食品ロスを新たなタンパク質に循環させる、国産食用コオロギを使用したブランド「C. TRIA(シートリア)」に冷凍パンとレトルトカレーが登場
食品ロスのみを餌として育てたコオロギ食品2種を9/29(水)より自社ECで販売
また今回の新商品2種に使用されている食用コオロギは、徳島大学との共同研究成果を応用し、おいしさや安全性を損なうことなく、飼育過程で与える餌をすべて食品ロス(食品が生産・加工される過程で生まれる残渣)に置き換えて国内生産されています。こちらのコオロギは10月以降「C. TRIA」の既存ラインナップや、無印良品「コオロギせんべい」をはじめとした他社との協業、飲食店向けに卸しているコオロギ原料にも順次使用していく予定です。
■循環型食材“サーキュラーフード”と自社ブランド「C. TRIA」
コオロギは食品ロスを餌として育てることで、捨てられるはずだった食材を再度タンパク源としてアップサイクル可能であり、その糞は農作物の肥料として活用することができます。これらの特性からグリラスはコオロギを、「コオロギ」「農業」「食料」の3つの間に新しい循環を生み出すことのできる食材“サーキュラーフード”と位置付けており、この“サーキュラーフード”をコンセプトとしたオリジナルブランド「C. TRIA」を2021年6月より展開しています。
6月のブランドオープン時には、はじめてコオロギを食べる方にも気軽にお試しいただけるよう、クッキーとチョコクランチの2種のお菓子を展開。第2弾となる今回のラインナップでは、より多くのシーンでコオロギが食の選択肢となれるよう、主食であるパンと主菜となるカレーをご用意しました。
また徳島大学と共同で行っている研究の成果により、今回の新商品で使用されているコオロギは、飼育過程で与える餌をすべて食品ロスに置換しています。これによって商品ごとに削減された食品ロスの概算値を算出可能となりました(詳細な数値は次ページ「商品概要」に記載)。
コオロギの餌には小麦の生産過程で生まれる農業残渣のフスマ等を使用しており、特に小麦が主原料の冷凍パン「C. TRIA ブレッド」は、小麦の“食品部分”(小麦粉)と、“食品ロス部分”(フスマ)を活用したグリラスパウダー(粉末化したコオロギ)を組み合わせて生産しています。
■「食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー : 9/29(水)」について
国際連合が定める「食料のロスと廃棄に関する啓発の国際デー(International Day of Awareness of Food Loss and Waste)」は食品ロスの削減を掲げた国際的な記念日であり、今年で2回目の開催となります。
この主導機関であるFAO(国際連合食料農業機関)は「技術の導入、革新的解決策(市場開拓のためのeコマースプラットフォーム、格納式モバイル食品加工システムなど)、食品の品質を管理し、食料ロス・廃棄を削減するための新たな手法や好事例の実践が、この変革を実現する鍵となります。」と説明しており、グリラスは世界の食料問題の解決を目指すフードテックカンパニーとして同日の新商品発売を決定しました。
(参考:http://www.fao.org/japan/portal-sites/international-days/0929/es/ )」
■新商品①「C. TRIA ブレッド」~パン屋さんの手作りパンを冷凍でお届け~
パンの酵母とグリラスパウダーの豊かな香りを楽しめる冷凍パンです。「カイザーロール」「大豆粉ロール」「高菜フランス」「ごぼうフランス」「くるみチーズ」「こしあんフランス」の6種類で、各種1個入り6個セット・各種2個入り12個セットをご用意しました。
グリラス初となるパンの開発は、冷凍とITで地域のパン屋と消費者をつなぐプラットフォームを構築する、株式会社パンフォーユー(本社:群馬県桐生市、代表取締役:矢野 健太、以下「パンフォーユー」)の提供する、パンのOEMプラットフォーム「パンフォーユーBiz(https://biz.panforyou.jp/oem02.html)」サービスを通じて実現しました。パンフォーユー独自の冷凍技術で冷凍したパンなので、パン屋さんの“焼きたてのおいしさ”を保った状態で、1ヶ月以上冷凍保存可能です。また、焼成済みのパンなので、自宅でいつでも好きな時に、冷凍庫から取り出し温め直すだけで、手軽にお楽しみいただけます。
■新商品②「C. TRIA カレー」~レトルトパウチ加工で食品ロス化を回避~
トマトの酸味とグリラスパウダー(粉末コオロギ)の旨味を掛け合わせた「トマトカレー」、青唐辛子の辛みとココナッツミルクのまろやかな風味をコオロギの持つ香ばしさが引き立てる「グリーンカレー」、コクの深いイカスミと全体の5%を占める濃厚なグリラスパウダーの相性が抜群な「イカスミカレー」の3種をご用意しました。また既存の畜産が抱える環境負荷に配慮し、代替肉として大豆ミートを使用しています。
商品は小豆島に本社を構え、古くは佃煮から最新の「宇宙日本食」まで幅広く商品を取り扱う宝食品株式会社(本社:香川県小豆郡、代表取締役社長:大野 英作、以下「宝食品」)と共同で開発。レトルトパウチ加工を含めた宝食品の高い衛生管理技術により常温での長期保存が可能となり、食品ロスとして廃棄されるリスクを低減できると共に、災害時等の備蓄としてもご活用いただけます。
■商品概要
■食用コオロギ関連事業の背景について
2019年6月に国連より発表された報告書によると、今後30年で世界人口は現在の77億人から97億人へと20億人の増加が見込まれ、急激な人口増加に伴う飢餓や栄養不良といった食料問題への対応が喫緊の課題と言われています。特に動物性タンパク質の不足は顕著で、1億トンを上回ると予測されています。一方で、日本を含めた多くの国々では年間13億トンにも上る食品ロスが発生しており、その量は全世界で生産されている食品の約3分の1に相当します。深刻な食料不足が見込まれているにも関わらず、食品ロスが発生しているという相反した社会課題の解決策として、食用コオロギが期待されています。
昆虫は他の家畜と比べて1kgのタンパク質を生成するのに必要な餌や水の量が圧倒的に少ないため、限りある資源の有効活用が可能です。加えて温室効果ガスの排出量も少なく、環境負荷の低いタンパク源といえます。またコオロギは雑食の昆虫であるため餌の制限が少なく、世界中で発生している食品ロスを餌として飼育することが可能です。この特徴からコオロギは、捨てられるはずの食品ロスを活用して新たなタンパク質を生み出すフードサイクルが実現できる循環型食材であり、今後持続可能な社会の構築に求められる“サーキュラーフード”になると考えています。
■株式会社グリラスについて
グリラスは、徳島大学における25年を越える研究を基礎とした、世界でもトップレベルのコオロギに関する知見やノウハウを活かすべく、2019年に設立されたフードテックベンチャーです。2020年5月には株式会社ジェイテクトと業務提携を行い、食用コオロギを量産するシステムの開発に着手。徳島県美馬市の廃校を新たな生産拠点として整備し、自動生産システムの導入を進めています。また新たに、徳島県美馬市内の廃校を世界初となる、コオロギの品種改良を目的とした研究施設として整備しました。
また日本国内で安心・安全に生産した食用コオロギを販売することによって、輸送を含めた生産プロセスにおける環境への負荷を最小限に留め、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
・社名 :株式会社グリラス(https://gryllus.jp/)
・事業内容 :⾷⽤コオロギの⽣産
⾷⽤コオロギを⽤いた⾷品原材料および加⼯⾷品の製造、販売
⾷⽤コオロギの飼育管理サービスの開発、販売等
・代表取締役 :渡邉 崇人
・所在地 :徳島県鳴門市撫養町黒崎字松島45-56
・生産拠点 :徳島県美馬市美馬町字南原22-1
・研究拠点 :徳島県美馬市美馬町入倉657
・資本金 :2億8,200万円(資本準備金等を含む)
・設立 :2019年5月
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