米作り体験で「汚れるのが楽しい!」町工場が高校生18名が創る探究学習 ー 斬新なPR案を続々発表

AI時代にあえて「農業」を選んだ高校生たち。泥んこ体験から生まれた実践的な提案が、地域課題解決への新たな産学連携を形作ります。

ヤマナカ

「土の感触って、気持ちいい!」― 教科書を離れ、田んぼの泥に足を踏み入れた高校生からこぼれた、素直な一言です。金属製品製造の株式会社ヤマナカ(本社:茨城県結城市、代表取締役社長:山中 崇)は、2025年6月8日(日)、茨城県立鬼怒商業高等学校の1年生18名(農業コース履修者)と共同で「雑草取り体験」および「グループディスカッション発表会」を実施しました。本取り組みは「探求学習」の一環として、農業の現場で直面する課題を「自分事」として捉え、解決策を主体的に考える力を育むことを目的としています。5月の田植え体験で使用したもみ殻燃料の炊飯具「にわ先かまど」も振り返りながら、生徒たちからSNS活用や農具説明書の作成など、実践的な改善提案が多数発表されました。

【地域の未来を憂う町工場の決意ー「ものづくり×農業」で探求学習の場を創出】

雑草取り体験で泥と格闘する高校生たち。「土の感触が気持ちいい」という素直な感想も

株式会社ヤマナカは、1971年の創業以来、精密板金加工を主軸に事業を展開してきました。しかし、山中社長が2年前、当時3歳だった娘の将来を考えた際、母校を含む地域の小学校5校が再編される計画を知り、強い危機感を抱きました。

「実際に母校を訪れると、ほとんどの教室が使われず、まるで時が止まったかのように静まりかえっていました。その光景に、胸が締め付けられる思いでした。しかし、学校入り口の一角には国指定史跡「結城廃寺跡」の展示があり、父が所有していた田んぼから出土した遺跡の写真もありました。この歴史ある故郷と、子どもたちの未来を、ものづくりの力でなんとかできないだろうか」と山中社長は当時を振り返ります。

この想いから、2023年にライフスタイルブランド「アッシーリス」を立ち上げ、農業体験を核とした教育支援活動へと繋がりました。今回の鬼怒商業高等学校との連携は、高校生を対象とした本格的な「探究学習」プログラムの第一歩となりました。興味深いことに、鬼怒商業高等学校では「地域振興コース」(約90名)と「農業コース」(約40名)の履修者数が、話題の「AIコース」(約30名)を大きく上回っています。

今回参加した18名は、AI全盛の時代にあえて「農業」を選んだ生徒たち。体験回ごとにメンバーを入れ替えながら、より多くの農業コースの生徒に実践的な学びの機会を提供しています。デジタル技術が注目される中で、土に触れ、地域とつながる学びを求める若者たちとの連携は、山中社長の想いと見事に合致しました。

【泥と知恵に触れる体験ー「汚れること」から生まれた新たな気づき】

手押し除草機「田ころがし」を使った雑草取り。初めての道具に戸惑いながらも夢中に

今回の探求学習は、5月に行った田植え体験に続く第2弾です。

田植え体験の様子はこちらからご覧いただけます

雑草取り体験:「汚れる」ことの価値を再発見

当日は、初夏の陽射しが田んぼを照らす中、田んぼの雑草取り体験が始まりました。生徒たちは恐る恐る田んぼに足を踏み入れ、手押し除草機「田ころがし」などの伝統的な農具に挑戦しました。「うわっ、足が埋まる!」「藻がすごい!」といった驚きの声があちこちからあがりました。

 しかし、泥の感触に戸惑いの声をあげながらも、次第に夢中になり、汗をかきながら雑草と格闘する頼もしい姿が見られました。「土の感触が気持ちいい」「汚れるのが楽しい」「久しぶりに田んぼに入ってなつかしさを感じた」ー素足で感じる泥の温もり、土の匂い、友達との共同作業。そこには、デジタル世代の高校生たちが普段味わえない、生きた学びがありました。

「雑草を取らないと、お米に必要な栄養が取られてしまうことがわかった」「農家の人たちの苦労と自然との共生の大切さを感じた」「手押し除草機が角度によって土を取ったりで難しかった」ー体験を通じて、農業の本質に触れる気づきも次々と生まれました。

過去の体験を振り返りー「にわ先かまど」が生んだ食への関心

今回の雑草取り体験に先立ち、生徒たちは5月の田植え体験で、同社が金属加工技術を応用して開発した「にわ先かまど」(「ぬかくど」を現代版にアレンジしたもの)での炊飯を体験していました。この炊飯専用かまどは、伝統的な炊飯方法を現代のライフスタイルに合わせて改良したもので、電気やガスに頼らず、昔ながらの知恵と現代の技術で美味しいご飯を炊き上げます。燃料には、稲作の副産物である「もみ殻」を利用し、工夫する楽しさという豊かさが詰まった「0円炊飯」が可能です。

グループディスカッションでは、生徒たちに香ばしいお焦げの香りや、湯気の立つ炊きたてご飯の記憶が蘇りました。「家で炊いたご飯より、ぬかくどで炊いたご飯はおいしかった」「ぬかくどで炊いたご飯は初めて食べた。そういう『初体験』ができるのは良い」「ぬかくどのご飯をまた食べたい」「チャーハンも食べてみたい」ー食の体験が、確かに生徒たちの心に刻まれていることがわかります。

【高校生の視点が生んだ実践的提案ー体温の感じられるアイデアが続出】

グループディスカッションで熱心に意見を交わす生徒たち。教室とは違う活発な議論が展開

体験後は、生徒たちは5つのグループに分かれてディスカッションを実施しました。「体験を通しての気づき」「今後の米作り体験への提案」をテーマに、高校生ならではの視点で活発な意見を交わし、発表会に臨みました。体験を通じて課題を「自分事」として捉えたからこそ生まれた、高校生たちの感性が光る、まさに「生きたアイデア」の数々でした。

【生徒たちから提案された主なアイデア】

  • SNSを活用した情報発信(最も多かった提案)

  • オリジナルキャラクターをつくり、ブランドの認知度を向上させる

  • にわ先かまどの料理レシピの提案

  • 結城市中心部へのチラシ配布で地域への浸透

  • 長期休み期間でのイベント開催で参加しやすさを向上

特に注目すべきは、「道具の名前や使い方を紙にまとめてほしい」という実用的な提案が複数の生徒から出たことです。楽しかったという思い出だけで終わらせず、学んだことを自分たちの知識として定着させたいという、真摯な探求心の表れにほかなりません。

【今後の展望 ー 「にわ先かまど」ブランドと共に、継続的な学びの場を創出】

アッシーリスが開発中の「にわ先かまど」シリーズ。伝統の知恵と現代技術が融合

同社では、生徒たちから受け取った貴重な提案を真摯に受け止め、以下の展開を計画しています。

1. 生徒たちのアイデアを、カタチに

SNSを活用した情報発信の強化

農具説明資料の作成を検討

「にわ先かまど」を活用した炊飯体験プログラムの企画

2. この学びの火を、絶やさない

秋の稲刈り体験(9月予定)への継続参加

より高度なテーマでのディスカッション機会の提供

年間を通じた農業体験カリキュラムの構築

3. 「にわ先かまど」を、全国の食卓へ

同社は、生徒たちの「おいしい!」の声に背中を押され「ぬかくど」の知恵と金属加工技術を結集させ、現代のライフスタイルに合わせた「にわ先かまど」ブランドの開発を本格化します。もみ殻で実現する「0円炊飯」の知恵は、日常を豊かにするだけでなく、災害時にも役立つ確かな備えとなります。私たちはこの商品を、「半歩先の豊かさ」を届けるアッシーリスの新たな象徴として、全国へとお届けします。

【山中社長の決意ーFieldから生まれたバトンを未来へ】

「『汚れるのが、こんなに楽しいなんて!』。太陽の下で泥だらけになって笑う高校生の、あの弾けるような声と笑顔に、私たちの進むべき道の答えがあると強く感じました。私自身、娘の未来を想い、静かになってしまった母校を見た時の危機感が原点にあります。効率や便利さだけではない、土の感触や友達の声、自らの手で創り出す喜びこそ、子どもたちに残したい本当の豊かさなのだと、再認識しました。高校生たちが体験から生まれた提案というバトンをしっかりと受け止め、この結城の地から、『Field to Mouth』の感動を、次の世代へ繋ぐ挑戦を続けてまいります」

株式会社ヤマナカは、金属加工業の枠を超え、地域と食の未来をデザインする企業として、次世代育成と地域活性化に貢献してまいります。

イベント概要

雑草取り体験・グループディスカッション発表会

開催日時:2025年6月8日(日)8:30~12:00

会場:株式会社ヤマナカ 所有田んぼ(茨城県結城市)

参加者:茨城県立鬼怒商業高等学校1年生 18名(農業コース履修者)

主な内容:

雑草取り体験(手押し除草機等の伝統農具使用)

過去の田植え体験や「にわ先かまど」体験の振り返り

グループディスカッション・発表会

今後の改善提案の共有

関連イベント

田植え体験:2025年5月実施(「にわ先かまど」での炊飯体験を含む)

株式会社ヤマナカ

所在地:茨城県結城市大字矢畑字結城寺前157

代表者:代表取締役社長 山中 崇

創業:1969年3月

設立:1971年7月

従業員数:12名

事業内容:

金属製品製造業(精密板金加工、レーザー切断、プレス加工、溶接、組立)

農業事業(果樹栽培・販売、独自開発の組立式果樹棚「モバイルグリーンガーデン」等)

ライフスタイルブランド「アッシーリス」運営

URL:

金属製品製造事業:http://www.yamanaka-u.co.jp

アッシーリス事業:https://assyllis.jp

本件に関するお問い合わせ先

株式会社ヤマナカ / アッシーリス

広報担当

TEL:0296-35-0567

Email:https://assyllis.jp/contact

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学校・大学農林・水産
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会社概要

株式会社ヤマナカ

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URL
http://www.yamanaka-u.co.jp
業種
製造業
本社所在地
茨城県結城市大字矢畑字結城寺前157
電話番号
0296-35-0567
代表者名
山中崇
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1971年07月