アルファフュージョン、シリーズBの資金調達によりアスタチン創薬を加速
~複数の臨床入りパイプラインとサプライチェーン構築で世界の放射性医薬品開発をリード~
アルファフュージョン株式会社(代表取締役CEO:藤岡直、大阪府大阪市北区)は、総額10.2億円の第三者割当増資を実施しました。本増資においては、新規参画となるベンチャーキャピタル(VC)としてSBIインベストメント株式会社と、既存株主である大阪大学ベンチャーキャピタルがコリードとなり、金属大手企業のCVCをはじめとした複数の新規VCが参画しました。
日本が世界にリードする革新的がん治療法を一日も早く世界に届けられるよう、株主とも連携し、研究開発とサプライチェーン構築を最大加速化して参ります。
アルファフュージョンが世界をリードするアスタチン創薬
アルファフュージョンは、「アスタチン(At-211)を用いた標的α線核医学治療」を世界のがん患者に届けるために立ち上がったスタートアップです。アスタチン創薬の臨床パイプラインを有するリーディングカンパニーとして、アスタチンの特性を活かしたパイプライン開発及びサイクロトロンを用いた効率的なサプライチェーン構築を、日本を中心とした世界各国で進めています。
標的α線核医学治療(Targeted Alpha Therapy; TAT)は、創薬プラットフォームとして多くの薬剤を創出する基盤となることへの期待が大きい分野です。
欧米では直近1年で、アクチニウム(Ac-225)のパイプラインを有するスタートアップをグローバルメガファーマが数千億円単位で相次いで買収するなど、これまで放射性医薬品に投資してこなかった企業も一挙にTAT領域でのパイプライン獲得とサプライチェーンケイパビリティの取得に動いています。
アスタチン(At-211)は、短寿命ゆえの臨床上の安全性、ハロゲン核種ゆえの低~中分子に共有結合で直接導入可能、原料の入手の容易さおよび、サイクロトロンによる製造のしやすさ、といった利点が大きな注目を浴びています。
これまでの事業進捗と今回の資金調達
前回2023年5月のシリーズA資金調達(1st クローズ・2ndクローズ)から、アルファフュージョンは下記の通り大きく事業を進捗させてきました。
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1st パイプライン (甲状腺がん、P1進行中):高用量投与を進め、推奨用量の特定に目処(リンク)
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2nd パイプライン (前立腺がん、P1進行中):最初の患者に世界で初めて[At-211]PSMA-5薬剤の投与が完了(リンク)
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3rd以降のパイプライン:複数のパイプラインを自社および共同研究にて研究開発中
→23年7月、QST千葉との共同研究を開始:腫瘍特異的なターゲティング(リンク)
→23年8月、QST高崎/新潟大との共同研究を開始:新規アスタチン標識基盤技術(リンク)
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サプライチェーン構築:国内外において各治験薬の製造準備が進捗し、将来的なサプライチェーンの在り方を描く
→24年上半期、高効率アスタチン製造実現のための施設である大阪大学TATサイクロトロン棟が竣工(リンク)
→24年上半期、国内治験薬GMP製造設備のセットアップ、海外CDMOとの連携が進捗
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知財:パイプラインに関わる、製造方法・物質・用途の各種知財の特許査定
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研究拠点:大阪大学の研究拠点に加え、24年上半期につくば(SakuLab-Tsukuba)など複数の研究拠点を国内にて追加
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チーム:アドバイザリーボードの強化、製薬企業として必要なファンクションの強化(サプライチェーン開発、CMC、品質保証、臨床開発、薬事 ほか)
今回の資金調達を通じて、パイプラインのさらなる研究開発と企業主導臨床試験の準備、国内外での治験薬GMP製造含むサプライチェーン体制の強化、チーム体制の拡充を進め、アスタチン創薬の強みを事業成果とエビデンスで示して参ります。
シリーズBにおける引受先一覧(順不同)
<新規株主>
・SBIインベストメント株式会社(SBI Venture Fund2023A投資事業有限責任組合、SBI Venture Fund2023B投資事業有限責任組合)
・三井金属鉱業株式会社(Mitsui Kinzoku-SBI Material Innovation Fund)
・神戸大学キャピタル(KUC1号投資事業有限責任組合)
・常陽キャピタルパートナーズ(つくばエクシード2号投資事業有限責任組合)
<既存株主(フォローオン)>
・大阪大学ベンチャーキャピタル(OUVC2号投資事業有限責任組合)
・D3 LLC (D3バイオヘルスケアファンド1号投資事業有限責任組合)
・日揮株式会社(日揮みらい投資事業有限責任組合)
アルファフュージョン 代表取締役CEO・藤岡のコメント
この1年、アルファフュージョンとしても大きな事業進捗を遂げてきました。アスタチンの「短寿命」x「ハロゲンゆえのパイプライン拡張可能性」x「サイクロトロンによる安定供給」といった特性を活かし、パイプラインの研究開発とサプライチェーンの構築を今後も戦略的に進めていきます。市場も大きく動き、海外ではTAT領域でのM&Aや大型資金調達が続いています。TATの本格的なパイプライン開発が続く中、今回の調達をステップとして、今後は企業主導臨床試験や治験薬GMPグレードのアスタチン製剤の製造、さらなる事業ステークホルダーを巻き込んで創薬の実現に向けて突き進んで参ります。
本ラウンドに参画した投資家からのコメント
SBIインベストメント株式会社 投資部 マネージャー 小澤将一
近年のがん治療は、エンハーツやキイトルーダ、オプジーボといった画期的な抗がん剤が開発されたことで多くの患者様を救い、その結果がん生存率の向上に寄与しています。しかしながら、未だにがんは日本国内で1番、世界的に見ても2番目に多い死因と報告されており、さらなる治療法の創出が求められています。アルファフュージョンが手掛けるアスタチン創薬は、多様なリガンドを活用することで安全かつ強力にがんを駆除することが期待でき、既存がん治療の恩恵を得られていない患者様にとって必ず救いとなると評価いたしました。また、アルファフュージョンは世界でもこのアスタチン創薬をリードしており、将来必ず患者様に届けられるチームであることから、我々は出資を決断しました。今後もSBIグループを通じアルファフュージョン社を支援致します。
Mitsui Kinzoku-SBI Material Innovation Fund
三井金属鉱業株式会社 事業創造本部 市場共創推進部長 曽我部信義
当社はパーパスである「探索精神と多様な技術の融合で、地球を笑顔にする。」を基軸に、持続可能な社会の実現に貢献する新規事業の創出に取り組んでおります。
アルファフュージョン社への出資を通じ、当社が培ってきた「マテリアルの知恵を活かす」ことで、アルファフュージョン社とともにアスタチンを用いたがん治療薬のサプライチェーン構築などの課題解決に取り組み、「アスタチンを用いた標的アルファ線核医学治療」の社会実装を目指して参ります。
大阪大学ベンチャーキャピタル 投資部 担当部長 魚谷晃
当社はアルファフュージョン社(AF社)が開発する革新的ながん治療薬(アスタチン創薬)が、世界中のがんに苦しむ患者にとっての福音となることを期待して、初回投資に続き追加投資をさせていただきました。
AF社のアスタチン創薬は、様々なリガンドとアスタチンを組合せてがんに対して連続的にパイプラインを創出できる創薬プラットフォームをコア技術としており、同領域で世界をリードする存在になれると考えています。AF社は大阪大学と強固に連携し、アスタチンの製造から薬剤化まで行い、2021年からの医学部付属病院での医師主導治験、さらに今年度新たなパイプラインでの医師主導治験も開始しており、事業も着実に進捗しております。当社では新たな放射線核医学治療の確立に期待しており、引き続き支援を行って参ります。
アルファフュージョン株式会社について
アルファフュージョン株式会社は、主に大阪大学及び科学技術振興機構(JST)産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA QiSS)の成果に基づき設立された、アスタチン(At-211)創薬の社会実装を担うスタートアップです。
近年急速に世界的に大きく注目される標的アルファ線核医学治療分野において、日本発のオリジナリティを活かし、アスタチン創薬の可能性を解き放っていきます。世界水準にてパイプラインの研究開発から事業開発まで進めることで新たながん治療の実用化を目指し、この革新的なモダリティをがん治療の基盤へと導いていきます。
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問い合わせ先
info@alpha-fusion.com
担当:広報担当
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