生成AI導入率87%・業務効率への寄与実感91%――しかし満足度はわずか30.5%止まり【DXPO東京’25来場者調査|スパイクスタジオ】

1. サマリー
本調査では、DXPO東京’25の来場者アンケートから、生成AI活用の現状を整理いたしました。
生成AIを導入している企業は全体の87.0%に達しております。
「業務が楽になった実感はありますか?」という問いに対しては、“何らかの実感あり”が91.5%と非常に高い結果となった一方で、「満足している」と回答された方は、わずか30.5%にとどまっております。
最大の伸びしろは、最も人数が多い「一部の部署のみ利用している」49.0%の層であり、点在する成功体験を面として再現する段階に移行することが重要であると考えられます。
本レポートでは、調査条件を示した上で、アンケート結果とセグメントの要点をまとめ、現状とそこから浮かび上がる課題を整理しております。
2. アンケート概要
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会場/期間:DXPO東京'25[夏]・4日間
(バックオフィスDXPO/営業・マーケDXPO各会期中、弊社のブース前実施) -
回収方法:通行人への声かけによる便宜抽出(1社から複数名の回答あり)
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設問仕様:単一選択。回答者数は200
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解釈の注意:本集計は個人回答の集計であり、会社の意思決定を直接示すものではございません。以降の示唆は、この制約を踏まえてご覧ください。
3. 結果ハイライト
Q1:生成AIを活用していますか?
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未利用 26名|13.0%
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一部活用 98名|49.0%
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積極活用 76名|38.0%
活用者174名の内訳は「一部活用」49.0%、「積極活用」38.0%となっており、AI活用が“未導入段階”をほぼ脱した状況が確認できます。
来場者の声(抜粋):
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未利用(13.0%):
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「会社の上層部が必要性を感じていない」
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「現場の社員は導入したいが、費用や必要性の説明が難しく全社的なAIツール導入が進まない」
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「AIを使ってみたが良い回答が得られず、そのまま使わなくなった」
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一部利用(49.0%):
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「自己流でプロンプトを作っている」「うまくいく時といかない時がある」
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「様々なことができるのだろうとは思っているが、日々の業務にどう組み込むかが分からない」
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「成果が出たかを聞かれても、はっきり答えにくい」
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積極的に利用している(38.0%):
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「メール作成や調査など、日常業務の効率化に活用している」
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「プロンプトでどういう質問をするかによって答えが全然違ってくるから、AIに関する正しい知識とマインドセットが大切」
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Q2:生成AIの使い勝手や成果に満足していますか?
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不満 14名|7.0%
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どちらとも言えない 125名|62.5%
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満足 61名|30.5%
「不満以外」が93.0%に達する一方、「満足」と回答された方は30.5%にとどまりました。
満足層は「AIに対する期待値を理解し、自身の業務に即した活用法を身につけている」点が特徴的です。
一方、不満層は「常に求めている正解を返してくれる」といった期待と現実のギャップに直面しており、思ったほど負担が減らないと感じていらっしゃいます。
最多の『どちらとも言えない』層(62.5%)は、効果を感じながらも評価を決め切れていない層であり、 この層を満足層へと移行させることが、今後の満足度向上の鍵となります。
そのためには、
「AIにできること/できないこと」の正しい理解を促すこと
活用ノウハウを共有し、業務に合った使い方を定着させること
が重要であると考えております。
来場者の声(抜粋):
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不満(7.0%):
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「質問しても、いい答えが返ってこないことが多い」
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「それっぽいけど間違っている内容が混ざるので、結局自分で全部チェックして時間がかかっている」
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どちらとも言えない(62.5%):
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「便利なときもあるけれど、毎回うまくいくわけではない」
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「もっといい使い方があるだろうけど、使いこなせていない」
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満足(30.5%):
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「社内の用語や参照資料をそろえることで、直しが少なくなった」
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「使えば使うほどほしい情報を踏まえたアウトプットが出るようになってきた」
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Q3:生成AIによって業務が楽になった・便利になった実感はありますか?
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実感できない 17名|8.5%
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少し実感 85名|42.5%
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大いに実感 98名|49.0%
「何らかの実感あり」は91.5%(183人)と非常に高い結果となり、多くが「便利になった」「楽になった」と感じている段階に到達していることがわかります。
次は「どのように社内で広げ、安定的に活用していくか」が重要なテーマになると考えられます。
来場者の声(抜粋):
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実感できない(8.5%):
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「AIの答えが正しいのかどうか確認するのに時間がかかっている」
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「自分の業務的にAIを活かせる部分が少ない」
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少し実感(42.5%):
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「下書きや要約は前より速い」
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「アイデア出しの壁打ちには役立つ」
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大いに実感(49.0%):
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「定型文やメールの下書きを数分で作れる」
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「テンプレを用意したらチームで品質がそろう」
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「要点整理が速くなり、意思決定までの時間が縮んだ」
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4. 「効能実感は高いのに満足は低い」の正体
実感あり 91.5%に対して、満足 30.5%という結果でした。多くの人は「便利さは感じる」が、評価を決めきれていない、つまり、「使えば楽になる実感」は広がっているのに、「満足」と言い切れる人は、30.5%にとどまっていることがわかりました。主因は運用体制の整備不足にあると考えられます。
(1)成果の“見える化”不足
どれだけ時間が削減できたか、ミスが減ったか、品質の管理や手戻りの比較など成果を数字で比べていない。
(2) 作業の“連結”不足
部分的な効率化止まり。
例えば、「入力 → 作成 → 承認 → 保存・共有」というワークフローがある中で、AIで部分的な作業は早くなったが、前後の工程がつながらず、結局手動のまま。
(3) 必要な情報の“整理”不足
データの所在が決まっていない、ナレッジが乱雑、参照の明確化ができていない。
(4) 運用の“継続性”不足
使い方を聞ける人・時間がなく、個人の工夫に頼りがち。
(5) ツールの“乱立”
ツールを導入することがゴールになってしまい、現場の業務に合っていない。
似たツールが複数混在し、学習コストや管理負担が増大。
これら運用面の課題が、実感を「満足」へ橋渡しできていない要因と整理できます。
5. まとめ
本調査では、展示会来場者の皆さまに生成AIの導入状況、利用時の満足度、業務改善の実感についてお伺いしました。
結果として、導入率 87.0%/実感 91.5%/満足 30.5%が確認され、「生成AIを使えば効果を実感する一方で、満足と断言できる方は、わずか30.5%にとどまる」ことが明らかになりました。この差は、技術的な限界というよりも、運用面の整備不足に起因すると推測されます。
今後、生成AIを「実感」から「満足」へとつなげていくためには、正しいAI理解の浸透、業務に合ったノウハウの定着、現場への組み込みと継続運用という3点が重要な鍵となり、最終的には、“実感”を“納得できる成果”へ確実に転換し、意思決定のスピードと顧客提供価値の向上に寄与すると考えております。
株式会社スパイクスタジオでは、独自フレームワークに基づき、社員の自走支援から経営層の意思決定促進、そしてAIエージェントをはじめとする業務課題解決型アプリケーション開発まで、一気通貫でご支援いたします。生成AI×DXによる定量的成果の創出を、最短距離で実現いたします。
スパイクスタジオのサービスラインナップ
株式会社スパイクスタジオは、生成AI技術の社会実装を通じて、人と企業をエンパワーメントする企業です。革新的な技術とクリエイティブなアプローチを通じて、ユーザーに新たな体験を提供することを目指しています。
【株式会社スパイクスタジオ】
本社所在地:東京都港区虎ノ門二丁目2番1号 住友不動産虎ノ門タワー 5階
事業内容:ソフトウェア開発事業、生成AIコンサルティング事業、生成AI研修事業
設立:2023年12月
代表取締役CEO 黒柳 茂、代表取締役COO 佐野 宏英
資本金:2,500万円(準備金含む)
TEL:050-1808-2992
【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社スパイクスタジオ
お問い合わせ先:広報担当
Email:contact@spikestudio.jp
電話:050-1808-2992
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