AI・自動運転分野の試験需要に対応 急速温度変化チャンバーにハイパフォーマンスモデルをラインアップ
試料温度を20℃/分で勾配制御し国際的な試験規格に適合 ―低GWP冷媒搭載―
エスペック株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役 執行役員社長:荒田 知)は、2025 年4月、急速温度変化チャンバーに、試料温度を20℃/分で勾配制御し、半導体の業界試験規格及び国際試験規格に適合したハイパフォーマンスモデルをラインアップします。
生成AIやデータセンター、自動運転などで用いられる高性能半導体は高集積化・高密度化により発熱量が増大しており、開発過程において信頼性確保に向けた試験需要が増加しています。半導体の性能評価の一つとして、急速かつ一定の速度で温度を変化させる温度サイクル試験が国際規格で定められており、近年、より厳しい温度変化速度として試料温度20℃/分の試験が新たに必要となりました。
今回発売する急速温度変化チャンバー ハイパフォーマンスモデルは、-70℃から+180℃までの温度範囲において、試料温度で従来の15℃/分に加え20℃/分の勾配制御を実現し、国際的な試験規格であるJEDEC規格※1やIEC規格※2に適合した温度サイクル試験が可能です。さらに、低GWP冷媒「R-449A」(GWP=地球温暖化係数※3)を標準搭載し、フロン排出抑制法(フロン類の排出を抑制し、地球温暖化を防ぐための法律※4)に対応しています。本製品により、急激な温度変化にさらされる高性能半導体や車載用電子部品の信頼性確保に貢献します。
当社は今後も、環境試験器のトップメーカーとして、AIや自動運転などの先端技術分野の課題解決や発展に貢献する環境配慮型製品・サービスの提供・拡充に向けて取り組んでまいります。

■ 急速温度変化チャンバー(TCC-151W-20)
<特長>
1.試料温度を20℃/分で制御可能
試料温度を勾配制御することによって、より正確な寿命評価が可能です。
2.JEDEC/IPC規格に対応
半導体パッケージの信頼性試験規格のJESD22-A104の要求事項である15℃/分以下の温度サイクル試験法および実装基板評価試験のデファクトスタンダードであるIPC-9701(15℃/分~20℃/分)に適合しています。
3.IEC60068-2-14規格改正版の要求事項に適合
エレクトロニクス、自動車市場などで使われている国際規格IEC60068-2-14Nb(定速温度変化試験)が改正され、より厳しい温度変化速度20℃/分以上の試験が追加されました。本製品は、最新のIEC規格の要求事項にも適合しています。
4.低GWP冷媒「R-449A」を標準搭載
二元冷凍システムの高温側冷媒「R-404A(GWP値3920)」の代替冷媒として、低GWP冷媒「R-449A(GWP値1397」)を採用し、GWP値を64%削減しました。
<主な仕様>

温度範囲 |
-70℃~+180℃ |
温度変化速度 |
20℃/分 ※試料5kg(ガラスエポキシ基板)+治具4kg設置時 |
テストエリア容積 |
160L |
内法(mm)/ 外法(mm) |
W800×H500×D400 / W1000×H1808×D1913 |
※1 JESD22-A104
半導体業界における規格制定組織であるJEDEC(Joint Electron Devices Engineering Council)が、半導体デバイスの信頼性試験、温度サイクル試験方法として定めた試験規格
温度変化速度は15℃/分以下(推奨10~14℃/分)
※2 IEC 60068-2-14 Nb
国際電気標準会議(IEC)によって発行された電気技術製品の環境試験に関する国際規格で
電子機器・部品や車載電気・電子機器の定速温度変化試験として定めた試験規格
温度変化速度は、1℃/分、3℃/分、5℃/分、10℃/分、15℃/分、20℃/分、25℃/分
※3 GWP(地球温暖化係数)
Global Warming Potentialの略。二酸化炭素を基準にして、ほかの温室効果ガスがどれだけ温暖化する能力があるかを表した数字のこと。値が小さいほど環境負荷が少ない。
※4 フロン排出抑制法
フロン排出抑制法ポータルサイト:http://www.env.go.jp/earth/furon/index.html
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