UCC、ネイチャーポジティブに向け本格始動
森林破壊ゼロ宣言制定、UCCが優先的に取り組みを行う戦略的生産国を選定
UCCジャパン株式会社
UCCグループは、UCCサステナビリティ指針に定める“ネイチャーポジティブ”の一環として、このたび、「森林破壊ゼロ宣言」制定し、特に優先的に生産性の向上および自然生態系回復に関する取り組みを行う「戦略的生産国(ブラジル、ベトナム、タンザニア、ウガンダ)」を決定しました事をお知らせいたします。
UCCグループは、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたいという創業精神のもと、コーヒーの栽培から原料調達、研究開発、製造加工、流通、販売に至るまで、コーヒーに関わるバリューチェーン全体をグローバルに事業展開しています。また、2022年4月には、「UCCサステナビリティ指針」を制定し、「コーヒーの力で、世界にポジティブな変化を」というビジョンのもと、指針に基づき、サステナブルな社会の実現に貢献するため、様々な活動に取り組んでいます。
世界では失われた生態系を回復し、“ネイチャーポジティブ”を推進する動きが広がっています。具体的には、2020年をベースラインとして、2030 年までに生物多様性の損失を反転させネットポジティブになるよう、生態系回復により一層力を入れていくことが求められています。そして、2050年には、将来世代を含めたすべての人々の生活と生物の生息環境を支えられる地球の健全な自然生態系の回復と維持を目指すことが近年の潮流となっています。
出典:Source: naturepositive.org
このたび、具体的なアクションを行う上で指標のひとつとして、「森林破壊ゼロ宣言」の制定、および「UCCが優先的に取り組みを行う戦略的生産国」を決定しましたのでお知らせします。詳細は次の通りです。
1.「森林破壊ゼロ宣言」の制定
UCCグループは、遅くとも2030年までに、森林の破壊や転換を伴わないことをトレースし、確認されたコーヒー豆のみを使用します。(中間目標:2025年に50%以上の森林破壊防止が確認されているコーヒーを購入します)
コーヒーの需要は世界中で増加し続けていますが、その需要に応える供給量を生産するために森林が破壊されているという現実もあります。2023年に発行された欧州森林破壊防止規則など、昨今の世界の潮流を受け、UCCでも外部機関と協議を重ね、2030年までに、森林の破壊や転換を伴わないことをトレース可能な形で確認されたコーヒー豆のみを使用することを宣言します。
2.UCCが優先的に取り組みを行う戦略的生産国 (ブラジル、ベトナム、タンザニア、ウガンダ)の選定
世界に70-80あると言われる生産国・地域の中から、国際NGOコンサベーション・インターナショナルによるコーヒー生産国における自然に関わるリスク分析結果や、UCCがかねてから注目し、UCCの農事支援活動(※)が効果的に寄与できるエリアなど、複数の観点から、優先的に取り組みを行う4か国(ブラジル、ベトナム、タンザニア、ウガンダ)を選定しました。
ネイチャーポジティブを目指すには、「保護 – 管理/再生 – 修復」のアプローチが重要で、我々もその視点を取り入れ検討をいたしました。
●ネイチャーポジティブ視点で優先順位付けを行う際の基準
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森林減少等が問題視され、多くの炭素が貯留されていることから保護の価値が高まっているエリア
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気候変動の影響を受けやすくコーヒー生産が難しくなることが懸念されるエリア
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UCCの農事支援・アドバイスが効果的に寄与するポテンシャルが高いエリア など
●戦略生産国選定理由
1)ブラジル
UCCグループにとっての最重要生産国の1つであり、将来的な量のポテンシャルも見込むことが出来る生産国。ミナスジェライス州などで農園の管理・再生を行うことにより、2050年に向けてもコーヒーにとって栽培適地の状態を維持することが出来る。
2)ベトナム
UCCグループにとっての最重要生産国の1つであり、今後サステナブルなコーヒー調達の拡大を目指す地域。例えば、ラムドン省では生物多様性が非常に重要で、保護も重要となっている。
3)タンザニア
産地支援活動により、生産量の回復が見込める地域。キリマンジャロなどでは、一度放出されると元の状態に戻すことが難しい炭素が地中に多く含まれている地域であるために、土壌の保護活動も必要である。
4)ウガンダ
今後量的なポテンシャルが見込め、施策の優先順位が高い。農事技術支援による生産量の向上や、サステナブルなコーヒー生産の啓発を通じて、地域の産業発展に寄与できる地域である。
今後は、戦略的生産国に対して、UCCが特に貢献できることを行動計画として策定します。具体的アクションは順次公開予定です。また、UCCグループでは以下の3つのフェーズを設定し、今後ネイチャーポジティブに取り組んでまいります。今回の発表は第1ステップに該当するものです。
第1ステップ:森林伐採をしない「森林破壊ゼロ宣言」の策定・公表をし、ルール作り・運用面を固めていく。
第2ステップ:将来的にコーヒーの生産性を高めるための取り組み(ナーサリー建設、土壌管理、シェードツリーや周辺の有用生物の保護などを検討)
第3ステップ:カーボンニュートラルを視野に入れた植林などの活用
UCCグループは、ネイチャーポジティブの取り組みを通じ、コーヒーのリーディングカンパニーとして、地球環境に関してもより積極的な取り組みを行って参ります。
※UCCの農事支援活動
UCCは、安全でおいしいコーヒーの安定的な供給を目的に創業以来、生産国との協働に取り組んできました。
1981年にはジャマイカに直営農園を設置し、栽培から販売まで一貫したサプライチェーンを構築しました。
さらに、1999年には農事調査室を開設し、主に直営農園事業など生産国との協業、品質コンテストなど生産国への支援、そして生産国の魅力を発信するPRなど、様々な活動を行っています。年間約3分の1から半分を世界各地のコーヒーの生産地で過ごし、生産者の方々に直接品質改善や栽培方法などをアドバイスすることで「農家の方々の生計」や「森林保全」に寄与する活動を推進しています。
【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
UCCジャパン株式会社 総務本部 コーポレートコミュニケーション室
〒650-8577 神戸市中央区港島中町7-7-7 TEL:078-304-8813 MAIL:ucc-pr@ucc.co.jp
プレスルーム:https://www.ucc.co.jp/company/pressroom/
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