生徒の満足度93.6%!柏市の教育現場で試験導入されたAIチャット相談が示す可能性

"AIだから本音を話せる"。従来のカウンセリングアプリの利用件数を10倍上回る結果に。

株式会社ZIAI

傾聴AIアルゴリズムを開発する株式会社ZIAI(所在地:東京都渋谷区 / 代表:櫻井 昌佳 / 以下、ZIAI)は、日本で増加するいじめや不登校、児童虐待やひきこもりといった子どもに関する悩みを学校内で早期発見・解決する取り組みとして、生成AIを用いた悩みチャット相談システムのモデル実証を柏市内のパイロット校(小学校・中学校)で実施しました。

◾️背景 

令和4年における日本のいじめ認知件数は過去最多68万1948件。不登校は10年連続増加、児童虐待は32年連続で増加しております。また、ひきこもりは全世代で146万人にのぼり、その3人に1人が、小中学校時代に不登校やひきこもりを経験していると言われております(「社会的ひきこもり」に関する相談・援助状況実態調査報告 / 厚生労働省)。

不登校生徒を調査したデータでは、「誰にも相談しなかった」と回答した生徒の割合が小学生で36%、中学生では42%にのぼります(令和2年度不登校児童生徒の実態調査)。不登校には至らなかった生徒を含めると、さらに多くの悩みを抱える生徒が誰にも相談できずに学校生活を送っていることが予想できます。つまり、自発的に他者に悩みを相談したり、現施策で目が行き届いている生徒はごく一部の生徒のみと言えるでしょう。

一方で、全国的に配置が進められてきたスクールカウンセラーは非常勤職員が多く、相談体制は1校あたり平均週1回、4~8時間程度(スクールカウンセラーについて/ 文部科学省)、故に生徒一人ひとりの変化に気付き、必要な情報を得て初期介入を行うのは依然として担任教員や養護教諭が担っているのが現状です。学校現場では、教員の業務過多により「働き方改革」を同時に求められる中で、今以上に現場負担を増やすことは現実的ではありません。

つまり、学校教員の負担を増やすことなく、生徒が一人で抱え込まずにまずは悩みを打ち明けてもらえる「相談し易い環境」を作り、しかるべき初期介入に繋げていくことが急務です。それが悩みの早期発見および有事予防に繋がります。

◾️モデル実証の概要 

これまで自治体の福祉相談において100万人以上の市民に公開/運用されてきた「悩みチャット相談システム」をパイロット校(小・中学校からそれぞれ1校を市内から選出)にて開放し、生徒が24時間いつでもどこでも悩みを相談できる体制を整えます。

  • 実施期間:2024年10月21日(月)〜2月10日(月)

  • 対象:市内パイロット校(小学5年生〜中学3年生)

同システムは、悩みを吐露して傾聴・共感体験を得ることによるストレス緩和に加え、必要があれば現場の教員やスクールカウンセラーに繋ぐことで課題の早期発見から初期対応まで実施することに重点を置いております。

すでに高等学校では実証事例があり、同システムの傾聴AIに相談したことをきっかけに、不登校・自殺予防に繋がる事例も出てきました。今回は小・中学校におけるモデル実証を通して、有効性の検証を行います。

◾️モデル実証の結果

【実証結果ハイライト】

  • 相談件数が10倍以上に増加外部カウンセラーへの相談窓口と比べて大幅に増加*1

  • 総相談時間は275.4時間:生徒たちがAIと悩みを共有した総時間

  • 総ターン数は3,758回:1回の相談につき平均9ターンの対話

  • 生徒の満足度93.6%:AIチャット相談に対する高い評価

*1:柏市では、GIGAスクール構想で配布されたタブレットやスマートフォンを通して、平日8:00〜22:00の間で外部カウンセラーに相談可能な仕組みを既に整えております。

【生徒の声(原文ママ)】

「先生や家族に言えないことも、AIになら簡単に言える」

「相談しても、誰にもばらさないから」

「人相手よりも自分の気持ちを素直に伝えられた」

「どんなお話でも、お悩みでも、最後までしっかりと聞いてくれて、親しみやすくて、時には解決してくれるから!!」

「先生や、大人に言いづらい悩みや、愚痴が言えるからです!」

「友達には話せないことをゆっくり聞いてくれて、とても楽になった」

「今まで言えなかったことが言える唯一言える場だから」

【今後の展望】

この結果は、テクノロジーが子どもたちの声なき声を拾い上げる可能性を示しています。AIは先生やカウンセラーに取って代わるものではなく、あくまで初期接点として機能し、必要に応じて適切な支援へと繋げる役割を果たす可能性を示しています。モデル実証結果を受け、ZIAIは以下の取り組みを進めていきます:

  • AIアルゴリズムとシステムの継続的改善

  • 生徒への最適な周知方法の模索・改善

  • より多くの教育委員会・学校での導入支援

※本件に関する問い合わせはこちら

株式会社ZIAIについて

ZIAI(ジアイ)は、テクノロジーによる新たな「傾聴体験」の創造に取り組むAIスタートアップです。自殺対策を目的とした非営利のAI研究機関として設立された後、そこで培われた「傾聴AIアルゴリズム」を社会実装すべく事業会社としてスピンアウトしました。

現代社会では、個人の悩みが複雑化・多様化し、メンタルヘルス懸念が増大しています。さらに、悩みを打ち明けられる居場所や話を聴いてもらえる存在が不足しており、一次予防ができないことで精神疾患や孤独・孤立、自傷・自殺などの社会課題が深刻化しています。

ZIAIは2030年までに、住んでいる場所や年齢、経済的状況に関わらず、誰もがいつでもどこでも悩みを相談できて、必要あればしかるべき情報や機関、専門家につながることができる社会を実現します。

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会社概要

株式会社ZIAI

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URL
https://ziai.io/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区神宮前 6丁目23番4号桑野ビル2階
電話番号
03-6895-0152
代表者名
櫻井 昌佳
上場
未上場
資本金
1万円
設立
2023年04月