歯科業務DXを支援する東京科学大学発ベンチャーのエミウムが約6億円の資金調達を実施

~プレアーリーラウンドで累計調達額は9億円に。人材採用強化で歯科業務DXを加速~

エミウム

エミウム株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:稲田雅彦、以下「エミウム」)は、この度新規投資家のBeyond Next Ventures、三菱UFJキャピタル、あおぞら企業投資、及び、既存投資家のDNX Venturesを引受先として総額約6億円の資金調達を実施いたしました。本調達により、累計資金調達額は9億円となりました。

エミウムは、2023年11月に東京医科歯科大学発ベンチャーに認定され、2024年10月に東京医科歯科大学と東京工業大学の統合によって東京科学大学が設立されたことに伴い「東京科学大学認定ベンチャー(Science Tokyo Venture)」になりました。今回の調達により、大学発ベンチャーとして研究成果を社会還元する取り組みはもとより、自社が強みとして持つデジタル製造技術やAI技術をベースとして、歯科医療・歯科技工業務の効率化やDX化を支援するソリューションの開発体制の強化と組織拡大を行ってまいります。

■資金調達の概要

・調達金額:約6億円

・調達方法:エクイティファイナンスを通じて実施

・引受先一覧(敬称略):

<新規引受先>

・Beyond Next Ventures3号投資事業有限責任組合

・三菱UFJキャピタル9号投資事業有限責任組合

・あおぞらHYBRID3号投資事業有限責任組合

<既存株主による追加出資>

・DNX Partners Japan IV, LP


■歯科医療・歯科技工業界における展望と課題

近年歯科業界では、口腔内スキャナー(IOS)やCAD/CAMシステム、3Dプリンターなどのデジタル技術を歯科治療に活用する「デジタルデンティストリー」が急速に進展しています。とくに昨今、機械学習や生成AIを取り入れて治療計画の立案を支援するサービスやX線による虫歯診断支援AI、詰め物や入れ歯といった歯科技工物のデジタル設計を支援するAIソリューションなども登場しつつあります。こうした新しい技術の台頭によって、従来の歯型どり(印象採得)に伴う苦痛を軽減したり、口腔内の状態をデジタルデータ化して素早く同じ入れ歯を複製できたり、審美治療を事前にシミュレーションしたりと、よりパーソナライズされた患者中心の診断/治療計画の作成や予防措置に取り組みやすい状況が実現しつつあります。

その一方で、歯の詰め物や被せ物、入れ歯、矯正装置などの歯科技工物を設計製作する医療技術専門職「歯科技工士」の数が減少傾向にあり、歯科医療における製造サプライチェーンは岐路に立っていると言われています。厚生労働省によると、毎年の国家試験合格者が直近で約800人と最盛期の30%程に低下、若手のうちに歯科技工士の職を辞める傾向もあり、就業者の未来の担い手の減少と高齢化が相まって人材確保が深刻な課題となっています。こうした人手不足が技工士個々人にかかる負荷をさらに増やす悪循環になりつつあり、DX支援をベースに生産性向上による業務負荷の軽減が急務であると考えられます。

■資金調達の目的:「コンパウンドスタートアップ」への進化に向けて

エミウムは2020年の創業以来、「歯科医療・歯科技工の原動力を生み出すインフラをつくる。」という企業ビジョンを掲げ、歯科医療・技工技術、デジタル製造技術、AI技術を融合した事業の開発とサービスの提供をしています。当社は過去数年にわたり、数多くの歯科医院・歯科技工所を中心に主に歯科技工業界の課題についてヒアリングを繰り返し実施してきました。また、厚生労働省の「歯科情報の利活用推進事業」での講演や、日本補綴歯科学会、日本デジタル歯科学会、日本歯科技工所協会、日本歯科技工士会などで先生方とも密に意見交換を行っています。その中で、業界関係者の方々が異口同音に指摘されていたのは、上述の技工業界を取り巻く課題に対する具体的なソリューションが整っていないという意見が大半を占めていました。

こうした臨床現場の方々の悩みや期待に応えるべく、当社は歯科技工基幹業務クラウドソフト「エミウム クラウド技工」の提供を通じて、来たるべき時代のワークフローに合った技工業務のあるべき姿を先生方と多角的に議論し、生産性を高められるサポートを行ってまいりました。創業以来数多くのお客様に支えられ、直近1年間で技工物受発注の取引数量は26倍、ユーザー数は32倍にまで成長するに至っております。

歯科技工は今、人手不足や業務逼迫の影響もあり、デジタル化への対応や経営の効率化、後進の育成、働き方改革など向き合うべきテーマが多岐にわたり、未来への対応を迫られています。とくにデジタルデンティストリーの発展が著しい昨今、当社は「エミウム クラウド技工」はじめ、歯科医療・歯科技工の業務生産性を向上させられるような要素技術の開発だけでなく、歯科医院と歯科技工所間でチームワークを加速化させるクラウドサービスが求められていると考えております。今回調達した資金は、AIを搭載したクラウドソフトの深化、FinTechを組み込んだ基幹機能の刷新、調達支援サービス、HRテックとの融合など、エミウム クラウド技工を基盤とした「コンパウンドスタートアップ」への進化を目指すべく、開発の強化や採用・組織体制の強化に投資して更なる事業拡大を目指してまいります。

勿論、東京科学大学とともに医工連携による技術革新の芽をいくつも生み出し、歯科と工学分野の接続によるデジタルデントスリーの更なる発展を目指して、日本の歯科医療業界の革新を支援していく所存です。

■提供プロダクト:概要と特徴

1. 歯科技工業務の生産性を高めるクラウド型基幹業務システム「エミウム クラウド技工」

エミウム クラウド技工の特徴と強み
「エミウム クラウド技工」は歯科技工業務の生産性を高めるクラウド型基幹業務システムです。具体的には、電子技工指示書機能だけでなく、紙の指示書に沿った受注処理、ラボ間取引、帳票管理(納品・請求)、入金管理、工程管理、在庫管理、歯科技工所と歯科医院間でのチャット機能など、歯科技工の基幹業務のすべてをオールインワンでカバーする歯科技工業務支援ソフトとなっています。必要な機能1つから導入でき、企業の成長に合わせて組み替えて利用可能です。

また、医療機関におけるサイバーセキュリティ対策の必要性が叫ばれて久しい中、エミウムでは情報の暗号化、国際規格に基づく情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得など、歯科医療従事者の皆様に安心してサービスをご利用いただくために、情報セキュリティ対策を徹底し、セキュリティ管理における継続的な取り組み強化を行っています。

2. 歯科技工物のCAD設計・デジタル製造サービス「エミウム 技工センター」

エミウム 技工センターの特徴と強み
従来の 「電話/FAXでの発注」を「ネットでの簡単発注」に置き換えて、技工物製作における作業時間・残業時間を短縮する外部委託サービスです。発注管理やデータ管理が容易になるだけでなく、クレカ決済と請求書払いにも対応しているため、発注時の事務作業も大幅に削減できます。これにより、お客様(歯科技工所・院内ラボ様)はより付加価値の高い工程に専念でき、繊細な審美性や高精度な技工技術力を追求できる機会の創出ができます。


■新規各投資家からのコメント

Beyond Next Ventures マネージングパートナー:伊藤 毅氏

今回エミウム社の挑戦にご一緒できることになり、とても嬉しく感じております。日本の医療領域においてDXは喫緊の課題となっておりますが、歯科領域においてもDXの推進により解決できる課題が多く存在していると考えています。稲田さんはものづくり産業のDXを手掛けてきたディープテック領域では稀有なシリアルアントレプレナーであり、当社には、歯科医療におけるものづくりである歯科技工領域におけるイノベーション推進に向けて、豊富な知見を有するチームが集結しています。東京科学大学との共同研究など、更なるテクノロジーの進化にも積極的に取り組まれていますが、「とことん突き詰めた技術とサービスで、人と社会の未来をより良いものにしていく」エミウムのビジョンの達成に向け、弊社も全力で支援してまいります。

三菱UFJキャピタル株式会社 代表取締役社長:小島 拓朗氏

エミウムがそのプラットフォームの提供を通じて歯科医療・歯科技工業界の課題解決に大きく貢献してくださることを期待し、今回の資金調達ラウンドに参加させて頂きました。当社の更なる事業成長に向けてご支援して参ります。

あおぞら企業投資株式会社 代表取締役:久保彰史氏

この度はエミウム社の第三者割当増資を引受け、株主になれましたこと、大変嬉しく思います。アナログ業務が多く残り、業務逼迫や人手不足等の深刻な課題が存在する歯科技工業界は、DXによる生産性向上が待ったなしの転換期であると考えております。業界課題に対するソリューションが不足する中、エミウム社の提供する「エミウム クラウド技工」は歯科医院と歯科技工所間の業務を徹底的に効率化するツールであると期待しております。また、多様な専門性を有する稲田さんを中心として、歯科医療・歯科技工とデジタル・AIの融合が為された新たなソリューションが生み出されることを心より楽しみにしております。エミウム社の事業拡大に少しでもお役に立てますよう、弊社も微力ながらご支援させていただきます。

■既存各投資家からのコメント

DNX Ventures マネージングパートナー兼日本代表:倉林 陽氏

この度、歯科DXプラットフォームを提供するエミウムに追加出資させて頂きました。CEOの稲田さんは元DNXメンバーとしても信頼するシリアルアントレプレナーであり、今回も継続してご支援できることを大変嬉しく思います。前回のラウンドから、エミウムは、歯科技工所及び歯科医院向けの基幹業務クラウド「クラウド技工」を大幅にアップデートしました。技工所と歯科医院がクラウド上で同じ業務データを共有し、関係者間でのコミュニケーションを円滑に行う世界を実現することで、双方での歯科技工における受発注、工程管理、在庫管理などの業務を大幅に効率化しています。日本の歯科業界は、専門人材の不足や長時間労働が常態化し、DX化支援による業務効率化が不可欠となっております。稲田さんの力強いリーダーシップによって、業界のDX化を牽引し、歯科業界を変革してくれることを期待しております。

■代表のコメント

エミウム株式会社 代表取締役 稲田 雅彦

この度、新規投資家のBeyond Next Ventures様、三菱UFJキャピタル様、あおぞら企業投資様、既存投資家のDNX Ventures様の多くの投資家の皆様にご支援いただき、心より感謝申し上げます。当社は「歯科医療・歯科技工の原動力を生み出すインフラをつくる」というビジョンのもと、歯科医療・歯科技工業界のDX推進に取り組んでまいりました。今回の資金調達を機に、プロダクト開発や人材採用をさらに加速させることで、歯科医療における生産性向上と新たな価値の創出につながるサービスを一層充実させていく所存です。チーム一同、歯科業界の課題解決と価値創出に向けて全力で挑戦を続け、業界全体の発展に貢献できるよう努めてまいります。私たちと医療DX、チーム医療の促進、業界革新に向けたチャレンジに一緒に取り組んでいただける方を募集しておりますので、ぜひお声がけください。


エミウムではビジョンの実現に向けて、一緒に未来を創り上げていく仲間を募集しています。

<募集中のポジション>

エミウムでは下記のポジションを中心に一緒に働く仲間を募集をしております。カジュアル面談のご応募お待ちしています。


・VPoT(Vice President of Technology)

・テックリード

・バックエンドエンジニア

・プロダクトマネージャー

・アカウントエグゼクティブ

・アカウントマネージャー

・その他


採用応募リンク:
https://www.wantedly.com/companies/emium/projects


■エミウム株式会社について

エミウム株式会社は、「歯科医療・歯科技工の原動力を生み出すインフラをつくる。」という企業ビジョンを掲げ、歯科医療・技工技術、デジタル製造技術、AI技術を融合した事業の開発と提供を手掛けるデンタルテックスタートアップです。創業以来、大学病院との研究連携や歯科医院・歯科技工所など国内外の関係各所とのディスカッション・協業を通じて業界課題を特定し、日々の歯科技工業務の効率化をサポートするためのデジタルソリューションの開発、および、デンタルプラットフォームの構築・提供を行っています。

<主要サービス>

歯科技工物のCAD設計・デジタル製造サービス「エミウム 技工センター」

https://lab-lp.emium.co.jp

歯科技工業務の生産性を高めるクラウド型基幹業務システム「エミウム クラウド技工」

https://dt-lp.emium.co.jp/

エミウム株式会社 会社概要

会社名:エミウム株式会社

本社所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-36-2-3F

設立:2020年11月

代表者:代表取締役 稲田 雅彦

URL:https://corp.emium.co.jp

事業内容:歯科向けクラウドソリューション事業、歯科技工物調達支援事業、歯科領域サプライチェーン事業

加盟団体:日本補綴歯科学会、日本デジタル歯科学会、日本臨床歯科CADCAM学会、日本歯科技工所協会、日本歯科技工学会、日本メディカルAI学会、人工知能学会

認定:国際規格に基づく情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証登録番号 IS 777255

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会社概要

エミウム株式会社

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URL
https://corp.emium.co.jp/
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都新宿区新宿1-36-2-3F
電話番号
03-6772-8539
代表者名
稲田 雅彦
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2020年11月