奨学生向け「医学生のためのコミュニケーション研修」開催レポート

大学などで学ぶ機会の少ない“コミュニケーションの基本”

小児医学・医療・保健の発展のため、事業の一つとして小児医学を志す医学生への奨学金給付を行う公益財団法人川野小児医学奨学財団(所在地:埼玉県川越市、理事長:川野幸夫/株式会社ヤオコー代表取締役会長)は、当財団の奨学生向けに「医学生のためのコミュニケーション研修」を企画し、2022年9月10日(土)に実施いたしました。

当財団では、これまで各事業を通じて、医師や研究者の存在が患者の命や健康、そして人生に与える影響の大きさを実感してきました。特に小児医療においては、子どものみならず、そのご家族の生活、人生にまで関わることとなります。そういった中では、一般的なコミュニケーションマナーはもちろん、価値観やバックグランドの異なる個々人と対話を通じた関係構築が非常に重要になってきます。しかし、医学部においても、医療機関においても、コミュニケーションについて学ぶ機会はほとんどないのが現状です。そこで、そのニーズを汲み取り、奨学金という経済的な支援とは別に、プログラムの提供を決めました。このリリースではその内容をご報告します。
 
  • 研修レポート
●タイトル:医学生のためのコミュニケーション研修
●開催日時:2022年9月10日(土)13:00~16:00
●参加者:日本国内の大学医学部医学科所属で小児医学を志す当財団奨学生14名
●講師:松田幸子氏 YOU企画代表
大学卒業後大手電機メーカー教育部にてユーザー研修に携わり、ユーザーインストラクター養成などを担当。退社後、企業研修講師、大学・短期大学非常勤講師、人材育成コンサルタントとして活動。医療機関における接遇・クレーム対応・PS向上の研修実績も多数。現在、大学看護学部にて「看護のためのコミュニケーション論」 を担当

●ポイント:
医療現場においては、「患者さんを怒らせてしまった」「良かれと思ってしたことの真意が伝わらなかった」など、コミュニケーション不足に起因する様々な問題があります。質の高い医療を提供できる人材となるためには、医療の知識や技術だけでなく、患者さんやそのご家族はもちろん、ドクターやナースの方々と丁寧で緻密なコミュニケーションをはかる力が必須です。
コミュニケーションと一口に言っても、挨拶などのわかりやすいものから、その場の状況や相手の性格、距離感な どで全く逆の捉え方をされてしまう難しいものもあります。医療現場ではむしろ、「正解がないコミュニケーション」の方が多いかもしれません。練習もないままに、いきなり高度な技術が必要なコミュニケーションを求められるのは、酷なことです。
そこで今回、医療現場で働く前の医学生にコミュニケーションの基礎を身につけてもらえるプログラムを実施しました。研修内容は、医療現場に限らず学生でも日々の生活の中で実践できるものです。本研修内容を学生の間に実践することでコミュニケーションの土台を身につけ、より高度な「正解がないコミュニケーション」を図る際には、自身で考え表現できるだけの力に育て上げることを見据えた研修です。

●内容:
➀コミュニケーションの基本と重要性
・コミュニケーションとは
・コミュニケーションにおける「表現」の重要性
・良好な人間関係を築くために必要な「表現」
・コミュニケーションへの影響が大きい「表現」
「コミュニケーションとは何か」という切り口で、コミュニケーションを図るうえで最も大切なことを学び、どのような「表現」が有効なのかを実践を交えて体得しました。

②感じの良い話し方
・クッション用語
・肯定表現
・Yes,but法
・サンドイッチ法
同じことを言っても「感じの良い」表現と「感じの悪い」表現があります。ちょっとした言い回しの違いで印象が大きく異なります。

③<実習>話の聴き方
どんなにしっかりと話を聴いていても、「聴いてくれた」と患者さんが思わなければ、その方にとっては「話を聴いてくれない医師」になってしまいます。話を聴く技術を実習を通じて学びました。

④<実習>正しい情報伝達
医師にとって必要な「正しく伝える」技術をゲームを通じて学びました。ミスコミュニケーションが起こる体験を通じて、正しく伝えるためのポイントを習得しました。

●講師の声
ご受講の皆さんは、とても熱心に取り組んでくださいました。最初はやや緊張感があるようでしたが、徐々にグループメンバーとも打ち解け、楽しんで実践している様子が見受けられました。医師として現場に立たれると、コミュニケーションにおいても迷われる局面がたくさん待ち受けていることと思います。今回の研修が、しなやかに乗り越えて行くための一助となることを心から願っております。
 
  • 奨学生参加者のアンケート結果
※出席者14名全員が回答


Q.1満足度を教えてください
満足12名(86%)/やや満足2名(14%)
普通・やや不満足・不満足0名(0%)

Q.2上記を選択した理由を教えてください
・将来、臨床医を目指す身として、どのように患者さんと接すれば信頼される医師になれるのかは非常に重要なことで、その土台となることを教えてもらったから(1年生)
・実践を通して、コミュニケーションの難しさや意識すべきポイントを体感することができ、具体的な練習方法も指導してもらったから(4年生)
 
  • 奨学生向けにプログラムの導入を決定した背景
小児医学を志す当財団の奨学生が高い医療技術を持つだけではなく、人から信頼され、感謝される医師になるために、奨学金給付という経済的支援以外にできることがないか、考えて続けてきました。そこで、フィランソロピーの戦略立案から実践、効果検証に対して助言を提供する一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)の新しいフィランソロピー事業部からアドバイザリーを受け、奨学生向けプログラム導入を検討しました。どのようなテーマのプログラムが必要とされているのか、効果があるのかを検討するため、まず、SIIFとディスカッションを通じて、患者に寄り添うために医師に必要と思われる要素の明文化を行いました。その後、SIIFによる国内外の医学生・医師向け研修プログラムの調査を実施。その結果も参考に、コミュニケーション研修を含む複数のプログラムテーマを策定しました。最後に、当財団より奨学金を受けていた医学生(卒業生)および現役奨学生から意見をもらい、最終決定しました。

・卒業生および現役奨学生への「コミュニケーション研修導入」に関するヒアリング調査結果(抜粋)
ヒアリング対象 卒業生3名(医師歴8~12年/臨床医、研究医)
現役役奨学生3名(2および3年生/医学部医学科所属)
ヒアリング内容           Q.学生のうちに、コミュニケーションマナーを学ぶことについて
(卒業生)
・医師の仕事は患者とのコミュニケーションがとても多いことに、医師になって初めて気が付いた。また、メディカルスタッフに対する適切な対応も必要となるため、一般常識的なコミュニケーションマナーの習得は必須。
(現役奨学生)
・一般的なビジネスマナーを学ぶ機会がないので、ぜひ習得したい。

 

SIIFは日本におけるインパクト投資のエコシステムを育て、社会課題を解決していくというミッションのもと設立されました。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や普及のための環境整備、調査研究・政策提言に取り組んでいます。世界に先駆けて成熟社会に突入する日本において、持続可能な社会を支える資金の流れを多様なパートナーと共に作り出すことを目指します。SIIFの「新しいフィランソロピー事業」は、グローバルで持続可能な形に進化する新しいフィランソロピーを日本において発展させるとともに、皆さまの意志の実現を積極的にサポートします。
 
  • 財団概要
財団名: 公益財団法人川野小児医学奨学財団
所在地: 〒350-1124 埼玉県川越市新宿町1-10-1
理事長: 川野 幸夫(株式会社ヤオコー 代表取締役会長)
設立: 1989年12月25日
行政庁: 内閣府
URL: https://kawanozaidan.or.jp/
TEL: 049-247-1717
Mail: info@kawanozaidan.or.jp
事業内容: 研究助成/奨学金給付/小児医学川野賞/医学会助成
      小児医療施設支援/ドクターによる出前セミナー
奨学金事業: 小児医学の永続的な発展のためには人材の育成・輩出が重要であるという考えから、1990年に小児医学を志す医学生への奨学金事業を開始しました。現在は埼玉県内または千葉県内の高校を卒業し小児科医や小児医学研究者を目指す医学生を対象として、月額6万円を給付しています。2022年度までで当財団の奨学生は97名となり、卒業生の多くが第一線で医師として活躍をしています。
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