児童相談所DXを支援するAiCAN、司法審査手続きを補助する特許を取得。一時保護状請求書を作成する新機能実装へ
児童相談所をはじめとする児童福祉現場へ伴走型業務支援サービスを提供する株式会社AiCAN(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:髙岡昂太)は、一時保護の司法審査において児童相談所に作成が求められる請求書の作成補助に関する特許を取得したことをお知らせいたします。今後アプリへの機能実装をはじめ、司法審査対応を支援するサービスを提供していく予定です。
株式会社AiCANについて
株式会社AiCANは、「すべての子どもたちが安全な世界に変える」をビジョンに、自治体のDXを通して児童福祉の課題解決に取り組むスタートアップ企業です。
子ども虐待の問題は、SDGsにおいても16.2「子どもに対する虐待、搾取、人身売買、あらゆる形の暴力や拷問をなくす」と設定されている、まだ答えのない課題です。日本でも相談件数が年々増加し、2022年度には約22万件と毎年過去最多を更新しており、職員数の不足と高度な判断を伴う対応の難しさから、現場は逼迫しています。
当社は現場の経験知と最新のテクノロジーを融合し、自治体の児童相談所や子育て支援課・母子保健課など、子ども虐待対応の最前線に立つ機関をサポートするサービスを開発・提供しています。
主力サービスである「AiCANサービス」は、業務をデジタル化するSaaSアプリと、データ分析に基づく提案や研修を行う活用支援をセットで提供します。自治体ごとの課題解決に伴走することで、職員の負担軽減や人材育成に貢献します。
アプリ機能の1つであるAIによる意思決定支援は、児童の基本情報やアセスメント項目への該当・非該当を入力すると、過去の事例データと照合し、意思決定の参考となる情報を表示します。
サービス詳細は以下をご参照ください。
特許取得の背景
2022年の児童福祉法改正において、児童相談所が児童の一時保護をする際に、裁判官が判断を審査する手続き(一時保護の司法審査)が設けられ、2025年6月から施行予定となっています。審査にあたっては、親権者等の同意がある場合等を除き、原則として一時保護開始から7日以内又は事前に、児童相談所が一時保護の必要性を記した請求書を提出する必要があります。
審査の導入自体は親子の権利擁護のために必要な措置ですが、相談件数の増加によって業務が逼迫している児童相談所においては、更なる書類作成等の業務負担となることも懸念されます。
(参考:一時保護時の司法審査に関する実務者作業チーム|こども家庭庁)
2023年11月に開催された「日本子ども虐待防止学会 第29回学術集会滋賀大会」においても、一時保護の司法審査に関するシンポジウムが開かれ、現場職員の方から事務負担の増大やケースワークへの影響を懸念する声が挙げられていました。
特許技術の概要
生成AI等の学習済みの言語モデルを利用して要約文章を生成することで、児童相談業務における職員の負担を軽減する技術です。
児童相談所のシステムに登録されている児童の登録情報とアセスメント情報、調査記録情報をもとに、事務文書等に記載が必要な要約文章を半自動的に作成することができます。この技術は一時保護状の請求に必要な資料をはじめ、児童相談所や子ども家庭センターにおける各種法定文書に活用でき、これにより職員の事務負担を軽減し、調査や支援などのより本質的な業務に時間を割くことが可能になります。
特許番号:特許第7368034号
発明の名称:児童相談業務を支援する情報処理方法、プログラム、情報処理システム
特許権者:
【識別番号】522000762
【氏名又は名称】株式会社AiCAN
今後について
今後、当社の提供するアプリケーションへの機能実装を進め、「AiCANサービス」におけるオプションサービスとして、制度の施行までにリリースを予定しております。
リリースに先立ち、自治体の御担当者様を対象に、新機能についてのご案内と意見交換を行う説明会を随時開催する予定です。詳細は当社ホームページよりお問い合わせください。
会社概要
会社名:株式会社AiCAN(AiCAN Inc.)
代表者:代表取締役 髙岡 昂太
所在地:神奈川県川崎市高津区坂戸3-2-1 かながわサイエンスパーク イノベーションセンタービル西棟713A号室
設立:2020年3月
事業内容:児童相談業務支援事業、調査研究事業
URL:https://www.aican-inc.com/
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