【第三弾】新興3か国(カザフスタン・スリランカ・バングラデシュ)で生活者調査を実施:仕事・住居に見る、各国の生活基盤と働き方の違い

株式会社データスプリング

株式会社データスプリング(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:細野 智裕)は、当社が保有する海外パネルを活用し、新興3か国(カザフスタン、スリランカ、バングラデシュ)を対象とした自主調査を実施いたしました。

第一弾では、カザフスタン・スリランカ・バングラデシュのZ世代・Y世代を対象に、世帯構成や職業、所得、家計支出、価値観、日本に対する印象などを通じて、3か国の市場構造と価値観の違いを概観しました。

第二弾では、食生活に関するテーマに焦点を当て、日々の食事形態や調味料の利用、外食・中食の実態、飲料・健康訴求などを通じて、3か国の生活者における食行動の違いを分析しました。

本記事では、第三弾として、仕事・住居に関するテーマを取り上げます。住居形態や自宅で使用している機器、勤務日数・勤務時間、残業実態、残業に対する意識を通じて、3か国の生活基盤と働き方の違いを読み解きます。

今後は、サブサハラ・アフリカ、中南米、欧州/中東/北アフリカ地域でも調査を進める予定です。

【調査結果ハイライト】

1. 住まいの類型は国ごとに明確に分化

カザフスタン、スリランカ、バングラデシュの3か国では、住まいの形態に明確な違いが見られた。カザフスタンではマンション居住が中心であり、持ち家マンションが46%、賃貸マンションが14%と、合わせて約6割を占める。都市型の住居形態が定着していることがうかがえる。

世代別に見ると、カザフスタンではZ世代で賃貸マンションの比率が相対的に高く、若年層を中心に都市部での賃貸居住が広がっている。一方、Y世代では戸建て居住が相対的に多く、ライフステージの進行に伴い、より安定した住居形態へ移行している様子が見られる。

スリランカでは、戸建てが41%、親族同居が35%となっており、約8割が戸建てまたは親族との同居であり、“家族居住”を前提とした住まい方となっている。特にZ世代では親族同居が43%と高く、若年層において家族・親族と生活をともにする傾向が強い。一方、Y世代では持ち家率が高まり、世代によって住居の自立度に違いが見られる。

バングラデシュでは、賃貸マンションが25%、持ち家マンションが14%と、マンション居住が約4割を占める。都市化の進展を背景に、集合住宅での生活が一定程度浸透していることがうかがえる。一方で、Z世代では親族同居が36%と比較的高く、都市型住居と家族同居が併存する生活構造が見られる。

2. 基礎家電は3か国で普及、家事の機械化度には国ごとの差

自宅で使用している機器を見ると、3か国共通でスマートフォン、冷蔵庫、テレビといった基礎的な生活機器の利用率が高く、個人デバイスおよび基礎家電は国・世代を問わず生活基盤として定着している。特にスマートフォンは3か国いずれも9割前後で利用されており、生活者との接点として極めて重要なデバイスとなっている。

一方で、家事や生活を機械で代替・効率化する家電の利用状況には国ごとの差が見られる。カザフスタンでは、電子レンジ55%、掃除機54%、エアコン32%と、耐久消費財や家事家電の保有率が他2か国より高く、家事の機械化が進んでいる。特にY世代では、洗濯機、電子レンジ、掃除機の利用率がいずれも6割以上となっており、家庭内で家電を日常的に活用する生活様式が定着している。

スリランカとバングラデシュでは、冷蔵庫やテレビなどの基礎家電は普及しているものの、電子レンジ、食洗機、ロボット掃除機などの利用率は低い。調理や家事においては、機械化よりも人手に依存する生活構造が残っていると考えられる。

このことから、3か国いずれもデジタル接点や基礎家電は生活に浸透している一方、家事効率化・生活利便性を支える家電カテゴリーについては、カザフスタンが先行し、スリランカ・バングラデシュでは今後の浸透余地が残されていると考えられる。

3. 勤務日数は概ね週5日、勤務時間は8〜9時間程度

就業実態を見ると、3か国とも勤務日数は概ね週5日前後となっている。なかでもスリランカは平均5.5日と他国よりやや多く、勤務日数の面では相対的に長い傾向が見られた。

勤務時間はカザフスタン、スリランカ、バングラデシュの順に長いものの、いずれも1日あたり8〜9時間程度であり、3か国間で大きな差は見られない。

世代別では、カザフスタンのみZ世代の勤務時間がY世代より長い点が特徴的である。一方、スリランカおよびバングラデシュではY世代の勤務時間が長く、特にバングラデシュでは勤務日数もY世代でやや多い傾向が見られる。国ごとの就業構造に加え、世代ごとの職責やライフステージの違いが、勤務実態にも反映されていると考えられる。

4. 残業実態は国により差、スリランカ・バングラデシュでは二極化傾向

残業時間については、国ごとに異なる傾向が見られた。カザフスタンでは週1〜5時間程度の中程度の残業が中心であり、一定の残業はあるものの、極端な長時間労働には偏っていない。

一方、スリランカとバングラデシュでは、残業が「ない」層と、比較的長時間残業を行う層が併存しており、分布のばらつきが大きい。残業が一部の層に集中している可能性があり、職種や雇用形態、業務内容によって働き方に差が生じていることがうかがえる。

世代別では、スリランカおよびバングラデシュにおいて、Y世代で残業がない割合が高い傾向が見られる。一方、カザフスタンでは世代間の差は小さく、残業実態は比較的均質である。

5. 残業に対する意識は、スリランカが最も前向き

残業に対する意識を見ると、3か国で違いが見られる。カザフスタンでは約5割が残業に前向きであり、否定的な層をやや上回っている。残業に対して一定の許容度はあるものの、積極的に受け入れる層と避けたい層が併存している。

スリランカでは、残業に前向きな回答が約6割と3か国の中で最も高く、残業への抵抗感は相対的に小さい。勤務日数が他国よりやや多いことも踏まえると、働く時間の長さに対する許容度が比較的高い市場であると考えられる。

バングラデシュでは、残業に前向きな層と回避したい層がともに約半数となっており、意見が分かれている。世代別ではZ世代の方がやや残業に前向きであり、若年層においてキャリア形成や収入向上に対する意識が残業許容度に影響している可能性がある。

【最後に】

今回の調査から、カザフスタン・スリランカ・バングラデシュの3か国では、住まいの形態や自宅で使用している機器、働き方や残業に対する考え方に、それぞれ異なる特徴が見られました。

カザフスタンでは、マンション居住が中心であり、電子レンジや掃除機などの家電利用も比較的進んでいることから、都市型の生活様式が定着しつつある様子がうかがえます。一方、スリランカでは戸建てや親族同居が多く、家族単位での生活が色濃く見られました。バングラデシュではマンション居住と親族同居が併存しており、都市化と家族居住の両方の要素を持つ生活構造が見られます。

また、就業面では3か国とも勤務日数・勤務時間に大きな差はないものの、残業実態や残業に対する意識には国ごとの違いが表れました。特にスリランカでは残業に前向きな層が多く、カザフスタンでは中程度の残業が中心、バングラデシュでは残業に対する意識が分かれる結果となりました。

3か国を同じ新興国市場として捉えるのではなく、住まい方や家電利用、働き方の違いを踏まえて、それぞれの生活者像を理解することが重要であると考えられます。

本調査の詳細な結果は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。

【本件に関するお問い合わせ先】

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細野智裕
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年12月