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公益財団法人旭硝子財団
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2021 年(第 30 回)ブループラネット賞 受賞者発表

地球環境国際賞

公益財団法人旭硝子財団

公益財団法人 旭硝子財団(理事長 島村琢哉、所在地 東京都千代田区)は、今年で30回目を迎える、ブループラネット賞(地球環境国際賞)の2021年の受賞者を決定いたしました。本賞は、地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年(平成4年)に設立され、地球環境問題の解決に関して社会科学、自然科学/技術、応用の面で著しい貢献をされた個人、または組織に対して、その業績を称える国際的な賞です。本年度の受賞者は以下のお二人に決定いたしました。
 1. ヴィーラバドラン・ラマナサン教授(米国)  1944年11月24日 インド生まれ
カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリプス海洋研究所 教授
気候持続可能性 エドワード A フリーマン寄附講座

 

ラマナサン教授は、短寿命気候汚染物質(SLCPs)と呼ばれる二酸化炭素以外の汚染物質の気候への影響を数十年に渡って研究してきた。対象は、メタン、対流圏オゾン、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)(※1)、ブラックカーボン(煤)(※2)などである。クロロフルオロカーボン類(CFCs)(※3)の非常に大きな温室効果を発見し、自身で統括した褐色雲(ABCs)に関する国際現地プロジェクトを通して、ブラックカーボンの気候への影響を明らかにするなどの貢献があった。教授は、SLCPの削減は温暖化を速やかに抑制し、大気汚染を大幅に改善することを示し、その後SLCP削減のための国際的な活動を主導した。

※1 オゾン層を破壊しない「代替フロン」。二酸化炭素の数百倍~数万倍の温室効果がある。
※2 大気中を浮遊する微小粒子(エアロゾル)の成分の一つ。ディーゼルエンジンの排気ガス、石炭の燃焼、
  森林火災、薪などバイオマス燃料の燃焼など、炭素を主成分とする燃料が燃焼した際に主に発生。
※3 フロンの一種で、オゾン層破壊物質。二酸化炭素の約5千~1万倍の温室効果がある。
 

2. モハン・ムナシンゲ教授(スリランカ)  1945年7月25日 スリランカ生まれ
ムナシンゲ開発研究所 創設者・所長

ムナシンゲ教授は、統合的、学問横断的であり、開発の問題を経済、環境、社会の三つの観点からとらえるサステノミクスの考え方を創出した。革新的な概念である「公正な包括的グリーン成長(BIGG)」や「ミレニアム消費目標(MCGs)」はサステノミクスから生まれた。BIGGは、各国に発展の度合いに応じた持続可能な開発の道筋をとることを求め、また、MCGsは、世界生産のほとんどを消費する裕福な人々に地球への負荷を低減するため、消費目標の遵守を求める。教授は、これらの考え方を世界に広めるため、環境経済学と環境政策を用いて実践的な活動を展開している。


●毎年原則として2件を選定し、受賞業績1件に対して、賞状、トロフィーおよび賞金5千万円が贈られます。
●表彰式典は 10月6日(水)に東京會舘(東京都千代田区)で行う予定です。受賞者による記念講演会は、10月7日(木)に国際連合大学(東京都渋谷区)、10月9日(土)に京都大学で開催を予定しています。式典、講演会とも、コロナウイルス感染症対策を講じた上で行う予定ですが、例年より規模を縮小しての開催となる場合もあります。
 

<受賞の辞>
ヴィーラバドラン・ラマナサン教授

​​​2021年のブループラネット賞を短寿命気候汚染物質(SLCPs)の研究で受賞することを大変名誉に思います。4種のSLCPによる地球の蓄熱量を減らすことは、地球温暖化を速やかに抑えるために不可欠です。対象となるSLCPとは、メタン、ブラックカーボン(煤)、対流圏オゾン、ハイドロフルオロカーボン類 (HFCs)です。

SLCPの科学は、当時冷媒として使用されていたクロロフルオロカーボン類(CFCs)が、非常に大きな温室効果を持つことを1975年に私が運良く発見した時から知られるところとなりました。CFC類はHFC類とともにハロカーボン*の仲間です。もしオゾンホールへの影響をなくすために、 CFC類がモントリオール議定書によって廃止されていなかったとしたら、温暖化はすでに危険な水準を超えてしまっていたかもしれません。

私達はまた、長期的な気候を安定にするために2050年までに二酸化炭素排出量を段階的に削減していかなければなりません。この賞は私にとって、北極星のようなものです。気候変動に関する活動のために、政治的な分断の橋渡しをし、科学を政治や信仰と連携させることで、私の気候変動問題の解決への取組みを力強く導いてくれるからです。

*ハロカーボン:CFC、HFCなど、塩素、フッ素などのハロゲン原子と炭素から成る化合物の総称。

 
モハン・ムナシンゲ教授
2021年にブループラネット賞という世界の持続可能な環境のための最高の賞、日本の旭硝子財団がより良い未来に対し大きな尽力をしている象徴でもある賞をいただけることは名誉なことであり、深く感謝いたします。また、私の知性や感情的な部分を形作ってくださった多くの方々、指導、助言をいただいた先生、同僚、家族、友人などにも感謝申し上げます。新型コロナウイルス感染症の苦境を生き抜くために社会的な絆は非常に大切なものです。

私が50年近くの間に創り出してきた幾つかのカギとなる概念と、それらが世界で実際に適用されていることを選考委員会が特に評価してくださったことは励みになります。サステノミクスという枠組み、持続可能な開発の三つの視点(経済、環境、社会)、公正で包括的なグリーン成長(BIGG)、ミレニアム消費目標(MCGs)のことです。

私の研究での興味は、工学、物理学、経済学のような基本的な学問から、エネルギー、水、交通、ICT(情報通信技術)、環境資源などの応用分野、そして最後には多くの学問分野にわたるテーマである貧困、災害、気候変動、持続可能な開発へと移り変わってきました。この多方面での経験が、統合的、学際的な方法論としてのサステノミクスを作り出すのに役立ちました。私の過去の業績と名誉あるブループラネット賞により与えていただいた世界的な舞台を活用して、私たちの地球を全ての人に持続可能なものにしていけるように、微力ながら努力し続ける所存です。

 
<本年度(第 30 回)の選考経過>
国内472名、海外748名のノミネーターに推薦書を送り、127件の受賞候補者が推薦されました。候補者の分野は、多い順に環境経済・政策が31件、生態系29件、気候、地球科学19件などでした。候補者は38ヶ国にわたり、途上国からの候補者は33件あり、全体の26%に相当します。選考委員会による数次の審査をもとに顕彰委員会に諮った後、理事会で、1件はヴィーラバドラン・ラマナサン教授が、もう1件はモハン・ムナシンゲ教授が受賞者として正式に決定されました。


<ブループラネット賞について>
人類が解決を必要としているグローバルな諸問題の中で、最も重要な課題の一つが地球環境の保全です。地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、河川・海洋汚染などの地球環境の悪化は、いずれも私達人間の生活や経済活動が大自然に影響を及ぼした結果です。旭硝子財団は、地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年(平成4年)に、地球環境問題の解決に向けて著しい貢献をした個人または組織に対して、その業績を称える地球環境国際賞として「ブループラネット賞」を創設いたしました。

賞の名称の「ブループラネット」は人類として初めて宇宙から地球を眺めた宇宙飛行士ガガーリン氏の言葉「地球は青かった」にちなんで名付けました。この青い地球が未来にわたり、人類の共有財産として存在しつづけるようにとの祈りがこめられています。


<歴代受賞者>


<賞状とトロフィー>
 

 

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本社所在地
東京都千代田区四番町5-3 サイエンスプラザ 2 階
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代表者名
島村 琢哉
上場
未上場
資本金
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設立
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