メカノクロス、人事制度β版をスタート
「挑戦が正しく報われ、成長し続けられる組織へ」
2025.04.01 株式会社メカノクロス(本社:北海道札幌市、代表取締役CEO:齋藤智久、以下「メカノクロス」)は、2025年4月より、新たな人事評価制度「人事制度β版」を正式に運用開始いたします。本制度は、技術(Technology)・信頼(Trust)・超長期(Ultra-long term) の3つを企業成長の軸とするメカノクロス独自のフィロソフィーを、「報酬制度」「評価制度」「等級制度」に体系的に落とし込んだものです。
本制度の設計にあたっては、社員番号#2の経営企画の西岡が参画した早い段階で組織が会社を作るという必要性を感じ、投資家として弊社を支えておりますインキュベイトファンド社および組織づくり・人事制度のプロフェッショナルである(株)事業人社と数ヶ月にわたり議論を重ね、スタートアップとしての俊敏性と50年単位の持続性を両立する“未来指向の組織アーキテクチャ” を共創しました。
本リリースでは、制度背景、構造、思想、および未来の仲間に向けたメッセージをお届けします。
◼️人事制度β版(Personnel System:PS MX-β)を導入した背景
メカノクロスは、北海道大学が産声を上げたメカノケミカル有機合成技術を社会実装し、化学産業の構造転換を実現することを使命として設立されました。この挑戦は 「100年以上変わらなかった化学プロセスを更新する」 という大きなテーマであり、技術そのものだけでなく、それを推進する“組織としての強さ”が不可欠でした。そこで今回、制度づくりを投資家・外部専門家と共同で進め、数ヶ月にわたりゼロベースから制度を設計。スタートアップのスピード感と、長い時間軸で社会実装に挑む企業にふさわしい構造を整えました。

◼️メカノクロスの成長ドライバー
1. 技術(Technology)
顧客価値を生む源泉。研究開発と人材育成へ継続投資し、技術で勝つ企業へ。
2. 信頼(Trust)
化学産業は信頼産業。誠実さ・透明性・安全性が企業の土台となる。
3. 超長期(Ultra-long term)
工業社会のアップデートは50年単位の戦い。持続可能なカルチャーを育てる。

◼️ PS MX-βの全体像
制度は 「報酬制度」「評価制度」「等級制度」 の三位一体構造。

◼️報酬制度
メカノクロスでは、成果と価値創出に正しく報いるという考え方を基盤に、報酬制度を構築しています。
基本給は職責や専門性に応じて設定し、成果に応じて適切に評価される仕組みを整備しています。
また、技術者が管理職に進まずとも専門性を深めながら高く評価される “Playing Manager(専門職 Fellow)ルート”を設け、研究・技術の深化がそのままキャリアとして報われる構造を採用しています。将来的には、受注、技術創出、特許などへの貢献を適切に評価するインセンティブ制度も順次拡充していきます。
◼️評価制度
評価は 「成果」 と 「過程(Valueの体現)」 の両面から行います。
経営・部門のKPIと連動した個人目標を設定し、取り組みの結果とプロセスの質を総合的に評価します。PS MX-βでは、運用しながら指標の改善を行うアジャイル設計を採用し、実勢に即した “納得度の高い評価体系” へと進化させていきます。
◼️等級制度
等級制度は、キャリアの方向性と成長フェーズを明確にする“地図” として位置付けています。
CxO/部長/マネージャー/メンバーの階層を明確化し、技術部門・事業部門の双方で透明性のあるキャリアパスを整備しています。役割・責務・意思決定範囲を明確にし、組織全体が一貫した判断軸で動くことができる環境をつくっています。
◼️PS MX β版の位置付け
2025〜2026の2年間を試運用期間とし、制度自体も成長に合わせて柔軟に改善。
メカノクロスは、EPCメーカー等との量産装置開発、化学・製薬メーカーとのプロセス検証を実施、海外PMF、Series A(企業価値100億円超を目標)を控えるなど、急速に事業が拡大するフェーズにあります。その変化に耐え、次のステージを支える組織基盤としてPS MX-βを導入しました。

インキュベイトファンド株式会社 寿松木 充さんコメント
この度はメカノクロス社の人事制度β版の設計をご一緒させていただきました。代表の齋藤さんが徹頭徹尾「成果と価値創出に正しく報いる」と仰っていたのが大変印象的で、その熱意があったからこそメカノクロスらしい人事制度の基盤が作れました。
産業革命レベルのインパクトを作ろうとするメカノクロス社には「数十年働いても飽きない」会社であってほしいと思います。人事制度という側面からすこしでもその理想に近づいていけるように、これからの制度の運用やブラッシュアップについてもご支援してまいります。

株式会社事業人 共同代表 宇尾野 彰大さんコメント
今回ご一緒した人事制度設計は、ディープテックスタートアップの組織づくりとして非常に価値のある挑戦だったと感じています。
「常にベータ版でアップデートし続ける」ことを前提に、変数が多く長期視点が欠かせない事業環境において、社員と経営が同じ地図を持って対話できる 共通言語 として設計しました。今後、どのような仲間を迎えたいのか、その方々がどんな制度や組織風土なら成長と挑戦にワクワクできるのかを、メカノクロスの皆様、インキュベイトファンドの寿松木さんと議論を重ね、形にしてきま
した。報酬・評価・等級を貫く軸を明確にしつつ、あらゆるステークホルダーの貢献に応えていく土台でありたいと考えています。今回の取り組みが、長い時間軸で研究開発と事業化に挑む他の
ディープテックスタートアップにとっての一つの見本となり、日本のものづくり・産業の更新と社会実装を進めていく一歩に、そして同じ悩みを抱える経営者やチームが一歩を踏み出す勇気につながれば幸いです。

株式会社メカノクロス
代表取締役CEO 齋藤 智久
以下コメント
今回の人事制度β版は、単なる仕組みづくりではありません。
メカノクロスというチームの未来を、みんなと一緒に強くするための第一歩だと考えています。
制度の議論を重ねる中で、私が繰り返し伝えてきた言葉があります。
それは 「成果と価値創出に正しく報いる」 ということ。
みんなが毎日向き合っている挑戦と努力を、まっすぐに評価できる会社でありたい。
その想いだけはずっと変わりませんでした。
インキュベイトファンドの寿松木さんが言ってくれた、
「数十年働いても飽きない会社になってほしい」という言葉も、胸に刺さりました。
私たちは、本気で“産業を変える側”に立とうとしている。
その長い挑戦を面白く、ワクワクし続けられる会社にしたい。
そんな当たり前のようで難しい願いを、制度の中に込めています。
事業人の宇尾野さんからいただいた、
「常にベータ版でアップデートし続ける組織」という視点も、この制度の根本になっています。
変化の激しいデイープテックの世界で、昨日の正解が明日の正解とは限らない。
だからこそ、制度もカルチャーも、私たち自身も一緒にアップデートし続ける。
そんな組織でありたいと思っています。
今回つくったのは “完成品” ではなく、みんなと一緒に育てていく“メカノクロスの未来の器” です。
これから制度が本当に息を吹き込まれるのは、みんなが目標を語り合い、成果を出し、価値をつくり、仲間として互いに評価し合い、支え合う瞬間です。
このチームの力を信じています。
みんなが本気で技術の壁に挑み、誠実に仕事と向き合い、超長期で社会を変えようとする姿を、近くでずっと見てきました。
この制度は、そんなみんなの挑戦が必ず報われる会社でありたい、という私たち全員の想いの結晶です。
さあ、ここからが本番です。
制度を“使って終わり”ではなく、みんなで“育てていく”ステージに入ります。
一緒に、メカノクロスらしい、誇れる組織をつくっていきましょう。
心から楽しみにしています。
The launch of our HR system (Beta Version) is far more than the introduction of a new framework.
I see it as the first step in strengthening the future of Mechanocross together with all of you.
Throughout the many discussions leading up to this system, there was one message I kept repeating:
“We must fairly reward the成果 and value each of you creates.”
I want Mechanocross to be a company where your daily challenges, your effort, and your craftsmanship are recognized with integrity.
That belief has never changed.
Incubate Fund’s Mr. Suematsuki shared a message that truly resonated with me:
“I want Mechanocross to be a company where people never get tired of working—even after decades.”
We are a team aiming to transform an entire industry.
If we are to take on a challenge of that scale, then the company itself must be a place where long-term ambition remains energizing and exciting.
That hope is embedded into this system.
From Mr. Uono of Jigyōjin, we received another powerful insight:
“A company should operate like a perpetual beta version—always improving, always updating.”
In deep tech, yesterday’s right answer may not be tomorrow’s.
This is why our systems, our culture, and each of us must remain adaptable and constantly evolve.
That mindset has become a core pillar of this HR design.
What we have built is not a finished product.
It is a vessel for Mechanocross’s future—one we will grow together.
This system will truly come alive when all of you use it:
When you set goals, deliver成果, create value, support one another,
and hold honest conversations as partners working toward the same mission.
I have absolute confidence in this team.
I have seen each of you, close-up, take on technical challenges with courage,
work with sincerity, and push forward with a long-term mindset to change society.
This HR system is a reflection of our shared desire to ensure that your challenges and contributions are genuinely rewarded.
Now, the real journey begins.
This is not a system we “use and forget”—it is one that we will grow and refine together.
Let’s build a Mechanocross we can all be proud of.
And I genuinely look forward to the next chapter we will create as a team.
■メカノクロスについて
メカノクロスは現在、メカノケミカル有機合成技術の社会実装を目指し、国内外の製薬・化学メーカーと連携して技術導入の実証を進めています。本格的な市場参入は2026年以降を予定しており、すでに多くの企業から高い関心と引き合いをいただいています。
本技術は、有機溶媒をほとんど使用せずに有機合成を行えるため、脱炭素対策やコスト削減の面で従来プロセスより優位性を持ち、高い反応性と環境適応性を兼ね備えています。また、溶媒を使用しないことにより、従来は合成が難しかった不溶性・難溶性化合物にも対応でき、半導体・ディスプレイ・電池材料など先進素材の性能向上にも貢献が期待されます。
この技術は、2018年に北海道大学・伊藤研究室で開始された研究に端を発します。伊藤肇卓越教授と久保田浩司准教授が中心となり、7年かけて技術を磨き上げ、溶媒を使わない有機合成という革新的手法を世界トップレベルにまで高めました。
現在、メカノクロスは北海道大学との連携に加え、複数の企業と共同研究・協業を進めています。今後は、メカノケミカル有機合成の量産化技術を確立し、企業によるプロセス導入を本格的に支援してまいります。
■メカノケミカル有機合成反応について
メカノケミカル有機合成は、反応工程に必要な石油由来の有機溶媒を大幅に削減し、環境負荷を軽減できる技術です。従来の有機合成では、原料の100倍以上の溶媒を使う場合もあり、反応後にそれらを燃焼または廃棄処理する必要がありました。

弊社は、メカノケミカル有機合成技術の社会実装を通じて、化学プロセスの脱炭素化とグリーンな化学の実現を目指しています。この技術は、有機溶媒をほとんど使用せずに反応を進めることができる、環境負荷の低い革新的な合成手法です。
従来の有機合成は、100年以上にわたり大量の有機溶媒を前提とした手法が“当たり前”とされてきました。これに対し、弊社技術は機械的刺激による攪拌を用い、極めて少量の溶媒で従来と同等の反応を再現可能にします。

さらに、本技術は幅広い有機合成反応に適用でき、北海道大学工学研究院・伊藤研究室(伊藤肇教授〈弊社取締役〉)を中心に、多様な反応系での実証が進められてきました。これまでに数百件に及ぶ反応・化合物の合成実績があり、特に今回の協業で焦点を当てる不溶性/難溶性化合物の合成では、豊富な知見と成果を有しています。

■メカノケミカル有機合成の訴求効果について
メカノケミカル有機合成は、医薬品や化学材料の合成で広く用いられるカップリング反応において、従来の溶液反応に比べて多くの利点を持つ技術です。具体的には、二酸化炭素や廃棄物の排出削減、不溶性化合物を利用した新規化合物合成の可能性拡大、高い生産性などが挙げられます。これらの特長から、学術的にも高い関心を集めています。
※下記図中の数字は、弊社開発実績および顧客の声を反映した数字

■メカノケミカル有機合成実装研究会
― 学術と産業をつなぐ“実装型”メカノケミストリー・プラットフォーム ―
「メカノケミカル有機合成実装研究会」は、株式会社メカノクロスが主催し、北海道大学をはじめとする学術機関・企業との連携のもと、メカノケミカル有機合成技術の社会実装と産業応用を加速するために設立された研究会です。参加企業・研究者が最新の知見を共有し、共同で実用化課題の解決を図るためのオープンプラットフォームとして運営しています。


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<メカノクロス 会社概要>
企業名:株式会社メカノクロス
本社所在地:北海道札幌市中央区宮の森三条7丁目4−21
研究拠点:①北海道札幌市北区北 21 条西 12丁目2
北大ビジネス・スプリング311
②北海道札幌市北区北 21 条西 10 丁目
国立大学法人北海道大学内 北海道大学化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)
代表者名:齋藤 智久
設立:2023年11月
事業概要:
溶液有機合成反応のメカノケミカル化技術の開発・提供不溶性高機能材料の開発・提供上記の製造プロセス導入の実証検証、および、製造装置提供メカノケミカル有機合成関連情報発信
<本件に対するお問い合わせ>
弊社でご一緒に働いてみたい方、また、メカノケミカル実装研究会、弊社との協業にご興味のある方は、以下からお気軽にご連絡ください。
問い合わせフォーム:https://mechanocross.com/contact/
メールアドレス:haruka.kazetani@mechanocross.com
採用フォーム:https://mechanocross.com/recruit/
Linkedin : https://www.linkedin.com/company/mechanocross/
instagram : https://www.instagram.com/mechanocross/
Facebook : https://www.facebook.com/mechanocross
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