地域資源の循環を目指して農林業、ものづくり、デザインを実践する株式会社やまとわが「森の企画室」をスタートしました ~森の文脈と社会の文脈をデザインでつなぐ~
㈱やまとわ(本社 長野県伊那市、代表 中村博)は、2024年8月31日より持続可能な未来を育むために“自然”に関わることをデザインする「森の企画室」をスタートしました。
自然と共存していくために「デザイン」ができることがある
自然と社会・暮らしをつなぎ直すことを目指して、森の企画室がはじまります。
私たちは森づくり、農業、ものづくり、堆肥づくり、家づくり、企画づくりと、地域の資源循環を面白く進めていくことを目指している会社です。地域にあった暮らしを考え、地域にあったビジネスをつくっていくことで、手入れが進まない森林課題や環境問題、気候変動にアプローチをしています。
私たちの実践から生まれたのが今回の「森の企画室」。「自然への知識や経験 × 編集とデザイン」を組み合わせて、自治体や企業、個人の方々の自然に関する課題を一緒に考えるチームです。抽象的なことを少し具体化すると、例えばこんな感じです。
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森林を調査して、ビジョンをつくる
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自然との接点を企画をする
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自然のことを伝える
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プロダクトをつくる
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ブランディングするなど
日本の森林の現状って?
日本は国土の約67%を森林が占めている世界有数の森林大国。森に入る人や森林業界の担い手の減少や木材価格の低迷などがつづいた結果、日本では手入れが届いていない森林が増えています。森林は自然なもので、手入れや伐採がいらないと思う方も多いですが、実際は戦後に人が植えた人工林において、植えたまま放置してしまっていたり、人の手入れが必要な場合の方が多いのです。里山や雑木林においても、数十年前までは薪やエネルギーとして利用していたため人が手を入れていたところを突然放置することで、様々な問題が生じています。その一つとして大きいものは例えば、シカやイノシシ、クマが里に降りて、畑を荒らしたりする被害の増加があげられます。
森に手を入れないことで発生する自然災害を含めた課題は、森に手を入れ関心を向けていくことでしか解決していくことができないものです。
なぜ、デザインが必要なのか?
森の現状を多くの人が知らないのは、今となっては仕方ないと思っています。普段、森に接する機会がほとんどなく、森には入ってはいけない、と教えられてきたと思います。
しかし、もう一度森の手入れをして、自然や動物、人間にとっても豊かで優しい森林を日本中で増やしていきたいと考えています。
そのときに重要になるのが、自然の知識とデザインを組み合わせて、どんな森になっていくのが良いのか、についてその土地土地で考えることだと思っています。その土地の当事者の方や企業、行政の方々と一緒になって森林の未来を考えるために「森の企画室」を立ち上げました。
幅広い専門性を持ったスタッフ
やまとわには、森林に関わる様々な専門性を持ったメンバーがいます。木こりやフォレスター(森林総合監理士)、農家、家具職人、家具デザイナー、編集者、クリエイティブディレクター、ライターなど。こうしたバックボーンの異なるメンバーが事業部を越えてチームを組み、コンセプトワークから企画設計まで実施します。時には、プロダクトをつくったり、時には、コンテンツをつくったり。その時々その場所に必要なことを考えます。
これまでやまとわでは、森とまちをつなぐ企画と運営、自然資源を生かした商品開発、地域材を活用した空間設計、自然の基礎調査など様々なことをやってきました。
事例1:森とまちをつなぐ企画と運営「INA VALLEY FOREST COLLEGE」
「50年の森林ビジョン」を策定した伊那市と協働で開催。
“森に関わる100の仕事をつくる”というコンセプトのもと、2020年にスタートしました。森✕教育、森✕まちづくり、森✕食といった様々なテーマをもとに、林業だけでない森の価値づけについて、業界や地域を越えた講師や参加者とともに学び、語り合います。
4年間でのべ約1,000人の申し込みをいただき、受講後に伊那谷へ移住した参加者は家族も含めると約40名、関係人口として様々な形で関わって下さっている方も多くいらっしゃり、伊那の森とのつながりも増えています。
事例2:自然資源を生かした商品企画開発「Kimamaベンチ」
“乗鞍高原のシラカバを地域で使う文化をつくっていきたい”とご相談いただき、釘や防腐剤を一切使用しない、自然に朽ちていくベンチづくりのワークショップを行いました。朽ちたらまたみんなで作る。循環するものづくりです。
乗鞍に暮らす人と乗鞍を訪れる人がワークショップで楽しみながら木と触れ合い、ともにベンチをつくる。地域材であるシラカバを使ったベンチを通じて、人と人をつなぎ、さらに乗鞍に人が集う。2021年より毎年、秋に開催しています。過去4回のワークショップで、のべ80名が参加、24台のベンチを制作しました。
事例3:自然資源を生かした商品企画開発(自主事業)「信州経木の文具 Shikibun」
伊那谷の地域材である赤松を薄く削り出してつくる「経木(きょうぎ)」をつかった文具の自社ブランド。伊那市にある手製本の会社「美篶堂」にご協力いただきながら、これまで木のノートを2種類、木のブロックメモを発売。
地域の資源を活かし、「心ほぐれる、“生きている文具”」をコンセプトに、ロゴマークや文具、箱をデザインして商品化しました。
森の企画室OPENにあたって、記事を公開
森の企画室のOPENにあわせて、greenz.jpさんに取材いただきました。編集長の増村江利子さんが、やまとわのこれまでや取締役 奥田の思いを分かりやすく記事にしてくださいました。
▽森の課題は“激ムズ”で、最高に面白い。森林ディレクター奥田悠史さんに聞く、やまとわ「森の企画室」が実践する、未来へとつづくための道づくり
https://greenz.jp/2024/08/31/yamatowa_mori-no-kikakushitsu/
▽森の企画室webサイトはこちら
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