Nexthink、Windows 10カスタムサポートの総コストが1兆円超に達する可能性があると警告
10月14日のサポート終了まで1か月を迫る中で、適切な移行戦略が重要に
※本リリースは、米国時間にて2025年9月3日に発表したリリースの抄訳です。
デジタル従業員エクスペリエンス(Digital Employee Experience、以下 DEX)管理ソフトウェアのグローバルリーダーであるNexthink合同会社は、マーケットシェアのデータとビジネス利用の推定値を基に、Windows 10のカスタムサポートのコストが約1兆600億円*(73億米ドル)に達する可能性があると警告しています。
Nexthinkの推定では、Windowsを搭載しているおよそ14億台ものデバイスのうち、約30%、すなわち約4億2000万台相当が、民間企業または公共機関で使用されている企業向けWindowsデバイスです。最新のマーケットシェアデータによると、Windows 10は依然として市場の43%のシェアを維持しており、これは約1億8,100万台のデバイスに相当します。
Nexthinkによる顧客エンドポイントの分析によると、5月19日から8月1日までの間に、Windows 10のデバイスの数は33%減少しています。10月14日までにさらに33%減少すると仮定すると、Windows 10搭載PCの数は約1億2,100万台となる見込みです。カスタムサポートの初年度費用は1台あたり約8,800円*(61米ドル)となるため、全体では総額約1兆600億円*(73億米ドル)以上の請求に直面する可能性があります。
Nexthinkによる試算
-
Windowsを搭載したデバイスは14億台に上り、Nexthinkの推定によれば、そのうち約30%が民間企業または公共機関で使用されている
-
これにより、4億2,000万台の企業向けWindowsデバイスがあることになる。そのうち43%が Windows 10デバイスだとすると、約1億8,100万台がWindows 10 Enterprise搭載デバイスであることになる
-
8月1日から10月14日での74日間で33%(5,959万8,000台)が削減されると想定した場合、アップグレード対象となるデバイスは1億2,100万2,000台となる
-
1デバイス当たり61米ドルとして計算すると、Windows 10のカスタムサポートにかかるコストは、全世界で7,381,122,000米ドルとなる
*1ドル145円で換算
NexthinkのDEXストラテジストであるTim Flower(ティム・フラワー)は、次のように述べています。
「ひとつのOSから別のOSに移行するという作業は、混乱や分断を感じさせるものであってはなりません。むしろ、従業員が日々の業務を改善するための良い機会であるべきです。ということは、移行前にデバイスやアプリケーションの動作状況を把握し、問題や課題を予測し、移行やアップグレードが円滑に実行されるよう対策を講じておく必要があるということです。最終的な目標は、IT関連のイベントによって生産性が阻害されることを回避し、組織が投資によって明確な利益を得られるように支援することです」
「Windows 11は強力な新機能を提供しますが、デバイスと従業員がそれらを活用する準備が整っている場合にしか、その真価は発揮されません。そしてあまりにも多くの場合、OSアップグレードプロジェクトはコンプライアンス対策として扱われます。しかしそうではなく、組織はエクスペリエンスを中心に計画を立てるべきであり、デバイスが対応可能であること、パフォーマンスの問題が解決されていること、そして従業員がアップグレード後に真の改善を実感できるようにすべきなのです。今後数週間で、まだ数百万台OS移行が見込まれている現在、優先すべきは単に迅速に移行することではなく、たくさんの人がより良い状態になるようなやり方で移行を成し遂げることです」
Nexthinkが行った、Windows 10とWindows 11のデジタルエクスペリエンスの分析によると、Windows 11は現在、Windows 10と比べてより不安定であることが計測されており、システムクラッシュ(Windows 10の0.6%に対し、11では1.2%)やハードリセット(Windows 10の8.5%に対し、11では9.9%)が、より頻繁に発生していることが分かっています。
新しいオペレーティングシステムの初期段階においては、決して想定外のことではないものの、この調査結果は、ハードウェアの互換性、ドライバーやシステム構成といった要素が、OS移行時の従業員エクスペリエンスにどのように影響しうるかということを浮き彫りにしています。これらのリスクは、カスタマイズされたライブラリパックによって予測と軽減が可能であり、これによってITチームは移行を円滑に進めるための即戦力となるインサイトとガイダンスを得ることができます。
Tim は次のようにも述べています。
「移行には初期の困難がつきものです。Windows 11で起きていることも、例外ではありません。これらの問題は必ずしもWindows自体に起因するものではなく、多くの場合は基盤となるハードウェア、ドライバー、あるいはシステムの導入方法に関連するものです。ここから得られる教訓は、可視性がなければITチームは手探りでの作業をすることになり、必要以上に問題が発生しやすい構成を展開してしまう、ということです。適切なインサイトとツールがあれば、ITチームは問題を適切に特定し、実証されたベストプラクティスを適用することができるため、従業員にとっての移行を、後退ではなく真の改善をもたらすものにすることができます」
組織はOS移行の計画において、データ主導のプロアクティブなアプローチを採用し、技術要件と従業員エクスペリエンスへの潜在的な影響の両方を確実に把握できるようにする必要があります。そのために、組織には以下の対策が推奨されます。
-
残存するWindows 10のデバイスを特定し、そのハードウェアのWindows 11への対応状況を評価する
-
サポート対象外のデバイスは、マルウェア、フィッシングやランサムウェア攻撃にさらされるリスクが高まるため、サポート終了後のリスク対策を計画する
-
ソフトウェアの問題やサポートの終了を避けるために、アプリケーションの互換性を確認する
-
古いハードウェアでは生産性が低下し、アップグレードが制限される可能性があるため、デバイスの性能を考慮する
-
サポート対象外のOSを搭載したデバイスは、より多くのITサポートを必要とする可能性があるので、ITリソースへの影響を考慮する
-
Copilotや強化されたマルチタスク機能、改良されたUI機能などのツールにアクセスして、活用する方法を従業員に指導することで、「AI FOMO(AIへの乗り遅れ不安)」を回避
-
Windows 10ユーザーとWindows 11ユーザーとの間で生じる一貫性のないエクスペリエンスを避けるために、チームの間で生じる摩擦を軽減する
Timは以下のように結論付けています。
「Windows 11への移行は企業にとって一大プロジェクトですが、まずは自分が業務で扱っているものを正確に把握するところから始まります。成功する組織とは、移行において戦略的なアプローチをとることができる組織です。 つまりそれは、デバイスとアプリケーションの状態を把握し、従業員への影響を予測して計画し、移行前後のデジタルエクスペリエンスを測定することを意味しています。ITリーダーは、単なるコンプライアンスのデッドラインとしての移行を、人々の働き方を改善するための真のチャンスへと変えることができるのです」
Nexthinkについて
Nexthinkは、デジタル従業員エクスペリエンス管理ソフトウェアのリーダーです。同社は、ITリーダーに前例のないインサイトを提供し、従業員が問題に気づく前に、あらゆる場所、あらゆるアプリケーションやネットワークで従業員に影響を与える問題を大規模に把握、診断、修正することを可能にします。ITが事後対応的な問題解決から事前予防的な最適化へと進化することを可能にする初のソリューションとして、Nexthinkは1,200社を超える顧客企業が1,500万人以上の従業員により良いデジタルエクスペリエンスを提供することを支援しています。スイスのローザンヌと米国マサチューセッツ州ボストンに本社を置いています。
報道関係お問い合わせ先
Nexthink広報担当 (NEXT PR)
E-mail: nexthink-pr@next-pr.co.jp
TEL: 03-4405-9537 FAX: 03-6739-3934