOPDの疑いがあることがわかりました。2001年に発表されたCOPDの大規模な疫学調査であるNICEスタディ(順天堂大学医学部 福地らによる)では、日本人の40歳以上のCOPD有病率は8.6%と推定されましたが、それを上回る割合でした。

喫煙歴のある40歳以上の漁業関係者の4人に1人がCOPDの疑い

さらに喫煙歴の有無別に1秒率が70%未満だった人の割合を見ると、喫煙歴ありの76名で25.0%、喫煙歴なしの49名で16.3%と、喫煙歴のある人の方の方が約10%多く、4人に1人の割合でCOPDの疑いがあることがわかりました。

非喫煙者を含む漁業関係者の4人に1人がヘビースモーカー

漁業関係者では日本人の推定有病率と比べてCOPDの疑いがある人の割合が高い原因として、漁業関係者の喫煙量の多さが関係していることが考えられます。喫煙率は漁業関係者で24.8%、全国平均23.9%*とほとんど変わらないものの、1日の喫煙本数×喫煙年数で表すブリンクマン指数が1000以上の人の割合は、漁業関係者(喫煙年数、本数不明の4名を除く121名)で25.6%、NICEスタディ対象者で9.3%と、漁業関係者で喫煙量が多い人の割合がかなり高いことがわかりました。喫煙歴がある40歳以上の人は肺機能検査を行い、自分の肺の健康状態を知ることが望まれます。(*2010年「全国たばこ喫煙者率調査」JT調べ)

喫煙歴がある40歳以上の人は定期的な肺機能検査を

亀田総合病院 呼吸器内科 部長 金子 教宏 先生のコメント

今回の調査の結果、40歳以上の漁業関係者ではCOPDの疑いがある人の割合が高く、その原因として喫煙歴の長さや喫煙本数の多さと関係があることが示唆されました。今回指標としたブリンクマン指数1000とは、たとえば1日25本、40年間喫煙を続けているということになり、かなりのヘビースモーカーです。漁業関係者は喫煙する時間や場所に制限が少ないために、喫煙がより身近な状況にあるという背景が関係している可能性が考えられます。COPDは早期に治療を開始し、継続すれば、進行を遅らせることが可能です。COPDのリスクが高い40歳以上の喫煙者は定期的に肺機能検査を受け、長く続く“せき”や“たん”などCOPDが疑われる症状がある場合にはすぐに受診をすることが大切です。漁業関係者のみならず、喫煙に制限の少ない状況下にある人は他にも多く存在していることが考えられます。定期的な肺機能検査を促すための環境づくりとして、行政や事業主が定期健診に肺年齢測定を組み込むなどの施策も期待されます。

呼吸の大切さを実感しました

旧 房州ちくら漁業協同組合 代表理事組合長 小滝 季儀さんのコメント

漁業組合で行った測定で、喫煙者の4人に1人に肺疾患の可能性があるという結果に大変驚きました。漁業は60歳を過ぎても現役と言われる、息の長い職業です。組合としても漁業従事者には元気で長く仕事を続けてほしいので、これを機に、組合の定期健診に肺機能の検査を含めることも検討していきたいと考えています。

肺の生活習慣病COPD(慢性閉塞性肺疾患:慢性気管支炎・肺気腫)

COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、喫煙習慣が主な原因となる肺の生活習慣病で、以前は肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていたものを包括したものです。進行性で、息切れから日常生活に支障を来し、更には酸素吸入や死に直結します。WHOの統計から、2005年現在で世界では2億1,000万人がCOPDに罹患しています。また、乳がんと糖尿病を合わせた死者数よりも多い、年間300万人がこれを原因として亡くなるとの実態が示されました。日本では疫学調査から、500万人以上がCOPDに罹患していると推計されていますが(NICEスタディ2001年)、実際に治療を受けているのはわずか約22万人に過ぎません(厚生労働省統計2005年)。また、進行したCOPD患者に起こる増悪は、呼吸機能の低下を加速させるといわれています。早期診断と適切な治療の継続が、患者の予後や生活の質を大きく好転させます。

COPDについての詳細な情報は:

肺の病気COPD(慢性閉塞性肺疾患)総合情報サイト「COPD-jp.com」をご覧ください。
http://www.copd-jp.com/

ベーリンガーインゲルハイムについて

ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界50ヵ国に142の関連会社を持つベーリンガーインゲルハイムグループは、世界で41,500人の社員を有するトップ20の製薬企業のひとつです。1885年の設立以来、125年間、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、人々の健康および保健医療の向上に寄与すべく、ヒト用医薬品およびアニマルヘルス(動物薬)を中心にビジネスを展開しています。2009年度は127億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約5分の1相当額を研究開発に投資しました。
ベーリンガーインゲルハイムは日本で、半世紀にわたり企業活動を展開してきました。グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所や、国内向けとして山形に生産拠点を擁し、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で有用な医薬品を提供しています。詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
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