学校給食におけるAIシステム3件の特許を出願
中西製作所とpluszeroが共同開発
株式会社中西製作所(東証スタンダード:5941、本社:大阪市生野区、代表取締役社長:中西一真)は、株式会社pluszero(東証グロース:5132、本社:東京都世田谷区、代表取締役:小代義行/森遼太)と共同で「①コンテナ積載最適化システム」「②配送最適化システム」「③図面管理システム」といった学校給食関連事業において不可欠な業務を効率化する3つのAIシステムを開発し特許を出願いたしました。
当社が設計・施工する給食室/給食センターにおいては、食中毒等を予防する為に文部科学省が定めた「学校給食衛生管理基準」に則った管理・運用が求められます。そのためには、調理スペースのレイアウトやそこで働く人の動線についても専門的知識やノウハウが不可欠です。
特に学校給食においては、地域ごと・学校ごと・年度ごとに、メニューの種類・クラスの数・児童の数が変動することにも対応しつつ、人手不足の中で、最少人数で迅速かつ効率的に調理・配送・配膳をおこなう為の仕組みが求められています。
今回開発した3つのシステムにより、こうした学校給食関連作業のさらなる業務効率化、品質と精度向上を行い、人材不足の解消を図ります。3つのシステムには、それぞれ異なるAI技術を活用しており、これらの技術について特許を出願中です。
■①コンテナ積載最適化システム
・開発の背景と課題
学校給食において使われる食器や食缶は、毎日コンテナやカートと呼ばれる台車に積載して学校へ運ばれ、クラスへ届けられます。給食センターの計画にあたっては、学校ごとに必要なコンテナの台数を算出することが求められます。その際にコンテナの積載検討を行う必要があり、人力での検討には非常に時間を要していました。
・本システムによる課題解決
今回当社とpluszeroが開発したシステムでは、食器の形状や数が決まった状態から、クラスの数や児童の人数をパラメータとして入力することで、食器カゴへの詰め方、コンテナやカートなどへの積載位置について給食の入った食缶との組み合わせも考慮しながらシミュレーションを行い、最適な積載方法を提案することができます。
・特許出願のポイント
コンテナやカートなどへの積載シミュレーションを行い最適な積載方法の提案をAIにさせる技術を開発し特許出願いたしました。



■②配送最適化システム
・開発の背景と課題
学校給食センターから小中学校など各施設への配送は「調理後2時間以内に喫食」できるよう努める必要があります。これを遵守するためには各施設の給食時間やコンテナ台数を考慮しつつ、トラックの効率的な巡回ルートを計画しなければなりません。昨今の人手不足下では、トラックの台数を最小化して運転手を最少人数とすることも求められており、巡回ルートを考えるのは非常に現場負担の高い手間のかかる作業となっていました。
・本システムによる課題解決
これまでは2時間喫食というルールを考慮しながら、地図を見ながら人力で計画していましたが、本システムではAIによって最適な配送ルートが提案されます。トラックの大きさと配送するコンテナ、順序などを複合的に勘案し、トラックと運転手の数を最小化します。
・特許出願のポイント
配送地点の位置と経路情報、配送コンテナ数、給食開始時間、給食の受入可能時間などの諸条件から、最適な配送計画をAIに策定させる技術を開発し特許出願いたしました。

■③図面管理システム
・開発の背景と課題
当社では過去30年以上にわたりCADを利用して全国の小中学校の給食室や給食センターの設計をして参りました。給食室のレイアウトは学校の立地によって大きく左右され、給食センターに求められる機能や役割は時代ごと、自治体ごとに異なります。こうした過去の給食室/給食センターの図面はファイルサーバー上に保存され共有されていましたが、図面データ形式あるいはPDF形式のために検索性が低く、過去の類似案件を参考にしたいといった場合でも直ぐには取り出すことができず、周りの同僚や上司に聞かなければならない状況でした。
・本システムによる課題解決
過去図面の格納されたフォルダーをクローリングし、AIを用いて図面における給食センターの形状や設置機械の詳細を把握するシステムを開発しました。把握した形状や機械の詳細情報は、キーワードとタグとして保管します。並行して過去図面を検索できるシステムを拡張し、キーワードやタグを各種条件として検索できるようにしました。これにより、約75万枚もの過去図面を簡易的に判断、分類することができるようになりました。
・特許出願のポイント
給食室/給食センターの設計図面の形状や特徴について、図面上のテキストデータに記載された場所(座標)と意味を組み合わせた判定をAIに行わせる技術を開発し特許出願いたしました。

■今後の展望
中西製作所は、2023年に策定したコーポレートスローガン「いただきますの未来を作る。」のもと、学校給食事業や外食事業を通じて、より豊かな食生活の実現を目指し、2023年7月に厨房業界初となるDX認定を取得しました。
中西製作所では、今後もAIをはじめとしたIT技術を活用したDXに取り組み、お客様の業務効率化、省人化、品質・精度の向上に貢献して参ります。
■株式会社中西製作所について(https://www.nakanishi.co.jp/)
株式会社中西製作所は、1946年創業の業務用厨房機器メーカーです。学校給食向け厨房機器の製造・販売、設計、施工、開設支援までトータルサポートを行っています。現在は病院、福祉施設、社員食堂、大手外食チェーンなど多様な調理施設へも事業を拡大し、安心・安全で効率的な調理環境づくりを支援しています。

■株式会社pluszeroについて(https://plus-zero.co.jp)
株式会社pluszeroは、AI・自然言語処理・ソフトウェア・ハードウェア等の各種テクノロジーを統合的に活用したソリューション提供・開発・保守・運用および販売、ならびに受託及びそれらに付帯するコンサルティング業務をおこなっています。

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