ベクタービルダー・ジャパンが希少小児疾患メンケス病の遺伝子治療の実証事業を開始

「遺伝子治療分野における希少小児疾患メンケス病臨床研究の実証事業」が、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の対日直接投資喚起事業補助金プロジェクトに正式採択されました。

ベクタービルダー

当社の組み換えウイルス遺伝子医薬品の迅速な開発・製造・品質管理技術を活用し、小児希少疾患メンケス病の遺伝子治療に役立てるためのシステム開発、および日本国内で臨床研究の可能性を調査します。

2023年6月15日:ベクタービルダー・ジャパン株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:亦勝実穂)の「遺伝子治療分野における希少小児疾患メンケス病臨床研究の実証事業」が、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)の対日直接投資喚起事業補助金プロジェクトとして正式採択されました。

https://www.jetro.go.jp/news/announcement/2023/ac313c6ed8000b7d.html


対日直接投資喚起事業補助金事業は、在日外資系企業等の民間企業を対象とし、日本への革新的な技術やビジネスモデル等の導入や展開を目指す事業です。採択企業は補助金を活用し、製品やサービスの開発・運用・評価等の実証を行います。


ベクタービルダー・ジャパンの採択事業「遺伝子治療分野における希少小児疾患メンケス病臨床研究の実証事業」では、当社の組み換えウイルス遺伝子医薬品の迅速な開発・製造・品質管理技術を活用し、小児希少疾患メンケス病の遺伝子治療に役立てるためのシステム開発、および日本国内で臨床研究の可能性を調査します。事業規模は約2,860万円であり、予定している内容は次の通りです。

  1. 遺伝子医薬品(アデノ随伴ウイルス)のカスタム製造と最適化、モデル動物実験を経て、臨床研究使用を評価検討

  2. 既存患者の病態を評価し、それに沿った個別化治療用遺伝子医薬品の開発

<メンケス病について>

メンケス病は銅輸送にかかわるATP7A遺伝子の突然変異から生じる遺伝性代謝疾患です。X連鎖性のため主に男児に発生し、疫学研究で10~12万人の出生に 1人の割合で発生することが報告されています。メンケス病の患者は、生後2~3か月で神経障害やその他の症状を示し、幼児前期に亡くなる例が多く、あまり知られていない希少疾患です。現在行われている治療は、His-銅の補充療法により血清銅などを正常値に維持する対症療法であり、治療方法の開発が望まれています。


<メンケス病の遺伝子治療に対するこれまでのVectorBuilderの取り組み>

VectorBuilderは、自社の細胞・遺伝子治療部門である Lantu Biopharmaと連携し、メンケス病に対するアデノ随伴ウイルス (AAV) ベースの遺伝子治療薬であるLTGT06を開発しました。Lantuは中国昆明市にある第920病院および希望健康病院と協力し、メンケス病では世界初となる医師主導治験を実施しました。LTGT06を投与された患者児童の病状は改善されました。

https://www.vectorbuilder.jp/about-us/newsroom/vectorbuilder-supports-first-gene-therapy-trial-for-menkes-disease.html


<日本国内でメンケス病臨床研究の実証事業を行う意義>

ベクタービルダー・ジャパン株式会社 代表取締役 亦勝実穂博士は次のように述べています。「当社の豊富なベクターデザイン技術を生かし開発したメンケス病遺伝子改変ベクターは、中国国内の医師主導治験にて既に効果を表しています。この成果を踏まえ、ベクターデザインをさらに改変し、疾患モデル動物を使った研究を弊社の遺伝子医薬品研究開発センターにて実施しています。本実証事業では、日本国内の患者様の病態分析に基づいた個別化治療用遺伝子医薬品の研究開発の実証を目指します。」


                                   

                          VectorBuilderの研究製造拠点で樹立したメンケス病疾患モデルマウス(矢印)


「遺伝子医薬品の開発は約10年と一般では認識され、かつ個別化医療用医薬品は多額の開発費用が必要です。そのため現状では患者様の病態の進行に開発が間に合わない、患者様の手が届かない高額の医療費になるなどの障壁があります。本実証実験は、これらの開発製造の期間認識を覆し、安全な個別化遺伝子医薬を開発を試みます。」


VectorBuilderについて

VectorBuilderは、遺伝子導入テクノロジーの世界的リーダーです。VectorBuilderは、世界中の何千もの研究室やバイオテクノロジー/製薬会社の信頼できるパートナーとして、基礎研究から臨床応用まで、遺伝子導入ソリューションの設計、開発、最適化をワンストップで提供します。受賞歴のあるVector Design Studio は、研究者が研究室で自分でベクターを構築するという面倒な作業を省き、オンラインでカスタム遺伝子送達ベクターを簡単に設計し、注文できるようにした革新的イノベーションです。VectorBuilderは、ハイスループットのベクター製造能力、膨大なベクターとコンポーネントのインベントリーを備え、さらに高度なAAVキャプシドエンジニアリング技術などを含む 1 対 1 の CROサービス、最先端のcGMP施設で遺伝子医薬品を製造するCDMOサービスを提供しています。同社のCell Gene Therapy (CGT)受託製造製品は、米国FDAを含む各国の規制当局からIND承認を取得しています。最先端の研究開発とCDMO製造能力を備えたVectorBuilderチームは、ライフサイエンス研究と遺伝子医学に最も効果的な遺伝子導入ツールとソリューションを提供することに日夜尽力しています。当社は2023年5月には評価額10億ドルを超えるユニコーン企業となりました。


ベクタービルダー・ジャパンについて

ベクタービルダー・ジャパン株式会社は、米国VectorBuilder Inc.の日本法人です。令和元年5月に神奈川県横浜市に日本法人本社を設立し、令和5年6月に兵庫県神戸市医療産業都市に西日本オフィスを開所しました。米国VectorBuilder Inc.の受託サービスを日本のクライアントに日本語で技術コンサルテーションを含めてご提供しています。また、日本から海外の前臨床や臨床研究に進まれる場合もVectorBuilder Inc.のグローバルネットワークを介して、強力なサポートを行っています。

https://www.vectorbuilder.jp/

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会社概要

URL
https://www.vectorbuilder.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
神奈川県横浜市港北区新横浜二丁目12-16 遠藤ビル6階
電話番号
045-628-9207
代表者名
亦勝実穂
上場
未上場
資本金
300万円
設立
2019年04月