大手飲食チェーンが挑んだ「経営合宿型ファシリテーションプログラムのご紹介
「短期目標の達成と中長期戦略の具体化の両立」に向け、経営陣全員が本音の対話を通して“ボトルネック“を絞り込む!
株式会社HR and(本社:東京都中央区、代表取締役:神吉徹二)は、全国規模で店舗を展開する大手飲食チェーン企業の経営陣を対象に、「中長期戦略の具体化」をテーマとした経営合宿型ファシリテーションプログラムを実施しました。飲食チェーン企業の経営陣は、当社のファシリテーションのもと、「両利きの経営─短期業績の達成と長期的価値創造の両立─」の実現に向け、丸一日をかけて本音で議論。2030年に向けたボトルネック課題を特定し、それらをKPIとして管理することで合意しました。現在は、実行フェーズへの移行準備を実施しています。
※本事例の実践に関するさらに詳しい理論的解説はこちらからご覧ください(LINK)

背景:短期業績の達成の先にある“顧客満足の未来”
今回ご依頼のあった大手飲食チェーン企業は長年にわたり顧客満足度の高い店舗運営を実現し、日本でも有数の外食ブランドとして広く知られています。一方で、日々の店舗運営や業績目標に意識が集中しがちで、「長期的な顧客価値をどのように創造していくか」というテーマに、十分な時間を割くことが難しい状況にありました。
経営陣はこの課題を共有し、「短期的成果と長期的成長の両立をいかに仕組み化するか」を検討。
HR andは、海外メンバーを含む経営チーム全員が同じ視点で未来を描けるよう、合宿型ファシリテーションプログラムを設計と当日の進行を担当し、“対話と合意形成”を支援しました。
取り組み:経営陣全員による丸一日の合意形成プロセス
今回の合宿には、全社を管掌する経営メンバー12名が参加。通訳の方にサポートをいただきながら、立場や役割の違いを越えて率直に議論できるよう、丁寧に場の設計と進行を行いました。また、プログラムは短期目標の延長線ではなく「未来から現在を見直す」構成としました。
-
経営チームの存在意義を再定義:各メンバーが「経営チームは何のために存在するのか」を言語化し、それぞれの思いをくみ取った上で共通のステートメントとして明文化。
-
現状認識の共有:プロダクト・サービス・ブランドの3つの視点から、2025年時点の現状を多角的に整理。認識の差を可視化し、相互理解を形成。
-
2030年の理想像の具体化:プロダクト・サービス・ブランドの3つの視点で実現したい未来の姿を描き、共通言語となるよう明文化。
-
ボトルネック課題の抽出と合意形成:「実現したい理想の姿」を阻むボトルネックとなっている課題を洗い出し、「心から解決したい課題」を経営陣全員で絞り込む。
今回のプログラムは、事務局からの相談に基づき、参加者の“腹落ち”を重視してHRandと大手飲食チェーン企業が協働でデザインした、オリジナルの対話型ファシリテーションプログラムです。HRandは単にアイデア出しをサポートするのでなく、組織として本気で向き合うべきテーマを参加者のみなさんが対話を通じて合意形成できるよう、支援しました。
成果と今後:中長期の理想像を阻むボトルネックをKPI化し、推進力へ
合宿の最終成果として、経営チームは「1〜2年以内に解決すべき課題」と「5年以内に取り組むべき課題」を明確化。これらを中長期KPIとして設定し、定期的にモニタリングする経営サイクルに組み込む方針を決定しました。
経営陣が本音で意見を交わしたことで、部門横断的な連携テーマが可視化され、「誰が決めるか」ではなく「どう決めるか」を共通理解として持つ文化的変化も生まれました。短期目標の達成に加え、長期戦略を“語り・実行できる組織”への第一歩が踏み出されています。
【経営陣のコメント】
「普段は議題に上がらないようなテーマを率直に話し合うことができた。部門を越えて中長期の方向性を共有できたことは、今後の意思決定を大きく前進させる機会になった」。
「長期視点に立ち戻ることの重要性を改めて感じた。短期的な利益目標と両立しながら、この議論を継続していく必要がある」。
【事務局のコメント】
「午前の“経営チームの存在意義”を全員で再定義するセッションは特に印象的でした。短期業績にとどまらず、長期的な課題に合意できたのは大きな前進です」。
「外部ファシリテーターの存在が、上下関係や日常業務の延長線にとらわれない対話を実現してくれました」。
キーマン全員による具体案の合意を得て、タスクフォースは終了。1か月後には、役員への報告も無事に完了しました。4か月経った2025年9月現在、事務局の方々は戦略実行に向けた詳細論点に対峙する忙しい日々を過ごしているとのことです。
結び:短期と長期をつなぐ“経営の対話文化”を
今回の取り組みを通じて明らかになったのは、「長期戦略を立てられない」のではなく、「じっくり考え、語り合う場やスキームが社内に存在していなかった」ということでした。短期的な成果を求められる環境の中でも、意図的に立ち止まり、中長期の視点で対話を行うことが結果的に事業推進の質を高めることにつながります。
参加された役員の方が、対話を通じて自社の可能性に気づく場面も多く見られました。経営のリズムの中に“長期を見直す時間”を意識的に組み込むことが、組織全体の推進力を高める第一歩となることを痛感しました。
HRandは、こうした経営チームの本音の対話を支えるファシリテーションを通じて、短期と長期をつなぐ「経営の対話文化」づくりを今後も支援してまいります。
本事例の実践に関するさらに詳しい理論的解説をnoteにて行っていますので、そちらもご覧ください。
<株式会社HR andについて>
HR and は「合意形成の質は、実行の質」を証明するために存在する、ファシリテーション型HRBPサービスの会社です。「ファシリテーション」「組織開発」を軸に、企業の経営者・事業責任者と経営企画部門や人事部門のリーダーやご担当者の方に向けて、ソリューションを提供しています。 詳しくは HR and の公式ホームページまたは各種 SNS をご覧ください。取材のご依頼やサービスに関するご相談など、お気軽にご連絡ください。
会社名:株式会社HR and
所在地:東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館 5F
代表:神吉 徹二
設立:2019年7月
事業内容:ファシリテーション型HRBPサービス
公式ホームページ:https://hr-and.jp
X:https://x.com/tetsujikotta
LinkedIN:https://www.linkedin.com/in/tetsujikamiyoshi
Facebook:https://www.facebook.com/tetsuji.kamiyoshi
note:https://note.com/tetsujikotta
【本件に関するお問い合わせ先】
e-mail:tetsuji.kamiyoshi@hr-and.jp
※サービスに関するご相談・ご依頼も、こちらの窓口にて承っております。
すべての画像