「軽度認知障害(MCI)」のリスクを分析する新機能を腸内細菌叢の検査・分析サービス『SYMGRAM』に追加搭載
―認知症を予防する新たなアプローチを強力にサポート―
MCIは、多くの場合、数年から10年の後に認知症へと進行することが知られていますが、MCI罹患者やMCIリスクが高い人を早期に発見し、適切な介入(腸内細菌叢の改善)を行うことができれば、認知機能の改善および認知症への進行を防ぐことができる可能性があります。
便検体を用いた腸内細菌叢の検査・分析結果から、高い精度で多くの疾病のリスクを分析する世界初の当サービスに、MCIのリスクを分析する機能が追加されたことで、認知症を予防する新たなアプローチが大きく進展することが期待されます。
※これまでに当社とお茶の水健康長寿クリニックを含む共同研究グループは、MCIに腸内細菌叢の異常(dysbiosis)が関連することを解明し、腸内細菌叢の組成データを用いた新たなMCIの診断(リスクの推定)方法を国際学術誌に発表しましたが、今般の新機能はこの研究成果を活用したものとなります。
【『SYMGRAM』のバージョンアップ(新機能搭載)内容 】
当サービスで最も特長的なレポートコンテンツである「疾病リスク分析」の分析対象疾病に、「MCI(軽度認知障害)」を追加いたしました。
分析の結果、リスクが中または高の場合、リスクを下げるための推奨食品情報を提供いたします。
MCIのリスクが高いことは、腸内細菌叢がMCI罹患者の腸内細菌叢のバランスや特徴と似ていることを意味しており、推奨食品の摂取により腸内細菌叢を変化させることでリスクが下がり、MCIの予防・改善に役立つと考えられます。
【リスク分析対象の疾病】
今回の追加により、当サービスで分析することができる疾病数は男性33、女性36となります。
<男性>
潰瘍性大腸炎/過敏性腸症候群/大腸がん/逆流性食道炎/胃潰瘍/胃炎/肝臓病/慢性腎臓病、慢性腎不全/便秘/痔/2型糖尿病/高血圧/脂質異常症/脳梗塞/心筋梗塞/不整脈/狭心症/喘息/アトピー性皮膚炎/花粉症/骨粗鬆症/関節リウマチ/関節痛/脊柱管狭窄症/痛風/うつ病/MCI(軽度認知障害)/認知症/睡眠時無呼吸症候群/前立腺がん/前立腺肥大症/肥満/緑内障
<女性>
潰瘍性大腸炎/過敏性腸症候群/大腸がん/逆流性食道炎/胃潰瘍/胃炎/肝臓病/慢性腎臓病、慢性腎不全/便秘/2型糖尿病/高血圧/脂質異常症/甲状腺がん/バセドウ病/橋本病/脳梗塞/心筋梗塞/不整脈/狭心症/喘息/アトピー性皮膚炎/花粉症/骨粗鬆症/関節リウマチ/関節痛/うつ病/MCI(軽度認知障害)/認知症/片頭痛、頭痛/乳がん/子宮筋腫/子宮内膜症/月経異常/女性不妊症/女性更年期症候群/肥満
※女性特有の疾病は、年齢によっては分析対象外となるものがあります
【MCI(軽度認知障害)とは 】
MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)は認知機能の低下はありますが、正常な認知と認知症の中間状態であり、まだ認知症ではありません。しかし、MCI罹患者は認知症に進行するリスクが高いことが知られています。また、認知症は一度発症すると治療が困難ですが、MCIでは正常な認知機能に戻る場合があります。
MCI罹患者への適切な介入を行うことができれば、認知機能の改善、または認知症への進行を抑制できる可能性があり、そのためには、早期にMCI罹患者やMCIリスクが高い人を発見することが重要です。
この度、当サービスで被検者様の腸内細菌叢の構成からMCIのリスクを分析することが可能となりました。これにより、治療・改善が困難な認知症に進行する前のMCI段階を早期に発見し、推奨食品(成分)の摂取により腸内細菌叢を変化させることでMCIを予防・改善するという画期的な方法をとることが可能となります。
当サービスが増加する一方の生活習慣病などの慢性疾患の予防・改善に役立つツールとして、多くの医療機関に活用していただけることを期待しております。
【関連する当社の論文掲載情報】
当サービスに搭載している分析手法については、以下の通り国際的な学術誌において発表・公開しております。
●「腸内細菌叢の組成データから疾病のリスクを推定する手法」に関する当社の研究成果は、国際学術誌『Frontiers in Microbiology』(2023年1月26日付)に掲載されております。
Tokuno, Hidetaka, et al. "Method for estimating disease risk from microbiome data using structural equation modeling." Frontiers in Microbiology 14 (2023): 1035002.
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2023.1035002/full
●「腸内細菌叢の組成データを用いた新たなMCIの診断(リスクの推定)方法」に関する当社の研究成果は、国際学術誌『Biomedicines』(2023年6月22日付)に掲載されております。
Hatayama, Kouta, et al. "Characteristics of Intestinal Microbiota in Japanese Patients with Mild Cognitive Impairment and a Risk-Estimating Method for the Disorder." Biomedicines 11.7 (2023): 1789.
https://www.mdpi.com/2227-9059/11/7/1789
【『SYMGRAM』について 】
日本最大級の腸内細菌叢解析データベース(約23,000人)を用いて研究・開発された腸内細菌叢の検査・分析サービス『SYMGRAM』は、腸内細菌叢の検査結果から被検者様の疾病リスクを分析する世界初の機能を実現しました。医師による疾病の診断、予防・改善のための新たなツールとして活用される画期的な医療機関向けサービスです。
https://symgram.symbiosis-solutions.co.jp/
医療機関にて次のような場合に患者様へ当サービスをご活用いただくことで、疾病の診断、予防・改善のための新たな参考情報を医師に提供できると考えています。
・患者様が原因不明の心身の不調に悩んでいる場合
・器質的な異常や血液などの検査値に異常はないが、具体的な症状が認められる場合
・治療を行っているが症状の改善が見られない場合
・投薬以外の治療方法をご検討の場合 など
また、当サービスは医療機関での健康診断のオプションや未病ケアのためのツールとしても活用されており、医師による診断や疾病の予防・改善のための生活習慣指導などを強力にサポートできるツールであると考えています。
【分析結果レポートの内容(一部抜粋)】
・腸内細菌叢から推定した疾病リスクの分析
被検者様の腸内細菌叢の構成から疾病リスクを推定し、リスクが「高」「中」と推定される疾病について、予防・改善のための推奨食品を提示 ※今回「MCI(軽度認知障害)」を追加
・要注意菌の分析
疾病との関連が報告されている菌や感染症の原因とされている菌が腸内細菌叢全体に占める割合(占有率)を分析し、分析結果を評価
・腸内細菌叢のタイプ(エンテロタイプ)分析
被検者様の腸内細菌叢を、男性4つ、女性5つのエンテロタイプに分類した場合、どのタイプに分類されるかを分析
・特定の代謝産物を産生する菌の分析
機能性成分やその他の生理作用を有する物質を産生する菌が腸内細菌叢全体に占める割合(占有率)を分析
・菌(産生菌)のバランスと多様性分析
特定の代謝産物を産生する菌のバランスと腸内細菌の多様性を分析し、その2つの観点から総合評価
・検査で検出された腸内細菌
今回の検査で検出された上位10菌属の一覧と解説のほか、属レベルでの上位68菌属、種レベルでの上位33菌種の一覧表を掲載
・腸内細菌に関わる基礎知識
腸内細菌の分野でよく使われる用語について解説
【企業概要】
当社は、腸内細菌叢から疾病リスク等を分析・評価する腸内細菌叢の検査・分析サービス(『SYMGRAM』、『健腸ナビ』他)の開発・運営および医薬・食品メーカー等と連携して腸内細菌叢の制御による疾病の予防・改善のための機能性食品の研究・開発などを行うヘルステック・バイオベンチャーです。
・会社名:シンバイオシス・ソリューションズ株式会社
・本社:東京都千代田区神田猿楽町2-8-11 VORT水道橋Ⅲ 3F
・研究所:埼玉県和光市南2-3-13和光理研インキュベーションプラザ内
・設立:2018年4月※一般社団法人日本農業フロンティア開発機構と国立研究開発法人理化学研究所(旧辨野特別研究室)による研究成果を事業化する目的で設立
・資本金:17億5,797万円(資本準備金を含む:2023年6月現在)
・URL:
【コーポレートサイト】https://www.symbiosis-solutions.co.jp/
【SYMGRAMサイト】https://symgram.symbiosis-solutions.co.jp/
【SYMGRAMに関する問合せ先】
シンバイオシス・ソリューションズ株式会社 研究開発本部 プロダクト開発室
symgram(at)symbiosis-solutions.co.jp
※ (at) は@に置き換えてご連絡ください。
【取材に関する問合せ先】
シンバイオシス・ソリューションズ株式会社 広報担当
info(at)symbiosis-solutions.co.jp
※ (at) は@に置き換えてご連絡ください。
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