NPOが本来の活動に最大のリソースを投入するために、資金調達業務はどこまで生成AIで効率化できるのか?
〜日本ファンドレイジング協会東海チャプター総会にて生成AI活用研修を実施〜

スノーフレイク・コンサルティング合同会社(本社:愛知県名古屋市、代表:中島正博)は、2025年5月17日に開催された日本ファンドレイジング協会東海チャプター総会において、非営利組織向け「生成AI導入 着火研修」を実施しました。本研修では、実際のNPO活動に即した生成AIの具体的活用例を紹介し、参加者からの高い評価を得ました。
【専門家向けに実施した"着火型"研修】
研修では、組織幹部が生成AIの活用・導入を決断するための「着火研修」として位置づけられたプログラムをカスタマイズして実施。講師を務めた弊社代表・中島は冒頭で「研修には専門性を高める研修や組織の風土・文化を揃える研修など様々あるが、今回は組織が前向きになるきっかけとなる研修」と説明しました。
【参加者の生成AI活用状況】
研修冒頭の挙手による調査では、参加者の約3分の2が「生成AIを日常的に使用している」と回答。主に利用しているツールとしてChatGPT、Microsoft Copilot、Google Geminiが挙げられました。一方で、ファンドレイジング業務への具体的な活用法については新たな知見を求めて参加した方が多く見られました。
【生成AIの基礎から応用まで】
講師は従来のAIと生成AIの違いを「従来のAIは質問と答えの対応が一対一で事前に準備されていたのに対し、生成AIは聞かれたときに答えを生み出す」と説明。その仕組みについても、「確率論と連想ゲーム」を用いた人間の脳の仕組みに似た方法で回答が生成されていることを分かりやすく解説しました。
また、生成AIの進化についても「これまではIQ(知能指数)の向上が中心だったが、最近はEQ(感情知能)の向上も進んでいる」と指摘。ChatGPTの最新モデルでは、ただ正解を返すだけでなく、ユーザーの感情に寄り添う回答が可能になっていることが紹介されました。
【ファンドレイジングへの具体的活用例】
研修の核心部分では、ファンドレイジング業務への具体的な活用例として、以下の実演が行われました。
(1)計画立案
実際の非営利団体の活動報告書と財務報告書をAIに分析させ、次年度の資金調達計画を立案。「助成金申請」「キャンペーン」「イベント」の三つの軸で具体的な戦略を提案する様子を実演しました。
(2)助成金申請
実際の助成金プログラムの公募資料をAIに読み込ませ、申請書作成を支援する過程を紹介。AIが申請要件を理解し、必要書類の一覧や記入内容を提案、さらに申請書のドラフトまで作成することが示されました。
(3)クラウドファンディング企画
クラウドファンディングのプラットフォームで成功した事例をAIに分析させ、成功要因を抽出。それを基に企画内容の立案、魅力的な文章・画像の作成方法までを実演しました。
(4)イベント立案と報告
寄付を集めるイベント企画から集客戦略、実施後のアンケート分析、報告書作成までの一連の流れをAIがサポートする方法が紹介されました。
(5)支援者フォローアップ
年間を通じた支援者とのコミュニケーション計画の立案から、具体的なメッセージ作成までをAIで効率化する方法が示されました。
【AIツール活用の注意点も明確に】
研修では活用法だけでなく、導入時の注意点も詳しく解説されました。講師は「何でもかんでもAIにやらせると、人間がやりがいを失ってしまう」と指摘。「効率化も大事だが、AIの導入で誰かのモチベーションが下がることがないよう考慮すべき」と参加者に呼びかけました。
また、情報セキュリティについても「無料版や個人向け有料版では組織の内部情報がAIに学習される可能性があるため注意が必要」と説明。著作権問題についても「AIが作ったからといって著作権侵害の責任がなくなるわけではない」と具体例を挙げて解説しました。
最後に非営利組織向けの朗報として「ChatGPTを含め多くのAI開発企業が非営利団体向けの割引プランを提供している」ことも紹介されました。
【参加者の感想と評価】
参加者には10点満点で研修の満足度を評価していただきました。平均点数は9.2と高評価でした。以下、具体的な感想と評価です。
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「短時間でわかりやすく理解できた」(8点)
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「実例を見せていただき可能性が確認できた」(10点)
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「生成AIの現状がよくわかりました。いろいろと勉強になりました。常に使っていくことの重要性を実感しました」(8点)
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「ファンドレイジングへの活用について、使用モデルも含めて、とても具体的に例示していただけた」(10点)
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「使いこなせるとかなり仕事が減るなと感じました。プロンプトの具体的かつ効果的な使い方がわかり勉強になりました」(10点)
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「AIでできることの多さに驚きました」(10点)
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「ゼロから考える必要があったことの骨格を作ることができる。特にNPOや中小企業には相性良いと思います」(10点)
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ボランティア管理アプリを一から作成できるAIがあること(7点)
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0からご教授いただいたので、今まで簡単なことしかやってなかったけど、業務でもやってみようという気になりました。(10点)
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人が作業するのと同じ工程を生成AIに任せることができるのを目の当たりすることができて、とても良い経験でした。自分が今までしてきたことは遊びに過ぎないと実感しました。(10点)

代表コメント
新しいテクノロジーは、それを知り、適切に活用する人だけに恩恵をもたらします。社会課題解決に取り組む団体こそ、最新テクノロジーの恩恵を受けるべきです。限られたリソースを最大限に活かし、より大きなインパクトを生み出すお手伝いをしていきたいと思います。
【スノーフレイク・コンサルティング合同会社の取り組み】
代表の中島は株式会社ジェイアール東海髙島屋で12年間勤務後、2020年に独立。ChatGPTの登場をきっかけに生成AIの研究を深め、2024年には使い方のワークショップを開始。2025年には中小企業からの導入研修依頼が増加したことで、AI研修事業を本格的に展開しています。
「小学校向けの生成AIワークショップ」も実施するなど教育分野でも活動しており、名古屋商工会議所の生成AI活用相談窓口相談員も務めています。
また2025年5月〜7月にかけて、非営利団体向けの生成AI活用セミナーをオンラインで無料開催いたします。
AI Ignition for NonProfits(エーアイ・イグニッション・フォー・ノンプロフィッツ)
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