マーケティングアナリティクスの国際論文誌Journal of Marketing Analyticsに「9segs®︎の中心指標NPIとマーケットシェアの研究」が採択
M-Force株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:長 祐、以下M-Force)は、2022年11月11日に、9segs®︎の中心指標NPIとその他の既存指標について、マーケットシェアへの説明力や実務における実用性について研究した論文がマーケティングアナリティクスの国際論文誌であるJournal of Marketing Analyticsに採択されたことをお知らせいたします。M-Forceは今後も顧客起点のPDCAの普及を目的とし、実用的なKPIの開発を含む様々な理論・ソフトウェアの研究開発を通して持続的な事業成長のサポートを提供して参ります。
Journal of Marketing Analyticsとは
Journal of Marketing Analyticsは、Springer Nature社による国際論文誌で、近年日本でも注目を集めているバイロン・シャープ氏を含む研究者、およびP&Gを含む実務家がエディターボードとして参画しています。また、信頼性の高い論文誌を収録したWeb of ScienceおよびSCOPUSの両科学文献データベースにも登録されています。
https://www.palgrave.com/gp/journal/41270/about/editorial-board
採択された論文について
「Selection versus scale: Loyalty indices for brand management」
Takumi Kato, Nobu Takenaka, Rie Ito, Kazuki Nishiguchi
<タイトル和訳>
「選択 vs 尺度:ブランドマネジメントのためのロイヤルティ指標」
加藤拓巳、竹中野歩、伊東利絵、西口一希
・持続的な事業成長のためには適切なKPI設定が必要不可欠とされる中で、マーケティングのKPIでは、認知や好感度など様々な指標が用いられています。しかし、それらの指標は事業成長への説明力が十分に検証されないまま使用されているケースが多いことから、新たなKPIとして、2020年より2年間に渡り9segs®︎で導き出す「NPI®︎(次回購買意向)」および「u-NPI(顧客内次回購買意向)」の有効性を調査・研究してきました。
・本論文は、M-Forceが2021年3月に発表したM-Forceと株式会社マクロミルとの共同研究で、9segs®の主要KPIである「NPI®︎(次回購買意向)」が 「認知」や「好感度」等の従来のKPI以上にマーケットシェアと強い説明力を示す結果になったデータを元にしたものです。
<2021年3月時のリリース:マーケットシェア拡大に有効な新KPIを特定>
https://mforce.jp/news/677.html
<2022年5月時の追跡調査リリース:9segs®︎によるNPI®︎、マーケットシェア拡大の先行指標としての優位性を確認>
https://mforce.jp/news/519.html
・また本研究では、NPIの普遍性と実用性についてより深く論じ、学術的観点、および、実務的観点の両面において有用な知見を広く共有することを目的とし、引き続き明治大学 商学部 専任講師 加藤 拓巳氏にご協力を頂きました。
<論文URL>
https://link.springer.com/article/10.1057/s41270-022-00191-6
今後の展開について
今後も顧客起点のPDCAの普及を目的として、実用的なKPIの開発について継続して以下の研究を進め、1) 9segs®︎による顧客起点のPDCAの導入・運用支援ツール・メソッドの開発、2) 国際比較を可能にするNPIの特徴を活かした海外展開、3) NPIを含む9segs®︎メソッドを社内全体のPDCA基盤として導入する際の支援を行っていきます。
<今後の研究課題>
1.対象国を拡張した、日本国外主要市場での有効性の検証
2.財務指標等の制御を行った上での因果推論
3.特定のカテゴリにおいて、NPI®︎(次回購買意向)の変化量がマーケットシェアに与える関係性の定量的な検証
共同研究者 明治大学 商学部 専任講師 加藤 拓巳氏のコメント
ブランドマネジメントの代表的な指標の1つにNPSがある。しかし両端の尺度を避ける中間回答傾向を有する日本では、NPSが負の値になってしまい、うまく機能しない問題がある。それに伴い、同じブランドを多国間で比較する場合に、ブランドの優劣ではなく国民性による回答傾向の違いの影響が大きく判断が難しい。また、競合する製品やサービスとの比較を提供しないため、スコアが維持されているにもかかわらずシェアを失うリスクがある。競合と比較するにはブランドの数分だけ設問数を増やす必要があり、回答者の負担が大きくなる。そこで本研究では、尺度ではなくブランドを選択する形式を採用した指標(NPI)を提案し、国民性の問題を解決し、設問数を大幅に削減し、そして販売シェアに対する説明力が高いことを示した。
2021年3月の公開時に指摘したとおり、本研究に用いたデータには(1)研究開発費や広告宣伝費などの財務指標による統制ができていないこと、(2)長期的視点での業績に対する先行指標としての有用性が十分に考慮されていないこと、(3)他の国での適合性が実証ができていないこと、など課題がある。一方、そうした課題がある中で本研究がJournal of Marketing Analytics誌に掲載されたことは、この研究の学術的および実務上の価値およびアプローチの妥当性が評価されたという意味で喜ばしい。今後は上記の課題に引き続き取り組み、シンプルでありながら、高い説明力のある指標として発展させていくことが望まれる。
<プロフィール>
博士(経営学)、明治大学 商学部 専任講師。2012年 慶應義塾大学 理工学部 管理工学科卒業。2017年 筑波大学ビジネス科学研究科修士課程、2019年同博士課程修了。三菱電機株式会社、本田技研工業株式会社(Honda)、埼玉大学 経済経営系大学院を経て現職。American Marketing Association、経営情報学会、日本感性工学会、日本デザイン学会、 日本マーケティング学会の会員。日本マーケティング学会 ジャーナル奨励賞・ベストオーラルペーパー賞、人工知能学会研究会優秀賞など多数受賞。
M-Force株式会社 取締役(Co-Founder)西口 一希のコメント
NPIを軸にした9segs®フレームワークは、実務の中で様々な指標の評価を行う中で開発し、その後、様々な会社で継続的な事業成長を実現することが出来ました。2019年の「顧客起点のマーケティング」(翔泳社出版)で一般公開して以来、様々な企業で活用していただき、BtoCだけでなくBtoBの分野まで活用範囲が広がり継続的な実績につながっています。実務実績だけでなく、このようにアカデミックな文脈で日本国内にとどまらない普遍的な価値が評価され非常に嬉しく思います。今後、より多くの企業で継続的な実績を実現するために、NPIと9segsを世界中で活用していただけるように願っております。
M-Forceの提供する9segs®および9segs® Analyzerについて
9segs®とは
9segs®とは、自社・競合を含む顧客全体をシンプルに「9つの顧客セグメント」に分解し、顧客の心理・行動データを一括で取得する手法です。深い顧客理解に基づいた顧客戦略(WHO & WHAT)®の策定と、PDCA運用に必要なNPIを含む様々なKPI取得が可能になります。定期的な9segs®を用いた顧客戦略(WHO & WHAT)®のPDCAを導入し運用することで、組織に共通の顧客理解と戦略フォーカスを与え、持続的な事業成長の羅針盤となります。
9segs® Analyzerとは
9segs®の導入・運用を容易にし、経験の少ない人・組織でも簡単に、経験者・組織はより高速にアイデアを創出・実現できるようにする運用ツールです。以下のような特徴があります。
誰でも使える:簡単な操作で、事業に関わる誰もがプロの思考回路をなぞって顧客理解・戦略の立案・組織への浸透ができます
時間短縮:「言うは易し行うは難し」な9segs®運用に必要な学習・実行時間を大幅に短縮します
アイデア創出・実現:「9segs®に関わる人が増える」「高速で仮説検証ができる」ことによって新たなアイデアが生まれ、それを逃さず組織として実現する確率を高めます
手厚いサポート:9segs®の諸概念から9segs® Analyzerの使用方法までを含めたオンボーディング、加えて必要に応じて様々な顧客起点のPDCAに関するトレーニングが無償サポートとして提供されます
【M-Force 会社概要】
会社名 :M-Force株式会社
代表取締役 :長 祐
住所 :東京都渋谷区猿楽町18番8号 ヒルサイドテラスF-201
設立 :2019年1月
事業内容 :持続的な事業成長をもたらす「顧客戦略(WHO&WHAT)®のPDCA」支援ツールの開発・提供および導入・運用支援
ウェブサイト: https://mforce.jp
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