「霞が関の働き方に関する提言」への署名開始について #霞ヶ関深夜閉庁要求運動
~提言内容~各省庁は22時~翌朝5時を完全閉庁し、緊急の業務や、必要最低限の議員の質問対応等はテレワークで行う体制を作ってください。浮いたコストはコロナ対策等に使ってください。
2006年創業以来、1,000社以上の働き方改革に携わってきた株式会社ワーク・ライフバランス
(本社:東京都港区、代表取締役:小室淑恵)では、このほど、小室を含む発起人計19人とともに、「霞が関の働き方改革に関する提言」の署名活動をchange.orgにて開始します。
署名サイトURL: http://chng.it/dYgDFPyS
コロナ禍により、今まで世界から大きな遅れをとっていた省庁のデジタル化がついに着手され始めた今、 国民の皆さんの声を署名として集め、日本の残業の震源地ともいえる霞が関・永田町の働き方改革の加速を求めていきます。
この署名は11月下旬、河野太郎行政改革担当大臣と各省庁の大臣にお届けします。
【発起人一覧(五十音順 21人)】(2020.11.20時点)
青野慶久 サイボウズ株式会社 代表取締役社長
朝比奈一郎 青山社中株式会社 代表・CEO
安藤哲也 NPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事
榎森耕助(せやろがいおじさん)オリジン・コーポレーション所属 お笑い芸人・YouTuber
大室正志 大室産業医事務所 代表
川邊健太郎 ヤフー株式会社 代表取締役社長
小室淑恵 株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長
沢渡あまね 作家・業務改善士
塩崎彰久 長島・大野・常松法律事務所 パートナー弁護士
島津明人 慶應義塾大学総合政策学部 教授
白河桃子 少子化ジャーナリスト 相模女子大学大学院特任教授 昭和女子大学客員教授
田澤由利 株式会社テレワークマネジメント 代表取締役
田中邦裕 さくらインターネット株式会社 代表取締役社長
長野智子 キャスター、ハフポスト日本版編集主幹
中室牧子 慶応義塾大学 総合政策学部教授
夏野剛 株式会社ドワンゴ代表取締役社長
坂東眞理子 昭和女子大学 理事長・総長
室橋祐貴 日本若者協議会代表理事
山口一男 シカゴ大学 社会学 教授
【2020年11月19日付けで共同発起人に参画】
乙武洋匡 作家
【2020年11月20日付けで共同発起人に参画】
中原淳 立教大学 経営学部 教授
【宛先】
河野太郎 行政改革担当大臣
麻生太郎 財務大臣
武田良太 総務大臣
上川陽子 法務大臣
茂木敏充 外務大臣
萩生田光一 文部科学大臣
田村憲久 厚生労働大臣
野上浩太郎 農林水産大臣
梶山弘志 経済産業大臣
赤羽一嘉 国土交通大臣
小泉進次郎 環境大臣
岸信夫 防衛大臣
平沢勝栄 復興大臣
【提言】
各省庁を22時から翌朝5時は完全閉庁し、緊急の業務はテレワークで行う体制を作ってください。
民間企業では労基法の改正により、労働時間の上限を守るアクションを始め、コロナ禍によってテレワーク等の新しい仕事様式を取り入れ進化しています。学校でも、オンライン化を進めるなど、新たなチャレンジが行われています。
人口が減る中でも、デジタル化を急ぎ、今までのやり方を前例なく見直し、生産性をあげる社会の変化がこんなにも大きい中、政府・省庁はどうでしょうか。2020年6月~7月に実施された「コロナ禍における政府・省庁の働き方に関する実態調査」(https://work-life-b.co.jp/20200803_6872.html)によると、議員対応がある官僚のうち83%が電話やオンラインに移行せず対面での打合せを求められたためテレワークできず、4割が100時間を超える残業であり、300時間を超えている官僚もいました。また、86%が「議員とのやり取りはFAXだった」と回答しています。
国家公務員の労働時間は、労働基準法で守られておらず、過労自殺やメンタル疾患が毎年発生し、若手官僚の7人に1人が離職を考えている状況です。(参照:若手の男性官僚、7人に1人が数年内に辞職意向:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61897930U0A720C2000000/)
こうした政府・省庁の長時間労働は、私たち国民の生活に大きな負の影響を与えるのです。
■第一に、多大な【税金の無駄遣い】です。
應義塾大学大学院経営管理研究科の岩本隆特任教授の分析によると、国会期間のための官僚の残業代だけで102億円かかっています。実際の残業時間は公表データの3倍ともいわれていますが、業務フローの改善とデジタル化により大幅な時間の削減が見込まれます。まず官僚の労働時間に対して適正な支払いをすべきです。また、深夜にタクシーで帰宅する費用がさらに22億円かかっています。22時という終電を逃さない時間に帰宅できることにより、浮くはずのこの費用をコロナ対策等の国民生活の改善に使ってください。
(参照:官僚の残業代は102億円が削減できる——庁内診療所は3週間先まで予約一杯|BUSINESS INSIDER https://www.businessinsider.jp/post-169371 )
(参照:霞が関の働き方改革に向けて~ICT を活用した長時間労働是正と生産性向上~慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特任教授 岩本 隆 https://www.j-paa.or.jp/wp/wp-content/uploads/2019/02/%E9%9C%9E%E3%81%8C%E9%96%A2%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AB%E5%90%91%E3%81%91%E3%81%A6%EF%BD%9EICT%E3%82%92%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%97%E3%81%9F%E9%95%B7%E6%99%82%E9%96%93%E5%8A%B4%E5%83%8D%E6%98%AF%E6%AD%A3%E3%81%A8%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%80%A7%E5%90%91%E4%B8%8A%EF%BD%9E-1.pdf )
■第二に、【国全体のデジタル政策の遅れの原因】となっています。
いざとなったら夜通しかけて作業をすれば良い。何時でも対面で呼びつけられるという中では、WEB会議もデジタルツールの導入も必要性を痛感せず、導入が進みません。人の時間を無制限に使う発想からは、イノベーションが産まれません。
コロナ禍においても給付金の支給は遅く、近隣アジア諸国と比較しきわめてアナログな対応でした。学校のデジタル化が進んでいなかった事で、子どもたちは、緊急事態宣言下で教育の機会を大きく失いました。
「対面での会議、紙資料・FAX・印鑑をベースにした作業、脆弱なネットワーク環境・ハード環境の整備の遅れ」が放置されてきたのは、根本に、時間を無制限に使える、効率を無視した政府・省庁の長時間労働があるのです。
■第三に、【国家を担う人材の流出・質の低下】を引き起こし、日本社会の課題を解決する機能が低下します。働き方が原因で優秀な人材が国の仕事を離れ、体調を崩して辞めています。政策の質が低下し、国益を大きく損ないます。
アナログな旧態依然の仕事のやり方を存続することで、本来優秀な人材の集まりだったはずが、旧態依然な仕事のやり方しかできない組織に退化し、行政関連業務に携わる企業にも同じアナログな仕事様式を押し付け、日本の企業組織やビジネスパーソンの国際競争力を下げ、ひいては国力低下につながるのです。
■第四に【民間企業の残業の原因】となっています。省庁からの深夜のメール、短納期の依頼が社会に発信され、それをこなすために大企業が中小企業にさらなる短納期の依頼をするような構造があり、霞が関・永田町が日本の残業の震源地となっています。
■第五に【行政ミス・パワハラ・不祥事の温床】になります。人間の脳が集中力を発揮できるのは朝目覚めてから13時間以内であり、起床から15時間を過ぎた脳は、酒酔い運転と同じくらいの集中力しか保てないため、国家を担う仕事におけるミスが増加することになります。(参照:不眠による疲労と作業効率 Dawson D, Reid K. Fatigue, alcohol and performance impairment. Nature.388(17):235.1997をもとに佐々木司 https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/jikan/pdf/02_02_01.pdf )
また、6時間以上の睡眠を取らないと脳のストレス解消が始まらず、ストレスが日々蓄積していくことが解明されています。睡眠不足は、脳の怒りの発生源である扁桃体を活性化させ、扁桃体の活動を抑制する前頭前野の機能を低下させるので、パワハラ・セクハラ・不祥事等のモラル崩壊の引き金となります。省庁の過酷な労働環境から、こうしたハラスメント体質が生まれ、それが民間企業へ伝播するのです。
(参照:YooS.S.etal:The human emotional brain without sleep — a prefrontal amygdala disconnect. CurrBiol,Vol.17,No.20,pp.R877-878,2007 をもとに高橋正也 P34
https://www.iatss.or.jp/common/pdf/publication/iatss-review/36-2-04.pdf
(参照:【情報労連リポート】2017.04月号 特集「川人 博 - 過労死事件の多くで長時間労働とパワハラは同時に起きている」 http://ictj-report.joho.or.jp/1704/sp03.html )
なぜここまで、この問題が解決せずにきたのでしょうか。各省庁の残業の大きな要因は、国会開催時期の国会議員の深夜に及ぶ質問通告対応です。しかしこの改革に官僚自身が少しでも行動を起こすと、過去事態は悪化してきました。
ほんの一例を示すと、2019年に大型台風が来て帰宅困難になる予報が出ているのに深夜に大量の官僚を待機させて帰れないほどの質問通告した議員がいました。官僚がツイッターで告発したところ、議員の質問内容を外部に漏らした情報漏洩だ!と論点が変えられ、官僚が窮地に陥りました。その後は、早い時間に質問通告はくるものの、その質問内容が「待機児童について」などの1行だけ。実際に質問される詳細は不明なため、全方位的に想定問答を用意することになり、関係する部署すべて待機がかかり、以前以上の残業になりました。こうしたことが、霞が関と永田町の間で、過去なんども繰り返されている攻防です。こうした問題を、官僚の労働環境の過酷さという問題に矮小化し、官僚自身や、省庁による事態の改善に任せていたら、第一~第五で挙げた、私たち国民の不利益が取り返しのつかない深刻さとなります。
22時以降は誰も省庁に残っておらず、説明に呼ぶにはWEB会議をするしかない、となればアナログな政治家もついにデジタル化せざるを得なくなります。これで初めて政策にITが適切に活用されることでしょう。私たちは、選挙でデジタル対応に前向きな議員をしっかり見極めて投票していくことも重要です。ワーク・ライフバランス社では、今後デジタル対応している議員のみをリストアップした「デジタル実践議員宣言」についてもリリースを予定しています。
コロナ禍によって、世界から大きな遅れをとっていた省庁のテレワーク体制もついに整備され始めつつある今、
署名により、省庁・議員に働き方改革をせまっていきます。
この署名は、河野太郎 行政改革担当大臣と各省庁の大臣にお届けします。
㈱ワーク・ライフバランス代表 小室淑恵によるメディア説明会、発起人によるオンラインイベントも予定しています。取材をご希望のかたは、広報 三山・新井 までお問い合わせください。
発起人のメッセージ
#霞ヶ関深夜閉庁要求運動
◆株式会社ワーク・ライフバランスについて
2006年創業、以来14年にわたり企業の働き方改革により業績と従業員のモチベーションの双方を向上させることにこだわり、働き方改革コンサルティング事業を中心に展開。これまでに自治体・官公庁も含め企業1,000社以上を支援。残業30%削減に成功し、営業利益18%増加した企業や、残業81%削減し有給取得率4倍、利益率3倍になった企業など、長時間労働体質の企業への組織改革が強み。
会社名:株式会社ワーク・ライフバランス
代表者:代表取締役社長 小室 淑恵
サイト:https://work-life-b.co.jp/
創立年月:2006年7月
資本金:1,000万円
主な事業内容:
・働き方改革コンサルティグ事業・講演・研修事業
・コンテンツビジネス事業・コンサルタント養成事業
・働き方改革支援のためのITサービス開発・提供
「朝メール.com」「ワーク・ライフバランス組織診断」「介護と仕事の両立ナビ」「カエル会議オンライン」
カードゲーム体験型研修「ライフ・スイッチ」
実績:1,000社以上
国土交通省、鹿島建設中部支店、住友生命保険相互会社、アイシン精機株式会社、内閣府、三重県、埼玉県教育委員会など
・代表 小室 淑恵プロフィール
2014年9月より安倍内閣「産業競争力会議」民間議員を務め、働き方改革関連法案施行に向けて活動し、2019年の国会審議で答弁。2019年4月の施行に貢献。国政とビジネスサイドの両面から働き方改革を推進している。年間200回の講演依頼を受けながら、自身も残業ゼロ、二児の母として両立している。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像