2023年度 新入社員の初任給調査
東証プライム上場企業157社の速報集計。「全学歴引き上げ」は70.7%となり、過去10年で最多
【調査結果のポイント】
1.2023年度における初任給の改定状況
急激な物価上昇を受けた賃上げ機運の高まりや、若年労働力人口の減少に伴う新卒採用競争の激化など、初任給の決定をめぐる状況は大きな転換点にあり、注目を集めている。
東証プライム上場企業の全産業ベース(157社)で、初任給を「全学歴引き上げ」た企業は70.7%となり、昨22年度速報集計時の41.8%から28.9ポイント上昇。「全学歴据え置き」は26.1%となり、昨22年度速報集計時の49.7%から23.6ポイント低下した[図表1]。
[図表1] 初任給の改定状況
2.初任給の水準
全産業で見た学歴別の初任給水準は、大学卒(初任給に差を設けず、一律設定の場合。以下、一律)22万5686円、大学院卒修士24万3953円、短大卒19万5227円、高校卒(一律)18万3388円となった[図表3]。
※図表2はPDF参照
[図表3] 2023年度決定初任給の水準および同一企業における上昇額、上昇率
[注]高校卒・大学卒は、「一律」のほかに「基幹職・補助職」別でも調査している(以下同じ)。
3.大学卒に見る改定状況と上昇額の分布
大学卒(一律)では、22年度から「引き上げ」が71.7%、「据え置き」が28.3%となった。引き上げた場合の上昇額は「10,000円台」が18.6%で最も多く、次いで「5,000円台」と「7,000円台」が10.5%。引き上げた場合の平均上昇額は9523円となった[図表4、5]。
[図表4] 2023年度学歴別決定初任給の改定状況
[図表5] 2023年度学歴別決定初任給の上昇額分布
[注][図表4]において「引き上げ」と回答した企業について集計。
○リリースの詳細は下記URLからPDFをご確認ください。
https://www.rosei.or.jp/attach/labo/research/pdf/000084904.pdf
○本調査の詳細は、当研究所編集の『労政時報』第4056号(23. 5.12/ 5.26)で紹介します。
【調査・集計要領】
1.調査項目
2023年度の賃金見直しによって確定された2023年4月入社者の決定初任給(学歴別)。なお、初任給は原則として時間外手当と通勤手当を除く、諸手当込みの所定内賃金である。
2.調査時期・方法
3月下旬に調査票を発送、併せて電話による取材も行い、4月11日までに回答のあった分を集計。
3.調査・集計対象
東証プライム上場企業1784社のうち、回答のあった157社を集計。
【一般財団法人 労務行政研究所の概要】
◆設立:1930年7月(2013年4月、一般財団法人に移行)
◆理事長:猪股 宏
◆事業内容 :
①人事・労務の専門情報誌『労政時報』ならびにWEBコンテンツの編集
②人事・労務、労働関係実務図書の編集
③人事・労務管理に関する調査
◆所在地:〒141-0031 東京都品川区西五反田3-6-21 住友不動産西五反田ビル3階
◆URL:https://www.rosei.or.jp/
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