専門の職人に"道具"の修理を依頼できるプラットフォーム「DAIJINI」始動。能登半島地震後の「思い出の品を直したい」という地元のニーズから生まれた新サービス
輪島塗、美容鋏、まな板、包丁など、直したい物を箱に入れて送るだけ。大切なモノを手放すのではなく、直して長く使う心をもう一度現代に

株式会社ふくべ鍛冶(本社:石川県鳳珠郡能登町、代表取締役:干場健太朗)は、「世の中の道具の困ったを良かったに変える」をコンセプトにした修理プラットフォーム「DAIJINI (大事に)」を2025年7月9日にローンチしました。 本サービスは、能登半島地震で大切な物が傷つく光景を目の当たりにした経験から、「モノを長く使う心を育みたい」という想いで生まれました。美容鋏や包丁、輪島塗といった修理したい道具を、注文後に届く専用の箱に入れて送るだけで、手軽に職人によるメンテナンスを受けることができます。今後も全国の職人との連携を深め、対象分野の拡大や、地域に根ざした技術の承継、新たな雇用の創出を目指してまいります。
▼DAIJINI サービスサイト:https://daijini.com/
DAIJINIが生まれた背景
創業以来、野鍛冶として農具や漁具の製作・修理や刃物の研磨・鍛造を生業とし、専門道具を扱う能登の一次産業を支えてきました。「モノを長く使う心を育む」を合言葉に私達は新たに包丁研ぎ宅配サービス「ポチスパ」を開始し、日々全国の家庭から届く包丁を研磨・修理しています。そんな最中、能登半島地震に遭いました。

震災を期に、地元では包丁以外でも「思い出の品を直したい」というニーズを目にすることが多くなりました。それは地震で欠けたり傷の付いた漆器を始めとする道具でした。能登では主に祭りの時期になると輪島塗の漆器を使って客人をもてなす文化があり、先祖代々大事に受け継がれているものも少なくありません。この声を基に、ポチスパの既存システムを使って他分野の道具も修理できるのでは?と考えました。皆さまの大切なあらゆる道具と、それぞれの専門の職人を繋ぎ、「モノを長く使う心を育み未来に繋ぎたい」という思いで有志が集い、生まれたサービスがDAIJINIです。
DAIJINIの特徴

DAIJINIは、ご注文後に届く箱に修理対象の道具を入れてポストに入れるだけ。専門の職人が修理をし、返送します。幅広い年齢の方にご利用いただきたいため、手順はシンプルに特化しました。私たちの独自性と強みは、修理に出す事の手軽さにあります。

商品・サービスラインナップ
DAIJINIで修理できる道具を紹介します。

美容鋏メンテナンス
-株式会社ユウコークラフト-
大阪にてハサミ職人として修業を積んだ後、大手ハサミメーカーの製品を10年以上にわたり、すべて一人で製造。 2012年に独立、今まで累計で50,000丁以上のハサミを世に送り出してきました。
弊社では最終工程のみを日本で行う日本製ではなく材料から日本製にこだわり、製造工程においても大量生産ではなく職人の手仕事にて仕上げています。
メンテナンスにおいては、新品とは違い劣化や研ぎによる減り・変形など、個体により様々な状態に変化しており、まずはその個体のポテンシャルを最大まで引き出します。そしてスタイリスト様の求める切れ味のイメージを再現します。これは製造が出来て初めて可能となります。

まな板削り
-杉本木工々房-
木工工房である当社は、まな板削りから木工製品の制作など「木のスペシャリスト」としてご依頼を重ねてまいりました。まな板削りでは、表面をわずか1~3mm削ることで、傷や汚れを落とし、購入時の木の美しさを何度も感じていただけるメンテナンスを心がけております。

輪島塗り修理・再生
-株式会社 田谷漆器店-
1818年に創業以来、輪島塗の伝統を守り続ける輪島塗工房です。熟練の職人が、傷んだ漆器の修理や再生を丁寧に行い、大切な器を末永くご使用いただけるようにいたします。

包丁研ぎ
-株式会社 ふくべ鍛冶-
創業明治41年から農具や漁具、刃物を製造・修理してきた野鍛冶屋の技術で、皆様の刃物をスパッと切れ味良く仕上げます。信用と実績、そして感動をお届けいたします。
具体的な料金と納期


商品 |
納期 |
価格 |
美容鋏メンテナンス |
約1週間 |
1本 5,000円~ |
まな板削り |
約1週間 |
1枚 6,000円~ |
輪島塗り修理・再生 |
約3か月 |
1個 12,000円~ |
包丁研ぎ |
約1週間 |
1本 3,000円~ |
例えば包丁研ぎの場合、包丁を入れた専用BOXをポストに投函してから約1週間でスパッと切れる包丁が手元に届きます。価格は1本3,000円~です。

今後の展望
DAIJINIは、「大切なモノを手放すのではなく、手をかけて未来へつなぐ」という価値観に共感するすべての人に向けて、修理という文化を再び日常に取り戻すことを目指します。今後は、包丁や漆器、美容鋏に加え、革製品や陶磁器、時計や家具など、さらに多様なジャンルの道具を扱えるよう対象分野を拡大してまいります。
また、全国各地の優れた職人との連携を深めることで、地域に根ざした技術の承継や新たな雇用の創出にも貢献していきます。単なる「修理サービス」にとどまらず、「暮らしの文化資産を未来に繋ぐプラットフォーム」として、DAIJINIはこれからも進化を続けていきます。
代表者コメント

株式会社ふくべ鍛冶 代表取締役 干場健太朗
「直して使う」という文化は、かつて日本人の暮らしの根底にありました。しかし今、その価値観と共に、モノづくりを支えてきた職人技術までもが失われつつあります。
DAIJINIは、こうした流れに抗い、もう一度“モノを大切にする心”を現代に根付かせる挑戦です。今後は、より多くの分野で職人との連携を進め、修理という営みを通じて、地域の技と記憶を未来へつないでいきます。「捨てる」から「託す」へ。DAIJINIがその選択肢の一つとなるよう、私たちはこれからも歩み続けます。
DAIJINI 公式ウェブサイト(https://daijini.com/)
株式会社ふくべ鍛冶について
株式会社 ふくべ鍛冶は、明治41年から地域に根付いた野鍛冶として、能登半島の主幹産業である漁業や農業を支えながら、地域に育てられてきました。海の悩みは山で解決され、山の悩みは海で解決される。そうしたノウハウを蓄えて、地域社会に還元していくことこそ、地元への恩返しになると考えています。「困った」を「良かった」に変える仕事で人は感動し、感謝する。地域を支える道具に関わり、人の心を動かすことができる。私たちはそんな鍛冶屋を目指しています。
■会社概要
名 称:株式会社ふくべ鍛冶
住 所:石川県鳳珠郡能登町字宇出津新23番地
創 業:明治41年7月13日
代表者:代表取締役 干場 健太朗
Instagram:https://www.instagram.com/fukubekaji/
【本件に関するお問い合わせ先】
株式会社ふくべ鍛冶
担当者名:干場
電話番号:0768-62-0785(受付時間:平日10時~17時)
メールアドレス:info@fukubekaji.co.jp
問い合わせフォーム:https://fukubekaji.jp/contact/
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